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5月17日 「あさって」マラソン

いったいなんぞや?と思うかもしれません。「あさって」とは、2006年10月放送アニメ「あさっての方向」で、マラソンとは、全話一気見のこと。ちょうど他にやることも見るものもなかったので、以前非常に感銘を受けた同作品12話を一気に見ることにしました。

何故あさっての方向なのかと言えば、昨日iTunes Storeでアニメ関連の音楽をブラウズしていた時に、この作品のサントラのサンプルを聞いて、思わず作品の風景を思い出したからです。この作品は特に優れた音楽性を有していて、映像と音楽が深くシンクロして記憶に残っていたのでしょう。

最近は、既に1度見た作品を見返して、改めてその作品の魅力を思い出したり、新たな魅力に出会ったりすることがよくあります。(現在視聴中のNANAなど。)ひだまりスケッチやけいおん!など、何度見ても楽しいという作品もありますが、DVDに保存してしまったものは、新作のチェックもあるせいでなかなか再視聴の時間が取れないために、これまで殆ど見てきませんでした。なので、今日のような、雨降りで他に用事もない日に巡り会うこともそうそうなく、DVD一気見には貴重な機会でした。

「あさっての方向」は、ゆっくりした流れで進むストーリー展開と、突然の変化に困惑しつつ、徐々にその変化を受入れて行く主人公達の心情変化が丁寧に描かれていて、極端に恋愛に走ったり涙を誘うような露骨な感動もないものの、見ていて心が温まる作品です。その作風をピアノの旋律を効果的に使った背景音楽が盛り立てて、最高の作品に仕上げています。

そんな作品の評価は、今回見ても変わることはなく、再びの心地よさとほのかな感動が心を包んでくれました。登場するキャラクターみんなが、心の澄んだ人たちで、美しい世界観にも仕上がっていました。最後のハッピーエンドに至るまでの流れが上手いなぁと感心しきりです。

思えばこの作品は、アニメの見方を大きく変えた思い入れの深い作品でもあります。恋愛やコメディに頼らない日常を描いたもので、ここまで気持ちを入れ込める作品があるのだと驚いたものです。そんな気持ちに、今回もさせてくれたこの作品、少なくとも自分の心の中にはずっと残り続けるでしょう。

まだ見返したい作品は色々あるので、この「マラソン」企画は、また時間が取れたらやりたいです。ちなみに予定している作品は「ななついろドロップス」「True Tears」あたり。

(作品評価データ)
「あさっての方向」(BS-i 全12話 原作:山田J太 製作:J.C.STAFF)
(4.8、4.5、4.6、4.5、4.1、3.9、4.3、4.6; 35.3pt)
 願いを叶えてくれるという言い伝えのある願い石。その前で願い事をしている五百川からだ(藤村歩)と出くわしたアメリカ帰りの野上祥子(伊藤静)。祥子はからだの兄尋(日野聡)と以前恋人関係にあった。この2人がある夜、自然のいたずらか、願い石の力で互いの年齢が入れ替わってしまう。大人になってしまったからだ、逆に子供になった祥子。2人が悪戦苦闘しながら生活し、尋に自分たちを認めてもらう中で、次々発生する様々な苦悩と向き合うストーリー。
物語:願い石による入れ替わりを除いては、リアリティーが突き詰められ、非常に丁寧に物語が進行している。(要素別得点4.8は現在でも精霊の守り人と並んで最高タイ)
世界観:全体的に優しさがあふれていて、とても心地が良かった。
人物:みんな心の澄んだ人たちで、からだを中心に吐露される心情が非常に共感を覚えた。
作画:ストーリー同様丁寧な作画。この頃のJ.C.には安定感があった。
声優:元々出演者数が少ないなか、中程度の声優でまかなっているためこの程度。
魅力:祥子の顔やスタイルに魅力を感じられなかった。最好キャラだけに痛い減点。
主題歌:OP「光の季節」(suara)(4.6)、ED「スイートホームソング」(ゆうまお)(4.0)。どちらも作品の雰囲気によくマッチしている。
劇中音:ピアノの旋律を効果的に使った物悲しげなサウンドが、とても印象的。
by mfbox | 2009-05-18 01:57 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)