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7月23日 15年春期のアニメ評価

今春のアニメ番組評価です。この冬が微妙な評価が多かった反動もあってか、非常に充実したクールでした。「ハロー!!きんいろモザイク」にのめり込みすぎて他が見えなくなるということも無く、あまり期待の大きくなかった作品が高得点をたたき出した例が数多くあれば、事前の期待が強かった作品も及第点以上の評価を残すなど、概ね満足の行くものでした。それでは、各作品の評価。どうぞ。
(8/6完成。てさぐれ部活ものスピンオフの評価完了。Fate、ユーフォニアムのポイントを修正。)

「ハロー!!きんいろモザイク」(AT-X/TVH 全12話 原作:原悠衣 製作:Studio五組)
(4.3, 4.8, 4.7, 4.4, 4.2, 4.9, 4.8, 4.3; 36.4pt)
 中学時代のホームステイをきっかけに留学生として来日し仲良く暮らすアリス(田中真奈美)と大宮忍(西明日香)、そして彼女らの親友たちが織りなすきんいろに輝く日常を描いた国際交流系ハートフル日常コメディ。
 まごうことなき今期の最高傑作、という個人的贔屓目な見方を考慮しても、素晴らしい出来を2期でも残してくれたと思います。5人の関係性の深化に加え、新キャラ久世橋先生(大西沙織)とカレン(東山奈央)の関係性の変遷、穂乃花(諏訪彩花)の見かけと異常性のギャップなどの新要素もあって飽きさせません。特にアリスの幼稚性や綾(種田梨沙)の妄想僻の異常さがより顕著になり、物語にアクセントがつき、面白さに磨きがかかっていました。1期は1年間を一気に描いてましたが、今期は夏休みまでの短い期間で終わっており、3期を期待せずにはいられません。
物語:良くある日常を描いたものでストーリー性は無いが、描く期間を短くした分、季節的なつながりが12話を通して見えて来た。
世界観:優しい日常風景が展開され、ほんわかする。前回この要素で大きく貢献した英国の風景は最終話のアリス帰省話で雰囲気たっぷりに描かれていた。
人物:やや変人性が強まった感は隠せないが、どのキャラも例外無く優しさがたっぷりとにじみ出て来る作品に仕上がっていた。
作画:キャラクターの可愛らしさや背景にこだわった作画は健在。ただ、今期に限っては目立つミスが多かったのが残念。
声優:キャラクターが染み付いた声優の演技は素晴らしい。ただ、1期の時とそれほど各声優の活躍度が変わってないのが気になる。
魅力:原作の魅力を余すこと無く引き出している。キャラクターの容姿と性格の可愛らしさ、会話劇の面白さ、どれをとっても一級品。
主題歌:OP「夢色パレード」(4.8)、ED「My Best Friends」(4.8)(共にrhodanthe*)。きんモザと言えばrhodanthe*、というわけで、今期も一度聞いたら惚れざるを得ない素晴らしい主題歌を届けてくれました。今年は生で聞くことも(2度も)叶い、大満足です。
劇中音:のほほんとした作風にあったBGMが印象的。というより、慣れた。ボケの所でBGMを止める技は1期に比べあまり多用してなかったように思う。

「Fate/Stay Night [UBW] セカンドシーズン」(BS11/Animax 全12話 原作:Type-Moon 製作:ufotable)
(4.5, 4.8, 4.2, 4.5, 4.7, 4.0, 4.3, 4.2; 35.2pt)
 何でも願いが叶うと言われる聖杯を巡り、召喚に応じた名だたる過去の英霊とそれを従えるマスターのペアが冬木市を舞台に死闘を演じる聖杯戦争を描いた伝記バトルファンタジーのリメイク。2014年冬に放送された1期の続きとなる。
 2006年に1度作られた本作だが、その後TYPE-MOONと強い結びつきを持った製作会社により改めて製作された。前作とは別ルートで、一度映画化もされているUnlimited Blade Worksをストーリーとして使い、前作と差別化しつつ、作品レベルの底上げを図っている。今期からいよいよUBWルートが繰り広げられ、
物語:劇場版で一度話の流れを知っていたことが、焼き直しの印象が強かった前期に比べ、分岐後の話となった今期では理解度を上げる利点となった。
世界観:さすがは一番の評判と言われるUBWだけあって、Fateならではの世界観というものがよくわかる構成。こちらも劇場版を通じての既視感が良い方向に働いた。
人物:正義を貫くキャラ、醜いまでの曲者っぷりのキャラ、悪者ぶっても心根の優しいキャラなど、随所に各キャラの個性を感じることが出来た。
作画:戦闘シーンの充実ぶりや心象世界の表現など随所に卓越した作画が垣間見えた。血なまぐさいシーンもFateだからこそ遠慮なく表現できる。
声優:声優の充実度から見始めたシリーズなだけに、ここは未だ個人的にハイレベルを維持し続けている。プリヤでおなじみルヴィア(伊藤静)の登場は嬉しいサプライズ。
魅力:Fateシリーズの性でもあるのだが、聖杯の真実が醜いものゆえに、終盤になるほどグロさや残虐性が増してくるのが辛い所ではある。なによりイリヤ(門脇舞以)が過酷な運命をたどるルートでもあるので。。。
主題歌:OP「Brave Shine」(Aimer)(3.9)、ED「ring your bell」(kalafina)(4.5)。OPは重厚な低音と抑えた歌唱が印象的だが、歌い手を知らなかった。EDはkalafinaにしては希望を持てるような曲調だが、重々しい展開と合っていたかは微妙。
劇中音:魔法と剣が重要なファクターとなっており、魔法の使役や双剣の衝突音などがいい味を出していた。また、全体的に悲壮感を漂わせるBGMが印象的。

「響け!ユーフォニアム」(AT-X 全13話 原作:武田綾乃 製作:京都アニメーション)
(4.4, 4.6, 4.3, 4.6, 4.0, 4.2, 4.5, 4.3; 34.9pt)
 演奏経験が豊富な黄前久美子(黒沢ともよ)が進学した高校の吹奏楽部はあまり上手とは言えず、雰囲気も悪かった。それでも入部した吹奏楽部には中学時代に不用意な発言で険悪な関係の高坂麗奈(安済知佳)もいて、出だしから溜め息混じりだったが、新たに顧問となった滝先生(桜井孝洋)のもとで、取り組み方を一新し、メンバーがまとまってコンクールの頂点を目指すまでを描いた吹奏楽青春部活活劇。
 京アニとしては「けいおん!」以来の音楽系部活アニメとなったが、取り組み方や人数に大きな違いがありながらも、構成力と作画レベルはさすがで、ほぼ同等の評価を勝ち得た。作中でも演者のレベルの違いを実際の演奏で表現するなど、実際の吹奏楽を多用して、達成感や充実感と言った側面を強調し、部活に賭ける雰囲気を生み出していたように思う。
物語:まともな演奏が出来なかった部活が、気の持ちようでこれだけの成功を収められるまでに変われるんだという感動を与えたのが素晴らしい。
世界観:イベントやコンクールという演奏を披露する場は雰囲気たっぷりだったし、普段の練習風景からも自分の学生時代における吹奏楽部の存在を思い起こさせる効果的な演出が目立った。
人物:楽器と向き合い、良い演奏がしたいという部員たちの一生懸命さが伝わって来た。ただ、麗奈や田中先輩(寿美菜子)のように内面を読みにくいキャラもいた。
作画:楽器など細部へのこだわりはさすが京アニと言ったところ。そして人物含め崩れなく、今期最高点は譲りませんね。
声優:活躍度という点では様々な声優が登場しているが、取り立てて特徴的な点は無い。黒沢さんが主人公というのに驚いたくらい。
魅力:作画面での魅力は十分なのだが、久美子の達観ともとれる感情やソロパート争いなど部員間の様々なねじ曲がった内面も目立った。
主題歌:OP「Dream Solister」(TRUE)(4.6)、ED「トゥッティ!」(北宇治カルテット(黄前久美子(黒沢ともよ)、加藤葉月(朝井彩加)、川島緑輝(豊田萌絵)、高坂麗奈(安済知佳))(4.6)。OPは最終回で流れた吹奏楽団による演奏も考慮に入れた快活な楽曲。歌唱のTRUEにとっても新たな一面となっただろう。EDはキャラソンの一面はありつつも、歌詞に吹奏楽の用語を多用し、バックもトランペットなどが印象的で作品に寄り添った良曲。
劇中音:吹奏楽がテーマなだけに、音に対するこだわりが半端無かった。無音すらも1つのBGMになり得るのが本作の凄い所。

「放課後のプレアデス」(AT-X 全12話 原作、製作:GAINAX)
(4.2, 4.7, 4.2, 4.5, 4.0, 4.8, 3.9, 4.1; 34.4pt)
 星を見るのが好きなすばる(高森奈津美)は、昔見た流星と思しき現象をきっかけに、プレアデス星人による星のかけら集めに参加させられる。なぜか5人いた仲間の中に昔の親友あおい(大橋歩夕)を見つけたすばるが、運命を感じ共に魔法使いとして箒を模したドライブシャフトを操作しかけら集めに奔走するスペーススペクタクルファンタジー。
 SUBARU重工業との共同プロジェクトとして始まった4年前のYoutube版を経て、アニメ化されたビッグプロジェクト。それゆえ主人公の名前やドライブシャフトのエンジン音が自動車のものとなっているなど、随所にSUBARUの影響が見られている。そうした話題だけでなく、キャラクターの可愛らしさが卓越した作画や際限なく広がる宇宙に合わせて広がるかけら探しのステージなど、見所は満載だった。
物語:星や魔法に上手く絡ませた少女たちの成長物語として良好な出来となっている。ただ、抽象的なまま進む展開もあったりして、分かりにくい部分はあった。
世界観:宇宙の学術的知識をフルに生かしたかけら探しの展開が幾度となく感心させられた。何者にもなれる可能性を話題にしているので、際限なく広がる展開も有りと思える。
人物:かけら探しに奔走する5人だがどこかふわっとしているのはまだ何者でもない5人の立場を上手く表現している。5人とも性格がいいので映像的可愛らしさも相まって愛でたくなる。
作画:キャラクターの作画もそうだが、まるでそこにいるかのような卓越した宇宙の表現もしっかり出来ていた。GAINAXのここまでの高評価は久しぶりかも。
声優:少数精鋭だが、4年前から続く強固な関係を感じる演技だった。
魅力:きんモザにも劣らない今期の中では卓越したキャラクターたちの可愛らしさだった。
主題歌:OP「stella-rimu」(鹿乃)(4.1)、ED「ここから、かなたから」(fragments(すばる(高森奈津美)、あおい(大橋歩夕)、ひかる(牧野由依)、いつき(立野香菜子)、ななこ(藤田咲)))(3.7)。OPは空や宇宙という広い空間を躍動するような活発で明るい曲。EDはもの静かではあるが5人の育まれて行く友情を描いた印象的な曲。
劇中音:魔法やエンジン音などで工夫したBGMの数々。一見合わないようなドライブシャフトのエンジン音も上手くストーリーに絡めさせていた。

「レーカン!」(BS-TBS/TBSCh.1 全13話 原作:瀬田ヒナコ 製作:ぴえろプラス)
(4.4, 4.6, 4.3, 4.5, 3.9, 4.5, 4.0, 4.0; 34.2pt)
 身近で浮遊する霊を認識し会話する霊感能力を持つ天海響(木戸衣吹)の、霊にたいして恐怖心を抱く井上成美(伊藤美来)らクラスメートや、響を慕い良い関係性を築いた霊たちとの暖かい関係性を描いたハートウォーミング学園霊感ファンタジー。
 響の霊にも友達にも分け隔てなく優しく親身に接する姿に魅入られ、良い印象で視聴することが出来た。心温まる霊嫌いと霊との邂逅から来るドタバタを想像していたが、良い意味で裏切られた。
物語:霊が絡んでいながら、ほっこり心温まる関係性を描いた物語で、強い感動があるわけでもないが、何となくジーンと来る。
世界観:霊が普通に存在する世界を、普通の学園ものの日常の中で違和感無く描けている。
人物:響を中心として、生死問わず(笑)非常に良好な関係が築けていて、強い信頼で結ばれた者たち同士ならではの話の展開もあった。
作画:赤が基調の制服は印象が強すぎるのだが、全体的に作画が綺麗で、視覚的にも心が和む。
声優:木戸ちゃんが絡むと売り上げ的な評判が辛いのだが、本作では響の優しさを上手に引き出していた。他も目立った声優はいないが、ろこどる経由で伊藤美来は注目。
魅力:響の優しさが作品全体を包み込むオーラを持っていて、成美のツンデレまでもが魅力的に見えてくる不思議。霊側も様々な魅力を持ったキャラが揃っているのが面白い。
主題歌:OP「カラフル♥︎ストーリー」(3.7)、ED「ケサラン・パサラン」(4.2)(共にevery♥︎ing)。OPは元気っぽさを売りにしたアイドル的楽曲。EDのコミカルな楽曲はわりとツボです。
劇中音:霊が相手なので、ある程度の音的なこだわりは表現されていたように思う。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」(AT-X 全13話 原作:大森藤ノ 製作:J.C.STAFF)
(4.3, 4.5, 4.2, 4.2, 4.2, 4.4, 3.8, 4.1; 33.7pt)
 冒険者と神が契約してダンジョンの攻略にいそしむ世界で、純粋な心を持つベル・クラネル(松岡禎丞)が、その異常な成長速度からレベルを超えた様々な困難に打ち勝ち、冒険世界で大きな存在となって行く異世界冒険ファンタジー。
 ジャンルとしてはSAO同様のラノベ発冒険活劇なのだが、独立した世界であることと神のもとで組まれたパーティーによる団体攻略戦であること、攻略に本当の意味での生死を賭けていることなどからより完成されたフィクションとなっている。ゲーム感覚が無い所にSAOとの差別化が出来ており、ベル君の成長物語としても手に汗握るシーンが多くなかなかの出来映えだった思う。
物語:ダンジョン攻略の中で成長して行くベル君に感情移入出来るほどに、激闘とも言える苦難の冒険とそれによるレベルアップの過程がしっかり描かれていた。
世界観:現世と完全に切り離された独立世界であることがよくわかる完成された世界観がこの作品の売りでもある。だからとことんまで冒険世界にこだわることが出来て、これだけならSAOと肩を並べる。
人物:冒険世界ならではの人となり、気持ちなどが上手く表現されている。ファンタジーではあるが、その実人間関係は現実的に感じた。
作画:ゲームのままだと雑な表情が豊かに表現されているのはアニメならでは。とはいえ、優れた作画というわけではない。
声優:松岡君を主人公にあてるとはまさにSAOを意識した配役。その他もバラエティに富んだ声優陣。端役にも実力派をあてがっているのは、今後を考えてのことか?
魅力:ここはヘスティア(水瀬いのり)を挙げないわけにはいかないでしょう。青い紐は私も注目でした。もちろん冒険世界らしさが随所に表現されていたのも素晴らしい魅力です。
主題歌:OP「Hey World」(井口裕香)(3.8)、ED「Right Light Rise」(分島花音)(3.8)。OPはベル君の澄んだ冒険心のごとく綺麗な音色の曲。だけどなぜ井口?EDは分島さんにしてはかなり明る目に寄った曲調だが、冒険って辛いこともあるけど楽しいんだと感じさせてくれる良い曲。
劇中音:モンスターに強い印象を与えるため、効果音による盛り上げが結構力入っていたように思う。

「SHOW BY ROCK」(BS11 全12話 原作:サンリオ 製作:BONES)
(4.1, 4.3, 4.3, 4.2, 4.2, 4.3, 4.0, 4.2; 33.6pt)
 ギターが得意だが引っ込み思案な性格が災いして部活に入部出来ないでいた聖川詩杏(稲川英里)がいつものように自宅で音楽ゲームしていると突如別の世界へ飛ばされてしまう。そこは音楽がすべてのサウンドワールド。その1つミディシティで成り行きでシアンとしてバンドデビューを果たし、陰謀に巻き込まれつつもバンドの中で成長し実力を発揮していく異世界ミュージックファンタジー。
 3月の旅行中に本作の単独特集ムック本を見つけて興味を持ったのがきっかけで視聴リストのぎりぎり最後に付け加えたノーマーク作品だったが、まさかの大化け。謎多きシアンを中心としたストーリー展開もさることながら、音楽の楽しさや悩みを正面から見せつけたテーマ性やそれぞれに魅力を備えたバンドの数々など、話題性にも富んだ良作だった。
物語:バンド間の競い合いでレベルアップして行く姿や、陰謀を企てた首謀者が心酔するほどのシアンの実力など、目が離せない展開が視聴者を惹き付けた。
世界観:キャラクターファンタジーの王者とも言えるサンリオ企画だからこそ、サウンドワールドの定義がしっかりなされていて、音楽を聴いているだけでその世界に浸れたのは大きい。
人物:方向性の違いや人気・技術の差からくる嫉妬など、心理面の描写が卓越していた。だから、陰謀する側がその心理を突いて来るというのも筋が通る。
作画:全体的に良好な作画。その中でも格好よさ(シンガン)と可愛さ(クリクリ)の極端な差別化が面白かった。人形形態のミューモンは登場させる意味はともかくキャラとして有りだと思った。
声優:音楽がテーマゆえライブなどメディアミックスありきの作品でありながら、これほど揃えて大丈夫かと思うくらいかなり豪華な声優陣となっている。
魅力:キャラクター(バンド)と音楽(楽曲)のシンクロがよく考えられていて、互いが魅力を高め合っている。
主題歌:OP「青春はnon stop」(4.1)、ED「Have a nice music」(3.9)(共にプラズマジカ(シアン(稲川英里)、チュチュ(上坂すみれ)、レトリー(沼倉愛美)、モア(佐倉綾音)))。主人公が入っているのでプラズマがOP/EDとなっているが、その他のバンドもハイレベルな(挿入)歌であり、楽曲センスの高さが伺える。
劇中音:同上。音楽が作品を引っ張っているだけに、当然の充実度。

「ミカグラ学園組曲」(AT-X 全12話 原作:Last Note. 製作:動画工房)
(4.0, 4.2, 4.2, 4.3, 4.0, 4.4, 3.9, 4.2; 33.2pt)
 パンフレットに映っていた女性に目を奪われて私立ミカグラ学園に入学した一宮エルナ(木村珠莉)が目にしたのは、文化系クラブがその威信をかけて派手な戦いを繰り広げる異様な光景だった。所属部活を決められないでいたエルナが様々な部活のメンバーと知り合いながら、自らを信じて無所属のままバトルを繰り広げるハイテンション学園バトルコメディ。
 こちらも意外な高評価だった作品の1つ。エルナの前向きさと積極性が作品のハイテンションぶりを体現していて、作品世界を視覚面からストレートに理解することが出来た。同じボカロ系ではメカクシティーアクターズという失敗例があっただけに心配していたが、キャラクター全面押しで作品が引っ張られ、深く考えないで見ることが出来て、気分的にのせられた面も強い。
物語:部活対抗戦をメインにした能力持ちのキャラクター同士のぶつかり合いが話の主軸であり、深い内容は無いが理解はしやすい。
世界観:対抗戦においてはそれぞれの部活の特徴を生かした必殺技が出るため、そうした必殺技を生み出す各部活の特徴が良く表現されていた。
人物:概ねハイテンションなキャラクターが多く、見ていて楽しいと思える。その中でもエルナの超絶な明るさは周りを巻き込むほどの魅力を持っていた。
作画:派手な動きとキャラクターの表情を両立させる作画が出来ていた。部活ごとに衣装も違い、キャラの特徴を作画で表現する側面もあったように思う。
声優:売り出し中の準新人クラスの声優が揃い、話題性には富んでいた。ベテランがいないが、若さが感じられるキャスティングと言えよう。
魅力:キャラクターの可愛らしさもあるが、作品全体を引っ張ると言っていいエルナの超が付くほどの前向きな性格が非常に印象深く親しみやすくもあった。
主題歌:OP「放課後革命」(4.0)、ED「楽園ファンファーレ」(3.7)(共に放課後楽園部(一宮エルナ(木村珠莉)、御神楽星鎖(大西沙織)、藤白おとね(小澤亜李)))。OP、EDとも作品の全体的な雰囲気特にエルナの性格に大きく依って、聞いていて楽しく盛り上がる曲が揃った。
劇中音:派手なバトル演出のためBGMに力が入っていた。また所謂ボカロ系と言われるだけにキャラクターEDがハイセンスだった。

「山田くんと7人の魔女」(TVH 全12話 原作:吉河美希 製作:LIDEN FILM)
(4.2, 4.3, 4.0, 4.1, 4.1, 4.3, 4.0, 4.0; 33.0pt)
 その風貌と素行から学校内で一匹狼状態となっていた山田竜(逢坂良太)が、学年一の優等生白石うらら(早見沙織)に出くわし、共に階段から転落し、気づくと体が入れ替わっていた。すったもんだの末入れ替わりの原因がキスと判明し、特殊能力があると気づいた山田らが、学校内に存在すると言われる魔女の秘密に迫る特殊能力系スクールリリカルコメディ。
 実は性転系コメディが大好物の私におあつらえの作品キター!と、事前の期待が大きい作品だった。入れ替わって豹変する姿を見るのは楽しかったし、もちろんそれだけでは話が持たないので、その後の様々な魔女とその能力に発展する展開も上手かった。ミステリー的な要素が入っており、徐々に秘密が明かされていく期待感も大きかったように思う。
物語:様々な魔女の能力と魔女を探す展開が面白い。入れ替わりの妙だけで1クール持たせるのは難しいので。それと、入れ替わり騒動の一応の終息という区切りで12話を終わらせたのは評価したい。
世界観:七不思議的な描き方で魔女の存在を表現し、物語事情を把握する上で解りやすかった。
人物:魔女を中心にミステリアスなキャラが多く、物語の展開も早いのでキャラの把握が難しい面はあった。嫌いになるほど性格の悪いキャラはいなかったと思う。
作画:美麗な表情と崩し絵のメリハリがきっちり出来ており、特に入れ替わり状態で効果を発揮した。製作がアルスラーンと被っていて厳しかった所はあるかも。
声優:人気どころで満遍なく固めている。入れ替わりにより事実上男女2役を演じる早見さんがとても楽しそうだった。男性陣のキャストも多く、そちらは若手が目立ってた印象。
魅力:入れ替わって、如何に異性の秘密に迫ろうとする様子を描けるかが入れ替わり作品においては魅力アップの鍵となるし、そこは追求できていたように思う。
主題歌:OP「くちづけDiamond」(Weaver)(4.2)、ED「Candy Magic」(みみめめMIMI)(3.8)。OPは一般系ロックバンドのタイアップではあるが、割と聞きやすい曲調。EDは女の子の甘い秘密を表現した声優もしているタカオユキの歌唱が引き立っている。
劇中音:様々な魔法のシーンや、随所で見られるドタバタのシーンで解りやすいBGMが使われている。

「ハイスクールDxD BorN」(AT-X 全12話 原作:石踏一榮 製作:TNK)
(4.1, 4.3, 3.9, 4.2, 4.2, 4.5, 3.9, 3.9; 33.0pt)
 悪魔リアス・グレモリー(日笠陽子)とその眷属である兵藤一誠(梶裕貴)ら悪魔一族が、修行や悪魔たちの会合への参加などを目的に夏休みを利用して冥界に出向き、不穏な動きを見せる敵勢力との争いに巻き込まれる中で、それぞれに少なからず関係のある難敵とのバトルを描いた異世界エロティックバトルファンタジー。
 エロは強いとばかりに望まれた3期となったHDDだが、再びバトルメインの展開で、熱い戦いに魅入られた。パワーが前面に出ている作品でもあり、エロ暴走よりはパワーインフレの方が面白く、きっちりバトルしてくれているので見応えがあった。エロティックメインで評価を落とした前期から見事に立ち直った。
物語:仲間を想う気持ちと感情の暴走による力のインフレがストーリーの中心にあり、それらを押さえて見ると非常に解りやすい展開だったように思う。
世界観:本作では冥界や時空の狭間など、かなり挑戦的な世界観の醸成に挑んでいたように感じる。話の広がりが上手くいっていることからも成功と言えるだろう。
人物:バトルメインになると敵勢力の性格の悪さが表面化してしまうのでこの評価が低下してしまう。今回はディオドラ(古川慎)が該当し、かなり胸糞が悪かった。
作画:崩れなど無く普通に見られる良作画ではあったと思う。肌色成分はたまに出ていたが、それに依存しない作品になっていたのは高評価。
声優:追加メンバーは出場シーンが少ないため印象が薄いが、当初からのメンバーの人気が3期ともなってすっかり高まった。
魅力:勝ち組AT-Xならではの肌色的魅力はもちろんだが、今までの展開が生きる各キャラの性格・性能的な魅せ方が良かった。
主題歌:OP「Bless YoUr NAME」(Choucho)(3.9)、ED「ギブミー・シークレット」(Stylips)(3.9)。OPは作風に寄せたハードな曲調ではあるのだが、Chouchoにしては少し無理をしてる印象が拭えない。1期以来となるStylipsはよくぞ帰って来たと言わんばかりの元気な楽曲。
劇中音:壮大なバトルを描いた割には盛り上げるようなBGMの印象は少ない。最後の最後に満を持して(?)登場した「おっぱいドラゴンの歌」には笑った。




(旧)「ラブライブ セカンドシーズン」(TVH 全13話 原作:矢立肇 製作:サンライズ)
(4.3, 4.3, 4.2, 4.5, 3.8, 4.4, 3.8, 4.2; 33.5pt)
 統廃合の危機から学園を救った高坂穂乃果(新田恵海)らスクールアイドルμ’sが、スクールアイドルの頂上決戦であるラブライブの頂点を目指し、様々なイベントをこなしながら仲間との関係を深め、μ’sとして大成するまでを描いた美少女アイドルサクセスストーリーの第2期。
 深夜アニメ歴代最高円盤売り上げを達成した本作をいよいよ視聴です。1期ではμ’s結成までの紆余曲折があり「ラブライブ」にも出場していないことから、今期からが本番とばかりに、メンバー間の仲の深まりや様々なライブシーンが展開され、アイドルアニメとして魅せる部分を強調して来たように思う。個人的には1期との大きな差は感じなかったが、全体的なレベルアップはされていたと思う。
物語:1期のサクセスストーリーも良かったが、わだかまりがなくなった2期は全体的に活動が楽しく生き生きしていた。
世界観:スクールアイドルという変わった世界観にも慣れてきたが、等身大の高校生の姿も映し出され、現実感を損なわない作りになっていた。
人物:メンバー間の衝突は少なくなったが、モノ作りや大会前の不安や決意、μ’sの今後など、心情を吐露するシーンは多かった。
作画:安定した作画が作品人気を支えている。サンライズのプロ根性を見た。
声優:続編なので1期と変わらず、ここは評価に変化は無い。
魅力:1期同様キャラクターの視覚的魅力や、μ’sメンバーたちの躍動する姿は、作品の大いなる魅力となっている。
主題歌:OP「それは僕たちの奇跡」(3.8)、ED「どんなときもずっと」(3.8)(共にμ’s)。アイドルアニメらしく、キャラクターを十二分に引き立てたムービーや本編内容とのシンクロなど、よく考えられた主題歌になっていた。
劇中音:挿入歌としてμ’sの楽曲が充実し、実際の売り上げにも通じている。

「ニセコイ:」(BS11 全12話 原作:古味直志 製作:シャフト)
(4.0, 3.9, 3.9, 4.3, 4.5, 4.2, 4.0, 3.9; 32.7pt)
 極道とギャングの争い回避のため恋人のフリを始めた一条楽(内山昂輝)と桐崎千棘(東山奈央)だが、千棘を含め楽の子供時代の約束に関わる様々なヒロインとのハチャメチャな恋模様を描いたハードボイルド学園ラブコメ。
 少年ジャンプの人気作のアニメ化第2弾で、待ち望んだ2期だったが、原作もそうだが、ラブコメ色が強くなり、マンネリの流れを変えるため新キャラを投入するも結局同じようなラブコメ展開になるという、ロングラン原作にありがちな作品展開を、アニメにそのまま投入されてしまった印象で、いつまでも同じものを見せられている印象が拭えず楽しみきれなかった。1期の時の評価では問題としないと書いたが、実際は上手く行かなかったみたいです。
物語:キャラクターの魅力を生かしきれないテンプレートなラブコメをいつまでも見せられた印象。やはり幼少の出来事について新展開が必要だったかも。
世界観:楽とヒロインたちのラブコメばかりになって、1期で積み上げた独特のサツバツした世界観が正直生かされてない印象。
人物:嫌みキャラのクロード(子安武人)の出演がぐっと減ったのでストレスは少なくなっているはずだが、各キャラの行動に目新しさが全く感じられず、キャラへの感情移入がほとんど出来てなかった印象。
作画:前作同様シャフトらしい奇抜な作画は控えめだが、基本安定した作画。化物語のような積み上げの見せ方は割とこだわって作られていたかも。
声優:人気作だけあって追加ヒロインの声優がまた豪華(佐倉、沼倉)。気づけば現在の人気度という観点から見てそうそうたる面子が揃っている。
魅力:主要ヒロインの個性の強さは前作同様なのだが、1クールだったり新キャラ登場もあって、全キャラの魅力を表現するだけの時間が足りない印象。
主題歌:OP「Rally Go Round」(LiSA)(4.2)、ED「曖昧ヘルツ」(桐崎千棘(東山奈央)、小野寺小咲(花澤香菜)、鵜誠士郎(小松未可子)、橘万里花(阿澄佳奈))(3.7)。OPは賑やかな作品の雰囲気を上手く表現した活発で明るい曲だが、歌手がLiSAと考えるとちょっと物足りない気も。EDは主要キャラ4人で歌った元気ソングだが、特にメッセージ性とかは感じられない。
劇中音:取り立てて印象に残る場面がない。

「暗殺教室」(UHB 全22話 原作:松井優征 製作:Lerche)
(4.2, 4.2, 3.8, 4.3, 4.2, 4.1, 3.7, 4.1; 32.6pt)
 月を破壊した脅威の異星人殺せんせー(福山潤)は、軍隊も敵わない無敵の超生物。1年後には地球も破壊すると宣言したその殺せんせーが条件提示し、殺せんせーのみを殺せる武器を託された進学校の落ちこぼれクラスの生徒と、そのクラスの担任に就いた殺せんせーとの、殺伐な学園生活を描いたSF殺戮バトル学園コメディ。
 初めは殺せんせーのあまりの強さに悲観的になるのだが、殺せんせー自ら生徒たちへ教育していくので、生徒たちの成長が殺せんせー殺害技術以外の所でも光るのが徐々に面白くなった。殺せんせーとの関係だけでなく、進学クラスとの対峙や自衛隊側、暗殺別勢力など様々な展開が見られ、ワンパターンにならない面白さがあった。2期に続くうえ殺せんせーに対する生徒たちの考え方が変わりそうということなので、続編は高い期待値を持って見られそう。
物語:殺せんせーののほほんとした性格の一方で、様々な勢力による緻密な計略が練られていて、先の見えない展開が面白かった。
世界観:地球の危機を殊更には煽らず、縛りの多い学園生活のなかで殺せんせーとの触れ合いで生き生きして行く生徒たちを描き、学園ものにシフトさせたのは成功したと言える。
人物:常に暗殺を考える必要があるため、誰しもが純粋ではない。それでも一途ならまだ見る所もあろうが、生徒・教師その他とも割と醜い。
作画:気づけば作画は安定し、ストレスフリーで見ることが出来た。殺せんせーのスピード感を出すのは結構難しいことですよ。
声優:2クールありながら結局最後までキャラと声優が完全には一致しなかったが、実にバラエティ溢れる生徒たちのキャスティングだった。
魅力:本来なら殺伐として魅力低下に繋がる所だが、キャラたちの生き生きした表情が救いになっている。あと渚(渕上舞)くんのフェミニンさはクるね(爆)。
主題歌:OP「青春サツバツ論」(3.5)、「自力本願レボリューション」(3.6)(共に3年E組うた担(潮田渚(渕上舞)、茅野カエデ(洲崎綾)、赤羽業(岡本信彦)、磯貝悠馬(逢坂良太)、前原陽斗(浅沼晋太郎))、ED「Hello! Shooting Star」(Moomoon)(3.7)。うた担はキャラソン然としてる所が微妙に肌に合わなかったが、作品に対する先入観が影響していたかもしれない。EDは本編で暴れまくった後なのでホッとする静かな歌。
劇中音:不穏な空気やバトルを煽るBGMにセンスを感じた。

「長門有希ちゃんの消失」(AT-X 全16話 原作:谷川流・ぷよ(漫画) 製作:サテライト)
(4.1, 4.0, 3.9, 4.0, 4.3, 4.1, 3.9, 4.1; 32.4pt)
 某北高校の文芸部でお互いを気に留めつつも静かで穏やかな放課後の時間を過ごすキョン(杉田智和)と長門有希(茅原実里)。そこにふとした出会いをきっかけに押し掛けた他校の涼宮ハルヒ(平野綾)らが加わって賑やかな部活に変貌しつつも楽しい学園生活を送る日常的非日常学園ラブコメ。
 人気ライトノベル「涼宮ハルヒの憂鬱」のスピンオフ作品で、設定は「涼宮ハルヒの消失」ベース。主役が普通の女子高生の長門有希ちゃんということで、制作会社が異なるだけでなくかなり作風が原作と異なっていた。また、ハルヒが脇に退いていたことで、生意気さや強引さといった原作の負の面が薄められ、全体的に不満を抱えずに見ることが出来たと思う。続く番組(プリヤ)の本数の都合で全16話と珍しい話数になったが、間延び感は感じられなかった。(不要な話数が無かったとは言ってない。)

「ガンスリンガーストラトス」(AT-X 全12+1話 原作:Square Enix 製作:A-1 Pictures)
(4.0, 4.2, 4.0, 4.0, 4.3, 4.0, 3.9, 3.9; 32.3pt)
 一見平凡な生活が保障されているように見える近未来の日本だが、砂化など奇妙な現象をきっかけに、異なる世界との戦いに巻き込まれて行く風澄徹(阿部敦)ら時間跳躍者たちの激動の戦いを描いた近未来ワールドクロッシングバトルアニメーション。
 有名ゲーム原作で、バトルメインの展開や平行世界の同一人物同士の邂逅などの設定は面白いものがあり、個人的にはそれなりに楽しめたつもりでいたが、残念ながら突き抜けるものが無く、平凡な評価に終わってしまった感はある。ゲームをしておくなど、作品に夢中になって深部まで考える時間を作れば、気づかなかった面白さを理解できたかもしれないが、今般のアニメ氾濫状態の中では、一見して解るような作り込みをしないと印象に残るのは難しいと考えさせられた。

「グリザイアの迷宮・楽園」(AT-X 迷宮1話、楽園全10話 原作:frontwing 製作:エイトビット)
(4.0, 3.9, 4.0, 4.4, 3.8, 4.2, 3.9, 3.9; 32.1pt)
 その出自に様々な問題を抱える5人の少女たちと学園での生活を過ごす風見雄二(桜井孝洋)。その雄二の激動と困難の子供時代からの成長をたどりながら、過去を思い出させる現代での事件をきっかけに、命がけの戦いの中で自身を見つめ直すミリタリーギャングバトルサスペンス。
 前期が期待したほどの出来にならなかったので期待値低めで見ていたのだが、雄二の過去編がことのほか真面目に作られていて、雄二に感情移入することが出来た。一方で現在に戻ってからの雄二奪還作戦は超展開の連続で、見ていて面白かったが破天荒過ぎたきらいはある。もう少し伸びしろはあったとは思うが、無事物語が完結を迎えたことは素直に評価したい。天衝監督はまさかのきんモザとの掛け持ちだったんだよなぁ。

「プラスチックメモリーズ」(AT-X 全13話 原作:林直孝 製作:動画工房)
(4.1, 4.1, 3.8, 4.2, 4.1, 3.9, 3.9, 3.9; 32.0pt)
 ギフティアと呼ばれる共同生活用人型アンドロイドが汎用となっている近未来の世界で、使用期限を迎えたギフティアの回収部門に配属された水柿ツカサ(内匠靖明)が、ギフティアを含む同僚らとの回収作業を通じて、ギフティア使用者の想いに触れる近未来SFピュアラブストーリー。
 感動を誘う人との触れ合いをテーマにした物語として、期待の大きい作品だったが、ヒロインであるアイラ(雨宮天)の性能の悪さや失敗の多さがあまりにも目を引いて、早々に嫌気がさした。途中に挟まれた期限切れギフティアの暴走話を否定的にとらえる視聴者が多かったようだが、アイラとツカサがくっついた後半以降の展開が目に見えて良くなっただけに、アイラの描き方に大きな問題があったと言わざるを得ない。その所為で、本来なら感動の嵐となるはずだったアイラとの別離もいまいち感動が薄かった。事前の煽りは客寄せには良かったろうが、最終的には失敗の色合いが濃い。

「てーきゅう4」(ニコニコ動画 全12話 原作:ルーツ/Piyo 製作:ミルパンセ)
(3.5, 3.1, 3.4, 4.0, 3.9, 3.8, 3.7, 3.6; 29.0pt)
 一応テニス部に所属していることになっている部員たち4人が繰り広げる、早口でぶっ飛んだギャグが押し寄せるハイスピードギャグアニメ。
 いつの間にやら4期とは。。。そして4期ともなれば作品として成長するかと思えば、却ってハチャメチャ度が上がってよりカオスになった感じが強い。笑いの絶えないギャグの応酬だけが印象に残った。

「高宮なすのです~てーきゅうスピンオフ」(ニコニコ動画 全12話 原作:ルーツ/Piyo 製作:ミルパンセ)
(3.4, 3.7, 3.6, 3.9, 3.5, 3.8, 3.6, 3.5; 29.0pt)
 てーきゅうのヒロインズの1人であるお嬢様キャラの高宮なすの(鳴海杏子)が、友人の弟を強引に執事として迎え、常識とはちょっと外れた所でボケとツッコミを繰り広げながらセレブな生活を見せつけるお金持ちお嬢様執事ギャグコメディ。
 ノリはてーきゅうと全く同じであり、主役がなすの1人になっている分破壊力が弱い感じで、全体的に本家には劣るのだが、資産家の娘設定を全面に押し出した結果、なすのワールドなるものは作れていたのかもしれない。

「てさぐれ!部活もの スピンオフ プルプルンシャルムと遊ぼう」(日テレPLUS 全12話 原作:石ダテコー太郎 製作:ヤオヨロズ)
(3.0, 3.6, 3.5, 3.6, 4.0, 3.7, 3.4, 3.9; 28.7pt)
 またもメタ設定で3度目のてさぐり部の1年を過ごすにあたり、いっそスピンオフと銘打ってむちゃくちゃしちゃえとばかりに、他の作品とコラボレーションすることになり、話題先行型未アニメ化作品のプルプルンシャルムのキャストを巻き込んで、変わった視点のてさぐり部の活動を模索するアドリブ日常系部活コントアニメの第3期(スピンオフ?)。
 本作が始まる直前に予習として1、2期を見ていたが、それ以上に破天荒な内容と人員が揃わないのがネタのレベルを超えていて、面白さよりも不満が先行してしまった。結局こうしたアドリブ作品に求められるのは笑いの瞬発力であって、ストーリーが無いとか毎回同じ評価ばかりになってしまう。真面目に評価すべき作品ではないのかもしれない。百合狼は良かった(笑)。

「旦那が何を言っているかわからない件」(AT-X 全13話 原作:クール教信者 製作:セブン)
(3.2, 3.5, 3.7, 3.6, 4.0, 3.7, 3.3, 3.5; 28.5pt)
 オタク全開ながら結婚している旦那(鈴村健一)と、なぜこんな旦那に惹かれたのか分からないが居心地の良さに幸せを満喫している嫁(田村ゆかり)の、感性のずれを意識しつつも互いを思い合う幸せな夫婦生活を描いたラブラブ日常ショートラプソディの2期。
 まさかてーきゅうの下がいたとは(驚)。というわけで、1期は変わった関係性を描くコミカルさがまだ新鮮みがあったが、2期は話の広がりに欠け、ただのイタい人晒しという醜さが先行してしまった感じで、そのくせ幸せそうな状況が変わらないだけに、印象が良くない。1期を見てしまったのが失敗だった。
by mfbox | 2015-07-23 00:18 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)