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10月22日 夏四半期アニメ総評

今期も沢山のアニメを見させて頂きました。恒例の総評と参りたいと思います。前期が咲、モーパイと強力布陣だったので今期は若干見劣りする所もあるかもしれませんが、それでも33pt以上が9作品と十分な高評価作品が並びました。それでは早速どうぞ。
(14日 十兵衛ちゃん、まほろまてぃっくをアップ。この中に1人妹がいる、もやしもんリターンズは現在視聴中。)
(Sket Danceは全77話通じての再総評。ココロコネクトはカコランダムまでの13話での総評です。エウレカセブンAOはとりあえず22話までの評価で、11月に残り2話放送後再評価予定。)
(うぽっては今期作品、えびてんは次期作品、さんかれあは今期の旧作扱い。)

ゆるゆり♪♪(AT-X 全12話 原作:なもり 製作:動画工房)
(4.1、4.5、4.3、4.6、4.1、4.8、4.7、4.3; 35.4pt)

 無くなった茶道部の部室を占拠してだらりとした活動をおくるごらく部の面白おかしな百合風味の日常を描いたギャグアニメの第2弾。
 前作で予想外にハマってしまった本作。キャラクターや雰囲気、作画に音楽とまんべんなくレベルが高かっただけに2期となる今回は初めから期待が大きかったが、見事にその期待に応えてくれた。キャラクターの登場バランスに若干の難はあったものの、雰囲気はそのままに、しっかり笑えてのんびり見られるアニメに仕上がっていたのではないでしょうか。このまま行けば3期も期待出来そうで楽しみです。

物語:日常の何気ない話を描いているので、あまり話の発展性はないが、それでも楽しい。
世界観:部室以外の場面が多くなったようだが、作品の雰囲気はそのまま、のんびりまったりな雰囲気は引き継がれていた。
人物:キャラクターの関係性や普段見られない繋がりなど、新展開的表現もあった。あまり新しい一面は見られなかったが。
作画:あいかわらずなもり先生は凄いなと思わせる見事な作画力。
声優:前作でほぼ完成されているので、声優に不安は無し。
魅力:出ているキャラはほぼ同じなので、前作で魅力的だったキャラクターは引き続きその魅力を最大限引き出されていた。
主題歌:OP:「いぇす!ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪」(4.7)、ED:「100%ちゅー学生」(4.7)。(共に七森中☆ごらく部(三上枝織、大坪由佳、津田美波、大久保瑠美))。前作に比べアクティブな曲になったが、ごらく部の楽しい雰囲気が感じられる。
劇中音:2期ともなり、”\\アッカリーン//”だけでなく、作風にそった雰囲気あるBGMが効果的だった。

ココロコネクト(AT-X 全13話(別に4話) 原作:庵田定夏、製作:Silver Link)
(4.3、4.7、4.2、4.5、4.3、4.6、4.2、4.1; 34.9pt)

 部活動の決まらない者が集められた5人の新聞部員たちが襲われる様々な異常現象に戸惑いながら、仲間の絆を信じて対応する学園友情ファンタジー。
 この作品の独自性は前から知っていて、特にヒトランダム編のアニメ化は非常に楽しみであった。後半外野が色々騒がしかったが、作品自体は5人の困難に立ち向かう姿が非常に良く表現された秀作だったと思う。

物語:様々な現象に戸惑いながら対処する5人の心情や関係性が緻密に描かれていた。
世界観:不思議な現象の表現が凝っていた。また、5人の中で秘密を共有するという閉鎖的な状態が、心理的にだけでなく、部室や廃ビルの1室など作画的にも表現されていた。
人物:5人が絡む問題の他にも各キャラクターが抱える個人的問題が物語の引き立てに加えキャラの人物像形成に寄与していた。5人を困難に陥れるフウセンカズラの存在がきゅうべぇ(まどか☆マギカ)並になかなかに憎らしい。
作画:表情の繊細な変化で現象の発生を魅せているだけに、人物を中心に丁寧な作画だった。
声優:声優の知名度も十分だが、この作品でのミソは入れ替わりを表現する声優の力量。それと、委員長(伊藤静)初登場時の行動が中の人まんまなのには笑った。
魅力:特徴的な各キャラクターの作画に加え、状況的に隠し様の無いキャラの心情に惹き込まれた。最好キャラは桐山唯(金元寿子)。
主題歌:OP:「パラダイム」(eufonius)(4.7)、「キミリズム」(今井マサキ)(3.7)、ED:「ココロノカラ」(Team.ねこかん[猫] featuring.天乙准花)(4.6)、「cry out」(Team.ねこかん[猫] featuring.atsuko)(3.9)、「salvage」(Team.ねこかん[猫] featuring.片霧烈火)(3.9)。OPはeufoniusの曲にはあまり聞かれない明るさが面白い。EDはどの曲も良かっただけに、5話程度で変わってしまうのは勿体なかった。
劇中音:入れ替わり、欲望解放、過去遡行、それぞれが起こるときの音的効果が演出に効いていた。

境界線上のホライゾンII(BS11/Animax 全13話 原作:川上稔 製作:サンライズ)
(4.1、4.6、4.3、4.5、4.6、4.1、4.3、4.2; 34.7pt)

 各勢力を世界の強国に見立てて歴史再現の名のもと艦隊戦や相対戦など様々なバトルを繰り広げる擬似戦国バトルファンタジーの2期目。前作でホライゾン救出を達成したトーリ率いる武蔵が、トレス・エスパニアの衝突をかわしながら英国に逃げ込み、英国の内情にも肩を入れつつ、英国の名代として歴史大戦・アルマダ海戦に打って出るまでを描いている。
 またライトノベル原作作品が増えてきつつあるが、この作品の良い所は、展開のスピーディーさと作画力で、面倒な設定の説明をやり過ごしてしまうことにあり、流れるように駆け抜ける話の展開は見ていてすかっとする。相変わらず細かい所は理解出来ていないのだが、それでも良くてなおかつなんだか凄いと思わせるサンライズの真骨頂を見た。

物語:前作同様あまり深い内容は理解していない。とりあえず武蔵の連中が何処と争ってるかだけ把握していれば概ね楽しめた。
世界観:英国神殿や艦隊戦の荘厳さやブラッディ・メアリの由来背景など、絵で訴える作品ならではの素晴らしさ。
人物:多国間の話故え登場人物が膨大だが、心情を描くキャラを絞っていたので、人物像の理解はしやすかった。
作画:ド派手かつ緻密な作画が目立つのだが、それでも全てが繊細に描かれているのがさすがサンライズ。
声優:登場人物の多さに比例してキャスト陣も豪華絢爛。今回の最好キャラはネイト・ミトツダイラ(井上麻里奈)。
魅力:キャラクターの作画的魅力は十分ですよ。なんですけど、それを全て打ち消してしまうかのようなトーリ(福山潤)くんの裸オンパレード(笑)。
主題歌:OP:「Zone/Alone」(茅原実里)(4.8)、ED:「悲しみは誰の願いでもない」(結城アイラ)(4.0)、「ソラノウタ」(奥井雅美)(3.6)。OPは前作同様格好良く、心震わせるように歌い上げている。EDは今回も明暗2曲。個人的には評価が上がらないのでこのスタイルは嫌いなのだが。。。
劇中音:戦闘に絡む効果音は戦闘を盛り上げるのに大きな役割を果たしている。


恋と選挙とチョコレート(BS-TBS/AT-X 全12話 原作:sprite/fairys 製作:AIC Build)
(4.3、4.4、3.9、4.3、4.3、4.0、4.6、4.0; 33.8pt)

 次期生徒会選挙の有力立候補者の公約で整理対象の部活に指定された食品研究部が、廃部を逃れるため自ら部員の大島裕樹(中村悠一)を会長候補に担ぎだして、強大な組織を持つ有力候補を相手に無謀な選挙戦を繰り広げる恋愛選挙ドラマティックストーリー。
 原作は恋愛シュミレーションゲームで、典型的なハーレム要素満載なのだが、異色なのは本格的な選挙戦を裏の面も含めて真剣に展開していたことで、選挙を中心としたストーリー展開は目を見張るものがあった。ただ12話という短い話数の中で、選挙だけでなく恋愛展開や陰謀、トラウマといった要素を全てやろうとしたことで展開の駆け足感が特に終盤に感じられたのが惜しかった。

物語:立候補から討論会、予備選挙に売名作戦と、実際の選挙戦さながらに緻密な選挙戦略が展開されていたのは驚きに値する。
世界観:このアニメの選挙戦を見ていて、実際の国政選挙や大統領選挙を思い起こすくらいだから、選挙とはかくありと言えるだけのものはある。
人物:メインを除くヒロインにあまりスポットライトが当たってなかったことと、登場人物の裏の汚い面がストレートに描かれていたのが、ちょっと気分的に良くなかった所はある。
作画:原作の雰囲気が崩れることなく、安定して良作画。
声優:門脇、藤村、水橋など好きな声優は多いが、原作準拠なぶん声優にやや恵まれていない様に感じる。
魅力:ヒロインにヒロインらしい展開が少なく、キャラクターに魅力を感じにくかった。
主題歌:OP:「シグナルグラフ」(Annabel)(4.8)、ED:「風の中のプリムローズ」(Ceui)(4.3)。あのAnnabelがアップテンポ!?という驚きもありつつ、優しさと盛り上がりが同居したノリの良い曲にじわじわとハマった。Ceuiの透き通った歌声も健在。
劇中音:コミカルな効果音はよく使われているが、選挙戦の大きな展開に対する重厚な効果は見られなかった。

氷菓(BS11 全22話 原作:米澤穂信 製作:京都アニメーション)
(4.1、4.3、4.4、4.5、4.1、4.1、4.1、4.2; 33.8pt)

 省エネ学生生活を目指し日々怠惰な日常を送っていた折木奉太郎(中村悠一)が、古典部部室で出会った千反田える(佐藤聡美)が抱く様々な興味に、半ば強制的に、体系的な回答を導きだす学園ライトミステリー。
 文庫本である氷菓シリーズのアニメ化とあって、原作再現度に定評のある京アニが抜擢され、期待度の高かった作品。京アニの良い所は出ていたが、視覚で楽しむミステリと言うにはちょっと物足りないかも。これを機にラノベ以外の文庫からもアニメ化が進むと良いな。

物語:長編は続きが気になる展開でよかった。短編は作中の奉太郎よろしく効率的な展開で見やすかったが、ネタが分かりやすくあまり驚けなかった。
世界観:田舎町の雰囲気はよく出ていたが、会話劇と謎解きが主体なので、それで作品の質が左右されるわけでもない。
人物:えるが興味を示して奉太郎が解決すると言う単純な流れに留まらない、人間関係や各キャラの内面が巧く描かれていた。
作画:京アニですから、ここは心配の余地無し。えるのキラキラな過剰演出が、後半にはやらなくなったなと。何かの伏線?
声優:える役佐藤聡美が「気になります」ので見ていました(笑)。ゲスト声優がやたら豪華な最終回など気になる要素はあるが、全体的には声優ポイントはそれほど高くない。
魅力:ミステリ作品故ではあるが、各キャラがなかなか内面を見せてくれないので、人物を掴むのが難しい。結果何処に魅力を感じたら良いのかも分からなかった。
主題歌:OP:「優しさの理由」(Choucho)(4.1)、「未完成ストライド」(アツミサオリ)(3.9)、ED:「まどろみの約束」(4.0)、「君にまつわるミステリー」(4.2)(共に 千反田える(佐藤聡美)&伊原摩耶花(茅野愛衣))。主題歌がかからない回が比較的多く、主題歌の存在意義が問われかねない状態でしたが、各曲とも雰囲気はあった。映像に関しては京アニらしく凝っていて、特に第2EDはストーリー仕立ての凝った演出が面白かった。
劇中音:心情表現や学園祭など、細かい所に気を配ったBGMが光った。

戦国コレクション(TVH/AT-X 全26話 原作:KONAMI 製作:ブレインズ・ベース)
(4.2、4.1、4.3、4.3、4.4、4.6、3.8、3.9; 33.6pt)

 何らかの力により、現代に飛ばされた戦国武将たちの、現代で生きる姿を描いた戦国風非日常ファンタジー。
 戦国武将(とは限らない)1人に1〜2話かけてスポットを当て、外画などの著名作をオマージュした凝ったストーリーで、元の時代を思いつつも、現代を一生懸命に生きる姿を描いていたのは意外。また戦国女体化ものかとタカを括っていたら、思わぬ面白さにしてやられました。

物語:名作の主人公を武将に置き換えて話を進めているので、話の流れが分かりやすかった。ただ、それに気づくのにかなりの時間を要してしまったのが惜しい所。
世界観:現代でストーリーを組み立てているのが本作の風変わりな所。それだけ史実がどうとか気にすることも無く作品の自由度が上がった。
人物:各話で焦点となるキャラを絞っていて人物の理解はしやすい。それに加えて現代で関係を作った現代人との交流の描き方が秀逸。
作画:雰囲気作りには定評のあるブレインズということもあり、個性的な雰囲気も素直に見入ることが出来た。
声優:単話しか登場しない声優も多い中、比較的豪華なキャストが揃っていた印象。最好キャラは焦点を当てられたストーリーも良かった豊臣秀吉(名塚佳織)と武田信玄(新谷良子)。
魅力:実際の所名前さえあればあとは何でもござれなので、どのキャラも魅力的な女性(笑)に仕上がっていた。
主題歌:OP:「目を閉じてギュッしよ」(ABCHO) (3.5)、「Back into my world」(sweety)(4.1)、ED:「unlucky girl」(sweety)(3.7)、「ダーリンとマドンナ」(吉川友)(3.9)。作品の評価が出遅れた原因の1つが無特徴な前期OP/EDかも。作品を好きになってからの後期OPは展開が進みそうな疾走感が感じられた(実際はたいして進まなかったけど)。
劇中音:展開にメリハリをつけるBGMはそれなりにあったが、重要な要素にはなっていなかった。

アクセルワールド(HBC/AT-X 全24話 原作:川原礫 製作:サンライズ)
(4.3、4.6、4.0、4.4、4.0、3.8、4.2、3.9; 33.2pt)

 ネットリンク装置を身につけて生活する時代、ネット内に秘密裏に存在する加速世界でのバトルを生き甲斐にする少年少女たちの実世界・ネット世界両方での生き様を描いた近未来バトルファンタジー。
 本作を見終わってまず思ったのは、惜しかったということ。ストーリーの配分を完全に誤ったと言わざるを得ない。原因は性格の悪い能美征二(小林由美子)との争いで後半を使い切ってしまったこと。対策を打っては別の要因に阻まれ、見苦しい策略に苦しめられる展開が1クール続いて、見ていて楽しいわけが無い。原作的にこの戦いが大きなウェイトを占めていようと、主人公たちの目的はより高みにあるし最上位ランカーはまだ全て健在なのだから、最終話まで中堅レベルでしかない能美などとじゃれ合わずに最上位ランカーの少なくとも1人とはバトルしてほしかった。それ以外は設定など目をみはるものが多く、ハルユキ(梶裕貴)の成長物語としても楽しめた。

物語:加速世界に身を置いた少年少女たちの存在意義や勢力図、戦闘の意味など緻密な設定ながらも概ね理解出来た。
世界観:加速世界の存在が実世界との対比で巧く表現されており、素直に飲み込めた。若干の難点は加速世界への入り込みの際に「バーストリンク」以外の言葉を使う時の状況の差が見えなかったことくらいか。
人物:加速能力者にも様々な考え方があり、多様な人格者がいる。ただ能美1人の存在がポイントを下げている。現実世界のみの人間は殆ど接点がなく登場もない。
作画:スピード感を前面に押し出すために、まさにぬるぬる動く作画となっている。ホライゾンと貧乏神がを掛け持つサンライズがよくやったなと。
声優:ヒロインに三澤を起用したのは悪くはないと思うが、それ以外に新鮮みのある声が聞けなかった(つまりお馴染み)。ニコ(日高里奈)は面白かった。
魅力:元々主人公を魅力無く描いているのでポイントは上がらない。それに輪をかけたのが能美の性悪さ。
主題歌:OP:「Chase the World」(May'n)(4.6)、「Burst the Gravity」(ALTIMA)(3.8)、ED:「→unfinished→」(KOTOKO)(4.8)、「ユナイト」(三澤紗千香)(3.6)。前期は作品の盛り上げを主題歌からも煽っていた。後期は一転、あまり印象に残らなかった。
劇中音:仮想世界でのバトルを散々盛り上げた割にBGMの印象が残ってないと言うのが何とも。。。

織田信奈の野望(AT-X 全13話 原作:春日みかげ 製作:Studio五組 x MAD HOUSE)
(4.2、3.8、4.1、4.7、4.3、4.2、3.9、3.9; 33.1pt)

 過去に飛ばされ、気がつけば戦国時代のまっただ中。目の前で死んでしまった後の秀吉に成り代わる形で時の大名織田信奈(伊藤かな恵)に従うことになった相楽義晴(江口達也)が、名だたる大名たちの信頼を勝ち取りながら信奈とともに天下統一を目指す戦国異世界バトルアニメーション。
 こちらは戦国コレクションとは違い、戦国時代にしっかり合戦を行う比較的史実に沿った展開(戦国武将の多くが女性化しているが)。信奈を実際の信長のように第六天魔王化させないため様々な過去改編を行うのだが、なぜか史実が擦り寄って来る不思議な展開も見せる。戦闘シーンなどは切迫感が感じられ、作画力の高さが示されている。ただ、その他は比較的平凡で、結局は作画アニメ。

物語:史実を義晴が知っているという設定を巧く使って、戦闘を有利に進め、織田軍の強さを維持しているのは巧い展開。
世界観:過去改編をやりすぎ。そしてずれた史実を元通りこなすため多少無理のかかる展開にしている感がある。
人物:信奈や義晴に忠実な家臣ぞろいなのは良いことなのだが、どのキャラも合戦にあたりあまり深く考え込む様子が見られない。
作画:何を置いてもこの要素だけは譲れない。表情といい戦闘シーンといい、今年最高の作画を見せてくれている。
声優:中堅どころと新進気鋭が集まった印象。生天目さんと矢作さんがいるので+0.2。
魅力:魅力的なパーツ(幼児体型含む)を持つキャラが揃っているが、そこから1つ突き抜ける要素をどのキャラも持ち合わせていない。
主題歌:OP:「Link」(愛美)(4.1)、ED:「ヒカリ」(みずたまきの)(3.6)。OPはバトルを喚起させる勢いのある曲。EDは我が十勝出身の新人。物悲しい細い声が徐々に染みて来たけど好きになるまでは至らず。
劇中音:戦時の雄叫びや太鼓の音があったくらいで、BGM自体が控えめだったように思う。

Sket Dance(TVH 全77話 原作:篠原健太 製作:タツノコプロ)
(4.2、4.0、4.4、4.3、4.5、4.1、3.5、4.0; 33.0pt)

 校内の何でもお助け団として活動する3人の生徒を中心とする笑いも感動も有りの日常スペクタクルアニメ。
 ジャンプアニメらしい長期継続作品(6クール)となった。人助けと言う訴求力の高いテーマを扱い、個性的なキャラクターが揃い、それぞれが卓越した才能を持つ主人公たちによる少しだけ常識を超えた活躍が見所。テンポの速さが秀逸で、笑わせる所はこれでもかとツボを押しまくり、シリアスでも魅せる二面性を持った作品だった。

物語:終盤はマンネリな部分もあったが、感動あり笑いありの1話完結オムニバスが中心で、話のまとまりが明快。
世界観:ジェネシスなど突発的に場外に出ることはあっても基本学園生活なので特徴的な世界観は無い。
人物:助っ人をしているのだから主人公たちの性格がいいのは当たり前。周囲は変人ぞろいだが、それでも嫌み無くしっかり話に絡んで来ているのが凄い。
作画:比較的実寸に拘った人物画で、実直な高校生といった感じが出ている。
声優:主人公たちや脇キャラなど惜しみなく有名どころを使っているが、ゲスト声優の豪華さにも驚かされる。それにしても豊口とか折笠とか、扱いがひどい(笑)。
魅力:可愛いとか繊細とかいうような目立った魅力が引き出されているわけではないが、キャラの個性がそのまま魅力として描かれているような作品だった。
主題歌:多数あるので省略。印象的なものでは、OP:「かっこ悪いI Love You」(フレンチキス)(4.0)はAKBだが初期の盛り上げに一役買ったし、番組と深い関係になったthe SketchbookのOP「Message」(4.0)や「clear」(4.0)はスケットらしいメッセージ性のある楽曲に仕上がっていた。その他はヒット性にも乏しく、印象的な曲は無い。
劇中音:あまり無かったがボッスンの集中時の効果音や、ダンテ(GACKT)関連の音楽面などいくつかの見所はあった。

輪廻のラグランジェ Season 2 (STV 1期総集編+全12話 オリジナル 製作:XEBEC 協力:Production I.G.、日産)
(3.9、4.0、4.1、4.5、4.2、4.2、4.2、3.9; 33.0pt)

ラン(瀬戸麻沙美)とムギナミ(茅野愛衣)が故郷の星系に戻り、再び1人でのジャージ部活動に勤しむ京乃まどか(石原夏織)。そんなまどかの知らない所で再び起きてしまった争いに巻き込まれる、美少女ロボスペーススペクタクル。
 前期はなんだかんだで話題も巻き起こり、結構いい評判のまま終わったが、壮大に宇宙を巻き込んでからのストーリーがどうにも難ありで、設定も後付け感があって一番盛り上がるべき所で盛り上がりに欠けた作品だった。主人公たちがお気楽な雰囲気なのにド直球シリアスな展開では方向性が見えない。作品の総合的なポテンシャルは悪くないだけに、もうちょっとしっかりした作り込みをしてほしかった。

物語:迷走はしていないと思うが楽しめるストーリーではなかった。
世界観:鴨川デイズは見たので1〜2期の繋がりは把握しているが、それでも唐突な戦闘という感は否めなかった。あと鴨川とシリアスは合わない。
人物:主人公3人は前期で出来上がっているので、今期では外堀を埋める番だったが、ディゼルマイン(小野大輔)の性格が最後まで固まらず、王の風格も感じられなかった。
作画:人物の崩れも無く、ロボットもしっかり動いていて、作画面は高いレベルが維持されていた。
声優:新キャラが登場したわけでもなく、前作から変化無し。
魅力:前作では唐突感のあった各キャラの仕草も馴染んで来て、魅力として見られるようになった。
主題歌:OP:「マーブル」(中島愛)(4.6)、ED:「ジャージ部魂」(鴨女ジャージ部)(3.6)、「忘れないよ」(中島愛)(3.7)。1期に続いて中島愛の良曲がOPを飾ったが、TRY UNITE!ほどのキャッチー感は無い。ED(魂)は正直歌として魅力は感じない。
劇中音:1期のサウンドが良かっただけにそれに比べると印象が薄い。

TARI TARI(Animax 全13話 原作:EVERGREEN 製作:P.A.WORKS)
(4.0、4.0、4.1、4.4、3.8、4.2、3.9、4.3; 32.7pt)

 声楽部での失敗から音楽への熱意を否定され悩む少女。才に恵まれた母親の死をきっかけに音楽に向き合えなくなった少女。そんな少女達が手近な少年等も巻き込んで新たに合唱部を作り自分たちの音楽を表現しようと励むスクールミュージカルドラマ。
 本作の舞台は江ノ島。P.A.の新たな挑戦として始まった本作だが、それぞれの音楽へ向き合う気持ちがよく表現されていると、世間的には評判が高い。ただ、個人的には音楽という直接的な手段で語られてしまっているのが微妙にツボに会わないことと、作中合唱やミュージカルが嫌いな人間なので、本作の評価は元々上がらないと分かっていた。その中でこのスコアはきっと健闘だと思う。とは言え、一応今期の期待の5作の1つだったんだけど。。。

物語:音楽、そして歌いたいという気持ちを原動力に、発表会の実現にこぎつける良く出来た物語ではある。ただ前述の通り個人的に肌に合わない部分がある。
世界観:物語に直接関係して来るとは思えないが、江ノ島の雰囲気はよく出ていた。江ノ島は他作品でもよく出て来るのでごまかしがきかないのもポイント。
人物:宮本来夏(瀬戸麻沙美)は正直うざい。あの強引さが鼻につく。他のキャラも含め音楽に向き合う気持ちは買うが、一癖が悪い方に作用している。
作画:P.A.の作画力は今回も如何なく発揮されている。
声優:歌の上手さに定評ある声優を集めているのだろうが、私の食指には引っかからない声優ばかりだった。
魅力:キャラクターの仕草やセンスは魅力的なものとして評価したいが、性格は受け付けない部分がある。本来最好キャラになるはずの沖田紗羽(早見沙織)も我の強さで周りを困らせるなど魅力的とはかけ離れた行動を取っている。
主題歌:OP:「Dreamer」(AiRI)(4.0)、ED:「潮風のハーモニー」(白浜坂高校合唱部)(3.8)。OPは飛躍を期待させるアクティブなイメージ。EDはテーマである合唱をそのままやってみたという印象だが上手い。
劇中音:音楽を主題にしている作品なので、サウンド面や作中合唱曲などは評価しなければならないだろう。





じょしらく (全13話 原作:久米田康治 製作:J.C.STAFF)
(3.9、4.3、3.8、4.3、4.0、4.0、3.9、4.1; 32.3pt)

 この番組は女の子のかわいさをお楽しみいただくため、邪魔にならない程度の差し障りの無い会話をお楽しみいただく番組です。というコンセプトのもと、5人の女子落語家が危険な時事ネタ等を織り交ぜたおしゃべりや楽屋内でのイベント、東京近郊に出かけての町紹介などで構成されたガールズ落語アニメ。
 とりあえず落語の皮をかぶったスタッフやりたい放題アニメということでよろしいでしょうか(笑)。挑戦的なネタが次々飛び出し、見てるこっちがハラハラしっぱなしでした。町歩きでの5人の服装センスなど、キャラクターの魅力を引き出す小技も結構効いており、見ていて楽しい、と素直に感想が出て来る良いアニメだったと言えよう。


カンピオーネ〜まつろわぬ神々と神殺しの魔王〜 (全13話 原作:丈月城 製作:ディオメディア)
(3.9、4.1、3.9、4.2、4.0、4.3、3.9、3.9; 32.2pt)

 神話に描かれる神に対抗出来る強大な力を持つ神殺しと呼ばれる存在の1人であることが明らかとなった草薙護堂(松岡禎丞)が、自らを慕う魔術師や姫巫女等の助けを借りながら、自らの異能の力を糧に迫り来る様々な神や神殺しと戦う姿を描いた異能バトルラブファンタジー。
 正直な感想を言うと、何か凄い派手さはあるんだけど、話が複雑で理解出来なかった。ワーナー川瀬P+ラノベの組合せ(禁書目録、神メモなど)でこれまでも見られた、質の高さにストーリーがついていかないパターンに今回もハマってしまった感じで、本作に至っては、ストーリーの不明瞭さを肌色成分と戦闘シーンの激しさでごまかしている感が強く感じられ、気にくわない。

ゆるめいつ3でぃPlus+ (全13話 原作:saxyun 製作:C2C)
(3.8、4.0、3.8、4.0、4.1、4.0、3.8、4.0; 31.5pt)

浪人生活を下宿で送るようになって久しい相田ゆるめ(桃井はるこ)らメゾン・ド・ウィッシュ住人の、究極に堕落した生活を面白おかしく描いたドタバタコメディ。
 本作では、浪人であることすら何処に行ったとばかりに、前作以上に下宿での住人らの馬鹿騒ぎが馬鹿さを増し、ますます堕落した生活ぶりにかなり心配になるも、面白さとお気楽さは相変わらずで、毎週楽しい3分間でした。

エウレカセブンAO (全22話 原作・製作:BONES)
(3.7、4.0、3.9、4.1、3.8、3.9、3.7、3.9; 31.0pt)

 沖縄が日本から独立した世界で、磐戸島に住む青白の髪の少年フカイ・アオ(本城雄太郎)が、全世界を悩ませるスカブバーストやシークレットの攻撃に対抗するためIFOニルヴァーシュに乗って多くの激戦に挑むフライングバトルファンタジー。
 前作交響詩篇エウレカセブンの世界観を引き継ぎつつも、現代に近い時代に地球がまだ今のままの姿でいる頃の物語となっており、前作の主要要素であったトラパーの波に乗るとか伝承と言った要素は排除され、ニルヴァーシュのような人型戦闘機とエウレカの存在だけが残り、新たな物語として展開されている。ただ、レントンを中心に豪快な展開を見せた前作に比べ、戦いの意義や、圧倒的な力量差の宿敵トゥルース(井上和彦)の存在意義などが見いだせないまま、話が右往左往しているように感じられ、ストーリー的にのめり込めるような要素がない。そもそも続編を想定していなかったのでは?と思わせるように展開の稚拙さが目立ったのは残念だった。

貧乏神が!(全13話 原作:助野嘉昭 製作:サンライズ)
(3.8、3.8、3.7、4.2、4.0、3.8、3.7、3.8; 30.8pt)

 異常な幸運の持ち主である桜市子(花澤香奈)と、幸福エナジーを奪い取るため貧乏神界からやって来た貧乏神の紅葉(内山夕実)を中心とした容赦ないどつき合いが展開されるハードコアバトルコメディ。
 他作品のパロディが多数展開されるとの噂を聞きつけ、ニャル子の後継として見始めた作品。そのため、内容については気にしてなかったが、徐々にパロディの割合が低下し、内容の薄さが顕在化して来た。花澤香奈の怪演も話題だったが、結局はアクションシーンに頼ってしまった。

うぽって (全10話 原作:天王寺キツネ 製作:XEBEC)
(3.7、3.9、3.8、4.1、3.7、4.0、3.6、3.9; 30.7pt)

 各国の代表的な銃を擬人化したキャラクターたちによる、銃器達が通う学園での演習や対抗戦の様子を描いた萌えガンアクションコメディ。
 銃の擬人化という特殊な形態をとった風変わりなアニメで、元が鉄砲なだけに、撃ち込みのシーンが割合多くなっている。画は美少女キャラ化しているが、比較的話が重い話数もあり、バランスが取れていない点が微妙。ニコニコ動画で先行配信されたが、視聴は3ヶ月遅れのBS11によっている。

(遅れ視聴)さんかれあ(全12話 原作:はっとりみつる 製作:スタジオディーン)
(3.7、4.2、3.6、4.1、4.1、3.9、3.6、3.7; 30.9pt)

 ゾンビをこよなく愛する降谷千紘(木村良平)が、死んでしまった飼い猫のばーぶ(福圓美里)の蘇生の過程で出会った令嬢散華礼弥(内田真礼)を、不慮の事故からゾンビとして救い上げ、スリリングな共同生活を送るゾンビサスペンス。
 ゾンビ萌えという新たなジャンルを切り開いて、ラブコメタッチに仕上げるだろうとの大方の予想を裏切り、生と死の狭間の世界や歪んだ親子関係に焦点を当てるなど真面目にシリアスストーリーを展開して来たが、重い話を展開させるほど物語に深みはなかったように思う。最初の頃は礼弥の可愛らしさもあって話題になっていたが、そのうち聞かなくなったのはこのせいかもしれない。

(旧)ちょびっツ(AT-X 全26話 原作:CLAMP 製作:マッドハウス)
(4.4、4.4、4.3、4.2、4.3、4.2、4.0、4.0; 33.8pt)

 浪人生として田舎から都会に出て来た本須和秀樹(杉田智和)が、道端で拾った人間型パソコンを操作法もろくに分からないまま何とか起動し一緒に生活していくうちに、そのパソコンの重大な秘密に向き合う近未来ラブコメ。
 旧作の名作シリーズ第2弾ということで、AT-Xで再放送のあった本作を見てみました。私がアニメにハマる前の作品でしたが、存在は知っており、気になっていたタイトルでした。人間の形をしたパソコンというだけで突飛な設定ですが、そのパソコンと恋をするとか、色々興味深い設定が多く、CLAMPによる作画的な魅力もあります。秀樹の手に入れたパソコン「ちぃ」を巡る様々な秘密が興味深かったですが、「ちぃ」を見ているだけでも和みました。

物語:ちぃ(田中理恵)の起動からはじまり、次々に訪れるハプニングや様々な問題が、主人公のみならず視聴者も飽きさせない。
世界観:人型のパソコンが流通している世界という特殊な世界が一見分からないような日常的な面と高度なコンピュータ世界の一面の二面性が印象的。
人物:ちぃのことに一生懸命な主人公のひたむきさが好感持てる。またパソコンにも気持ちがあるのが特徴的。
作画:まだ画質が粗いせいもあろうが、CLAMP作画の繊細さがやや足りないかな。それでも作画レベルは十分高い。
声優:現在大活躍の人気声優がまだ駆け出しの頃の作品で、今にして思えば豪華な布陣。最好キャラは大村裕美(豊口めぐみ)。
魅力:キャラクターが喜怒哀楽に豊かな表情を見せていて、作画面、心情面ともに魅力的になっている。
主題歌:OP:「Let Me Be With You」(Round Table feat. Nino)(4.2)、ED:「Raison d'etre」(3.7)、「ニンギョヒメ」(3.7)(共に田中理恵)。OPは間もなく解散を迎えるRTfeat.Nの駆け出しの曲で、今なおその繊細さが心地よい。EDは前半のコメディタッチ、後半のシリアスに合わせた楽曲。
劇中音:パソコンの起動音や共鳴など、当時考え得る様々な効果音を駆使していたように感じられる。

(旧作)十兵衛ちゃん〜ラブリー眼帯の秘密〜(全12話 原作:大地丙太郎 製作:マッドハウス)
(3.9、4.0、3.8、3.7、3.7、4.2、3.5、4.1; 30.9pt)

 かつての剣豪柳生十兵衛の念がこもったラブリー眼帯を引き継ぐことになってしまった菜ノ花自由(小西寛子)が、本人の望まぬままにラブリー眼帯により剣士に変身し、竜条寺一門との争いに挑んでいくチャンバラバトルコメディ。
 私が今のアニメ生活を始めた頃に本作の第2期をやっており、初作である本作は以前から気になっていた。自由とラブリー眼帯の邂逅が明らかになり、ドタバタしながらも、自由でありたい気持ちと、それを許さない周囲の状況に苦しむ自由の心理描写が良かった。自由が基本的に根あかなことで、話は重さを感じないで済んでいるが、それ以上に表現的なおふざけが過ぎる印象が散見された。「十兵衛ちゃん」というブランドのおかげで私は見続けられたが、深夜アニメが成熟した今では、このレベルの作品は太刀打ち出来ないと思う。

(旧作)まほろまてぃっく〜もっと美しいもの〜(全14話 原作:中山文十郎+ぢたま(某) 製作:GAINAX、シャフト)
(3.7、3.8、4.0、4.0、3.8、3.9、3.7、3.8; 30.7pt)

 美里優(瀧本冨士子)の家にメイドとして仕えるアンドロイドのまほろ(川澄綾子)が、優の友人たちと楽しい日常生活を送りながら、まほろや優を襲う敵勢力から優を守るために奮闘するメイドバトルラブコメ。
 初めの頃は友人等とほのぼのとした日常を描きつつ、まほろさんや妹的立場のみなわ(清水愛)のちょっとずれた行動を見て笑ったり癒しを感じたりする展開だったが、後半に入り、シリアスに重きが置かれるようになると、まるで救いの無いような展開に理解が追いつかなかったし、見ていて気分も悪かった。一応人気作だったようだが、見終わっての印象はこの上なく悪い。
by mfbox | 2012-10-22 21:34 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)