mfboxの帯広私信!
2024-03-28T20:55:01+09:00
mfbox
帯広での生活あれこれを御紹介。
Excite Blog
3月28日 今春のTV視聴計画
http://mfbox.exblog.jp/33733533/
2024-03-28T20:52:00+09:00
2024-03-28T20:52:29+09:00
2024-03-28T20:52:29+09:00
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オタクゴタク(語託)
<海外ドラマ>
なし
<スポーツ>
インディカーワールドシリーズ2024(GAORA)
<アニメ>
(継続、特番)
◎月が導く異世界道中 第二幕(BS日テレ 月曜 23:00)
札◎ダンジョン飯(BS11 木曜 23:30/TVH)
札◎うる星やつら 新作 第2期(UHB 水曜 24:55)
(旧作)
今のところ未定
(新作)
◎にじよん あにめーしょん2(BS11 4/8~ 月曜 21:54)
札○夜のクラゲは泳げない(HTB 4/8 月曜 26:25/BS11/AT-X)
◎狼と香辛料 merchant meets the wise wolf(BSテレ東 4/2~ 火曜 24:30/AT-X)
◎この素晴らしい世界に祝福を!3(BS11 4/10~ 水曜 25:00)
◎デート・ア・ライブV(BS11 4/10~ 水曜 25:30/AT-X)
札◎ゆるキャン△Season3(HTB 4/4~ 木曜 26:25/BS11/AT-X)
札◎転生したらスライムだった件(第3期)(STV 4/5~ 金曜 23:00)
◎魔法科高校の劣等生 第3期(BS11 4/5~ 金曜 23:30/AT-X)
札◎僕のヒーローアカデミア7(STV 5/4~ 土曜 17:30)※4月の同時間帯は総集編4回放送
○ワンルーム、日当たり普通、天使つき。 (BS日テレ 4/6~ 土曜 22:30/AT-X)
札◎響け!ユーフォニアム3(NHKEテレ 4/7~ 日曜 17:00)
札◎鬼滅の刃~柱稽古編(UHB 5/12~ 日曜 23:15)
札◎ブルーアーカイブ The Animation(TVH 4/7~ 日曜 23:45/BS11)
◎無職転生II~異世界行ったら本気出す~(第2クール)(BS11 4/7~ 日曜 24:00/AT-X)
○じいさんばあさん若返る (BS11 4/7~ 日曜 25:05/AT-X/青森放送?)
札?戦隊大失格(HBC 4/7~ 日曜 16:30/BS11/AT-X)
札?Highspeed Etoile(HBC 4/5~ 金曜 26:23/AT-X)
?声優ラジオのウラオモテ (BS日テレ 4/13~ 土曜 23:00/AT-X)
?THE NEW GATE(BS11 4/13~ 土曜 25:30/AT-X)
新作16作(選外4作含めると20作)と、視聴番組数は多めになりました。今季は2期ものが強力ラインナップで揃ったのが特徴です。安定の面白さで転スラ、原作で実力折込済みのゆるキャン、作品の質では群を抜くユーフォが多分頭一つ抜け出ていると思いますが、ショートながら充実さが凝縮されたにじよん、優秀な製作の思いが詰まった無職、キャラクターの個性で群を抜く劣等生、リバイバルで注目の香辛料、ギャグ作品として特に強いこのすば、クライマックスを迎えるデアラなど、目が離せない作品ばかりです。鬼滅は先行1話を視聴済みで、十分に迫力はあったのですが、このラインナップの中では埋もれてしまうかもしれません。
新規ものは今季はかなり厳しい戦いになるのが想像できます。視聴確定なのはブルアカのみになりますが、その分期待も一身に背負っています。ゲーム人気が半端ないので、製作側も気合が入っていることでしょう。そのほかは見てみないとなんとも言えない作品ばかり。北海道で放送のある夜クラと原作の特異さから気になっていた爺婆は押さえておくとして、ワンルーム天使は絵柄だけで選んでます。ほかは選外からの出発で、特に新規異世界ものを徹底排除した中で唯一残したNEWGATEには乱発塑造の謗りを免れる出来を期待したい所です。前期は選外スタートだった3作がいずれも生き残り、ぽんのみちなど意外と面白かった作品もあったので、化ける作品が出てくるといいな。
期待度は、ブルアカ>転スラ>ゆるキャン>(※にじよん)>ユーフォ>無職>(ダンジョン飯)>劣等生>香辛料>このすば>(月導)>鬼滅柱稽古>デアラです。これだけ充実した2期ものが並ぶと、ヒロアカの立つ瀬がなくなってしまいますね。]]>
1月26日 2023年秋のアニメ評価
http://mfbox.exblog.jp/33656886/
2024-01-26T18:56:00+09:00
2024-01-26T18:56:04+09:00
2024-01-26T18:56:04+09:00
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オタクゴタク(語託)
(通常32.5pt以上で行っている要素別コメントについては、これから作成しますが、作品数が多いため省略する可能性もあります。)
「聖女の魔力は万能です Season2」(BS11 全12話 原作:橘由華 製作:ディオメディア)
(4.6, 4.4, 4.5, 4.5, 4.2, 4.5, 4.4, 4.1; 35.2pt)
異世界召喚者であるセイ(小鳥遊聖)(石川由依)が同行した魔獣退治で並外れた浄化の力で活躍するうち、魔獣退治に目途が立ち、浄化後のセイの今後に周囲の興味が注がれるようになった。旅行先でたまらず献上した特効薬を巡る騒ぎもあって自らを巡る周囲の駆け引きにも気づかないセイに対し、距離感を計りかねつつもアプローチを続けるアルベルト(櫻井孝宏)との初々しくも着実に進む恋愛関係を描いた異世界ヒーリングピュアラブファンタジーの第2期。
1期では不遇な扱いを類稀なる魔力でひっくり返す逆転要素がやや強かったが、既にアルベルトとセイの関係性に進展が見え始めていて、2期ではそこを膨らませ、恋のライバルや強力な魔獣の登場などてハードルを描きつつも、常に先行く関係性のままゴールインまで描き切った。恋愛物語としては出来レース感があることは否まないが、本作はとにかく最終話が美しすぎた。リズ(上田麗奈)による叱咤でセイに本心を気付かせ、その後のアルベルトからのお誘いからの流れが完全にプロポーズ。アルベルトらしく慎重に台詞を選びながらも「もう我慢できなくなった」と求婚、受け入れたセイから祝福の最大魔力の開放とともに「Fin」の文字。こんなに綺麗なエンディングは見たことがない。
「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」(BS11 全12話 原作:餅月望 製作:SILVER LINK.)
(4.4, 4.3, 4.6, 4.4, 4.2, 4.6, 4.4, 4.0; 34.9pt)
悪政の限りを尽くし、革命の末ギロチン刑に処された皇女ミーア=ルナ=ティアムーン(上坂すみれ)は、斬首の瞬間、過去の少女時代にタイムバックした。その手には獄中の手記があり、転生したと気づいて人生のやり直しを誓ったミーアが、自分が助かることを優先して起こした行動が結果的に見事な世直しの結果につながり、叡智だ慈愛だともてはやされるミーアの波乱万丈な第2の人生を描いたリバイバル人生サクセスコメディ。
文庫のジャンル的には流行の異世界転生ものだが、実際は過去の自分に戻るだけのタイムリープものであり、そういう点では異彩を放っていて注目していた作品。入りはミーア姫の可愛らしいビジュアルなのだが、過去の自分の過ちを潰すための行動が上手いこと世の中が抱える問題に斬り込む結果につながり、すべてが好転していく様が見ていて面白く、爽快感もあった。私欲や偉ぶりを隠しきれないミーアのコミカルなキャラクター性も光っていたし、そんなミーア姫の様子をよく描いたOP含め、中の人こと上坂すみれとの相性も抜群で、始めから終わりまでミーア姫で保った作品だった。
「星屑テレパス」(BS日テレ 全12話 原作:大熊らすこ 製作:Studio五組)
(4.2, 4.3, 4.1, 4.7, 3.9, 4.8, 4.3, 4.0; 34.3pt)
宇宙への憧れが強い小ノ星海果(船戸ゆり絵)は、その極度の小心ゆえ周りに言い出せずにいたが、突如現れた自称宇宙人の明内ユウ(七瀬彩夏)と額を合わせる「おでこぱしー」で通じ合い憧れを共有する。ユウを通じて集まった仲間たちとペットボトルロケットやモデルロケットの実験や大会を通じて、宇宙という目標へ歩みを進める部活動の様子を描いた青春アクティブロケットグラフィティ。
今季というか今年唯一となったきらら系作品。日常系では「恋する小惑星」の動画工房と双璧をなす五組がきんモザ以来のきららカムバック作品ともあって、とにかく気合の入った美しい作画とキャラデザで、これぞきららだ!と思いながらの視聴が叶った。原作既読で海果の小心ぶりや雷門瞬(青木志貴)との衝突といったシリアス要素強めの構成はわかっていたつもりだったが、正直予想以上に堪えた。その分ユウのネアカっぷりに救われる部分は大きかったが、宇宙に行くという目標とロケット制作を頑張るという手段のずれはやはり意識せざるを得ず、個人的にはユウの宇宙人としてのルーツにたどり着く話まで放送してほしかった気持ちはある。
「盾の勇者の成り上がり Season3」(BS日テレ 全12話 原作:アネコユサギ 製作:キネマシトラス)
(4.2, 4.2, 4.1, 4.3, 4.3, 4.2, 4.2, 4.1; 33.6pt)
壮絶な戦いの末異世界から舞い戻ってきた岩谷尚文(石川界人)ら盾の勇者一行だったが、霊亀討伐以降他の3勇者が行方不明と聞かされる。さらには亜人村の住民たちが奴隷狩りに遭っていたことを知り、まずは亜人たちを取り戻すべくゼルドブルの地下賭博場で、勇者であることを隠しながら賞金稼ぎに勤しむ。目的を一にしていたサディナ(小清水亜美)との対戦で混乱に乗じ住民たちを取り戻し、村の再建と共に3勇者の捜索や予期せぬドラゴンとの対峙など、鳳凰戦を控えながらも次々に訪れる困難に村を挙げて立ち向かう勇者の戦いを描いた異世界不条理バトルファンタジーの3期。
2期で異世界からの襲撃の諸因を排除し、メルロマルク世界でのシンプルな話に戻ったが、3勇者と讒言を吹き込むマイン(ブリドカットセーラ恵美)に相変わらず苦しめられるばかりか、村での生活も危険が付きまとう状態で安心して見ていられなかった。フィーロ(日高里菜)に異常に執着する槍の勇者(高橋信)はマインに騙された他の勇者との闘いでは戦力になったが、村の危機には村で対応するため、住民たち各キャラの戦力増強が割と丁寧に描かれていた印象はある。ただ、当初の目的である波への対処からはかなり外れた展開が続き、物語の複雑さはさらに増している。
「16bitセンセーション Another Layer」(BS11 全13話 原作:みつみ美里、甘露樹、若木民喜 製作:St.シルバー)
(4.2, 4.4, 4.2, 4.2, 4.2, 4.3, 4.0, 4.1; 33.6pt)
美少女ゲームの製作にあこがれるコノハ(古賀葵)は、普段見かけない古びたゲームショップでいにしえの名作美少女ゲームのワゴンセールを発見する。店の主人らしきお婆さんに託されるようにそれらゲームを手に入れたコノハだったが、パッケージを開いたとたん謎の光に包まれ、気づけば一昔前の秋葉原にタイムスリップしていた。彷徨った末元いた職場に立っていたゲーム会社アルコールソフトにご厄介になりながら、目指していた美少女ゲーム製作に突き進むタイムスリップレトロゲームサクセスコメディ。
放送直前くらいのカドカワイベントの配信で発表された本作の放映に興味がわき、激戦区の今季の視聴計画に急遽加えた作品。タイムパラドックスなどのファンタジー要素も大きいが、過去の名作ゲームを(出せるものは)そのまま登場させており、EDクレジットの協力の項目がすごいことになっていた。堀江、川澄といった過去のゲームにかかわりの深い声優を起用するなどの仕掛けも多様で、結構攻めたストーリー展開もあって割と楽しめた。
「陰の実力者になりたくて Season2」(BS日テレ 全12話 原作:逢沢大介 製作:Nexus)
(4.1, 4.1, 4.2, 4.2, 4.2, 4.3, 4.2, 4.1; 33.4pt)
冴えない男子学生シド・カゲノーを表の顔とし、陰の実力者に憧れて超人的能力を武器に自由奔放に暗躍するシャドゥ(山下誠一郎)。欲望のままに動く彼は、ジョン・スミス(福山潤)として偽金騒動を引き起こし配下のはずのシャドゥガーデンへの裏切りにもつながる市場の混乱を招いたり、裏で渦巻く陰謀もつゆ知らずに王女オリアナ(白石晴香)の理想の結末を勝手に妄想した挙句結婚の儀をぶち壊すなど勝手気ままだが、それが世直しにつながっていく不思議を描いた中二病超人コミカルファンタジーの第2期。
相変わらずシドさんの行動原理は理解不能だし、それでいて周りが彼に良くも悪くも心酔・依存する構図も都合が良すぎる。今回は偽金騒動とオリアナの婚儀に話が集中したので登場人物の関係性やストーリー把握に苦労はあまりなかったが、話数が進むたび登場人物は飛躍的に増えているので、それらが複雑に絡み合う展開が今後あるようだと、理解が追い付かないかもしれない。なお、8話は見事なご褒美回(水着プール回かつEDが1期EDの全員歌唱初披露)だった。
「オーバーテイク」(BS11 全12話 オリジナル 製作:TROYCA)
(4.4, 4.5, 4.3, 4.1, 4.0, 4.1, 3.8, 4.1; 33.3pt)
レーシングカテゴリーのなかで最下部のF4にしがない弱小チームから参戦する浅雛悠(古屋亜南)は、トップチームのセカンドドライバーの八つ当たりにもめげず、家庭的な明るいチームの雰囲気の中のびのびとレースを続け、順調に成績をのばしていた。フォトグラファーの眞賀孝哉(小西克幸)は震災でのちの津波にのまれ亡くなる少女の写真の撮影、そしてそれを公開したことで浴びた批判で精神的ダメージを受け人物写真を撮れなくなっていたが、悠の熱意ある姿に思わずシャッターを切り、それをきっかけに悠のチームを応援すべく深くかかわっていく。孝哉のやや前掛かりな応援に困惑もした悠だったが、トップドライバーのクラッシュを目の当たりにして再び心の折れた孝哉を追って東北の地でともに絆を深め、空いたトップチームの座を蹴ってまで本来のチームで表彰台を目指す悠とその姿をシャッターに納めんとする孝哉の物語を描いたレーシングフォトグラフィティ。
カーレースのアニメや映画はこれまでもいくつかあったが、インディカーを中心に実際のレースをいくつも見てそのドラマ性に既に心酔している私としては、どうしても再現性にこだわってしまい、レース展開がメインとなる物語は正直とっつきにくかった。今回はこれまで見たことのないカテゴリーで、アクシデントもありつつ若手ドライバーが上を目指すサクセスストーリーになっていたので、新鮮な視点で楽しめた。悠と孝哉の2人の物語になっていたが、ジャンルが明確に違うので話の複雑さにつながることはなかった。聖女ほどではないが終わり方も美しく、視聴後の充実感は結構高い。
「Dr.STONE NEW WORLD(後半)」(BS11 全12話 原作:稲垣理一郎 製作:トムス・エンターテインメント)
(4.3, 4.3, 4.2, 4.2, 4.2, 4.1, 3.9, 4.1; 33.3pt)
石化光線の謎を探るべく、南極へ向けての大航海に出発した千空(小林裕介)たちだったが、途中の島で石化光線を操る住人の不意打ちで大半を石化されピンチに陥った千空たち生き残りが、頭のキレる島の実質主導者イバラ(青山譲)らと命がけの対峙をしながら、島の秘密や石化光線の謎に迫るサイエンスウォーファンタジーの第4期(第3期の後半クール)。
南極に行くとか宇宙に行くとか、終盤に向けて話の風呂敷が広がりまくりなため、科学王国側の開発能力に強引な展開が目立つようになってきたが、一方でイバラ側も引けを取らないくらいにエキセントリックなので、強引さが帳消しになるほどの超展開で、ガチンコ脳バトルにハラハラしっぱなしだった。南極への大航海が結局途中の島で用が済み、獅子王司(中村悠一)も復活できたので、宇宙への大旅行もきっと途中でぶった切る何かが起きるのではと予感しているが、科学を駆使するという基本姿勢は変わっていないので、今後も変わらず楽しめるとは思う。
「最果てのパラディンー鉄錆の山の王ー」(BS日テレ 全12話 原作:柳野かなた 製作:OLM, Sunrise Beyond)
(4.1, 4.3, 4.2, 4.1, 4.1, 4.0, 4.3, 4.1; 33.2pt)
辺境の死者の街でアンデッドに育てられ、成長して街に下野しエルフのメネル(村瀬歩)らと冒険の旅を続ける聖騎士のウィル(千葉翔也/(少年:河瀬茉希))は獣の森の領主となった。領内で異変が起きる中、ドワーフのルゥ(四宮豪)を新たな旅の仲間に迎え、異変の原因とされる邪竜ヴァラキアカ(神奈延年)の討伐に向かうウィル一行の戦いを描いた異世界信仰異形バトルファンタジーの第2期。
1期では散々な評価だったが、面倒な成長期の物語が片付いた状態から始まった2期は、ウィルの認知度や依存度の高さからしっかりしたキャラクターの立ち位置ができていたので、言動にも責任感や強さが感じられ、好感度が上がった。また、多少の寄り道はあっても、ヴァラキアカ討伐という明確な目標=物語の結末が見えていたので、ストーリーも分かりやすく、完成度という点では1期とはまるで違う作品になった。
「ひきこまり吸血姫の悶々」(BS日テレ 全12話 原作:小林湖底 製作:Project No.9)
(4.0, 4.1, 4.1, 4.4, 4.2, 4.5, 3.8, 4.0; 33.1pt)
吸血鬼なのに吸血が出来ない(訳あり)ため引きこもりになってしまったテラコマリ・ガンデスブラッド(楠木ともり)はしかし、貴族である父により強引に「七紅天大将軍」に任命される。その役割は定期に他国に戦争を仕掛け勝利しその力を誇示することで、テラコマリの人間性とは真逆の猛者の役割。そんなテラコマリが問題児ばかりの自軍の部下たちや他の大将軍、敵国の武将らを前にハッタリで最強を誇示しペラペラの薄皮状態で戦局を乗り切る様を描いたブラッディバトルハッタリコメディ。
吸血鬼ものとして始まったと思ったらいきなり弱弱な主人公と変に懐くメイドが出てきてイチャイチャだらだら展開になるのかと思ったらいきなりの大将軍!大戦争!それでもコマリのあたふたぶりを楽しむのではなく、ハッタリでも陰で愚痴りまくりつつもしっかり大将軍を演じて見せているのが滑稽でたまらなかった。コマリの吸血嫌いが暗示によるもので実は飲んだらすごいんです的な設定だったり、領内では生き返ることができるので戦争はエンタメという設定など、パワーバランスを無視した設定も随所に見受けられるが、強引な展開がかえって面白く、良質なコメディとして見ることができた。
「ゴブリンスレイヤーII」(BS11 全12話 原作:蝸牛くも 製作:LIDENFILMS)
(4.1, 4.2, 4.2, 4.2, 4.2, 4.3, 3.8, 4.0; 33.0pt)
ゴブリンなど魔物の脅威に晒されている辺境の町のギルドに所属するゴブリンスレイヤー(梅原裕一郎)は、様々な種族の仲間と今日もゴブリン退治に精を出すが、新人冒険者の訓練だったり他の魔物と対峙するなどゴブリン討伐に集中できていないことに少々消沈気味。しかしエルフの里への旅行や王女捜索でゴブリンが絡んだ途端生き生きして討伐に精を出す。そんなゴブリンスレイヤーだけでなく、仲間の活躍や変化も描いたゴブリン討伐ダークファンタジーの第2期。
1期でもその嗜虐性から異彩を放っていたゴブスレが満を辞して2期登場。ゴブリンの狡猾さはさらに度を増し、戦いは難儀になりそうだが、ゴブリンスレイヤー側も経験を重ねて強くなり、効率的な戦いで優位に立つシーンが目立った。分かるんだけどあまり苦戦感がないのは味気ない。王女失踪の原因がゴブリンとわかった途端嬉々として王族会議の場に現れるゴブスレにはちと笑ってしまったが、それを含めゴブスレの内面を描くシーンが多かったのは良かった。女性陣の肌色が多めなのは多分意識して製作しているんだろうね。
「SPY x FAMILY Season2」(TVH 全12話 原作:遠藤達哉 製作:WIT STUDIO、CloverWorks)
(4.2, 4.1, 4.2, 4.2, 4.2, 4.2, 3.7, 4.1; 32.9pt)
互いの正体を隠しながらも家族として平和な日々を暮らすフォージャー一家。公務員として働きながら、裏の顔である殺し屋家業を営む妻のヨル(早見沙織)に要人護衛の重要任務が入る。豪華客船に紛れランデブーポイントを目指すが、要人を狙う多数の悪党を時に苦戦しながらもなぎ倒すヨルだが、船にはくじ引きで旅行券を当てた父ロイド(江口拓也)と娘アーニャ(種崎敦美)も乗り合わせていて。そんな緊張感とコメディが入り混じった一家のドタバタ劇を描いたシークレットミッションファミリーコメディーの2期。
1期を前後編で分けたので実質3期にあたる本作では、ヨルさんの満身創痍の活躍をメインに、その前後でアーニャの学校生活などの安心できるコメディショートを織り交ぜバランスをとっている。そんなヨルさん大活躍の豪華客船編で半分以上を費やし、それ自体の完成度も高いので、反動として他のショートストーリーはほとんど覚えていない。全体の完成度は高いのにポイントが伸び悩むのがずっと続いているが、やはり主題歌のせいかなぁ。
「ポーション頼みで生き延びます」(HTB 全12話 原作:FUNA 製作:寿門堂)
(4.1, 4.1, 4.3, 4.2, 3.9, 4.4, 3.8, 4.0; 32.8pt)
現世でワーカホリックの末ぽっくりと命を落としてしまった長瀬香/カオル(久住琳)は、その落命が天界の管理者のミスとわかるや否や、転生先の管理者セレスティーヌ(東山奈央)にこれでもかと言わんばかりの特典をつけさせて転生先の異世界に新生する。能力の一つであるポーション作成能力で商売を始めるが、噂が立つとなんやかんやと狙われるようになり、人助けすらままならない。それでもやりたいようにやるをモットーに、けが人を治したり貴族と喧嘩したり軍とのコネを作ったり戦争で無双したり、なんでもありなカオルの奔放生活を描いた異世界転生ポーションファンタジー。
「のうきん」「ろうきん」のFUNA先生の3作目のアニメ化。どちらも主人公の能力がチートで自由気ままなのが特徴だが、本作も同様で、これで作品の8割は説明がつく。策は練るけど気に食わないとすぐに行動に出るカオルに振りまわされる周りの仲間(セレス含む)が大変だなと思う。狙われがちなこともあり居を転々とするので、ストーリーも落ち着きがないのが泣き所。久住さんはスローループ以来なのだけど、本作のカオルで悪評が立たないか心配。
「カノジョも彼女Ⅱ」(BS-TBS 全12話 原作:ヒロユキ 製作:Synergy SP)
(4.0, 4.0, 4.1, 4.2, 4.3, 4.4, 3.8, 4.0; 32.8pt)
佐木咲(佐倉綾音)との恋愛を成就させながら、直後に水瀬渚(和氣あず未)から受けた告白も受け入れてしまい二股生活を送る向井直也(榎木淳弥)。3人の生活に、二股がいいなら私だってと猛アプローチをかける里崎里香(竹達彩奈)と親友の咲のために二股をやめさせようと直也を監視する桐生紫乃(高橋李依)も加わった5人でのドキドキ生活で、それぞれが自身の思いを成就させようと画策するハイスクールハーレムラブコメの2期。
1期と比べると、直也の直情的な行動はやや鳴りを潜めたように思えるが、その分ヒロインたちの行動が過激になってきたように思える。咲の恋愛素人ぶりはアホの領域に達し、渚は物わかりが良すぎて赤らめることが増え、里香の押しかけはますます厄介になり、紫乃に至ってはやっぱり!な展開でヒロインレースをさらに混迷に陥れた。全体的に肌色は多めなのだが、特に紫乃はエロハプニング要因としてことあるごとに必要以上の露出があり、目のやり場に困った。
「私の推しは悪役令嬢」(BS日テレ 全12話 原作:いのり 製作:プラチナビジョン)
(4.1, 4.2, 4.1, 4.0, 4.0, 4.2, 4.1, 4.0; 32.7pt)
とある乙女ゲームの主人公であるレイ=テイラー(芹澤優)には、前世の記憶があり、この世界が乙女ゲームの世界そのものであることに気づく。そして、レイは恋い焦がれる悪役令嬢のクレア=フランソワ(奈波果林)に遭遇、平民と罵り虐めるクレアに対し「ご褒美です」と宣いクレアたちを引かせる。そんなレイがクレアにアプローチを続けながら、魔法訓練や魔獣討伐などの学園生活を過ごす悪役令嬢百合学園ラブコメ。
レイの推しの強さがクレアの悪役令嬢ぶりを押し除けるほどの圧があり、どちらが立場が上か錯覚するほどにレイのキャラが立っていて、こちらまで圧されそうなほど面白かった。乙女ゲーム世界なだけに男性との絡みは必須なのだが、そこから逃げ回るように立ち振る舞うのもまた稀有な展開。ただ、慕っていたメイドが反逆者と知り意気消沈するクレアの心の隙間を埋めるように登場したマナリア(水樹奈々)については物申すところがあり、無双状態だったレイにとっての壁としたいのは分かるが、レイを焚きつけて打ちのめしておきながら、レイが身を引く決断に吠えるのは展開が乱暴で、じゃああなたが今やってきたことは何なのと反論したくなる。
「アークナイツ~冬隠帰路~」(BS11 全8話 原作:Hypergryph/Studio Montagne 製作:Yoster Pictures)
(3.9, 4.2, 4.0, 4.4, 4.2, 4.1, 3.8, 4.0; 32.6pt)
鉱石病患者への抑圧を発端とした暴動が激化する中、過激さを増すリユニオンに対し全力を持って討伐にあたる龍門(ロンメン)近衛局。アーミヤ(黒沢ともよ)率いるロドスは近衛局に協力する形で戦闘に参加するが、リユニオンの強力な戦力フロストノヴァ(高垣彩陽)の前に苦戦を強いられる。それでも近衛局隊長チェン(石上静香)の活躍もあって戦局の打開に成功すると、リユニオンが綻び始め、悲しい物語が始まる。そんな悲哀しかないロドス・近衛局とリユニオンの命がけの戦いを描いた終末戦乱ダークファンタジーの第2期。
人気大作ゲームのアニメ化で圧倒的な作画力と徹底して暗いストーリーに引き込まれた1期に続き、激化する戦闘や能力と能力の対峙などアクション要素の増えた2期だったという印象。ただ、やはりゲームプレイ者前提の物語という感じで、背景を知っていることでそれぞれの行動の意味を肉付けできるという見方にならざるを得ない。なので、未プレイの私としては、戦闘すごーい、キレーイ、といった赤子のような感想しか出てこない。
「魔法使いの嫁 Season2(後半)」(BS11 全12話 原作:ヤマザキコレ 製作:スタジオカフカ)
(3.9, 4.2, 4.0, 4.2, 4.1, 4.0, 3.8, 4.1; 32.3pt)
エリアス(竹内良太)とちせ(種崎敦美)は、夫婦関係を保ちながらも共に魔法学園に入り、それぞれ教師や学生たちと関係性を深めていた。しかし心の内の読めないフィロメラ(河瀬茉希)に対しては思うように関係を作り上げられずにいたところ、そのフィロメラが深く関係する魔術書紛失事件を契機に学園が封鎖される。封鎖に対して、さらには魔力を吸われ倒れる生徒が続出する事件も発生するなど不安が渦巻く中、祖母の操り人形状態にあるフィロメラの正気を取り戻すべく立ち上がるちせや学生たちの奮闘を描いたミステリアス異形マジックミステリーの2期後半。
前半で新たにできた友達の紹介は大体終わったので、いよいよ謎を残したままのフィロメラを掘り下げるのがこのシーズンと思っていたが、当のフィロメラがいつまで経っても関係性深化を拒絶し続けるので、煮えきらない思いのまま本作を見続けるしかなく、だんだんストレスが溜まってきた。祖母との対峙になってからはバトルモードになり、目新しい魔術が登場するでもなく、発展性のない展開だったこともあって、前半終了時の期待の高さからの落差がひどいことになってしまった。
「帰還者の魔法は特別です」(BS11 全12話 原作:Usonan、Wookjakga 製作:アルボアニメーション)
(4.0, 3.9, 4.0, 4.1, 4.0, 4.2, 3.9, 4.0; 32.1pt)
人類世界を侵食する影の世界になんとか対峙していた人類だったが、破滅竜の攻勢には耐えきれず、最後の足掻きも虚しく滅亡を迎えた、と思ったデジール=アルマン(寺島拓篤)だったが、気づけばそこは13年前の学園だった。学園には歴戦の仲間たちも若かりし姿で存在するが、貴族上位のカーストもまた存在していた。いずれ迎えることとなる影の侵食に今度こそ打ち勝つため、デジールが前世の記憶を頼りに様々な物事を優位に進め、最強の戦士たちでつくるパーティーの結成を目指す長い道のりを描いたリライブマジックスクールバトルファンタジー。
土曜24時というアニプレックスの1番枠での放送であり、製作側の期待は大きかったように思うが、来るべき災厄に対して展開している物語のスケールが小さい。2期があるにしても最終的には破滅竜は倒すんだよね考えると、1期終わりでやっと歴戦の仲間の1人を取り込んだ程度の遅い進行では先行きが思いやられる。風呂敷を大きく広げるほど、チマチマした学園での物語が鬱陶しくてたまらない。あと、寺島くんは嫌いじゃないけど、デジールの喋りに関しては流石に舐めすぎ。
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12月30日 2023年のアニメ総括
http://mfbox.exblog.jp/33611064/
2023-12-28T15:44:00+09:00
2024-03-28T20:55:01+09:00
2023-12-28T15:44:57+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
<<作品>>
【最優秀作】お兄ちゃんはおしまい(1~3月、BS11)スタジオバインド 35.6pt
【優秀作/TOP9】
2.聖女の魔力は万能です Season2(10~12月、BS11)ディオメディア 35.2pt
3.ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~(10~12月、BS11)SILVER LINK. 34.9pt
4.痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います2(1~4月、BS11)SILVER LINK. 34.7pt
5.【推しの子】(4~6月、HTB)動画工房 34.5pt
5.ホリミヤ-piece-(7~9月、BS11)CloverWorks 34.5pt
7.星屑テレパス(10〜12月、BS日テレ)Studio五組 34.3pt
8.アンデッドガール=マーダーファルス(7~9月、UHB)ラパントラック 34.2pt
9.ライザのアトリエ~常闇の女王と秘密の隠れ家~(7~9月、BS11)ライデンフィルム 34.0pt
【良作】
10.異世界のんびり農家(1月~3月、BSテレ東)Zero-G 33.9pt
10.にじよん あにめーしょん(1~3月、BS11)サンライズ 33.9pt
10.アイドルマスターシンデレラガールズU149(4~6月、BS11)Cygames Pictures 33.9pt
13.トニカクカワイイ シーズン2(4~6月、BS11)セブンアークスピクチャーズ 33.7pt
13.魔法使いの嫁 Season2-1(4~6月、BS11)スタジオカフカ 33.7pt
15.私の百合はお仕事です。(4~6月、BSフジ)パッショーネ 33.6pt
15.盾の勇者の成り上がり Season3(10〜12月、BS日テレ)キネマシトラス 33.6pt
15.16bitセンセーション Another Layer(10〜12月、BS11)st.シルバー 33.6pt
18.NieR Automata ver1.1(1~7月、BS11)A-1 Pictures 33.5pt
18.鬼滅の刃~刀鍛冶の里編~(4~6月、UHB)ufotable 33.5pt
18.うちの会社の小さい先輩の話(7~9月、HTB)Project No.9 33.5pt
18.無職転生2~異世界行ったら本気出す~(7~9月、BS11)スタジオバインド 33.5pt
22.くま熊クマベアーぱーんち!(4~6月、BS11)EMTスクエアード 33.4pt
22.はたらく魔王さま!セカンドシーズン(7~9月、BS11)Studio3Hz 33.4pt
22.影の実力者になりたくて Season2(10~12月、BS日テレ)Nexus 33.4pt
25.ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤君と解説の小林さん(1~3月、BS-TBS)手塚プロダクション 33.3pt
25.スキップとローファー(4~6月、BS朝日)P.A.WORKS 33.3pt
25.ゴールデンカムイ 4期(22’10~6月、BS11/HBC)ブレインズ・ベース 33.3pt
25.Synduality Noir(7~9月、TVH)エイトビット 33.3pt
25.わたしの幸せな結婚(7~9月、BS11)キネマシトラス 33.3pt
25.Dr.STONE NEW WORLD (2nd Season)(10~12月、BS11)トムス・エンターテインメント 33.3pt
25.オーバーテイク(10~12月、BS11)TROYCA 33.3pt
32.英雄王~武を極めるため転生す~そして世界最強の見習い騎士♀(1~3月、BSテレ東)スタジオコメット 33.2pt
32.Dr.STONE NEW WORLD (1st Season)(4~6月、BS11)トムス・エンターテインメント 33.2pt
32.LV1魔王とワンルーム勇者(7月~9月、BS日テレ)SILVER LINK. & BLADE 33.2pt
32.最果てのパラディン~鉄錆の山の王~(10~12月、BS日テレ)OLM、Sunrise Beyond 33.2pt
36.あやかしトライアングル(1~6月、BS11)CONNECT 33.1pt
36.ひきこまり吸血姫の悶々(10〜12月、BS日テレ)Project No.9 33.1pt
38.陰の実力者になりたくて(22’10~2月、BS日テレ)Nexus 33.0pt
38.文豪ストレイドックス(4期)(1~3月、BS11)BONES 33.0pt
38.ヴィンランド・サガ2(1~6月、BS11)MAPPA 33.0pt
38.おかしな転生(7~9月、BSテレ東)Synergy SP 33.0pt
38.文豪ストレイドックス(5期)(7~9月、BS11)BONES 33.0pt
38.幻日のヨハネ-Sunshine in the Mirror-(7~9月、Abema/BS11)サンライズ 33.0pt
38.ゴブリンスレイヤーII(10~12月、BS11)LIDENFILM 33.0pt
【個性的】FGO 藤丸立香はわからない、吸血鬼すぐ死ぬ2、山田くんとLV.999の恋をする、異世界ワンターンキル姉さん、神なき世界のカミサマ活動、アリス・ギア・アイギス~Expansion~、私の推しは悪役令嬢、ポーション頼みで生き延びます、進撃の巨人 The Final Season 完結編
【不満作】虚構推理2期、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか4 深章 厄災編、女神のカフェテラス、異世界でチートスキルを手にした俺は現実世界をも無双する、この素晴らしい世界に爆焔を!、TIGER & BUNNY 2、悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民のために尽くします、帰還者の魔法は特別です、アークナイツ~冬隠帰路~
【見切り】好きな子がめがねを忘れた、とあるおっさんのVRMMO活動記
【映画】「プリンセス・プリンシパル Crown Handler vol.3」「「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY」初日舞台挨拶」(ライブビューイング)「「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」舞台挨拶」(ライブビューイング)「「五等分の花嫁∽」先行上映舞台挨拶」(ライブビューイング)「「響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト」舞台挨拶」(ライブビューイング)「劇場版 ガールズ&パンツァー最終章第4話」「青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」「「劇場版 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」舞台挨拶」(ライブビューイング)、「ダンジョン飯~delicious in dangeon~(先行上映)」「SPY x FAMILY code white」
総評:年初クールにおにまいという作画お化け&突き刺さるTSテーマの驚愕作が飛び出し、その後にも期待したが、終盤クールで盛り返したものの中弛み感の否めない年になった印象は正直あります。とは言いつつも、33pt台の作品が年間で35作品という、まずまずの出来の作品で見ればこれまでにないほどの数になり、個々の作品のレベルの上昇は感じられ、充実感の高い視聴年でした。時代が変わり、声優や主題歌という外的要因で高得点を稼ぎ出すのが難しくなり、物語性など作品自体の実力や作画力など制作スタジオの力量がより反映されやすい順位にはなってきたと思います。数は決して多くなかったものの上位作はしっかり充実しており、聖女は理想的なエンディングが美しく、ティアムーンはミーアのキャラクターに惹きこまれました。防振り2は1期の緩さそのまま新イベ展開につなげてくれたし、推しの子は初回のアイパートの苛烈さ含めさすがの原作力と音楽力。ホリミヤは恋愛要素の決している安心感もありコミカルさを心底味わえたし、星屑は今期唯一のきらら作らしく見事な超絶作画でした。マーダーは謎解き要素に深くのめりこめたし、ライザはアトリエシリーズの安定感を如何なく発揮したと言えるでしょう。
<<部門別>>
物語:聖女の魔力は万能です Season2(4.6)
世界観:痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います2、ホリミヤ-piece-、アンデッドガール=マーダーファルス、オーバーテイク(4.5)
人物:ホリミヤ-piece-、ティアムーン帝国物語(4.6)
作画:お兄ちゃんはおしまい、星屑テレパス(4.7)
声優:神なき世界のカミサマ活動(4.4)
魅力(演出):お兄ちゃんはおしまい、星屑テレパス(4.8)
主題歌:お兄ちゃんはおしまい(4.8)
劇中音:推しの子(4.2)
<<主題歌>>
【最優秀OP】1.アイデン貞貞メルトダウン(えなこ feat. P丸様)※お兄ちゃんはおしまい OP
2.Lies Goes On(May’n)※ライアーライアー OP
【最優秀ED】3.ひめごと*クライシスターズ(ONIMAI SISTERS(緒山まひろ(高野麻里佳)、緒山みはり(石原夏織)、穂月かえで(金元寿子)、穂月もみじ(津田美波))※お兄ちゃんはおしまい ED
【個人的Top10】
4.光のない街(nanoRipe.)※はたらく魔王さま!セカンドシーズン OP
5.Flower Ring(ルールーシー=ルー(下地紫野)&ティア(洲崎綾))※異世界のんびり農家 OP
6.Dear(JUNNA)※魔法使いの嫁 SEASON2 前半 OP
7.Semisweet Afternoon(結城アイラ)※聖女の魔力は万能です2 OP
8.アイドル(YOASOBI)※推しの子 OP
9.この盾に隠れます(純情のアフィリア)※痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います2 OP
10.True Story(Screen Mode)※文豪ストレイドックス(4期) OP
【最優秀映像賞】ハッピーエンドプリンセス(上坂すみれ)※ティアムーン帝国物語 OP
総評:今年は作品評価でも1月期が上位に多かったこともあり、主題歌もOP/EDとも上位に顔を出したおにまいを筆頭に1月期作品が半分を占めました。アニソンへの一般アーティストの侵食や無名アーティストが採用されるなど、お馴染みのアニソンアーティストが使われにくい(もしくは見てない作品に行っている?)状況に陥っている気がして、そんな時に聞き馴染みのアーティスト名が見つかると即心酔します。May’nやnanoRipe.、Screen Modeなど結構久しぶりでもその楽曲は色褪せず、上位に顔出すいい歌たちでした。
<<キャラクター、声優>>
【男性キャラ】街尾火楽(阿部敦)「異世界のんびり農家」
【女性キャラ】輪堂鴉夜(黒沢ともよ)「アンデッドガール=マーダーファルス」
【ネタ(男子)】ロイ(藤澤奨)(withコンバイン(笑))「神なき世界のカミサマ活動」
【ネタ(女子)】フィッツ/シルフィエット(茅野愛衣)「無職転生II~異世界行ったら本気出す」
【男性声優】山下誠一郎(シド=カゲノー/シャドウ(陰の実力者になりたくて(1期、2期))、石川透(ホリミヤ-piece-)、受川太鳳(君は放課後インソムニア)、リアン・スクリム=ジョー(魔法使いの嫁 SEASON2(前半、後半))デリック・レッドバット(無職転生II~異世界行ったら本気出す~)、結谷迅(オーバーテイク!)、ケイ・カンタロウ(吸血鬼すぐ死ぬ2)、ベルント(アンデッドガール=マーダーファルス)、オルスロット(シャングリラ・フロンティア)ほか)
【女性声優】上坂すみれ(ミーア・ルーナ・ティアムーン(ティアムーン帝国物語)、長瀞さん(イジらないで、長瀞さん Second Attack)、有栖川綾(トニカクカワイイ シーズン2)、ラム(うる星やつら(2022))、綾小路美月(私の百合はお仕事です!)、シルリル(神なき世界のカミサマ活動)、カグラ・ボールドウィン(てんぷる)、幕澤橘花(女神のカフェテラス)ほか)
【新人声優】大塚剛央(アクア(星野愛久愛海)(【推しの子】)、壬氏(薬屋のひとりごと)、カナタ(Synduality Noir)、アラン(ポーション頼みで生き延びます!)、シング・エッグス(帰還者の魔法は特別です)、レックス(この素晴らしい世界に爆焔を!)ほか)
総評:今年は男女の役割を意識した物語が多く、主人公が男性キャラクターの作品はしっかりと主人公らしさを見せていたと思います。気になる男性キャラはいく人もいましたが、一番落ち着いて自分の世界を広げている姿に好感が持てたのが火楽でした。女性キャラは、黒沢さんが演じた主人公キャラがとにかくいい年。スキローの未津美と迷いましたが、より世界観に引き込まれた独特の雰囲気を持つ鴉夜を選びました。ネタキャラの男性はロイですが、彼というより作品自体がネタであり、その代表ということで。コンバインに乗って稲刈りしているシーンはその異常さに驚きを隠せませんでした。女性の方は、ネジのぶっ飛んだキャラは色々いましたが、どれも決め手に欠けるなか、正体を隠して主人公に接するシルフィが1人の時の本音のだだ漏れが気持ち悪くコミカルに描かれていて、その後の幸せにつながるいいアクセント・・・なはずなのに言い澱んでしまうところがまさにネタかと。声優は男性の充実ぶりが割と感じられる年で、大塚くんも候補に上がるくらいでしたが、割と出演数が多かったのが山下誠くんでした。ホリミヤやインソムニアなど主人公を助ける縁の下の力持ち的役柄が多い印象ではありますが、陰実のシドのふざけきった力の抜け具合も印象深くあります。女性は割と早くから絞れていましたが、そこからが悩みどころでした。瀬戸麻沙美、黒沢ともよとの接戦でしたが、最終クールでミーア姫を演じたのが決め手になりました。新人枠は初の男性を選出。推しの子アクアで一躍時の人になった大塚くん、その後も今年最推しされて主役級を連発。新人枠としては申し分ない活躍でした。
<<アニメスタジオ>>
1.SILVER LINK.(痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います2、LV1魔王とワンルーム勇者、ティアムーン帝国物語、劇場版「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… ほか)
2.スタジオバインド(お兄ちゃんはおしまい、無職転生II~異世界行ったら本気出す~)
3.Project No.9(うちの会社の小さい先輩の話、ひきこまり吸血姫の悶々 ほか)
総評:今年はアニメスタジオ乱立の年で、突出したスタジオはないかなと思っていましたが、シルリンがしっかり頑張って、首位返り咲きです。安パイの防振り2期や劇場版はめふらに加え、こちらもティアムーンが決め手に。2位はまだまだ新興のバインドですが、無職1期で作り上げた絶大な信頼の作画力がまさかのおにまいで生かされるとは。ほんとぬるぬる作画でした。無職2期もあり充実の年だったでしょう。3位はProject No.9が初登場。もともと萌え系が得意の会社ですが、動画工房顔負けのハイレベルな萌え作画を展開した小さい先輩に加え、10月期は3作を手掛ける無双ぶり。実際には手に余ったらしく見てない作品で作画崩壊したようですが、ひきこまりは最後の砦とばかりに少女と肌色の狙ったような萌え作画をしっかり描き切っていました。
<<イベント>>
1/22 プリマドール 黒猫亭 少女人形 歌唱&朗読ショウ(配信:PIA LIVE STREAM)
2/11 「リコリス・リコイル」スペシャルイベント 喫茶リコリコプレゼンツ アフターパーリィ! Tomorrow is another day.(配信:Stagecrowd)
2/11 (ラジオ)「Salon de Tanedaへようこそ♪」公開録音 昼の部、夜の部(配信:Streaming+)
3/5 「彼女、お借りします」スペシャルイベント イベントと彼女ーイベカノー2nd 昼公演、夜公演(配信:CNライブストリーミング)
3/11 「ご注文はうさぎですか?」ぷちラビバーチャルライブ2023(配信:ZAIKO)
4/23 「ぼっち・ざ・ろっく」です。(配信:RakutenTV)
5/21 「ぼっち・ざ・ろっく」結束バンドLIVE-恒星-(配信:Stagecrowd)
6/10 Re:ステージ! Rock’n’Roll PARTY!! ~Re:SHOUT!!~(配信:Streaming+)
6/11 「吸血鬼すぐ死ぬ2」スペシャ”ヌ”イベント~フロム シンヨコ トゥ シンジュク~ (配信:Streaming+)
7/2 アサルトリリィ Last Bullet LIVE トウメイダイアリー~Next Page~(配信:Streaming+)
7/9 映画ゆるキャン△ スペシャルイベント 1周年感謝祭 \イチネンダヨ/(配信:Streaming+)
7/29 「ご注文はうさぎですか?」Petit Rabbit’s with beans バーチャルライブ2023~7つの音色~(配信:ZAIKO)
無)9/10 ANIPLEX ONLINE FEST 2023(配信:Youtube)
9/16 灼眼のシャナ フィルムコンサート 夜公演(配信:Streaming+)
無)9/24 MAGIA DAY 2023(Youtube)
9/24 TVアニメ トニカクカワイイ 『司と星空のカワイイ&尊い新婚ラジオ略してトニラジ!』公開録音(配信:Strteaming+)
10/22 (ラジオ)高橋李依・上田麗奈 仕事で会えないからラジオはじめて6年たちました。昼の部、夜の部(配信:Streaming+)
10/28 (ラジオ)「Salon de Tanedaへようこそ♪」公開録音 昼の部、夜の部(配信:Streaming+)
11/4 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」ファン感謝イベント「聖火祭 in 竈火の館」昼の部、夜の部(配信:Streaming+)
11/11,12 第6回京都アニメーションファン感謝イベント KYOANI MUSIC FESTIVAL―トキメキのキセキ― DAY1&DAY2(配信:Streaming+)
11/12 アイドルマスターシンデレラガールズU149 SPトークイベント~トゥインクルパーティー~DAY2昼&夜(配信:ASOBI STAGE)
無)11/19 大洗あんこう祭り2023「ガールズ&パンツァー」スペシャルステージ~ただいま、おかえり、大洗!~(Youtube Live)
11/19 TVアニメ「ホリミヤ -piece-」special event『HALLOWEEN PARTY』昼の部、夜の部(配信:Rakuten TV)
11/19 (ラジオ)富田美憂・前田佳織里の“調査のご依頼、お待ちしてます! トーク&ライブイベントII ワンの部、カーの部(配信:Streaming+)
11/26 『TVアニメ『【推しの子】』スペシャルイベント 苺プロダクション☆ファン感謝祭 2023』昼の部、夜の部(配信:Streaming+)
12/24 TVアニメ『ゴールデンカムイ』スペシャルイベント’23 アシリパ組~川口撮影所~ 昼の部、夜の部(配信:PIA LIVE STREAM)
<<ネットラジオ>>
1.ライザのアトリエ~秘密のラジオ~(のぐちゆり、大和田仁美)(インターネットラジオステーション音泉)
2.「おにまいトーク」(オーディオコメンタリー含む)(石原夏織、他交代制)(youtube)
3.神なき世界のラジオ活動(鬼頭明里、榎木淳弥)(インターネットラジオステーション音泉)
4.Fate/Grand Order カルデア・ラジオ局Plus(田中美海、高橋李依、大久保瑠美)(youtube)
5.ラジオでもはたらく魔王さま!!(日笠陽子、東山奈央)(youtube)
6.三つ目のキングと秘書官のむちむちPoo Cube RADIO(大空直美、日笠陽子)(youtube)
7.まほよめラジオ ホーム編、カレッジ編(種崎敦美、竹内良太、河瀬茉希)(インターネットラジオステーション音泉)
8.NieR Automata ver.1.1a Podのポッドキャスト(安元洋貴)(youtube)
9.ガルフレ♪ラジオ「明音と文緒の聖櫻学園放送室♪」(佐藤利奈、名塚佳織)(響-Hibiki Radio Station-)
10.ぼっち・ざ・らじお(青山吉能、他交代制)(youtube、インターネットラジオステーション音泉)
次.「私の百合はお仕事です。」Webラジオ カフェ・リーベ女学園より愛を込めて(小倉唯、上坂すみれ)(インターネットラジオステーションおんせん)
総評:今年は作品ラジオ復権の年と言えるかもしれません。4と9以外はほぼ進行中のアニメと連動した番組です。ラジオまた媒体がyoutubeとなる番組が主流になりつつあるようで、今回のランクでも半分(複数展開ものを含めるとそれ以上)がyoutubeでした。1はのぐちさんの遅刻ネタを最後まで押し通し、3は同時期に同じ出演者でも全く雰囲気が違う作品が進行しており対比が面白かったです。後半は特に日笠さんの出演率が跳ね上がっていて、10月からは佐倉綾音との「余談を許さない」も始まり、快進撃が止まりません。]]>
12月28日 来冬のTV視聴計画
http://mfbox.exblog.jp/33610787/
2023-12-28T12:37:00+09:00
2023-12-28T12:37:28+09:00
2023-12-28T12:37:28+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
<海外ドラマ>
なし
<スポーツ>
なし
<アニメ>
(継続、特番)
札 転生したらスライムだった件 コリウスの夢(BS11 12/31 20:27)※Abemaで試聴済み
札◎シャングリラ・フロンティア(HBC 日曜 17:00)
札◎薬屋のひとりごと(STV 水曜 26:04)
札◎葬送のフリーレン(STV 金曜 23:00)
(旧作)
今のところ未定
(新作)
札◎異修羅(BS日テレ 1/3~ 水曜 24:00/HTB)
○魔法少女にあこがれて(BS11 1/3~ 水曜 25:00)
札◎ダンジョン飯(BS11 1/4~ 木曜 23:30/TVH)
○ゆびさきと恋々 (BS日テレ 1/6~ 土曜 22:30)
札◎青の祓魔師-島根啓明結社篇-(BS11 1/6~ 土曜 24:30/UHB)
◎月が導く異世界道中 第二幕(BS日テレ 1/8~ 月曜 23:00)
◎真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 第2期(BS日テレ 1/8~ 月曜 24:00)
札○姫様”拷問”の時間です(BS11 1/8~ 月曜 24:00/TVH)
札◎Synduality Noir【第2クール】(TVH 1/8~ 月曜 24:00/BS日テレ)
札◎道産子ギャルはなまらめんこい(TVH 1/8~ 月曜 24:30)
○外科医エリーゼ(BS日テレ 1/10~ 水曜 25:00)
◎うる星やつら 新作 第2期(UHB 1/17~ 水曜 24:55)
?魔都精兵のスレイブ(BS朝日 1/4~ 木曜 25:30)
?ぽんのみち(BS-TBS 1/5~ 金曜 26:30)
札?メタリックルージュ(UHB 1/14 日曜 25:10)(+ULTRA枠)
継続の多い(しかも大作)クールではありますが、新作も12作で、試聴確定は15作になります。レベルの高さを十分に感じている継続3作は置いておいて、新作での期待はやはりダンジョン飯でしょうか。先行上映を見てきましたが、なかなかの期待度を見せてくれています。喰われた早見さん・・・じゃなくてファリンの元まで放送終了までに辿り着けるのかだけが不安要素(笑)です。道産子ギャルも前評判から話題になっており、同じ道産子として嬉しい限りです。ヒロイン役を佐倉綾音が射止めたこともプラス効果となって、ヒットして欲しい応援作品です。異修羅は早い段階(確かAJ2023)から大規模に宣伝を打っていて入念な話題作りに腐心していたので、果たしてその甲斐ある大作に仕上がっているか見届けたいと思います。2期ものは基本的に無条件確定の◎にしていますが、その期待度はピンキリだったりします。期待が大きいのはSyndualityで、前期で見せた巧みなメカアクションと終末世界観の融合がどう展開するのか期待ですし、青の祓魔師、月導は間隔が空いての続編ですが、それぞれ個性の強い作品なので新作でもその個性が如何なく発揮されれば楽しく見られそうです。一方不安要素があるのが辺境スローライフとうる星で、前者は名ばかりスローライフの異名を持つほど穏やかとは真逆の苦渋の展開を見せた前期があるだけにまた騙されるのではという不安、うる星は前期で現代のアニメ界隈とのギャップを痛いほど思い知らされただけに、またギャグが上滑りしないか危惧しています。その他は、魔法少女あこがれは展開的には最近きららで始まった某作品と酷似している(きららの方が後ですが)のですが、エロダークな匂いをぷんぷんさせています。拷問は文字のイメージとは真逆の甘々トラップに悶え苦しむ様を楽しむ作品。ゆびさきは聴覚障害の少女が主人公の今期貴重な純愛物語。エリーゼは再転生による出戻り少女の医療貢献譚で、聖女で大成功した石川由依が主人公役ということもあり期待したいが、再転生までの説明が長くなると蛇足感が伴いかねないのが難しいところか。当落線上は、鬼頭案件のスレイブは声優要素以外一切不明。ぽんのみちは麻雀作品だけどこのジャンルには「咲」という金字塔があるのでどう差別化できるかが鍵か。メタルーはこのところ好調だった質アニメ枠なので一応押さえてみましたが、前情報はほぼない状況。
期待度は、ダンジョン飯>道産子>(フリーレン>)Synduality>(シャンフロ>薬屋>)青の祓魔師>月導>異修羅>ゆびさき>あこがれ>拷問>エリーゼです。]]>
11月3日 今夏のアニメ評価
http://mfbox.exblog.jp/33519748/
2023-11-03T15:43:00+09:00
2023-11-26T02:15:30+09:00
2023-11-03T15:43:52+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
「ホリミヤ-piece-」(BS11 全13話 原作:HERO、萩原ダイスケ 製作:CloverWorks)
(4.4, 4.5, 4.6, 4.3, 4.3, 4.5, 3.9, 4.0; 34.5pt)
堀京子(戸松遥)と宮村伊澄(内山昂輝)は、堀の弟を宮村が道端で助けたことがきっかけでお互いの素の部分を知るまでに至り、結婚を誓い合うまでに進展した。そこに至るまでの学校生活には、近しい間柄の仲間たちとの面白おかしく波乱万丈な青春の日々があって。。。そんな生徒や関係者たちの日常を切り取った至高のスクールライフラブコメ。
21年に放送され学園ラブコメとして大人気と高評価を得たホリミヤの事実上の2期。時間軸上は1期で描かれた2人の出会いから卒業までと同じで、1期で描ききれなかったエピソードの穴埋めにあたるのだが、本作の放送が決まった当初から、穴埋めと言うのが失礼なくらい珠玉のエピソードがあって、原作ファンを中心に大きな期待を受けていた。もちろんサブキャラのエピソードに焦点が当たるのは折り込み済みで、事実かなり面白かったが、主人公である宮村と堀のエピソードもたっぷりで、1期の出来の良さをそのままに満足感の裾野が広がった感じで、最高のサイドストーリーでした。
物語:1期と明確に違うのは、2人の関係性を紡いできた部分は既に描写済みなため、そこをバッサリカットしたこと。それによりサイドストーリーとして思い切りコメディに全振り出来、サブキャラを光らせ、学生ならではのわちゃわちゃした感じを惜しみなく表現できていた。
世界観:学校や堀家を中心とした日常生活が中心だが、各キャラクターの強い個性のおかげか青春感が強くにじみ出ていてキラキラしているようにも感じる。
人物:サブキャラ含め個性的なキャラたち全てに焦点が当たる展開で、サイドストーリーらしく意外性のあるサブキャラ同士の組み合わせなど見せ方にもバリエーションの豊かさを感じられた。
作画:キャラデザの個性が強く出る作風で、萌え作画のような美麗さとは一線を画すが、「ホリミヤ」とはこういうものだという説得力を感じさせる作画。もちろん崩れもなく高レベルですよ。
声優:世界観(生活圏)が1期と変わってはいないので、ここの評価は変わらないが、意外と豪華キャストなのをそう感じさせないのは作品・キャラ自体に魅力がたっぷりだからか。
魅力:各キャラが生き生きしていることが既に魅力を振りまいているようなもの。1期では割と憎まれ役的立場に見えたキャラもスポットが当たって真の姿が見えるようになったのも大きい。
主題歌:OP「幸せ」(Omoinotake)(3.9)、ED「URL」(坂口有望)(3.8)。感情的なOP、軽快な感じのEDとも青春感を前面に押し出したポップな楽曲だが、共に楽曲としては地味で、作品全体的に高評価の中足を引っ張る形になったのは残念。
劇中音:BGMが味を出したシーンの記憶があまりなく、キャラの個性がそれを上回ったと考えるべきか。エピソード自体も含め面白かったのは特殊EDの「ドクロニンジャコノハ」。
「アンデッドガール=マーダーファルス」(UHB 全13話 原作:青崎有吾 製作:ラパントラック)
(4.4, 4.5, 4.3, 4.3, 4.2, 4.1, 4.3, 4.1; 34.2pt)
鬼の血を混ぜられ超人的な力を持つ真打津軽(八代拓)は嘘と真実を巧みに混ぜた持ち前の話術で誤魔化しながら見世物小屋での怪物退治で生計を立てていた。そんな津軽のひっそりとした活躍をどこで聞きつけたのか、生首の女輪堂鴉夜(黒沢ともよ)がスカウトし、メイドの馳井静句(小市眞琴)と共に鴉夜の身体を探す旅に出た中で、遭遇する様々な事件を鴉夜の明晰な解析と津軽の立ち回りで解決していく異能バトルトラベルミステリー。
原作は講談社タイガで刊行された文庫作品で、文庫からのアニメ化の成功例は多くない中、過去の名作に出てくる怪盗や探偵、暗殺者などの有名どころのエピソードをうまく混ぜ合わせつつ、ダークファンタジーに振った魅力的なキャラクターの多い緻密な作品として作り上げられ、高い完成度に感心した。キャラクターとしては既視感があっても、そこから想像もつかないようなミステリ展開を見せ続け、最後まで興味を引き続けることに成功した。「+ULTRA」枠の個人的最高評価(これまではキャロル&チューズディ)。
物語:旅の主目的は鴉夜の身体探しだが、様々な事件に立ち止まり、そちらの展開の方がウェイトを占める。名作ミステリに<鳥籠使い>として謎解きに絡む一行の行動が意外性を生んで興味深い。
世界観:登場キャラクターの立場などから近代欧州の有名ミステリに寄った雰囲気が色濃く出る中、<鳥籠使い>の異国感からくる強烈な個性が最高のアクセントになっている。
人物:津軽の小馬鹿にしたような話ぶりやメイドの邪険な態度、悪役たちの巧みな思考など、必ずしも好意的に受け止められずとも、それが逆にキャラの個性として光っている。
作画:雰囲気重視の暗い背景画の一方で、キャラの描写については、その抑え切れない個性を存分に魅せた珍妙感バリバリの人物画で、そのキャラもとにかく目立ちまくっている。
声優:黒沢さんなど作品の魅力に感銘を受けた声優が多いようで、声優の豪華さが霞むくらいキャラクターの存在感が強く、声優の力量が試される作品でもあったと思う。
魅力:作品の雰囲気的に可愛さを感じさせる要素が皆無で、そういう方向での魅力は確かに乏しい。ただ、この作品の描き方としては決して間違ってはいない。
主題歌:OP「Crack-Crack-Crackle」(CLASS:y)(4.7)、ED「Reversal」(Anna)(3.9)。OPは津軽の軽妙な口ぶりが映ったかのような不思議なリズム感を持ったスピードサウンド。聞くたびハマる魅力があった。EDは本作の怪しげな雰囲気をダークに歌い上げたバラード。ちなみにAnnaは2000年代にToLOVEるのEDを歌った方とは別人。
劇中音:怪盗と探偵のバトルシーンでは1つ1つの行動が派手になるような演出が、一方で人狼の話では怪奇的な雰囲気を出す演出がそれぞれサウンド面でも光った。
「ライザのアトリエ〜常闇の女王と秘密の隠れ家」(BS11 全12話 原作:コーエーテクモゲームス 製作:ライデンフィルム)
(4.2, 4.4, 4.1, 4.4, 4.0, 4.6, 4.2, 4.1; 34.0pt)
広大な湖の一角に浮かぶ小島の村に生まれ育ったライザリン・シュタウト(のぐちゆり)は、孤立という代償と引き換えに得た平和で穏やかな生活に刺激を求めていたところ、錬金術師を伴った商船の長期滞在による新たな出会いの中で、自らに錬金術の才能があることを知る。錬金術という新たな手段を得て、幼馴染のレント(寺島拓篤)やタオ(近藤唯)、そして商家の娘クラウディア(大和田仁美)と共に新たな冒険へと足を踏み出すクリエイターズ冒険ファンタジー。
アトリエシリーズのアニメ化はエスカ&ロジー以来となるが、地味な展開のわりには、作画に恵まれることもあって高評価になることが多く、今回もその類に漏れず、作画面が引っ張って高得点となった。ただ、逆に作画頼みという言い方も出来て、今期の他の作品と比べてもそこまで高評価な作品だったか?と疑問符がつく程度に、話の内容の深みはやや物足りなさを感じた。
物語:閉鎖的な村にあって、冒険を望むライザと、それに呼応し集まる人や技術を駆使して綿密に準備して旅立つ、と言えば聞こえは良いが、アトリエシリーズの真骨頂は本来は錬金術の方であって、冒険(しかも薄っぺらい)に舵を振った本作は、アトリエシリーズらしい錬金術の深みをやや味わい切れない物語になってしまった。
世界観:長閑な街並みの風景など全体的に優しい雰囲気。冒険ものらしく強敵はもちろんいるが、恐怖を与えるような描写ではなく、むしろ可愛い敵もいるくらい。
人物:ライザがとにかく活動的で、その行動力が物語を動かす原動力にはなっているのだが、錬金術を行う製作者も兼ね、その地味な部分との相性は正直悪いと感じた。また、他のキャラがライザに引っ張られている印象が強く、主体性に欠ける感じはした。
作画:ゲーム原作のイメージをさらに精巧にしたような美麗な作画。ライデンは時折超作画を見せてくるが、本作もそれに嵌った感じ。
声優:有名どころは多いし、ちょい役も含めればベテランも入って豪華ではあるが、全体としては層は薄い感じ。
魅力:女性キャラを中心に表情はもちろん髪型やアクセサリーなど描写が繊細で、暴れ馬的存在であるライザですら可愛いと思えるのだから、視覚的な引き付けは十分すぎるくらい。そして忘れてはならないのがライザの太もも!
主題歌:OP「ゴールデンレイ」(三月のパンタジア) (4.7)、ED「アロー」(Awkmiu) (3.7)。OPは新世界に向け立ち上がったライザを祝福するような輝かしく澄んだポップソング。初めてパンタジアを最高ランクに押し上げた。EDは未知の世界へ羽ばたくみんなを鼓舞するような後半盛り上げ型の楽曲。曲は悪くないのだが放送曜日に恵まれず(作品が集中)評価向上を逃した。
劇中音:錬金術まわりで効果音を多用。調合時の特殊映像は正直微妙だったが、ライザの調合品は割と派手なことを起こすので効果音も賑やかだった。
「うちの会社の小さい先輩の話」(HTB 全12話 原作:斎創 製作:Project No.9)
(4.0, 4.2, 4.3, 4.5, 4.0, 4.7, 3.8, 4.0; 33.5pt)
入社1年目の新人篠崎拓馬(新祐樹)は同じ部署の背の小さい先輩片瀬詩織里(立花日菜)の指導を受けながら癒しをもらっている。一方で詩織里もまた初めての後輩として篠崎を親身に指導している。そんな理想的な師弟関係の2人を見る周りの目も温かい、いつしか2人は互いを先輩後輩としてだけでない目で見るようになってしまい。。。そんな今にも恋に発展しそうな2人や職場の人間関係を甘さたっぷりに描いたスウィートオフィスラブコメ。
オフィスラブ系作品としては、放送時間帯も同じで男女の立場が逆である萌の権化動画工房作品「ウザい先輩」があり、どうしてもこれとの比較は避けられず当初は期待値は低かったのだが、始まってみれば小さい先輩の可愛らしい動きとコロコロ変わる表情にあっさり撃ち抜かれてしまった。幼なじみが同僚とか職員構成にご都合感が大きいのは気になるが、良好な人間関係が見て取れる良職場での物語で安心して見ていられた。
物語:安心して見ていられるとは言ったものの、裏を返せば物語にうねりがないということで、ラブコメを楽しむ以外の要素がなく、物語の薄っぺらさは如何ともし難い。
世界観:会社の雰囲気が良いことは、会社勤めの人間から言わせれば一番大事なこと。一方で職場の面々で人間関係が完結しているため場面の展開がオフィスと飲み屋くらいで乏しい。
人物:詩織里の一挙手一投足が見ていて飽きが来ず楽しい。先輩風を吹かせて見たと思えば失敗したり思い通りにいかずに慌てたり、かわいい物に興奮したり、表情豊か。それでいて本人も巨乳美人ときた。たまらん(奮)。
作画:詩織里を中心に人物描写に集中してハイレベル。早川千夏(花守ゆみり)も含め、表情や行動の可愛さ表現に妥協がない。その分背景はかなり単純化されているけど。
声優:主人公ペア2人はまだ若手だが、脇を固める同僚やちょい役の他部署の面々などは聞き馴染みがある有名どころで、そうした人たちの声を聞くのもまた楽しい。
魅力:詩織里自身もそうだし、篠崎との関係性(その変化も含めて)もまた魅力的に描かれている。心を空っぽにして視聴し、ただただ癒されることをお薦めする。
主題歌:OP「HONEY」(小林柊矢)(3.8)、ED「sugar」(由薫)(3.8)。OPは快活ではあるがそれだけ。EDはシュガーを名乗っておきながら歌い手の声が甘さを感じさせない。どちらも微妙な歌で、この作品もまた、味気ない主題歌によって評価の足を挫かれた感じ。
劇中音:物語としては淡白な展開であり、あまりBGMに頼っていない感じも割りかし簡単にわかってしまう。正直いうとあまり良い事ではない。
「無職転生2〜異世界行ったら本気出す〜」(BS11 全12話 原作:理不尽な孫の手 製作:スタジオバインド)
(4.3, 4.2, 4.2, 4.5, 4.2, 4.3, 3.8, 4.0; 33.5pt)
人間不信から引きこもりニートとなった34歳の男が交通事故で死亡した事で転生した魔法のある異世界で、自らに備わった強大な魔力を糧に、転生前の後悔を糧に今度こそ本気で生きることを誓ったルーデウス(内山夕実/転生前:杉田智和)だったが、グレイラッド家を狙い撃ちしたかのような転移事件により事態は大きく動き、少ない仲間と歩んだ家族探しの旅で売ってきた名をどこからか聞きつけた魔法大学からの誘いを受ける。悲嘆や失態を伴う仲間との別れを経て魔法大学に入学したルーデウスが、様々な出会いを経てさらなる成長をしていく異世界マジカルグローアップファンタジーの第2期。
2期の開始を前にBS11で放送された1期を見通してからの急ごしらえの知識で見始めた2期だったので、正直無職転生の世界観をしっかり把握できていないままの視聴できちんと理解できているか不安なところはあるが、作画の良さもあって、歳を取ったルーデウスを違和感なく受け入れられたとは思う。魔法大学での生活は、意外性のある人物たちとの邂逅もあって1期の旅にも負けない位波乱万丈で、まだ前半なのだが、フィッツとして正体を偽っていた幼なじみのシルフィエット(茅野愛衣)と結ばれる美しい終わり方で充実感が高い。ただ、存在を確認できている(ので呑気に学園生活を送っている)ような流れだったが、母親(金元寿子)の登場が転移事件後一切ないのは不安が残る。
物語:エリス(加隈亜依)との別離に自棄になっていた自身を取り戻す泥沼編を経て、不能(ED)の治療という邪な目的も含めての大学生活編と、波乱に満ちたルーデウスの物語として観る側も大きく心を揺さぶられた。
世界観:魔法世界ではあるが、基本強者とやり合う時くらいしか本気の魔法は使われず、異種族が集まる独特の雰囲気こそ特徴的な世界観だが、大学編が長く続くにつれ冒険要素が薄まっていく印象を受けた。
人物:要は気付いてもらえない不安なだけだったのだが、シルフィが何故頑なに正体を明かさないのか謎だった。また、女性関係の前に立ちはだかるED問題を物語のメインに持ってきてしまうあたり、倫理観をちょっと疑ってしまう(苦笑)。
作画:私はおにまいから知ることとなったが、バインドの作画力の高さには息を飲む。ルーデウスの表情1つとっても繊細で心情が露わになっているし、サブキャラまでも行動1つ1つの描写に余念がない。
声優:キャラクターの特徴をよく捉えた声優を慎重に選んでいる感じ。結果的に有名どころや成長株の声優が多いが、特徴的な声の持ち主以外は声優をあまり意識して視聴はしていない。
魅力:大学編こそ比較的落ち着いているが、それまでは危険度も高い冒険で生死を扱う場面もある。女性関係に正直な作品であり、そっち方面での魅力もあるにはあるが、ルーデウスが絡むと例の不能が邪魔をする。
主題歌:OP「spiral」(LONGMAN)(3.8)、ED「ムスビメ」(大原ゆい子)(3.7)。OPは2期になり初めて専用の映像がついた。楽曲は物悲しげな始まりから力を取り戻すルーデウスの2期の経過を辿るように盛り上がるような楽曲。EDはずっと無職転生の主題歌に絡んでいる大原さんだが、地味すぎる。
劇中音:あまりサウンド面で気付くことはなかった。2期はバトルで盛り上がることが少ないことも影響したか。
「はたらく魔王さま!2nd Season」(BS11 全12話 原作:和ヶ原聡司 製作:Studio 3Hz)
(4.1, 4.2, 4.0, 4.2, 4.3, 4.2, 4.4, 4.0; 33.4pt)
異世界エンテイスラでは魔王サタンだった真奥貞夫(逢坂良太)と、同じく勇者エミリアだった遊佐恵美(日笠陽子)は、お互いを敵と認識しながらも、真奥をパパ、恵美をママと呼ぶエンテイスラ出身の幼女アラスラムス(木野日菜)を子供のようにあやすうち、2人の関係性の変化に否応なく気づかされる。憎しみの前提だった殺されたはずの恵美の父親生存の情報もありエンテイスラへ一時帰還する恵美だったが、予定した日を過ぎても戻らないことに不安を抱いた真奥たちが向かったエンテイスラで巻き起こる陰謀を描いた逆異世界魔王勇者日常ファンタジーの第2期2クール目。
前期は主に作画面での失望が前面に出過ぎて、10年前の1期を知る者の悲嘆を招いたが、今回はその作画にも慣れたというか、作画自体が良くなって作品本来の評価ができる状態には戻った。前期での悪評の1つだった佐々木千穂(東山奈央)の助産師的立場もひと段落し、真奥への熱い想いが戻ってきた。と言っても、今回の主題はエンテイスラへ行った真奥と恵美の大立ち回りで、若干周りくどい手順を踏んでいるようにも見えたが、所々ギャグを織り交ぜながら混乱をねじ伏せていくさまは、はたまおらしさを存分に感じさせた。
物語:物語としては、前半が幡ケ谷パート、後半がエンテイスラパートと分かれるが、魔王勇者側はともかく、襲来者側の目的がバラバラで繋がっていないため、話が複雑化して分かり難かった。天使と大法神協会が裏でつながって魔王軍側を操っているとかならまだわかるのだが。
世界観:エンテイスラ側が遂にメインで扱われることとなったが、いまいち画一性に欠ける世界観設定に見えた。また、戻ってきた大家の説明で事情が一部明らかになったが、着地点に向けたカウントダウンに聴こえるのはやや寂しい。
人物:真奥のお助け的立場としてアシエス=アーラ(朝日奈丸佳)が参戦したが、それ以外に目立った登場人物の変化はない。納得いかないのは、この混乱のそもそもの元凶である恵美の母親ライラ(井上喜久子)が最終決戦に全く絡まなかったこと。自分で巻いたタネを拾おうともしないなんて無責任にも程がある。前期も酷評してたな。。。
作画:1クール目の絶望要因であった難作画は、今クールでは画風になれたのかあまり気にならなくなった。今期はバトルも多くよく動くこともあり、作画自体も良かったのではないか。
声優:主要追加キャラはアシエスのみで、すでに多くのキャラが昔から変わらない配役で登場しており、豪華さはそのまま。
魅力:作画が戻ってくると、キャラの魅力も伴って復活するもので、千穂や新たに参戦した梨香(西明日香)が見せる恋心の強さを美しく表現していた。
主題歌:OP「光のない街」(nanoRipe.)(4.7)、ED「bloomin’」(Liyuu)(4.0)。OPは1期でEDだったnanoRipe.が採用され、お得意のハイトーンで歌い上げる元気ロックが、波乱あれど優しい世界のはたまおらしさをうまく表現している。EDは千穂の可愛い仕草が印象的なMVに乗せて爽やかに歌い上げられたソフトポップ。
劇中音:エモいシーンやバトルは多かったのだが、専用のBGMがいまいち印象に残っていない。
「Synduality Noir」(TVH/BS日テレ 全12話 オリジナル(ストーリー原案:鴨志田一) 製作:エイトビット)
(4.2, 4.3, 4.1, 4.3, 4.1, 4.2, 4.0, 4.1; 33.3pt)
災禍を繰り返し、地上から地下、そして地上へと住処を求める人類は、地下退避中に地上へと広がった異形の敵エンダーズ殲滅が安住のため必要で、点在する集落のそれぞれで戦闘マシンを操縦するドリフターたちが活躍していた。マシン操縦に必要なアンドロイド:メイガスを持たないドリフター見習いのカナタ(大塚剛英)は、ある出動に同行した際に捨てられたメイガスを発見する。一見ポンコツに見えたそのメイガス:ノワール(古賀葵)と契約を交わす事になったカナタが、知られざるその能力を目の当たりにしながらもノワールと関係を深め、共に人類のピンチに立ち向かう近未来対異形戦闘ロボットファンタジー。
今期唯一のロボット作品としての期待が界隈では大きかったが、動きがモビルスーツのそれとはかなり違うのでそこはあまり期待しすぎてもとは思っている。一方で、ドリフターとメイガスの関係性だったり、ゼロ(初期)型メイガスの特殊性やそれに関わると見られるノワールの隠された秘密など核心へとうまく誘導している。また、人間ではないものを人間と同等に扱うことから生まれる信頼を超えた関係性も気になるところで、カナタをめぐる女性・女形の争いも2期に向けて期待。
物語:普段は集落で楽しく過ごし、毒の雨で活発化する異形たちを片付けるために出動するという、ベースは単純明快な内容。一方見せたいところはノワールの謎で、それも大体戦闘シーンで明らかになるので、話の流れは解りやすい。
世界観:物語の説明が長くなるような専門用語満載の新規作品は、その複雑さが受け入れられなければ相手にもされない。その点、本作はビジュアルでうまく補えていたと思う。
人物:カナタの成長が遅くなかなかノワールの潜在能力に見合わないのがじれったいが、その実直さは買いだし、なんだかんだ周りの信頼(保護欲?)も厚いので、人間(+メイガス)関係も良好。
作画:CGを駆使して安定したメカの動きが再現できている。それも含め複雑な構造描写の多い本作において安定した作画は評価が高い。
声優:今年大躍進の大塚くんを含め若手重用型の作品で、主にヒロイン側の声優にやや弱さを感じる。
魅力:メイガスが人間と見た目ほぼ変わらないので、メイガスを含める形である意味ハーレム化している。エリー(稲垣好)の幼なじみポジがこれほど不遇なのもなかなか見れない。
主題歌:OP「Raytracer」(Stereo Dive Foundation)(4.2)、ED「ユリイカ」(ARCANA PROJECT)(3.7)。OPはサウンドクリエイターならではのギミック使い放題の格好よさ全開のデジタルソング。ポイント以上に気に入っています。EDは意味深な水中映像のノワールの感情を描いたバラード。前作がアクアトープだったこともあって、水・海系の楽曲は得意なのか?
劇中音:今期唯一のロボット・メカものということもあって、鳴り響く戦闘音、機械音が否応なしに注目を浴びた。
「わたしの幸せな結婚」(BS11 全12話 原作:顎木あくみ 製作:キネマシトラス)
(4.3, 4.3, 4.1, 4.4, 4.2, 4.0, 3.9, 4.1; 33.3pt)
異能を持ち合わせることが生きる条件ともされる家計において、異能が使えず不遇の扱いを受け続けた斎森家の娘美世(上田麗奈)は、政略的な縁談により久堂清霞(石川界人)のもとに嫁ぐこととなる。未だ幼少からの虐げで染み付いた自己不信に悩む美世だが、一見冷たい様に見えて親身に気遣う清霞に心許し、幸せを感じ手放したくないと願うようになる。そんな2人の幸せな生活を脅かす数々のピンチに立ち向かう姿を描いた異能バトルマリアージュファンタジー。
先行して上映された実写映画のヒットも記憶に新しい中でのアニメ化で、その美しい世界観をいかに描くかに注目が集まった。私が原作未読、映画未視聴というのもあるが、予想以上に異能寄りに作品が作られていたなという印象で、清霞と美世の互いを想い合う心情描写はよく描けているが、その幸せよりも美世の内向性の強さや虐げの非道さ、御世をめぐる各家の策謀の印象が強く、「幸せだね、良かったね」と素直に思えないやや疲労感の強い視聴後感想になってしまった。
物語:異能の家系に生まれたことで辛酸を舐め続けた美世が、最後は異能により旦那を取り戻し幸せを手にするというサクセスストーリー。とはいえ、外からのちょっかいがあまりに多く、その度に2人の絆が引き裂かれるのを見るのは心が痛い。
世界観:幕末の日本っぽい雰囲気だが、異能の存在によりフィクションの世界である。なので、背景の美しさがそのまま非日常感を醸し出している。
人物:異能の家系の醜さが表に出て、美世への仕打ちに憎さすら感じるほど。ある意味製作側の狙い通りではあるのだろうが、ストレスは溜まる。
作画:明暗がはっきりしていて、登場人物の心情が描写から感じられるほど。美世の思い出の木である桜の描写が美しい。
声優:本作では演技力に注目。奥底に堕ちた美世の暗い演技に上田麗奈の奥深さを見た。また、美世をとことんまで見下す母妹の態度も相当にきつく、植田&佐倉という好きな声優で無ければ憎悪の念で気が狂いそうだった。
魅力:キャラは皆美形ではあるが、その内面も重ね合わせると、魅力とは相反する位置にいる者ばかり。全面的に美世推しのゆり江(桑島法子)が一番可愛く思えたくらい。
主題歌:OP「貴方の側に。」(りりあ) (3.9)、ED「ヰタ・フィロソフィカ」(伊東歌詞太郎)(3.9)。OPは穏やかなメロディに乗せ、叙情的という言葉が似合う想いのこもった楽曲。EDは何度もつまづく結婚生活を再起させる強い意志を示すかのような歌い手の魂が伝わるような楽曲。
劇中音:妖との戦闘など異能の場面が多く、また美世への虐げも生々しく、そういった場面で効果音が威力を発揮した。
「LV1魔王とワンルーム勇者」(BS日テレ 全12話 原作:toufu 製作:SILVER LINK. x BLADE)
(4.1, 4.2, 4.2, 4.1, 4.3, 4.0, 4.3, 4.0; 33.2pt)
かつて激闘の末魔王を打ち倒した勇者パーティーだったが、栄光は時とともに忘れ去られ、勇者マックス(中村悠一)はボロアパートのワンルームで自堕落に暮らすしがないおっさんに成り下がっていた。10年の時を経て不完全な形で復活した魔王(大空直美)は勇者の見るも無惨な姿にかつての因縁をかなぐり捨てて一念発起し、同居を決め込む。かつての仲間だったフレッド(松岡禎丞)とレオ(下野紘)が国をかけた小競り合いをする中、不貞寝を決め込む勇者と再起させるため献身的に尽くす魔王という歪な関係を描いたヒーローズアフターライフワンルームコメディ。
本作はコミックFUZ作品で芳文社系列なのだが、同社の主力のきらら系とは全く違うので代わりにならない(泣)。とはいえ、笑いのツボが絶妙で、大空直美が魔王系のギャグは不思議とポテンシャルが高い。大空さんを含め、設定が既視感ありまくりな感じで、ワンルームな所は六畳間の侵略者、魔王の落ちぶれという点は演者含めジャヒー様などあげたらキリがないが、うまく料理出来てギャグ作品として昇華している。逆に新鮮な所といえばパーティー唯一の女性であるユリア(小清水亜美)がムキムキ&リアル時間では子連れ妊婦で最後まで絡んでこなかった点。作者はまともな人間を描く気はさらさらないようだ(爆)。
物語:「力ある者たちのバカ騒ぎ」で片付けても問題なさそうなくらいで、あまり深く考えずに見られる作品。随所に飛び抜けて面白いギャグが織り交ぜられ見るものを飽きさせない。
世界観:勇者たちが必要とされていないというのが身につまされるような雰囲気が一目で感じられる。だからといってあの落ちぶれ方はどうかとも思う。
人物:魔王の献身さが心に染みる。わりと自由に人間生活に溶け込んでいるし、むしろ元パーティーメンバーの方が浮いているくらい。浮いているといえば座敷幽霊(小林ゆう)は何のためにいたんだ?
作画:おっさんの描写としては満点をあげてもいいが、正直そんなことは求めていない。つまりおっさんを丁寧に描写すること自体がギャグ(笑)。まぁ、魔王はじめ女性陣も作風のせいでちっとも綺麗じゃないのだけれど。
声優:大空直美はついに魔王軍トップに上り詰められました(敬礼)。というか、なぜかこうした役にお呼ばれする率が高い。そして喚き立てることには定評のある3人がよく揃った。
魅力:ギャグ系だけど(だから?)魅力を感じるのは無理。画風からそもそも萌え絵は期待していないが、バトルになるとマジもんの引きつった顔になるので怖いくらい。
主題歌:OP「One Room Adventure」(MADKID)(4.7)、ED「ミライ=テレポート」(ねんね)(3.9)。OPはMADKIDとしては爽やかな歌い方だがスピード感あふれる楽曲で本編の混乱ぶりが目に浮かぶ。EDも明るい楽曲で、本編の喧騒をクールダウンさせてくれるように優しく歌い上げてくれている。
劇中音:力ある者同士のバトルなので破壊音は凄まじい。ただ、日常部分は本当にダラダラで、BGMまでそうなっちゃったか。
「あやかしトライアングル」(BS11 全12話 原作:矢吹健太朗 製作:CONNECT)
(4.1, 4.2, 4.1, 4.2, 4.1, 4.4, 3.9, 4.1; 33.1pt)
妖に好かれるタイプの幼馴染花奏すず(市ノ瀬加那)を守るため、人に害なす妖の類いを祓う役目を全うする祓忍の風巻祭里(千葉翔也/富田美憂)は、頂点に立つという最強の妖シロガネがすずに近づいてきたところを迎え撃つ。あと一息というところまで追い詰めた祭里だったが、シロガネの起死回生の一撃「性醒流転」によって女にされてしまう。一時は混乱した祭里だったが、すずを守ることに変わりはないと、女子として学校に通うことにする。異性としての生活に戸惑いながらもすずを守るため奮闘する対妖バトル性転コメディ。
原作が矢吹さんということもあり、肌色多めなことや性別の話題に突っ込んでいることなどから、お色気の面で期待も大きかったと思うが、放送延期が影を落とした。本作は3作のTS作品が揃った1月期作品で、おにまいがあれだけヒットしただけに予定通り放送できていれば相乗効果でもう少し話題にもなったかと思うと勿体無い。実際は、そこまで不条理なお色気表現は見られず、ToLOVEるほどのインパクトは無かったかな。
物語:すずがなぜ妖に好かれるのかやシロガネの懐柔、ライバル祓忍家との共闘や友達との友情物語など、意外とまじめに物語は展開している。ただこれだとジャンル上物足りないと言われてしまう。
世界観:妖の存在についてしっかり突き詰めており、世界観作りに実直なのが見て取れる。ただ、パワーバランスを大変革するためとはいえ、人妖(松岡禎丞)のパワーインフレはちょっとやりすぎた感。
人物:女であることを受け入れた祭里をはじめ、大体の登場人物が状況の変化を柔軟に受け入れている。その中で唯一葛藤が激しいのがニノ曲宗牙(石下翔弥)で、こうした人物がいないとこちらが飲まれてしまう。
作画:延期を挟んだこともあり、作画としては安定している。
声優:富田美憂がTS作品に絡むというのが視聴きっかけではあるが、若手中心ながらもある程度名の通った声優で固められ、無難な印象。
魅力:印象はそれほど強くないものの、お色気や肌色シーンはしっかりとあり、需要にはしっかり応えている。私的にはts要素は外せないけど。
主題歌:OP「熱風は流転する」(フィロソフィーのダンス)(3.9)、ED「厭わない feat.富田美憂、市ノ瀬加那」(Miminari)(3.9)。OPは風巻の風をテーマにしているが、ダンサブルサウンドが少し浮いている感がある。EDは主演の2人が歌い手となり、いつまで続くか分からない細い糸のような関係性を切なく表現している。
劇中音:忍術や妖怪など、効果音の活躍する場面がジャンル的に多い。加えてハレンチ表現も効果音必須なのでサウンド的に賑やか。
「おかしな転生」(BSテレ東 全12話 原作:古流望 製作:Synergy SP)
(3.9, 4.1, 4.1, 4.3, 4.1, 4.5, 4.0, 4.0; 33.0pt)
天才菓子職人の男は、参加したコンテストに文字通り命をかけ落命してしまう。異世界の貴族の息子ペイストリー(村瀬歩)に生まれ変わり、生まれ持った魔法と智才を生かして甘いものの材料を集め、お菓子の国づくりを目指そうと野望を抱くが、貧乏貴族な上に戦いが絶えず、安定したお菓子づくりの時間確保のために魔法と知略を駆使して戦いに挑む転生マジカルスイーツファンタジー。
絵柄とお菓子がテーマと言うことから甘々でゴージャスな貴族のパーティー的要素を想像したのだが、始まってみれば貧乏、盗賊の襲撃と全く逆のイメージ。ペイストリーの魔法も戦いのために活用される始末で、「おかし」はどこいった?そんな「おかしな」展開なんて望んでなかった。絵柄だけは無駄にいいのと閑散曜日の放送だったので切るにきれず見続けてしまった。
物語:転生前から散々お菓子推しだったんだから、お菓子作りをテーマにすればいいものを、貧乏貴族のきな臭い展開でまともに菓子も作れない。何がしたかったんだ?と思わずにはいられない。
世界観:貧乏貴族らしく荒廃した集落の雰囲気は出ていた。まぁ、求めていたものとは全く違うけどね。
人物:ペイストリーが、お菓子作りができずふて腐れるでなく、戦地に赴く時も前向きな表情なのが救い。
作画:正直上手い作画ではないが、こと人物描写に限ってはなぜか頭抜けていた。
声優:人気面では少し落ちるが中堅どころで固めたイメージ。お母さん役ばかりだけど、生天目さんの出演数が戻ってきてるのは嬉しい。
魅力:ヒロインたちはもちろんのこと、ペイストリーまでもが可愛く描かれている。今期の中でも抜けている萌描写だと思うが、逆にそれだけしか特筆すべき所はないとも言える。
主題歌:OP「Brand New Day」(sana(sajou no hana))(4.0)、ED「風味絶佳」(YuNi)(3.9)。OPはソフトな感じの楽曲で、sanaのソロ企画扱い。確かにsajou no hanaのハードな雰囲気は本作には合わない。EDは宇崎ちゃん1期以来のYuNiのアニメ楽曲。OPもそうだが、物悲しさと言うか悲壮感が微妙に付き纏っていて、戦い主体のこの作品には合っているかもしれないが、求めていた甘々な雰囲気とは違う。
劇中音:別にそんなところに力を入れて欲しいわけじゃないシーン、例えば戦闘場面のS.E.や魔法発動の効果音などはそれなりに使われている。
「文豪ストレイドックス 第5期」(BS11 全12話 原作:朝霧カフカ 製作:BONES)
(4.0, 4.3, 3.9, 4.2, 4.2, 3.9, 4.4, 4.1; 33.0pt)
天人の五衰の策謀のもと、非情の殺害集団として嵌められ世間の敵となってしまった武装探偵社。福地桜痴(大塚明夫)率いる特殊部隊「猟犬」に追い詰められる探偵社だが、その福地こそが天人の五衰の頭であり、他の五衰をも騙し自らの目的を遂行する。ポートマフィアを含め多方面の助力を得て窮地の脱出を試みる探偵社だが、福地の秘密兵器である吸血鬼ブラムによりポートマフィアはおろか世界中の人々が吸血鬼化する。悪化の一途を辿る状況のなか、福地の企みを砕くため立ち上がる様々な勢力を描いた異能力バトル活劇の5期。
4期で陥ってしまった探偵社の絶望的な状況からの逆転劇になるだろうと期待した5期(実質4期の後半)だったが、逆転劇どころか状況はさらに悪くなるばかりで、加えて探偵社がいくら足掻いても最悪な状況を変えられず、物語が動くのは無能力者の文(寿美菜子)や敵である五衰の面々が福地の真の目的を知って対峙するなどによるもの。探偵社の活躍がない文豪なんて楽しみを見いだせない。
物語:一応最終的には福地の企みは打ち破られるし、そこまでの大掛かりな絶望的状況の作り出しが見事ではあるので完成度は高いが、不満の方が先行するストレスの溜まるシナリオ。
世界観:大掛かりな舞台を描いているだけあってしっかりした世界観ではあるが、沢山出したキャラクターの全てに見せ場を作ろうとして、世界観が煩雑になった一面もある。
人物:登場人物それぞれに秘めた想いがあるのはわかるのだが、表面上は主役である探偵社に対峙する悪役に回る立場の人物に溢れた描写になるため、どうしても印象は悪くなる。
作画:激しい動きや猟奇的な表情なども含め、安定してレベルの高い作画で、ここは信頼のBONES。
声優:おそらくは文豪1期から言い続けていると思うが、有名、人気どころはしっかり集めているのだけれど、如何せん男所帯なのでどうしても評価は上がりきらない。
魅力:見せ場を作ろうという企画側の意図に載せられたキャラは魅力的に描かれているが、本来の主役であるはずの武装探偵社にスポットライトが当たっていない時点で話にならない。
主題歌:OP「鉄の檻」(GRANRODEO)(4.7)、ED「軌跡」(ラックライフ)(4.1)。OPは三たびロデオに回帰。ラップまじりの曲調がエキセントリックで躍動感を感じさせる楽曲。EDはおなじみラックライフにしては珍しく勢いを感じさせるアップテンポな楽曲。
劇中音:文豪たちの技を格好よく描写することに力が入っていて、効果音の面からもそうした力の入れようは感じられる。
「幻日のヨハネ~Sunshine in the Mirror~」(BS11/Abema 全13話 原作:矢立肇 製作:サンライズ)
(4.1, 4.3, 4.0, 4.5, 3.9, 4.3, 3.8, 4.1; 33.0pt)
歌でビッグになることを夢見て都会でオーディション漬けの毎日を過ごしていたヨハネ(小林愛香)は、まともな実績も残せないまま親から帰郷を命じられ地元ヌマヅに不本意ながら凱旋する。2年を経ても変わらないように見えるヌマヅでの様々な出会いを糧に、密かに起こりつつある異変に歌で立ち向かうマジカルミュージカル異世界ファンタジー。
動画サイトなどで話題になっていたラブライブ・サンシャインのキャラたちによるifストーリーがまさかのアニメ化となった本作。本編では中二病絶賛発病中の津島善子なので空想も得意なのだろうが、善子の空想の話というわけでもなく、あくまでパラレルストーリーの位置づけで描かれている。そのため、キャラの性格や関係性も本編とは異なり、そうした点では新鮮味を持って見られた。
物語:歌で世界を浄化するなど、ラブライブシリーズ故に音楽は切り離せないが、それ以外の例えば様々な人との出会いではAqoursの関係性がリセットされたように丁寧に描かれている。
世界観:魔法のある世界ではあるが、魔法が生かされるような流れにはない。そのほかにも異世界ならではの不思議さのある雰囲気などもあり、そうした不思議さを意識せざるを得ない物語の流れにもなっている。
人物:本編ではキャラの個性が面白おかしく描かれていたが、本作では雰囲気重視でどのキャラも落ち着いた性格で描かれていたと思う。ただ、それでも3話はキツかった。
作画:もともとサンライズの良作画に支えられた本編があってのスピンオフ作品であり、異世界の要素をうまく組み入れつつも良作画としては維持されている。
声優:もともとのAqours自体が、声優力としては弱い面子であり、そこは世界が変わってもデメリットとして残る。
魅力:異世界の住人である事を強調してはいるが、元はAqoursであり、そこの可愛さ表現はしっかり引き継いでいる。
主題歌:OP「幻日ミステリウム」(3.8)、ED「キミノタメボクノタメ」(3.7)(共に Aqours)。OPは異なる世界観の雰囲気を出すように音声加工やデジタルサウンドなどが際立つ疾走感のある楽曲。EDはいつものAqoursらしさが感じられるソフトで明るい楽曲。
劇中音:パラレルワールドとはいえラブライブなので、ミュージカルという形でほぼ毎回挿入歌が入っていた。
「彼女、お借りします。(3期)」(HBC 全13話 原作:宮島礼吏 製作:トムス・エンタテインメント)
(4.1, 4.0, 4.0, 4.1, 4.2, 4.2, 4.3, 4.0; 32.9pt)
彼女に振られた失意からレンタル彼女に手を出した木ノ下和也(堀江瞬)だが、最も気を置く隣人でもある水原千鶴(雨宮天)が追っていた女優という夢が破れかけて失意なのを見て、自らが監督となって自主制作映画という形でだが主演女優の道を導くために行動に出る。当然映画の知識があるわけではなく下っ端や外枠埋めなどの雑用という形での貢献ではあるが、先の短い水原の祖母に主演女優の自分を見てもらおうと演技に励む千鶴を懸命に支える和也だが、そこにのしかかるレンタルという関係に苦悶する疑似彼女ハーレムカレッジコメディの3期。
2期はかなり酷評したが、3期も主題歌点で漸増しただけで評価的には実はそれほど変わっていない。千鶴の映画制作という大きな目標に共に向かう和也と千鶴という関係性を描くという点では芯が通っているように思えるが、この作品の本質はレンタルも元も実も含めたマルチ彼女によるドタバタ劇のはずであり、本作では七海麻美(悠木碧)の出番がほとんどないなど相変わらずのアンバランスなキャラの扱いなど問題点を挙げたらきりがない。前期ほどストレスは感じなかったものの、恋愛ものとしては素直に面白いといえないのが苦しい。
物語:千鶴主演の自主制作映画作りにメインを絞ってきたので見易くはあったが、その分恋愛要素が目に見えて削られているのが如何とも。
世界観:撮影風景を通じていろんな場所に出かけているので、様々な場面を見ることができたが、逆にとっ散らかった一面も否定はできない。
人物:和也の一大決心後はおどおどすることもあれどやらなければという意思が勝り、成長は感じられる。ただ、もう一人の隣人となった八重森みに(芹澤優)の強引さは面白くはあるが映画作りがシリアス気味になっただけに浮いてしまっている。
作画:1期から変わりなく無難。まぁ、無難というのをいいと取るか退屈と取るかの違いはあるけど。
声優:キャラ数が少なめなこともあり、メインヒロインたちこそ豪華ではあるが、彼女たちだけで支えられている感があって、充実感に乏しい。
魅力:各キャラとも、顔の表情だけ見れば萌え要素も感じられるのだが、多分頭身がリアル寄りになっているせいか、キャラの性格のせいか、魅力として認識できないでいる。
主題歌:OP「恋愛ミリフィルム」(halca)(4.7)、ED「エンドロール」(Amber’s)(3.9)。今回最も貢献したのはこの枠。OPはhalcaが返り咲き、映画製作のハードな日々を優しい歌声で包み込むようなやや哀愁まじりのミドルポップ。EDは多数の手を借りる映画製作陣への感謝をイメージした明るい楽曲だが、千鶴祖母の危篤という暗転を曲のバラード化でエッセンスを加えたのは面白い。
劇中音:元々は多方向の恋愛のドタバタを面白おかしくサウンドで盛り上げるものだが、恋愛要素の抜けた本作ではそれも叶わず、サウンド面の印象がとにかく薄い。
「TIGER & BUNNY 2」(NHK総合 全25話 原作:BN Pictures 製作:BN Pictures)
(3.9, 4.3, 4.0, 4.3, 4.2, 4.0, 3.8, 4.1; 32.6pt)
超人的能力を持つNEXTの一部をヒーローとして悪党と戦わせ、事件解決にエンタメ性を持たせるHero TVで活躍していた超人たちが、今度は2人1組のタックを組んで事件解決の貢献度を競うようになった。しかし、そこにヒーロー狩りと称する能力者たちが現れピンチに陥るヒーローたち。さらにはその能力者たちを裏で操りながらヒーローの失墜を狙う組織の存在も見え隠れし、ヒーローの存在意義が問われるサイキックヒーローズエンタメバトルファンタジーの2期。
放送当初はNetflixの独占配信だったものを、NHKで放送するにあたりトレードマークでもある企業ロゴを全て消去した状態で放送されたため、タイバニのタイバニらしさを1つ失ったような形になってしまった。が、そんなことがどうでも良くなるくらい物語の暗さ、ヒーローがその立場を追われる絶望の様を長きにわたり見せられ、見るのが苦痛な状態を強いられた。今年はこうした絶望系の作品が続編もので特に多く、各作者とも物語づくりに苦悩しているのだろうか。
物語:ヒーローそのものを否定する流れに一時的ながらもなるくらい、ヒーローたちを落としに落とした絶望シナリオ。特にヒーローは力を持っているだけにそれを違うアプローチで押さえつけるのがねちっこくて嫌だ。
世界観:追加された新ヒーローたちが慣れきっていないのが玉に瑕だが、既存のヒーローたちで作り上げられた独特の能力者世界は他の追随を許さない。
人物:悪人がとにかく強くずる賢い。憎たらしく思わせたら製作側の勝ちではあるのだが、悪役が必要以上に粘るとヘイトも増えて嫌悪感を抱えての視聴は正直辛い。
作画:戦闘シーンは本作の最大の見せ場であり、よく動いており見事な作画力。
声優:既存ヒーローは声も特徴的で馴染み深い。新規ヒーローや悪役の配役も巧み。
魅力:ヒーローたちが着用するモビルスーツも特徴的ではあるが、スーツに萌える感情は持ち合わせていない(爆)。戦いが舞台であり男優りな展開が多いのも魅力要素にはマイナスに働いたか。
主題歌:OP「kaleid proud fiesta」(unison square garden)(3.8)、ED「AIDA」(ano)(3.7)、「Pilot」(向井太一)(3.8)。OPは1期に続きusgが担当。OP映像ともシンクロした賑やかで爽やかなサウンドがタイバニのお洒落な部分を反映している。EDは前期はバックサウンドがノイジーで歌の良さは解らない。後期はかなり凝ったサウンドと歌い方で歌詞太郎さんかと見紛うような近さがあった。
劇中音:TVショーとしての一面もあることから、サウンド面での盛り上げもたっぷり。
「ライアーライアー」(Abema/BS朝日/HTB 全12話 原作:久追遥希 製作:GEEKTOYS)
(3.9, 4.1, 3.9, 3.9, 4.0, 4.3, 4.2, 4.0; 32.3pt)
エリート生徒たちがゲームで決闘を繰り広げる学園島「アカデミー」への転入を果たした篠原緋呂斗(中村源太)は、道に迷っていたところで出会った彩園寺更紗(倉持若菜)と成り行きで決闘となるが、訳もわからないままビギナーズラック的に勝ち星を拾う。更紗は学園最強の七つ星だったため、緋呂斗がその座に成り上がり、そのトップの座を守り抜く義務を背負うこととなった。以後、持ち前のハッタリ術と付き従うメイドの姫路(首藤志奈)のイカサマ、そして秘密を共有した更紗の力を借りて、七つ星の座を狙う学園のエリートたちの挑戦を受け続ける緋呂斗たちの奮闘ぶりを描いたライアーゲームバトルアニメ。
異世界なろう系が席巻している最近のアニメ業界にあって、久々のラノベ枠として期待した作品。嘘を隠し通してハッタリやイカサマで相手を打ち負かす戦い方自体は面白いと思えたが、ゲームの設定に欠陥が多いのは致命傷で、所々強引さをぬぐいきれなかった。また、久しぶりに作画崩れをはっきり認識せざるを得ない作品に出会ってしまった。キャラクターが可愛い娘揃いだっただけに非常にもったいなかった。
「てんぷる」(BS11/HTB 全12話 原作:吉岡公威 製作:月虹)
(3.8, 4.0, 3.9, 4.2, 4.0, 4.3, 3.8, 4.0; 32.0pt)
家系のせいで周囲から蔑まれてきた赤神明光(赤坂柾之)は、偶然出会った蒼葉結月(愛美)に一目惚れし、血が騒ぐのか煩悩に囚われてしまう。心を入れ直そうと出家を決意した明光だったが、女人禁制と紹介された出家先の三日月寺は実は真逆の男子禁制・女性のみの尼寺となっており、かの結月が住む寺でもあった。父親の不貞による借金返済もあってこの寺に住み込みで働くこととなった明光と住人の女性たちとの性的に危ない生活を描いたエロティックテンプル青春ラブコメ。
北海道で放送されるとか寺社をテーマにしたアニメは珍しいとかいう理由で注目したんであって、エロに期待して視聴を決めたんじゃないんだからねっ(爆)。とは言いつつも内容は薄く、エロや明光のセルフ殴打といった飛び道具に頼りきりなのもワンパターンに思えてしまった。また、寺の経営は困窮しているにもかかわらず、住人の女性たちの生活レベルがそれとそぐわない(結月以外は普通に女の子としての生活を満喫できている)のも設定の統一感に欠けて、製作側のやりたいことをひたすらやっただけで終わってしまったように思える。
「悲劇の元凶となるラスボス女王は民のために尽くします。」(BS11 全12話 原作:天壱 製作:OLM Team Yoshioka)
(3.9, 3.9, 4.0, 4.2, 4.0, 4.2, 3.7, 4.0; 31.9pt)
フリージア王国の第一王女であるプライド(ファイルーズあい)は、8歳となったとある日に、突然前世の自分を思い出し、今の自分が前世で好んでプレイしていた乙女ゲームの悲劇の元凶となる女王であることに気づく。このまま手を拱いていてはゲームで訪れた最悪の未来の二の舞になるため、自らの持つ記憶と目覚めた予知能力を駆使して、最悪の未来を回避するために慈愛を持って民のために立ち回る悪役令嬢フューチャーチェンジングファンタジー。
これは酷かった。見てくれと物語の進み方は一見問題ないように見えるが、ストーリーが劣化はめふらそのものだし、うまく立ち回って様々な物事が確実に良い方に変わっているのに、いつまで経っても「最低な女王になったら殺してね」と呪われたように曰い続けるプライドが全く理解できなかった(後から聞いた話では、原作ではどうあがいても極悪非道化し転生を繰り返すとか言ってたような。それなら納得だが、それを本作ではぶっ飛ばしている)。加えて、状況は良くなりつつあるのに雰囲気だけがいつまでも暗い偽シリアス状態。あらゆる物事が明後日の方向を向いていた感じだった。
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10月1日 今秋の視聴計画
http://mfbox.exblog.jp/33470680/
2023-10-01T18:58:00+09:00
2023-11-03T15:41:17+09:00
2023-10-01T18:58:50+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
<海外ドラマ>
なし
<スポーツ>
ワールドカップスピードスケート帯広大会(NHKBS1)
スピードスケート国内各大会(NHKBS1)
<アニメ>
(継続、特番)
転生したらスライムだった件 コリウスの夢(媒体不明 11/1)
進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)(NHK総合 11/4 24:00)
邪神ちゃんドロップキック 世紀末編(BS日テレ 12/26 24:05)
(旧作)
(再)Fate/Apocrypha(BS11 金曜 25:00)
(新作)
札◎シャングリラ・フロンティア(HBC 10/1~ 日曜 17:00)
◎アークナイツ~冬隠帰路~(BS11 10/8~ 日曜 23:30)(全8話)
◎盾の勇者の成り上がり Season3(BS日テレ 10/8〜 日曜 26:30)
◎星屑テレパス(BS日テレ 10/9〜 月曜 24:00)
◎聖女の魔力は万能です Season2(BS11 10/3~ 火曜 24:30)
札○私の推しは悪役令嬢(BS日テレ 10/4~ 水曜 23:30/HTB)
○16bitセンセーション Another Layer(BS11 10/4~ 水曜 24:30)
◎陰の実力者になりたくて Season 2(BS日テレ 10/4~ 水曜 24:30)
札◎薬屋のひとりごと(STV 10/25〜 水曜 26:04)(初回3話一挙)
◎Dr.STONE NEW WORLD 第2クール(BS11 10/12~ 木曜 23:30)
札◎魔法使いの嫁 Season2 第2クール(BS11 10/6~ 金曜 23:00)
札◎葬送のフリーレン(STV 10/6~ 金曜 23:00)※初回金曜ロードショーにて2時間スペシャル
◎ゴブリンスレイヤーII(BS11 10/6~ 金曜 25:30)
◎カノジョも彼女 2nd Season(BS-TBS 10/6~ 金曜 27:00)
○ひきこまり吸血姫の悶々(BS日テレ 10/7〜 土曜 23:00)
札◎SPY x FAMILY Season2 (TVH 10/7~ 土曜 23:00)
○最果てのパラディン 鉄錆の山の王(BS日テレ 10/7〜 24:30)
◎ティアムーン帝国物語(BS11 10/7〜 25:00)
○オーバーテイク(BS11 10/1~ 日曜 25:05)
△帰還者の魔法は特別です(BS11 10/7~ 土曜 24:00)
札○ポーション頼みで生き延びます!(HTB 10/7〜 土曜 26:00)
△レエルロマネスク2(放送媒体未定)
ほぼ決定を含め18作の視聴となる今期。前期はリスタートが多かったのが特徴でしたが、今期は分割2期の多さが目立つクールとなりました。石、魔法嫁は1クール置いての文字通りの分割、その他予定されていた2・3期ものとしてアークナイツ、盾、スパイ、陰実とあり、これらは否応なしに視聴になります。それだけに好評ゆえ2期を迎えた聖女、ゴブスレ、カノカノ、パラディンには是非とも頑張って欲しいところ。新作も豊富で、特に日テレ系の2作フリーレンと薬屋は長らく望まれていたアニメ化がついに叶った大作で、共に初回長時間放送の気合の入れようで、原作の評判からも期待が膨らみます。ティアムーン、私推し、ひきこまりと悪役令嬢&プリンセス系の期待作が固まったのも今期で、ギャグの出来が評価につながりそうです。唯一原作既読となるきらら系の星屑テレパスは科学系&シリアス分多めですが、ポテンシャルは高いので同誌のスロウスタートくらいにはヒットして欲しいです。シャンフロは1話見ましたがさすが日5に選ばれるだけのクオリティで期待大です。16bitは美少女ゲームの懐かしさにどこまで踏み込めるかが鍵でしょう。土曜に新作が集中したため帰還者とポーションが切り候補ですが、ポーションはろうきんと同じ作者の作品なので気になっています。ちなみに、北海道放送作&話題作の中でも、ラグナクリムゾンやSHY、VRMMO、聖剣学院、ブルバスター、ウマ娘3rd、絆のアリル、ベルセルク、アンデッドアンラック、豚のレバー、雨色プロトコル、ミリマス、100カノと、大量に切りました。切った中から盛り上がる作品が出たら嫌だなぁ。
期待度は、聖女>フリーレン>テレパス>魔法嫁>石>シャンフロ>盾>薬屋>ティアムーン>カノカノです。 とりあえず、レエルロマネスクはまだ見る手段がありません。切った中では、100カノが盛り上がっているようで、富田美憂出演作でもありちょっと後ろ髪ひかれ気味ではありますが、ハーレム感強すぎでついていけなそうなので切ったままです。他、アンデッドも始め盛り上がっていたようですが、その後音沙汰なくなりました。VRMMOは1話だけ見ましたが作画や内容のしょぼさで1話切り。豚レバーとミリマスも噂が聞こえてきそうですが特に盛り上がってる感はなさそうです。
さて、前段はここまでにして、1ヶ月経過しての期待度は以下のようになりました。前期の小さい先輩のような見落としはなく、変動はさほど大きくないです。
聖女>ティアムーン>フリーレン>テレパス>石>悪役令嬢>盾>シャンフロ>影実>ひきこまり
聖女は期待通りの面白さです。作品全体の雰囲気は正統派なのにちょいちょい挟まれるコミカルな表情がギャップがあって楽しいです。
ティアムーンが急上昇しました。当初懸念していた転生前の暗い過去描写の多さはまるでなく、勘違いから進む物語の面白さが十二分に発揮されています。
類似系統の悪役令嬢やひきこまりもテンポの良さなどから好印象で、3作揃っての期待度アップです。今期は悪役令嬢・ヒロイン系がなかなか良さそうです。
一方で苦戦しているのが魔法嫁。物語としては大きな転換を迎えてはいるのですが、閉鎖学校内にあっても物語(人間関係)の進展が鈍いのが悪影響を及ぼしてるようです。
フリーレンと薬屋はスタートダッシュの差がもろに出てしまった感じで、同じ日テレ系の押しですが、薬屋はまだ真髄に届いていないのが評価を押し下げた感じです。
代わりにランクインしたのは影実2期。相変わらず好き勝手やっているシドですが、そのトッチら気感が面白さに繋がり出したようです。
きらら系テレパスは作画の素晴らしさに救われている面はあるが、海果の小心感が正直過剰で、原作既知でわかっていたけどやはりじれったいです。
切り候補にあげていた3作は視聴継続中です。オーバーテイクはレースというジャンルが馴染みやすく視聴決定。ポーションもかわいい絵柄とサクサク展開で見やすくこちらも視聴決定。問題は帰還者で、主題歌・寺島主演・放送時間の良さで視聴継続中ですが、設定的にもあまり面白味を感じられず未だ迷ってます。]]>
7月15日 2023年春のアニメ評価
http://mfbox.exblog.jp/33348094/
2023-07-15T14:04:00+09:00
2023-08-05T12:16:25+09:00
2023-07-15T14:04:01+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
(2023.8.5 Dr.STONE NEW WORLD、ヴィンランド・サガ2更新し完成。)
「推しの子」(BS11/HTB 全11話(初回90分) 原作:赤坂アカ 製作:動画工房)
(4.2, 4.2, 4.3, 4.6, 4.2, 4.4, 4.4, 4.2; 34.5pt)
地下アイドルとしては異例の頂点に君臨し続けるカリスマ的アイドルアイ(高橋李依)には、身籠っている隠し子がいて、ひそかに出産を目論んでいた。入院した産婦人科の担当医ゴロー(伊東健人)はアイをこよなく推すオタクで、秘密裏の出産のために万全を期したが、アイの陣痛が始まりいよいよというときに暗中襲撃を受け崖から転落死してしまう。それでも無事出産したアイの双子の子供アクア(大塚剛英)とルビー(伊駒ゆりえ)には前世の記憶があり、アクアはゴローの生まれ変わり、そしてルビーの前世はゴローの患者でゴローにアイの推しとなるきっかけを与えた女の子さりな(高柳知葉)だった。共に望まぬ死を遂げながらアイと深いつながりのもとに再誕した2人が、狂信的なファンの凶行により死別したアイの思い出を胸に、それぞれ役者、アイドルとして花開くまでを描いた転生アイドルサクセスファンタジー。
話題作の多かった今期にあって、段違いのインパクトを残した作品となった。初回放送など挑戦的なことを多岐に挑んできた一方で、原作の作品力、演者のパフォーマンス、主題歌の楽曲インパクト、動画工房の作画力と、すべてが引き立て合ってハイレベルでバランスのとれた作品でもあった。ミステリアスな要素はほとんど未解決で残っているので、2期は当然としてまだまだ先の知れない発展性を秘めていそう。
物語:人間関係や境遇の設定にやや都合よさが過ぎるようにも見えるが、アイの妊娠や死にまつわるミステリーが絡んで話の奥底は深い。アイは初回で散ってしまうが、各キャラに与えたインパクトの大きさを初回90分という異例の放送形態でしっかり描き切ったのは英断と言える。
世界観:アイドルやドラマなど芸能界のしがらみが泥臭く描かれ、かわいいキャラや輝かしい作画とのギャップが互いを引き立ててただならぬ雰囲気を漂わせている。
人物:アクアの淡白な素振りと奥に秘める執念深さの二面性が、ひたすらアイの後を追い続けるルビーの純粋さと対になりそれぞれが引き立っている。それでも2人の親というだけでなくアイの存在感は際立っていて、プロファイリングの結果ながらあかね(石見舞菜香)がトレースするに至るほど。
作画:アイドルものという物語のきらびやかさが、かわいいだけでなく美しいというのがぴったりなキャラデザであったり、目の★などの表現からも映えて写る。萌え作画で売ってきた動画工房の新境地と言っていいかもしれない。
声優:主役の2人は若手・新人だったが、かなりいい味を出していたように思う。特に大塚君は伸びしろが大きそう。その2人を盛り立てるように周りを固める声優が人気・大御所だらけ。
魅力:芸能界の暗部もさらけ出しているのですべてが美麗とはいかないが、それでも表面を繕うには十分すぎる魅力的なキャラ立ちが見られた。
主題歌:OP「アイドル」(YOASOBI)(4.7)、ED「メフィスト」(女王蜂)(4.0)。OPは本作とアーティストが互いを引き立てるように人気を爆発させ、世間的にも超話題曲となった。楽曲も作品に寄った内容で引き込まれるものがある。EDはOPほどの話題にはならなかったが、作品に沿った内容と引き込まれる楽曲センスはOP同様に卓越していると感じる。
劇中音:アイドルとして引き込ませるだけの楽曲やパフォーマンスはもちろんだが、アクア側のドラマパートでも同様に心情的に引き込ませる要素がBGM等で印象的に表現されていた。
「アイドルマスターシンデレラガールズ U149」(BS11 全12話 原作:バンダイナムコエンターテインメント(漫画原案:廾之) 製作:Cygames Pictures)
(4.2, 4.2, 4.3, 4.5, 4.1, 4.5, 4.0, 4.1; 33.9pt)
会長肝いりの企画を任されることになった新人プロデューサー(米○○)が手掛けるのは、身長150㎝未満の幼い子供たちによるアイドルユニット。頭の固い上司たちの説得に苦労しながらも、輝けるアイドルを目指し希望の眼差しを光らせる子供たちのために奔走し、子供たちが立派なアイドルとして仲間入りするまでを描いたロリータアイドルグローアップストーリー。
今年様々に展開されるアイドルマスターの新規軸の1つであるU149。赤城みりあ(黒沢ともよ)が重複しており既出のデレマスとはパラレルな物語にはなるが、視覚(身長)的に境遇の重なるアイドル達なので、子供らしい自由奔放さを振りまきつつも、目立った衝突もなく同じ方向を向いてデビューという目的に向かってひた走る姿がかわいく美しい。デビューまでには様々な難題が降りかかるが、プロデューサーの明るい振る舞いが困難を絶望に変えさせないのも作品の雰囲気に良い寄与を与えている。
物語:U149の、年齢であったり身長であったりという不利とされる面をいかに克服して彼女たちをデビューまで導くかというプロデューサの苦労の足跡をたどりながら、プロデューサーに導かれる少女たちの個々の魅力を引き出している。ともすればぶつ切りになりそうな物語の流れだが、それはあまり感じなかった。
世界観:デレマス本筋のキャラを頻度多く物語やキャラに絡め、デレマスの世界線にあることを強く印象付けている。
人物:子供ならではの純朴さが前面に出ており、感情表現もわかりやすいので、見やすさは卓越している。深みがなく淡白という意見も否定はしないが、私は泥沼は好きじゃないので、これでいい。
作画:キャラデザだけでなく、各キャラのイメージビデオのような背景描写の美しさも光る。
声優:U149では黒沢、照井くらいしか知名度は十分ではないが、ゲストキャラが多数登場していることもあり、トータル的には豪華さがあったと言っていいだろう。
魅力:これを良いと評価してしまうと、自らがロリオタであることを認めてしまうことになるが、良いものは良い。見た目通りのかわいらしい振る舞いが見る側の心をぎゅっと掴んでいる。
主題歌:OP「Shine In The Sky☆」(4.2)、ED「よりみちリトルスター」(3.7)(共にU149)。OPは若さ溢れる活気あるポップチューン。若さゆえのキラキラ感が効果音にもなるほど。EDは結局初回の1回しかかからず印象は薄いが、無難な楽曲ではあったと思う。
劇中音:ED含めアイドルグループもの宿命として、楽曲が1回しかかからないというジレンマが付きまとい、なかなか印象を残すのは難しいが、聞いた限りでは印象はどれも悪くない。
「魔法使いの嫁 Season 2(前半)」(BS11/HBC 全12話 原作:ヤマザキコレ 製作:スタジオカフカ)
(4.3, 4.3, 4.1, 4.3, 4.1, 4.0, 4.5, 4.1; 33.7pt)
怪異に好かれる体質を持つちせ(種崎敦美)は、自らを嫁として迎え入れたエリアス(竹内良太)と、怪奇現象に巻き込まれつつも夫婦水入らずの生活を送っていたが、ある日魔法学園からちせに入学の招待が届く。新たな視野を望んだちせは、エリアスも教師として学園に赴くことを条件に学園への入学を果たす。そこで出会う様々な能力もちの学生たちと関係を深める中で巻き込まれるさまざまな怪奇現象との邂逅を描いたミステリアス異形マジックミステリーの2期。
エリアスとちせの関係深化をひたすら描いた1期から一変し、魔法学園に入学したちせが仲間たちと過ごす中で巻き起こる様々な怪奇現象の物語となった今期。友達もまたそれぞれが能力もちであり、その能力にまつわる怪奇の話を描くことで、世界観にも深みが出た。2人だけの世界だった1期が2クールだったわけで、登場人物の増えた本作が1クールで収まるはずもなく、10月から始める第2クールは必然と楽しみが増える。
物語:学園という新たな舞台を得たちせ(および本作)であるが、ちせは通学という手段を選んだため、ホームでの物語も引き続き展開された。学園では人間関係の構築というせわしなさがあるので、ホームでの落ち着きはいいアクセントになっている。
世界観:新たな出会いとともにその背後の怪奇もついてくるので、飛躍的に世界観は膨らんだ。まだすべてのキャラの背景を描写出来てはいないのでまだまだ奥が深い。
人物:急にキャラが増えたため、まだ覚えきれていないキャラや背景がつかめないキャラがいる。完全に把握しきれていないのは正直むずむずする。
作画:複雑な怪異描写もすんなり受け入れられるくらいに滑らかな作画の美麗さは否定するところではないが、フィロメラ(河瀬茉希)のように表情に影の多いキャラが多いのは水を差す感じで気になる。
声優:学園編になりキャラ増えた分の声優は、比較的堅実どころで固めてきた印象だが、その割には地味で、あまりポイントを稼げるような追加になっていなかったのは残念。
魅力:美しい作画ではあるが、学園編のキャラは誰もが何か裏を持つ感じで重々しく、全く可愛さを感じない。決して悪い描写ではないのだが、魅力という点ではプラス要素がない。
主題歌:OP「Dear」(JUNNA) (4.7)、ED「無伴奏」(edda) (4.2)。OPは1期に続くJUNNAだが、躍動感のある楽曲がちせの能力向上と活躍を期待させるいい効果を促していて、1期の地味さから比べるとずっといい。EDは軟らかな歌声でありながら楽曲のうねりは学園編の動乱を強く予感させる。
劇中音:怪奇現象の描写が多く、効果的なBGMによって、より非現実度が増している感がある。
「トニカクカワイイ シーズン2」(BS11 全12話 原作:畑健二郎 製作:Seven Arks)
(4.1, 4.2, 4.3, 4.2, 4.2, 4.3, 4.4, 4.0; 33.7pt)
幸せな新婚生活を続ける星空(榎木淳弥)と司(鬼頭明里)の由崎夫婦。懇意にしている銭湯の離れを間借りしている生活は、様々な来訪者の賑やかしでも、2人の愛は変わることはないが、時に過剰?な愛情表現で初々しい気恥ずかしさを見せることも。長年司に付き添ってきた○○(平野文)から語られる昔話を受けて愛する嫁への誓いをより強くした星空が司と紡ぐラブラブな新婚生活を描いたイチャイチャ夫婦ラブコメの2期。
今期も超ド安定の由崎夫婦。どんなちょっかいも意にかけない互いへの強い想いを持った2人なのに、ちょっとした愛をくすぐる仕草にいちいち初々しい反応を見せるあざとさがまたいい。これだけべたで安定な新婚生活を見せつけられれば飽きも来そうなものだが、声優の力なのか、物語に実は工夫があるのかわからないが、全く安心して面白くみられる不思議。実は司が驚異の長寿ではとうかがわせる表現がこれまでも散見され、今回司との関係が長い○○の登場をもってしても過去が明言はされていないが、その積年の重みを星空がしっかり噛みしめているのはぐっとくるものがあった。
物語:今回も安定の夫婦生活がただひたすら描かれるのだが、そんな動乱のないべたべたな物語であっても絶対の安定感はプラス要素に働く。
世界観:明言はされなかったが、○○と司の過去が語られたことで、時というスケールが大きく拡大したのを感じる。それを山(キャンプ)という非日常な場所で演出したのもきっと意味がある。
人物:司は”とにかくかわいい”んだと、気持ちを星空と一にできれば、本作の視聴においては勝ちである。それだけ司がすべての作品であり、他のキャラは司の可愛さを引き立たせる動力装置なのである。
作画:作画力では決して評判は良くないセブンアークスだが、こと日常ばかりの本作においては、これでいいのだと感じさせる説得力があり、前期同様全く文句はない。
声優:好きな声優が演じる司は自然と応援したくなるし、常識にとらわれないキャラの狂気性を演じさせたら榎木君はピカイチで、他キャラ含め声優のセレクトはすごく合っている。
魅力:文句ないとはいえ平坦な作画を愛溢れるキラキラ作に昇華させているのはやはり2人の愛情力と言えるだろう。
主題歌:OP「刹那の誓い feat.由崎司(鬼頭明里)」(Neko Hacker)(4.7)、ED「夜のかたすみ」(由崎司(鬼頭明里))(4.1)。OPは1期同様新進気鋭の作曲家の曲を司に歌わせる体を取ったデジタル楽曲だが、OP映像では表現されている時代の積み重ねが早口の歌い方など激動のうねりを伴った楽曲に合った。EDは今期は司のキャラソン。バラードではないがゆったりとした楽曲で落ち着く。
劇中音:特に何もなく夫婦生活が淡々と描かれているように感じるということは、サウンド面でも目立った効果は何もなかったということにつながるのかな。
「私の百合はお仕事です。」(BSフジ 全12話 原作:未幡 製作:パッショーネ、スタジオリングス)
(4.1, 4.2, 4.0, 4.4, 4.2, 4.3, 4.4, 4.0; 33.6pt)
見た目の可愛さを自覚したうえで、保身のため表面を見繕って人付き合いする白木陽芽(小倉唯)。ある日街中でカフェの店長である御子柴舞(田村ゆかり)とぶつかり怪我(?)を負わせてしまう。いつものように繕って軽い謝罪で立ち去ろうとした陽芽だったが、陽芽の可愛さに目を付けた舞は怪我を誇張して陽芽を誘導し、コンセプトカフェに連れ込み、自らの代わりにと店員として働かせる。流されるまま白鷺陽芽としてカフェのバイトをすることになった陽芽はキャラを演じるという店のやり方が自分に合っていると考えるが、演出上姉妹の契りを結んだ先輩店員の綾小路美月(上坂すみれ)には怒られてばかりで、その表裏の激しさにも困惑を隠せない。そんな複雑な関係のバイト生活を描いたコンセプトカフェビジネス百合ラブコメ。
女の子同士の百合がテーマの「コミック百合姫」からのわたてん以来久しぶりのアニメ化だが、これまでの百合姫作品の女の子同士を意識した作りとは一線を画し、ビジネスとして百合を演出するという変わった方向性の作品。なので、本音ベースのギスギス感の描写に遠慮がなく、陽芽と美月、果乃子(田中美海)と純加(小市眞琴)の関係のぎこちなさがずっと付きまとい、日常系なのに緊張感が隠せないという稀有な経験をした。各キャラの表裏のある性格、コロコロ変わる表情も楽しみな要素の1つだった。
物語:打算による姉妹契約だったり過去の関係などの意外などんでん返しなど、ところどころに強いギミックが含まれた飽きの来ない物語ではあるが、ギスギス感の強さは見やすさという点ではデメリット。
世界観:独特の世界観を構築してキャラを演じつつ接客するというコンセプトカフェ(おそらく実在はする)のシステムが珍しく感じ強く印象に残った。ただ、メイドカフェ同様足を踏み入れる勇気は私にはない。
人物:各キャラとも腹に一物抱えているような隠れた考えを持っているので、見た目通りの可愛さとは誰もいかない。個人的には、舞は本当に怪我をしたのか?と思っていて、ある意味一番の演技派なのかもしれない。
作画:見繕いではあってもどのキャラも可愛いことには違いないので、その可愛さがしっかり表現された美麗な作画。それを引き立てるカフェ内部の装飾なども凝っている。
声優:何故だろう、小倉唯がまんま陽芽に思えて仕方ないんだが(笑)。それはそれとして、キャラ数は多くないがキャラと声優のシンクロ度の大きさもあり充実ぶりは感じる。
魅力:このキャラの可愛さであれば魅力たっぷりとして本来評価するのだが、それを減算するほどに裏の顔の醜さが目立っていると思ってしまったんだろうなぁ。
主題歌:OP「秘密♡Melody」(小倉唯)(4.7)、ED「夢が醒めても」(白鷺陽芽(小倉唯)、綾小路美月(上坂すみれ))(4.0)。OPは小倉唯の表の可愛さ全開と言っていい明るさ全開のポップチューン。MVのCMでの唯ちゃんの手の細かな動きもかわいい。EDは表は姉妹、裏では犬猿の仲の2人によるデュエットソング。面白いのは和解前後で嫌々ながら歌ってるんだろうなぁと聞こえるのが美しいハーモニーに変わる不思議。
劇中音:キャラの表裏の入れ替わりの激しさに気を取られたせいか、BGMなどの音響面に気を回す余裕はなかった。
「鬼滅の刃~刀鍛冶の里編」(UHB 全11話 原作:吾峠呼世晴 製作:Ufotable)
(4.3, 4.3, 4.0, 4.3, 4.2, 4.0, 4.3, 4.1; 33.5pt)
難敵上弦の1匹を下すことに成功した竈門炭治郎(花江夏樹)たちだったが、戦いで使い果たした体の疲労は相当なもので、回復まで十数日を費やすこととなった。共に戦ったほかの仲間と会うこともなく、炭治郎は剣の修復を依頼していた刀鍛冶のいる里へ向かうこととなった。目隠しされ運搬者をかわるがわる後退した先に到着した隠された里で、炭治郎は刀づくりに命を燃やす価値氏たちの姿に感銘を受ける。しかし秘匿されたはずの刀鍛冶の里に上弦の鬼が2匹も潜入し、里は大きな被害を受ける。たまたま居合わせた柱の時透無一郎(河西健吾)、甘露寺蜜璃(花澤香菜)とともに強敵の鬼を討伐し里を守るために再び全霊をかけた戦いに挑む鬼殺バトルファンタジーの3作目。
炭治郎が単独で出向いた先の話であることや、前作の上弦に比べ本作の上弦が番号が上で2匹もいるのに前より強いと思えないなど、物語の進行に微妙な違和感が残ってしまった結果、クールの話題を「推しの子」に完全に攫われる結果となってしまったが、物語の構成力やバトルシーンなどの作画力はやはり目を見張るものがあり、さすがは国民的アニメと思わせるだけの大作ぶりを今回も見せつけた。これまで鬼も柱も割と出し惜しみつつで来ているが、既に完結している物語であり、クライマックスも近づいているので、今後の展開はますます見逃せないものになるだろう。
物語:刀を完成させる過程であったり、鬼とのバトルにおける互いの能力の駆け引きなど、緊張感のある物語が展開された。
世界観:バトルシーンを引き込ませるだけの柱の能力や鬼の意外性の強い動きなど、本作でしか表現し得ない世界観を見せつけている。
人物:炭治郎を柱と同格に鬼と対峙させる演出が柱の活躍を制限させる方に影響した感がある。特に蜜璃と上弦の四を当てるタイミングは遅きに失したと思わざるを得ない。
作画:鬼の特性上、バトルは夜にならざるを得ず、作画力のすごさはちゃんとわかるのだが、暗いシーン続きなので見づらさを感じるのも正直な気持ちである。
声優:前作の鬼と柱のキャストが豪華だったこともあって、今回(特に鬼)が一段落ちてしまうと感じるのは欲をかきすぎか。
魅力:バトルでそれこそ鬼の形相になるためもともと魅力を感じにくいのだが、今回は蜜璃の笑顔が濃い作画のせいもあってか素直に笑顔に捉えられなかった。
主題歌:OP「絆ノ奇蹟」(Man with a Mission with milet)(4.7)、ED「コイコガレ」(milet with Man with a Mission)(3.9)。OP、EDともMWAMとmiletという異色の組み合わせだったが、異色というインパクトが勝って曲の方はあまり評価されなかったと思う。実際ロック色が強すぎて作品とのシンクロがいまいちで、アニソン感がなかったというのが正しいか。
劇中音:鬼、柱&炭治郎それぞれの特徴的な戦い方を表現する効果音の使い方が見事。
「NieR Automata ver1.1a」(BS11 全12話 原作:SQUARE ENIX 製作:A-1 Pictures)
(4.0, 4.4, 4.1, 4.5, 4.1, 4.0, 4.3, 4.1; 33.5pt)
宇宙生命体の襲撃により地球からの撤退を余儀なくされた人類は、アンドロイドを使っての地球奪還を目論んでいた。エイリアンが生み出した大量の機械生命体を前に高性能アンドロイドの「ヨルハ」を向かわせ殲滅を狙うが、「ヨルハ」部隊の1人、2B(石川由依)は機械生命体の一部が敵対行動とは異なる変わった行動を目にする。そこには人類のような様々な信仰や心情のようなものの姿があった。そんな不思議な光景を目にしつつも、上層部の命令により機械生命体との戦いに身を投じる「ヨルハ」部隊の戦いを描いたハイテクノロジーメカバトルファンタジー。
独自性の強い世界観が緻密に描かれた大作ゲーム原作のアニメ化。「人類に栄光あれ」と合言葉があるが、アニメに描かれている範囲での世界内に人類は存在せず、機械生命体同士の命なき戦いではあるのだが、人の営みをまねる機械生命体を描き、またレジスタンス含む人類軍側のアンドロイドは人と同じように精巧に行動するので、そこに人の気持ちが存在するかのように錯覚してしまうが、そこもまた物語の特殊性を生み出している1要素なのだろう。大量に制作遅れを生んだ1月作品の1つで、残り4話を1クール丸ごと飛ばしてやっと完成させたが、クオリティの妥協はなく、見事な作画の完成度だった。
物語:機械生命体が人類を学ぶという深い追求があって、それを認めない人類軍との戦いという、人のいない中で人のありようを求める難しい物語。見てくれは機械対アンドロイドの単純なバトルだが、その深淵は私のような素人には見えない。
世界観:今は機械のみで成り立っている地球。取り戻そうとする人類がいない中で人としてのあり方を模索する機械たちという一見滑稽な図に映るが、そんな複雑な世界観にもスケールの大きさが見て取れる。
人物:2Bや9S(花江夏樹)などアンドロイドでも人と同じかのように思考するので、機械生命体の異常にも早く察知できる。その機械生命体の行動も人に近づこうとしており、人でない者たちの方が心情豊かという矛盾含みなのが面白い。
作画:ゲームの忠実な再現を目指し、一切の妥協なく製作されているが、その一端を作画力の大きさから感じられる。制作の延期がなければケチもつかなかったのだけど。
声優:有名どころや実力派声優はもちろん豊富に起用されているが、一部舞台俳優をそのまま声優に採用したりするなど作品世界を重視した起用も見られる。
魅力:登場人物に生きた人間がいるわけではなく、アンドロイドは精巧だが戦いに特化したスタイルなので魅力表現は最小化されている。
主題歌:OP「escalate」(Aimer)(4.5)、ED「アンチノミー」(amazarashi)(4.1)。OPは戦いの熾烈さと複雑さを表現した疾走感だけでは語れない独特の楽曲センスが感じられる。EDは本作の世界観の一部を切り取った歌詞が印象的で、これを題材にした同名劇が展開されてもいるある意味NieRの代名詞的タイトルでもある。
劇中音:機械生命体の語りが本作の独自性のキーでもあるので、その語り方にはこだわりを感じられろ。
「くま熊クマベアーぱーんち!」(BS11 全12話 原作:くまなの 製作:EMTスクエアード)
(4.0, 4.1, 4.2, 4.5, 4.1, 4.5, 4.0, 4.0; 33.4pt)
熊のお姉ちゃんとしてすっかり名を馳せたかに思えたユナ(河瀬茉希)だったが、その見てくれは知らない人には未だふざけた格好の奇人として見られていた。それでも依頼を受けた先々でそのずば抜けた能力を駆使して人助けを繰り返すうち、王家とも脈を持つに至る。そんなユナが冒険家見習いの試験の監督をしたり汚い手口で町の領有権を奪い取ろうとする貴族の鼻を明かしたりする異世界熊姿少女冒険ファンタジーの第2期。
これまでの冒険で培った人脈を生かしたり生かされたりしながら、冒険家業だけでなく様々なことに首を突っ込むこととなるユナの巻き込まれ形の物語という感じに少し話が変化しているが、ユナの圧倒的能力で大概のことは解決という展開は変わりなく、良くも悪くもなろう作品である。展開がベタになってきて、優位性のある可愛い作画がなければ平凡な作品に成り下がっているのが残念である。
物語:前期では冒険・開拓の側面があった物語だったが、今回は大半が王家絡みの面倒なお抱え仕事で、新たなところに首を突っ込むようなわくわく感がなかった。
世界観:冒険要素に乏しくなった結果、町のシーンが多くなり、人との交流が多くなった分ユナの感じる面倒くささがそのまま画面から伝わってきたのは正直よくない。
人物:悪人が1話で片付かない分悪い印象が強いというのはあるが、それより大きなマイナスは王族や貴族の娘の差がよくわからないところ。作画で持っている作品なのでここの差別化が不十分なのは実は致命的。
作画:キャラが引き続き可愛いのはさすが私と相性のいいEMTスクエアード。その分背景は童話的描写で省力化されているが、作風に合っているので悪くない。
声優:比較的有名声優の多い1期で出てきたキャラを効率的に使いまわし、新キャラ登場による声優の追加要素はあまり感じられない。ただ、町を離れる展開が多く、割を食ったのがシュナ(富田美憂)。
魅力:キャラ萌えに特化した作画になっており、魅力は最大限引き出されている。
主題歌:OP「キミトノミライ」(和氣あず未) (4.1)、ED「ずっと」(ユナ(河瀬茉希))(3.9)。OPは1期同様和氣さんのポップソング。作品自体が明るいので、曲も積極的に元気に歌ってくれている。EDも1期同様ユナのキャラソン。声の力が強い河瀬さんなので油断するとキャラから離れた歌い上げになってしまうのが難儀なところ。
劇中音:作中、次回予告含め「クマ~」の言い方くらいしか印象に残っていない。
「スキップとローファー」(BS朝日 全12話 原作:高松美咲 製作:P.A.WORKS)
(4.5, 4.2, 4.3, 4.1, 4.1, 4.2, 3.8, 4.1; 33.3pt)
将来は政治家と息巻いて意気揚々と石川県の端っこから東京の高校に進学した才女・岩倉美津未(黒沢ともよ)は、代表挨拶もある入学式の登校時にトラブり遅刻しそうになったところを出会った同じ高校のイケメン・志摩聡介(江越彬紀)に声を掛けられ、ともに走って登校する。この出会いで互いを意識することになった2人だが、純粋で前向きな明るさがまぶしい美津未とイケメン力で目立ち人気もある聡介のもとには自然と人が集まってくる。そんな明るく前向きな高校生活を送る若者たちを描いたポジティブハイスクールラブコメ。
1話からわかる美津未のポジティブさが周りを巻き込んですべてを明るくしていく様がたまらなく心地よい。それでいて恋心を抱きつつも聡介のまだ開けていない心の扉に気が付く繊細さも持ち合わせていて、いかにもな高校生の青春を感じることもできる。とにかく視聴後の爽快感がずぬけていて、青春群像劇としてはかなり良質の作品と言えるのではないか。
物語:美津未が引っ張る形で、みんなでより良い高校生活が送れるようにと行う行動がどれも爽快に感じ、こんなにも高校生活は楽しめるんだと思わせてくれる。その一方で聡介のことが気になるという女の子らしさ、人らしさも見せていて、現実感もしっかり描けている。
世界観:元子役で美形の聡介がいる点は異彩だが、それ以外はごく一般的な高校生の日常で、キャラの性格が良ければこれだけ見やすくなるのだなと感心。
人物:美津未のキャラクター性がすこぶる良く、他のキャラがそれに引っ張られる形で前向きに描かれているのが素晴らしい。惜しむらくは聡介に恨み(に隠した恋心)を持つ西城梨々華(寿美菜子)の態度の悪さが何とかなれば。
作画:美麗とは一線を置く独特な作画ではあるが、変にキャラごとの美麗さを追求せずこの作風を最後まで維持したことで統一性の取れた作画になっている。
声優:一流どころを揃えてはいるが、声優人気に頼ることなく、作品力で勝負しているところは、ポイントにはつながらないが好感は持てる。
魅力:作画面では十分とは言えない魅力ではあるが、性格面の魅力はこれまでの美津未へのコメントで分かる通り最大限の評価を与えられる。
主題歌:OP「メロウ」(須田景凪) (3.8)、ED「ハナウタとまわり道」(逢田梨香子)(3.8)。OPは須田君の物悲しげな声が明るい雰囲気を押し出そうとする楽曲に効果的なアクセントとなっている。EDはスローな楽曲だが美津未の性格同様決して後ろ向きでなく明るい未来の見える楽曲になっている。
劇中音:聡介側が役者絡みなので、演劇部とのやり取りや学園祭での演劇などで自然と音響面にも目線が向くようになっていた。
「ゴールデンカムイ(4期)」(BS11/HBC 全13話 原作:野田サトル 製作:ブレインズ・ベース)
(4.1, 4.3, 4.1, 4.1, 4.3, 4.0, 4.3, 4.1; 33.3pt)
樺太で分かれて行動することになった杉元佐一(小林親弘)とアシリパ(白石晴香)だったが、合流し北海道への回帰行を続けていた。その間も金塊をめぐる各勢力の争いが続き、それぞれの勢力が駆け引きを駆使しながら、鍵を握るアシリパの確保に動いたり新たな情報を求めるなどして、それぞれの金塊を求める戦略を展開する近代ゴールデンドリーム攻略バトルコメディの第4期。
制作の要だった人の急死という理由で半年延期されて改めての放送となった本作。出だしが面白くまた1から見直すくらいだった。金塊発見の鍵となる何かをアシリパが思い出したことで大きな展開の変化をもたらしてはいるが、金塊そのものもしくはその在処は未だ現れる気配なく、勢力争いに終始したシーズンとなった。そんな中でもアシリパに対し親目線を貫く杉元の目を覚まさせる白石由竹(伊藤健太郎)との殴り合いだったり、重要なキーマンである海賊房太郎(関智一)の口から刺青人皮は役に立たないとの発言など、印象的なシーンも多かった。舞台が北海道に戻ってきたことで結末に近づいている実感はあるので、次の(最終?)シーズンでのびっくり展開に期待したい。
物語:各キャラが濃いこともあって、それぞれの物語も強い印象を残しているが、睨み合いが続いた結果物語があまり進んでいない点は少し残念。
世界観:北海道に戻ってきてなお、これまで登場していなかった地名が数多く出て、ネタに困らない大地だなと、北海道人としては改めて地元を見直すきっかけとなったりしている。
人物:去る者、戻る者、新たな登場人物など、第4シーズンまで続いてもなお、いずれもが印象深いキャラとして存在感を誇示していた。子を宿したインカラマッ(能登麻美子)との逃避行に成功した谷垣源次郎(細谷佳正)には幸せに生き延びてほしいが。。。
作画:扱うネタの関係もあって、作画としては特徴的ではあるが綺麗とはさすがに言えない。ただ、実際第4シーズンまで見続けているので正直慣れた。
声優:キャラの濃さを引き出す名優達の演技が光る。それだけ声優力も強いと言えるだろう。まぁ、基本男だらけなのだけど(笑)。
魅力:大男達の欲にまみれた表現がストレートすぎるので、アシリパやアイヌの子供達が正直癒しになっていた。ただ、1人また1人と脱落する(帰る)ので、もう終盤は男祭り(苦笑)。
主題歌:OP「Never Say Goodbye feat.Mummy-d」(ALI) (4.7)、ED「すべてがここにありますように」(The Spellbound)(3.9)。OPはダークな作風にぴったりな重苦しい感じの楽曲だが、Mummy-dのラップの小気味良さとALIの熱唱がグッと引きつける。EDはダブルドラムのCMに目が行きがちだが、変調が多く曲調を掴ませないのが金塊到達への難儀な道のりをなぞらえているよう。映像では登場人物の人相入り新聞を舐め回すように見ているが、ちゃんと全員登場してました。
劇中音:新キャラ達の奇怪な行動など強い印象を残す要素の1つに音の効果もあると思う。恐怖心や緊張感を煽る効果や、音自体が重要な手掛かりになることも。
「Dr.STONE New World」(BS11 全11話 原作:稲垣理一郎・Boichi 製作:トムス・エンターテインメント)
(4.2, 4.4, 4.2, 4.1, 4.3, 4.0, 3.9, 4.1; 33.2pt)
謎の石化光線による何千年もの石化状態から復活した石神千空(小林裕介)は、持てる科学の知識を駆使して、復活させたかつての友人たちや荒れ果てた世界で新たに住み着いた原住民たちと協力して小さな科学王国を作り上げた。残る謎、地球全土の生命を一度に石化させた光線の正体を暴くべく、航海のプロである七海龍水(鈴木峻太)を復活させ南極へ向けた大航海の準備を整えるが、長期航海には必要なものもたくさん。そんな航海に必要な物資の調達や航海直後の謎の島での先住民との頭脳戦を描いたストーンワールドサイエンスファンタジーの第3期。
途中(昨夏)に龍水加入の特別編を挟み、目的が明確な状態で迎えた第3期だが、すぐ航海に向かうのではなく、航海の準備の過程も(クールの半分くらい使って)しっかり描いていたのは感心した。一方で本当に南極まで行く大航海なら大作になるのでもしかして2クール?なんて期待は、謎の島で石化光線の使い手が現れたことで萎んでしまったが、島での問題解決が先送りになった上、石化光線の謎が使い手の捕縛で解決するとも限らず、まだ南極行の可能性も残しての次期への期待の作り方はさすがと言ったところか。
物語:限られた状況での科学を駆使した物作りの凄さは、これまでも度々見せつけられたが、入手の困難さが緩和され、また皆慣れてきたのもあって、これまでよりは驚きが足りないと感じるのは贅沢な悩みか。
世界観:荒廃した世界からの復興という未来図とそこへの遠い道のりという設定がしっかりしているので、どのように物語が展開しても、今ある極端なファンタジー世界観は受け入れやすい。
人物:千空の求心力が高く、何をするにも仲間たちの向く方向が揃っているので、物づくりも行動力も素早く、展開のはやさすら許容できるほど。その分敵との邂逅以降の展開は一気に遅くなったが。
作画:できることは限られる世界なので、船の形・性能などもディテールにこだわる必要がない分作画リソースも要求されない。世界観から背景描写も概ね固まっているので、その分キャラの動きや表情にこだわりを見せられる。私は航海に想いを馳せる龍水の表情なんかは好きだな。
声優:龍水以降の新キャラの声優も比較的充実しており、キャラが増えた分を確実に増強しているのがわかる。声優が充実していると賑やかさがやはり違う。
魅力:もともとキャラを魅力的に描いていない(変に媚びないので良いことでもある)。敵中枢に潜入するために魅力的な女性を”作る(!)”という時点で底が知れている(笑)。
主題歌:OP「ワスレガタキ」(石崎ヒューイ) (3.9)、ED「Where do we go?」(OKAMOTO’s)(3.8)。OPはこれからの大航海を前にした高揚感をそのまま曲にした感じの疾走感と力強さを感じる楽曲。EDはデュラララ2期以来?のOKAMOTO’sのアニソン。何が待ち受けているかわからない未知への航海を不穏混じりに予言するかのようなスローな重たい楽曲。
劇中音:陸海空を縦横無尽に飛び回るので、そうした自然由来の効果音が充実していた。
「ヴィンランド・サガ 2」(BS11 全24話 原作:幸村誠 製作:MAPPA)
(4.4, 4.3, 4.1, 4.2, 4.0, 3.9, 4.0, 4.1; 33.0pt)
父の仇として復讐を誓っていたアシュラット(内田直哉)が落命したことで生への執着を失い、奴隷に落ちぶれ雇われ農民として暮らしていたトルフィン(上村祐翔)は、新たに雇われた奴隷のエイナル(武内駿輔)と共に、理不尽な奴隷生活に耐えながら荒れた農地を耕していた。バイキングの襲撃で全てを失ったエイナルの出自を聞き、改めてバイキングとして殺戮を繰り返してきた自らの罪と向き合うトルフィンが、償いと争いなき未来のために静かに闘志を燃やす農耕奴隷ヒストリカルグラフィティ。
世界観が大きく変わらない中で、復讐の鬼と化していたトルフィンの達観した表情と罪への囚われの描かれ方がなかなかにエグかった。同じ囚われの表現は新王クヌート(小野賢章)においても殺されてなお王としての非道さを問う父親の亡霊の諫言でも描かれ、ともに苦しんでいる様子が悲痛だった。物語はトルフィン・エイナルやクヌートを中心にしながらも奴隷制や大規模農家の用心棒たち、奴隷婦アルネイズ(佐古真弓)と行き別れた夫の襲撃の話など多岐にわたり、2クールかけてじっくり描かれ大作らしさを醸し出していた。
物語:農耕の話も含め、様々な物語が展開されるが、2クールという長期間の中でそれぞれじっくり描かれ、とても見応えがあった。
世界観:1期が戦いに次ぐ戦いの展開だっただけに、農奴に身を落としたトルフィンを見て当初は揶揄含みに農耕アニメと言われたりもしたが、古代の貧しい集落での荒れっぷりが、1期で描かれたギリギリの生死を賭けた生活模様そのままであること意識させる。
人物:見ていてあまり気持ちの良いものではないが、奴隷としての扱われっぷりの酷さはリアリティを感じさせる。また、用心棒のリーダー蛇(小松史法)やトールギル(楠大典)からは戦いにおける真(芯)の強さを感じた。
作画:荒れ狂う時代を象徴するように各キャラの作画も意図的に荒れた描写(特に髪)にしている。それでもさすがのMAPPAの作画力で特に男たちは力強さを感じる作画になっていた。
声優:物語や構成力で売ろうとしているのはわかるが、それにしたって地味。作品の雰囲気が余計そうさせているかも知れないがとにかく地味なキャスト構成。大御所はいるんだけどね。
魅力:雰囲気重視の濃密作画なこともあって、ことキャラクターに関しては魅力度外視。そもそも女性がアルネイズくらいしかいない(扱いもひどい)ので、魅力を感じろという方が難しい。
主題歌:OP「River」(Anonymous) (3.7)、「Paradox」(Survive Said The Prophet)(4.7)、ED「Without Love」(LYMK)(3.7)、「Ember」(haju;harmonics)(3.8)。OP1期は不穏な物語の始まりを予感させる静かで重たい楽曲。かなり慎重に雰囲気や曲調を練ったという制作側のコメントが聞けた(MAPPAフェス)。2期はSSTPが戻ってきた。展開に合わせて大きなうねりを予感させる緩急の激しさが特徴の重厚な楽曲。EDはともに雰囲気重視の静かなバラードで、作品との親和性があるのは認めるが、印象は薄くヒット性は皆無。
劇中音:剣技であったり行軍といった戦闘にまつわる効果音や、囚われの心象描写での恐怖感を煽るBGMが印象的。
「BIRDIE WING~Golf Girls’ Story~」(TVH 全12話 原作:BN Pictures(オリジナル) 製作:BN Pictures)
(4.1, 4.3, 4.1, 4.2, 4.2, 4.1, 3.8, 4.1; 32.9pt)
賭けゴルフの世界を生きてきたイヴ(鬼頭明里)が唯一心惹かれたゴルフを見せた天鷲葵(瀬戸麻沙美)。2人は日本で再会しペアを組んでダブルス選手権に挑み、強豪たちを押しのけて優勝する。しかし2人の願いは勝負して互いが互いに勝利すること。2人の再戦を阻む数々の困難の先に見えたそれぞれのゴルフの完成形で挑むは世界最高峰の全英オープン。そんな2人の天才女子ゴルファーの活躍を描いたゴルフプレイヤーズグラフィティ。
前期をダブルス選手権の最中という中途半端な所で終わらせたが、かといってダブルスを引っ張ること無く早々に終わらせて次の展開、しかも再びの国外追放&数年後という時系列飛ばしまくりの展開にはちょっと呆れるところもあるが、ゴルフそのものであったり新技が編み出されたり、真の親子関係に踏み込むあたりは見せ場をしっかり弁えていると感じさせる。
物語:決して順調とは言えないが、イヴはマフィアからの脱却と記憶の復活、葵は親の真相解明と新マテリアルでともに成長した。だからこそピークとなった全英では余計な外因が何もない完全な2人の全力勝負を見せて欲しかった。
世界観:ゴルフアニメらしくゴルフコースの描き方は卓越している。物語を飛ばしまくっているのでホールごとのスコアの駆け引きのような緻密な戦いが描けていないのが残念。
人物:製作側の延命措置的足掻きが醜く感じるほど、とことんまで2人の直接対決を避ける演出にやりすぎ感を感じる。魅力的なゴルファーは何人も出てくるが、この仕打ちのせいであまり頭に入ってこない。
作画:広大なゴルフコース、選手のプレースタイルがきちんと見えればいいので、作画ミスは起きにくいかあっても分かりにくい。
声優:2期になりキャラも増えているが、かといって声優が豪華になったという印象は感じない。前期のような他作品を彷彿とするキャスティングも今回はあまり見られない。
魅力:スポーツ選手なので当然だが、スポーティーなスタイルの良さを描いている。中にはアイシャ(芹澤優)のように溢れる力を小柄な若さで描くキャラもいるが大半はリアル頭身。
主題歌:OP「Venus Line」(広瀬香美)(3.7)*前期より継続、ED「君がいるから」(門脇更紗)(3.8)。意外だったのは前作からOPが継続したこと。この曲とともにゴルフアニメをやりきるんだというスタッフ側の意思を感じないでもない。EDは曲調こそ落ち着いているが、2人の互いの存在を認め高め合っていく決意を感じさせる。
劇中音:2人の新技を印象強くするためスイング&弾道の効果音が贅沢になっている印象。
「山田くんとLv.999の恋をする」(BS11 全13話 原作:ましろ 製作:マッドハウス)
(4.1, 4.2, 4.2, 4.2, 4.1, 4.2, 3.8, 4.1; 32.9pt)
最近できた彼氏に誘われて始めたオンラインゲームがきっかけでまさかの失恋をしてしまった木之下茜(水瀬いのり)は、ゲームでうさ晴らしをしているときに所属ギルドの仲間山田秋斗(内山昂輝)に愚痴りそっけない返事を返される。友人の制止も聞かず失恋の原因となった女を確かめてやろうとゲームのオフラインイベントに参加した茜は案の定傷をえぐられるなど散々な目に遭い、終いには転んで足を擦り剥いてしまう。そこに現れたのがリアルの山田で、そのまま元カレ+女とも居合わせてしまい山田を新彼と嘯いてしまう。その言葉はその場の取り繕いだったが、同じギルドでもあり邂逅を重ねていくうち互いを意識するようになり、彼氏彼女の関係に至るまでのあれこれを描いたゲーミングパラドックスラブコメ。
ラブコメ界隈ではかなり話題になっていた本作のアニメ化。ゲームと現実がごっちゃになる展開や嘘から始まる恋模様といった、いかにも最近の恋愛という感じのノリの軽さを感じるが、見た目ギャルな茜の実は賢く献身的なところや山田の淡白だけど実は親身なところなど、キャラクターの魅力づくりに腐心しているのは窺える。見た目のギャップという意味ではゲームキャラとのギャップも面白く描かれ、恋愛強めのラブコメとしては割と楽しめた方だと思っている。
物語:ゲームきっかけで知り合い、会う機会が増え、トラブルを乗り越えて互いを意識し、恋が成就する、という理想的な恋愛ルートではある。まぁ、ゲームのオフ会からの発展と言うにはちょっと無理な展開がある気もするが。
世界観:リアルの恋愛模様が主軸なのでゲーム世界はあくまでおまけなのだが、現実との対比であったり(主に椿ゆかり(土屋李央)の)恋心の隠れ蓑の役割などで効果的に使われている印象。
人物:茜は恋に貪欲な親友の前田桃子(大西沙織)との対比もあり恋に繊細で相対的にしっかりした雰囲気、山田の面倒くさがりだけどやるときはやる二面性など、原作の描きたい人間性が忠実に描かれていると感じる。ただ、人付き合いが苦手とはいえ瑠奈(加隈亜依)のあかねを追い出すような行動はちょっと擁護できないかな。
作画:リアルなキャラを可愛く&格好よく見せようという意図もあってか、茜&山田周辺の作画は割と気合が入っていたように思う。ゲームキャラのデフォルメ感の強さもその対比の現れなのだろう。
声優:ゲーム周りは比較的有名どころで固められている。飛田さんのこれほどまでのゆるキャラぶりは珍しい。仲良しの水瀬、加隈、大西が揃い踏みというのも面白い。
魅力:恋するキャラたちの美形度は男女とも高い。基本茜と山田中心の物語なので、2人を見ているだけでも目の保養になる。ちなみにゲームキャラの可愛さはそれほどでも。。。
主題歌:OP「ぐらでーしょん feat.北澤ゆうほ」(KANA-BOON)(3.8)、ED「トリックアート」(清竜人)(3.7)。OPはKANA-BOONの軽快なポップさが重くなりがちな恋愛ストーリーをお気軽なものに柔和している。EDは爽やかな楽曲を狙ったのだろうが、歌い手の声質とどうも合っていない気がする。
劇中音:様々な出会いの印象度を高めるために、BGMでセンチメンタルに盛り上げている。
「君は放課後インソムニア」(BSテレ東/TVH 全13話 原作:オジロマコト 製作:LIDEN FILM)
(4.2, 4.2, 4.1, 4.2, 3.9, 4.2, 3.8, 4.0; 32.6pt)
不眠症に悩む中見丸太(佐藤元)。彼の通う学校には今は使われていない望遠室(天文台)があった。文化祭の喧騒に当てられた丸太は、幽霊の噂もある天文台への頼まれ仕事にかこつけて休もうと向かった望遠室で、同じく寝ていた先客を見つける。その先客は同級生の曲伊咲(田村好)で、丸太と同じ不眠症に悩んでいた。噂のせいで静寂が確保された望遠室を天文部の再開と引き換えに得た2人が、天文部の活動も絡め2人だけが知る夜空の世界を通じて関係を深めていくナイトスカイラブロマンス。
同時公開された実写映画もヒットするなど、ラブストーリーとしてよくできた物語。同じ悩みを抱え、共通の目的のために協力し、2人の時間が長くなるうちに気を許す関係となり、最後は2人だけの逃避行のようなシーンにまで至り、すごく自然に2人の関係性が深まる違和感のない展開だった。一方で、映画と同時展開だったこともあり、ヒット性は狙っていたと思うが、その割には作りが地味なせいか突出した何かがなく、平凡な評価になったのは、純愛ラブストーリーを作る難しさなのかもしれない。
物語:行事などの学校生活はしっかりこなしながらも、様々な手段を駆使して2人の時間を作っていくことで、しっかりと高校生の青春を謳歌させている。
世界観:人の寄り付かない天文台→天文部の再開→星空を撮影、と流れが非常にスマートで、不眠症の解決はされてないものの夜もいいぞと思わしめる展開が見事。
人物:共に不眠症の悩みを抱える2人を中心とした物語で、焦点がしっかりしているので感情移入しやすかった。そのせいか他のキャラの印象が薄いという反動も生んでしまっている。
作画:不眠症の2人を生かすため夜の描写は手が込んでいる。もちろん対比があって夜が生きるので、日中の描写も陽光の差し込み方など見せ方に抜かりない。
声優:主演の2人はキャラを立たせるためあえて有名どころを外したのは理解できる。舞台が石川県で能登さんをご当地声優として起用するなど独自路線のキャスティングもあった。
魅力:昨今の所謂萌え作画といったあからさまな魅力づけはないが、ちょっとした所作などクセになるさりげない可愛さというのがあったように感じる。
主題歌:OP「いつ逢えたら」(Aiko)(3.8)、ED「ラプス」(Homecomings)(3.7)。OPはスローペースなサウンドにのせた伸びのある歌声が哀愁を誘う。これはさすがプロ歌手のなせる技。EDは落ち着いた感じの抑揚が抑えられた楽曲。激動の無い展開の本作には合った雰囲気ではある。
劇中音:リアリティを追求しているのか、BGMがあってもいいような就寝時や星空のシーンでもあえて無音にして静寂を大事にしていることもあった。
「アリス・ギア・アイギス Expansion」(BS日テレ 全12話 原作:ピラミッド 製作:NOMAD)
(3.9, 4.1, 4.0, 4.1, 4.2, 4.2, 3.9, 4.0; 32.4pt)
宇宙生命体の侵略を受けた地球人は、その対抗手段として開発した武装兵器「アリスギア」を駆るアクトレスたちの活躍により、地球を取り戻す光が見え始めていた。そんなアクトレスたちの中でも入社早々活躍を見せていた比羅坂夜露(沼倉愛美)への強い憧れから成子坂製作所の門を叩いた高幡のどか(根本京里)は、一度は能力不足から諦めようとしたアクトレスへの道を、努力の末再試験で手にすることに成功する。しかしとある疑惑から営業停止命令を受けてしまった成子坂製作所での、他のアクトレスたちや作業員たちを巻き込んだ休業中の日常を描いたメカ?アクションファンタジーコメディ。
「ときは未来、突如襲来した機械生命体「ヴァイス」により人類は・・・」の下で始まる、特殊装甲アリスギアを身に纏った選ばれし戦乙女アクトレスによる地球奪還をかけた戦闘をメインとするゲームが原作。。。のはずなのだが、アニメはそんな戦いの場面は一切すっ飛ばし、戦いが落ち着き日常が戻った中での工場などでのドタバタが中心のギャグアニメに(良い意味で)落ちぶれた。声優は案外と豪華だし、キャラも可愛い子が多いし、のどかは特に夜露のことが絡むとすぐ鼻血を吹き出しギャグ顔になるしで、物語を通して元のゲームの背景をすっかり忘れてしまうほどぶっ飛んでいた。ゲームに手をつけない私としては、原作のことなどどうでも良いので、割と英断と捉えたが、他の視聴者は如何だったろうか。
「異世界ワンターンキル姉さん」(Abema/BS11 全12話 原作:このえ、田口ケンジ 製作:月紅)
(4.0, 4.1, 4.2, 4.0, 4.0, 4.2, 3.8, 4.0; 32.3pt)
交通事故による落命により異世界転生を果たした軍場朝陽(榊原優希)だったが、ステータスは最低レベル。それでも生活費は必要なのでと受けたクエストの最中に強敵ワイバーンに出くわし、転生早々命の危機を迎えてしまうが、幼少から刻まれた頼れる存在である姉への強い願いに呼応したかのごとく、突如として姉である軍場真夜(白石晴香)が最強のステータスを持って現れ、一撃でワイバーンを撃退する。再会を喜ぶも話の流れでこの撃退が自らの功績だと担ぎ上げられた朝陽が、重度のブラコンでもある姉の力を頼る形でレベル詐称バレの危機と隣り合わせで、稼ぎ目的も含め町のために貢献する異世界ブラコン姉弟バトルファンタジー。
本作に限らず最近の異世界ものはメインストーリーに絡まなければ転生過程はどんどん投げやりになる傾向がある。まぁ良いんだけど。それはさておき視聴の当落線上から始まった本作だが案外面白く見られたというのが視聴後の感想。主人公は一言で言えばダメダメステータスなのだけど、姉頼りな部分も大いにあるが、魔王であるキルマリア(小清水亜美)と仲良しになったり町を代表する実力者のグローリア(徳井青空)に頭脳戦で勝利したりと、ダメステータスをカバーする賢い立ち回りで冒険者感がしっかり出ているのは感心する。それはそうと、リコリコのロボ太で頭角を現した榊原くんは女声でも通用する様な高い声が特徴で、代永や村瀬の系譜として面白い存在になりそうで今後注目したい。
「女神のカフェテラス」(HBC 全12話 原作:瀬尾公治 製作:手塚プロダクション)
(4.0, 4.1, 4.0, 4.3, 4.0, 4.2, 3.7, 4.0; 32.3pt)
海沿いの古びた喫茶店のオーナーである祖母が他界し、喧嘩別れしていた孫の粕壁隼(水中雅章)が遺産整理のために訪れるが、喫茶店には祖母が雇っていた5人の若い女の子たちが住み込んでいた。店の今後で真正面から衝突する隼と女の子たちだが、店を続けたいという女の子たちの熱意に押され、店の継続と自らがマスターとなることを隼は受け入れる。東大生の隼だったが調理や経営のノウハウでは遅れを取り、エロハプニングもあって初めは険悪ムードバリバリだったが、次第に打ち解け、店の経営の立て直しに向けて頑張る6人を描いたマルチヒロインズカフェラブコメ。
五等分よろしく鬼頭さんが1人5役でヒロイン台詞を担当したCMで興味を惹かれたにもかかわらず、蓋を開ければ5人とも別キャスト、しかも鬼頭さんが出演しないという、開始前のガックリ感が強い最悪の出だしを切ったアニメ。特に初めは幕澤桜花(青木瑠璃子)をはじめとする主人公との険悪ムードが強く、視聴意欲を維持するのも大変だったが、キャラごとに焦点が向いた中盤以降は、各ヒロインがカフェテラスを盛り上げることで一致していたこともあり、ストーリーとしては好意的に受け止めることができた。ただ、鶴河秋水(鈴代紗弓)の頭のおかしな子感は最後まで拭えず、目立ってもいたので足を引っ張った感は強い。
「神無き世界のカミサマ活動」(BS日テレ 全12話 原作:朱白あおい、半月板損傷 製作:studioぱれっと)
(3.8, 4.1, 4.0, 3.9, 4.4, 4.3, 3.7, 4.0; 32.2pt)
御魂信仰の過激教団で教祖の息子として育った卜部征人(榎木淳弥)は、あろうことか信仰の犠牲として樽に埋められ海に投げ落とされてしまう。なんらかの力が働いて異世界で目覚めた征人は、出会った村の住人たちから得た情報によりこの世界が神無き世界であることを知るが、それと同時に世界の歪んだ状況と村の危機も知ることとなった。窮地に本来の神であるミタマ(鬼頭明里)が顕現し、征人がそのミタマをも利用して時に非情な手段を用いてでも歪んだ世界を住みやすくするため奔走する無神世界信仰力バトルファンタジー。
とりあえず一言、愛すべきアホアニメ(爆)。最初から信仰に対する表現が歪んでいるし、本来なら信仰される側のはずのミタマが征人に対してゾッコンなのも一つのアンチテーゼか。とにかくあらゆる点でぶっ飛んでいて、騎士団長ベルトラン(諏訪部順一)はどういうわけか女性化する(富田美憂)し、農地開拓ではいきなりロイ(藤澤奨)の顔貼り付きでコンバインが実写登場する雑演出があったりする。アルラル(花澤香菜)やダキニ(高橋李依)教団のぶっ飛んだ性知識・行動も売りの一つだが、いきすぎているのか却って醜く見えているのはある意味大火傷。予想だにしなかった富田さん登場で声優力の注目度がグッと上がったのが、イセレベとの評価関係にそのまま現れている。
「異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する~レベルアップは人生を変えた~」(BS11 全13話 原作:美紅 製作:ミルパンセ)
(3.9, 4.1, 3.9, 4.0, 4.3, 4.1, 3.8, 4.0; 32.1pt)
見た目が醜悪なデブと言うだけで実の兄弟を含めた学校中の悪童から陰湿な虐めを受けていた天上優夜(松岡禎丞)は、耐え切れずに帰宅した自宅で、未知なる声に誘われ、既に他界した祖父の書斎に隠し扉を見つける。その先に繋がっていたのは異世界で、見たこともない凶悪な魔物の襲撃を、意図せず手にしたチート武器でなんとか討伐する。慌てて現実世界に戻った優夜は寝落ちしてしまうが、それと同時に体の大改造が起こり、美形の青年男子に変化していた。これまでとは逆の意味で衆目を浴びることになった優夜が、変化と共に手に入れた驚異の身体能力で現実世界と異世界を行き来しながらレベルアップを続け、人気と信頼を勝ち取り大活躍する様子を描いたクロスワールド逆転人生青春バトルファンタジー。
何でも良いようにコトが運ぶのもここまで行くと気持ち悪い、と言うのを地で行ったやりたい放題作品で、作者の欲望が悪い意味で透けて見える。別に人生イージーモードが嫌いなわけではないが、それが押し売りというか押し付けられている状況で、優夜マンセーな状況が継ぎ接ぎされただけの薄っぺらい物語で、所謂なろうアニメの悪い所が前面に押し出された感じ。声優の豪華さが唯一の試聴継続モチベだったのだが、それもカミ活に富田登場であっさり上を行かれてしまっている。
「FGO 藤丸立香はわからない」(Youtube 全33話 原作:TYPE-MOON(漫画:槌田) 製作:DLE)
(3.7, 4.3, 4.0, 4.0, 4.4, 4.0, 3.5, 4.1; 32.0pt)
英霊を使役して人類救済のために日夜活動する世界唯一となったマスターの藤丸立香(島崎信長)だったが、その実彼にはわからないことだらけ。そんな日々の疑問をバカ正直に英霊にぶつけるものだからカルデアはいつも大混乱。そんな藤丸の素朴な疑問に端を発する英霊達の馬鹿騒ぎを面白おかしく描いた英霊ファンタジーシュールギャグショート。
まぁ、ショートギャグなのでストーリーはないに等しいわけだが、それでもFGO/カルデアの世界の設定を最大限生かしつつ、ファンサービスには勤めている。全33話というのもその一環なのだろうが、ことFGOに関してはゲームの人気の高さから英霊の手数を広げまくった結果、話や人物の深掘りが出来ないショートアニメとの相性は最悪と言っていい。ので、楽しめたもん勝ちということで。
「この素晴らしい世界に爆焔を!」(BS11 全12話 原作:暁なつめ、三嶋くろね 製作:ドライブ)
(4.1, 4.1, 3.9, 4.1, 4.0, 4.1, 3.7, 4.0; 32.0pt)
紅魔族のめぐみん(高橋李依)は学園でも優秀な魔法使いで将来を期待されていたのだが、ふとしたピンチで助けに入った紅魔族の魔術師が放った爆裂魔法に心酔し、威力以外は欠陥だらけの爆裂魔法を極めると宣い異端扱いを受けてしまう。紅魔の里に突如襲来した魔族との対峙で図らずも爆裂魔法を放ってしまったことにより予定外に早期の卒業を強いられためぐみんが、新たな冒険のため、そして稼ぐため、同じく卒業したゆんゆん(豊崎愛生)と共に思い通りにいかないトラブル続きの旅をする魔法冒険ファンタジー。
めぐみんの出自を紐解いたこのすばシリーズのスピンオフ作品。いや、悪い要素はないのよ。何も悪くないのよ。ただ目立つ要素がなかった結果今期の最下位に甘んじてしまっただけなのよ。評価したこちらもなんでこんな結果になったのか分かりかねる事態で、下手すりゃ作画は本編より良いくらいで、強いてあげるならEDが雑すぎたくらい?紅魔族だけで作れる物語の展開に限界があったのと、やっぱり多種族あってのキャラ立ちなのかね。この不遇は本編第3期で取り返してほしい。
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7月1日 今夏のテレビ試聴計画
http://mfbox.exblog.jp/33325718/
2023-07-01T10:59:00+09:00
2023-08-05T12:40:11+09:00
2023-07-01T10:59:55+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
<海外ドラマ>
なし
<スポーツ>
なし
<アニメ>
(継続、特番)
○TIGER & BUNNY 2(NHK総合 土曜 24:00)
◎あやかしトライアングル(BS11 7/10〜 月曜 25:00)(1話から)
◎Fate/Strange Fake -Whispers of Dawn- (BS11 7/2 19:00)
◎NieR Automata ver. 1.1a(BS11 7/23 19:00)9〜12話連続放送
◎トニカクカワイイ 女子高編(Abema 7/15 他)(視聴可能か調査中)
(旧作)
(再)リコリス・リコイル(BS11 7/8〜 土曜 22:00)
(新作)
◎ホリミヤ -piece-(BS11 7/1〜 土曜 23:30)
◎ライザのアトリエ〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜(BS11 7/1〜 土曜 24:00)(初回1時間)
札◎うちの会社の小さい先輩の話(HTB 7/1~ 土曜 25:30)
○幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR- (Abema 6/25〜 日曜 23:00/BS11)
札◎ライアー・ライアー(BS朝日 7/9〜 日曜 23:00/TVH/Abema)
◎無職転生~異世界行ったら本気出す(BS11 7/2~ 日曜 24:00)
◎アンデッドガール・マーダーファルス(UHB 7/9~ 日曜 25:10)
○Lv1魔王とワンルーム勇者(BS日テレ 7/3~ 月曜 24:00)
◎文豪ストレイドックス(第5シーズン)(BS11 7/13~ 木曜 23:00)
◎はたらく魔王さま!!2nd Season(BS11 7/13~ 木曜 23:30)
◎わたしの幸せな結婚(BS11 7/6~ 木曜 24:30)
札○彼女、お借りします(3期)(HBC 7/7~ 金曜 25:23)
?おかしな転生(BSテレ東 7/4~ 火曜 24:30)
?好きな子がめがねを忘れた(BS朝日 7/6~ 金曜 23:00)
?悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。(BS11 7/6 金曜 24:00)
札○Synduality Noir(TVH 7/10~ 月曜 24:00)
札○てんぷる(HTB 7/10~ 月曜 26:25)
継続はタイバニ1作で、あやかしはリスタート。一挙放送のNieR(春終了作品とする予定)を含め、これで恐怖の1月期延期もので視聴していた作品は完成の日の目を見ることになるはず。その他Fate、トニカワは特番。新作は12作。数を絞った結果特に期待の大きい作品が揃った印象があります。
傑出しているのはホリミヤで、思った以上にハマってしまった前作の評判はもちろん、未放送で面白い部分を抜き取ったとか下馬評がやたら高いので、期待値も鰻登りです。
ライザも積極的な宣伝で雰囲気も良いほか、公式からしてライザのムチムチ脚を前面推しだったり。アトリエシリーズは割と堅実なので期待してます。
逆に微妙な評判なのが無職転生。前作がやたら良かった(のでわたしも遅れ視聴した)分、過度な期待とならないよう勝手にブレーキをかけているのか、監督交代とか原作全体の中の相対評価で期待値を落としているように聞こえるが実際はどうなのか、見て確認したい。
他継続ものは文豪とはたまお、かの借り。文豪は前期で落とすだけ落としたので痛快な逆転劇に期待したいし、はたまおはこれまでの日常お気楽コメディからの大転換となるエンテイスラ行きとなるので新境地をどう描くか見どころである。かの借りは相変わらずいまいち好きになれないキャラばかりだが、ここまで付き合って来たので見ちゃうんだろうなぁ。
ライアーは久しぶりに名の通ったラノベ作品。このジャンルで久しくヒットが出ていないのでちょっと期待している。
アンデッドは硬派な+Ultra枠のホラー系で、安易なストーリーの蔓延る最近の作品の中にあって異色な雰囲気を放っている。
わた幸も先行する実写映画などでも話題作で、完成度に期待せざるを得ない。
ヨハネは先行公開されていたYoutubeで雰囲気は掴んでいたつもりだが、1話は想像とちょっと違っていたので、今後の展開に少し興味が湧いた。
小さい先輩は以前の同枠だったウザい先輩と、Lv1魔王は中の人的にジャヒーさまと、それぞれ被りそうな作品なのが微妙。
補欠ピックアップした作品も、ラスボス女王はリーゼロッテ、シンノワは視聴断念したディープインサニティ、てんぷるはまえせつと、それぞれ雰囲気が被りそうなので、それらを参考にしながら視聴継続するか判断したい。相変わらず木〜月に作品が集中し、火曜に余裕があるので作画の良さそうなおかしは視聴するかもしれません。めがねはわからんが、今季視聴を落としたが巷では話題だった僕ヤバのようになる可能性は秘めているかも。
期待度は、ホリミヤ>ライザ>あやかし>わた幸>アンデッド>ライアー>無職>はたまお>文豪>ヨハネです。 まず最初に、かわいい先輩の破壊力を見逃していました。なんでしょう、たまらなく可愛いもの好きの心をくすぐってきます。
テレ朝深夜全国枠なので勢いとしては同枠だった”式守さん”は超えて”うざい先輩”に迫る可能性もあります。
Lv1魔王もギャグのテンポが良く、キャストから”ジャヒー様”を思い出すのが決して悪いことではなく思えてきました。
てんぷるも今の所ギャグが滑っていないので楽しく見られています。なので、期待度も大変更です。
期待度は、ホリミヤ>かわいい先輩(↑↑)>ライザ>わた幸>LV1魔王(↑)>アンデッド>無職>はたまお>あやかし>てんぷるです。
大幅下落のあやかしは前半はすでに2回見ているので今回は見ていません(7話から視聴開始)。文豪はまだ逆転劇のステージに入ってないのでもう少しの辛抱か。
ライアーは悪い意味でのラノベ感がちょっと顔を覗かせていて、他の作品がよくなるほど立場は苦しくなりそう(あくまで順位的な話)。
ヨハネは転落こそしましたが、作画の良さと既出作の有利さで最終的にはそこそこのポイントに収まる気がします。
当落線上だった作品では、てんぷるとSyndualityは視聴確定で、Syndualityは現在次点です。こちらもメカと戦闘が小気味よく進んでいて見やすく楽しめています。
おかしと外道ラスボス女王は放送枠の良さに恵まれました。一方でめがねは切りました。テンポが悪すぎてついていけませんでした。]]>
5月3日 2023年冬のアニメ評価
http://mfbox.exblog.jp/33242127/
2023-05-03T16:14:00+09:00
2023-05-06T17:11:34+09:00
2023-05-03T16:14:44+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
「お兄ちゃんはおしまい」(BS11 全12話 原作:ねことうふ 製作:BIND)
(4.5, 4.2, 4.4, 4.7, 4.1, 4.8, 4.8, 4.1; 35.6pt)
グータラ引きニートの緒山まひろ(高野麻里佳)は、ある日目覚めると女の子になっていることに気づく。直後に部屋に乱入して来た妹のみはり(石原夏織)が開発した性転換薬による仕業と分かったまひろだったが、当分男に戻ることも出来ず、妹の策略のままに徐々に女の子としての生活に染まりながらも、更正の名のもとに外出、友達、学校と外との関わりを取り戻していく様子を描いたトランスセクシャルホームコメディ。
何もかもが最高!と、一目見て分かるほどに完成度の高かった本作。もともとこの手のジャンルには興味があり、原作の存在も早くから知っていたが、一部の強調(一部キャラの胸とか)を除けば見事な再現度といって良い。男としての真尋は殆ど登場しないが、男との対比が無くても成立している女の子に性が変わったことへの戸惑いが緻密に描かれていて大いに感心しながら見ていた。性的な表現にも遠慮がないばかりか、女の子ならではのコンプレックスな部分も容赦なく表現し、秘密を垣間みているようでもあった。その一方で、お兄ちゃんに向けるみはりの気持ちであったり友人たちとの賑やかで暖かい生活ぶりなど、感動的要素やホームコメディの要素も充実していて、視聴後の満足度はピカイチだった。主題歌も見事な電波ソングで、欠点を見つける方が難しい見事な大作だった。
物語:性転換薬を盛るなどやってることは結構ハチャメチャだが、それがネガティブになることなく、とにかくまひろの周りから自然と異性でも大丈夫な日常生活が出来上がっていく様子が暖かくて心地よかった。
世界観:通称TSと呼ばれるこのジャンルの物語の描き方としてはこれ以上ないと言えるほどの完璧さだったと思う。それでもポイントに反映しきれないのはまだまだマイナーなジャンルであるがため。
人物:まひろの順応っぷりが見ていてとにかく楽しいし何より早い。ギャルなかえで(金元寿子)の意外なお姉さん(お母さん)っぷりや破天荒キャラっぽいあさひ(優木かな)の意外な素直さも好印象。
作画:そもそもが美麗な上によく動くしギャグ的表現のメリハリもしっかりしていて、作画が命の日常系においても最上位に位置するほどの完璧さ。スタジオバインドは既にその作画力に定評はあったが、今回も見事な仕事ぶり。
声優:ここは豪華声優を売りにしている他作品に比べるとどうしても劣ってしまうが、ドラマCDから変更のなかったキャスト陣の演技をこそ見事と誉め称えたい。
魅力:各キャラの可愛らしさが存分に溢れているだけでなく、性的描写を含めて女性ならではのアレやアレの表現にも遠慮が無く、見てるこっちが恥ずかしくなることもしばしば。
主題歌:OP「アイデン貞貞メルトダウン」(えなこ feat. P丸様)(4.8)、ED「ひめごと☆クライシスターズ」(Onimai Sisters(緒山まひろ(高野麻里佳)、緒山みはり(石原夏織)、穂月かえで(金元寿子)、穂月もみじ(津田美波))(4.8)。OPのえなこはコスプレイヤーとしては話題ながら歌は未知数と思っていたが、まさかまさかのとんでもない電波ソングを放って来た。これがまた作品世界を見事に捉えた超ノリノリな楽曲で、最初の心配はどこへやら、すっかり心酔してしまった。EDは姉妹同士の4人で組んだユニットによるこちらもスピード感のあるポップチューン。映像とのシンクロもあって聞いててうきうきするほど大好き。
劇中音:各シーンの音へのこだわりはとっても感じられるのよ。ただ、真っ先に思い出せるシーンがまひろPCからのエロビデオやおもらし、風呂って、偏っている自分が恥ずかしい。。。
「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」(BS11 全12話 原作:夕蜜柑 製作:SILVER LINK.)
(4.3, 4.5, 4.3, 4.4, 4.2, 4.5, 4.4, 4.1; 34.7pt)
痛いのは嫌だからとダメージ耐性をひたすら挙げるヘンテコなプレイを楽しんでいるメイプル/本条楓(本渡楓)は、行動もヘンテコでその際にさらに人間離れしたスキルを手にし、人知れず最強の名を手にしていた。前回イベントで激しく争ったトップギルドたちとも仲良くなり、新たな階層やイベントをこなしながらゲーム・ニューワールドオンラインを大いに楽しむメイプル率いる楓の木メンバーたちの姿を描いた異能系ゲームプレイコメディの第2期。
シルバーリンクが神がかっていた時期に放送された前作の出来が余りにも良く、放送中に2期が決まった作品で、多少製作遅れはあったものの、前作に続くメイプルを中心とした奇想天外なゲームプレイぶりに、興味と興奮が止まらなかった。同じ展開を2度見せてもしょうがないということで、今回は超ハードイベントを前回争ったトップギルドたちと共闘する展開だったが、最後に新登場したペアプレイヤーたちを見るに、次があるならペアバトルかな?と、早くも3期を心待ちにしてしまう。
物語:ギルドメンバーたちにもリソースを振り分ける必要があり、メイプルの物語にかける時間はやや少なく、多少インパクトの低下は否めないが、他のキャラも面白いのでOK。
世界観:前作はわずかに現実世界の描写もあったが、本作はハイペースで階層開放やイベントがやってくるのでほぼゲーム内で終始した。メイプルたちの規格外の活躍でダメ運営的に描かれているが、運営は良くやってると思うよ。
人物:ギルドメンバーだけでなく、ライバルギルトのメンバーとも良好な関係を築いていくのがメイプル。フレデリカ(竹達彩奈)たちを助けたり、ペイン(小野賢章)とは最強同士で助け合うなどプレイにも意外性が見て取れた。
作画:1期に続き繊細でよく動く作画で視覚的にもストレスフリー。ただしスケジュール通り放送出来なかったのでわずかにマイナスしている。
声優:名演技をする実力派が揃っている印象。ただどことなくFate感を感じる顔ぶれで、新キャラに川澄さんや伊藤さんを宛てたことで増々その印象は強くなった。
魅力:今回もメイプルがいるからこその本作の魅力、という場面がいくつもあった。面白かったのは、元々二面性のあるミィ(佐藤利奈)に可愛いもの好き属性が追加されたこと。
主題歌:OP「この盾に隠れます」(純情のアフィリア)(4.7)、ED「Step for JOY」(FRAM)(4.0)。OPは前作に続きアフィリアが担当。前作ではアイドルという点が足を引っ張ったが、今回はアニソンらしいポップさを前面に出した楽しい楽曲になり、映像との親和性も良く考慮されて一転しての高評価。EDはストレスフリーのコンセプトに整合した爽やかな声に乗せたカルチャーポップ。
劇中音:ホラー展開などの効果音や、おなじみとなった戦闘時のBGMなど、耳にしっかり残る音響効果だった。
「にじよん あにめーしょん」(BS11 全12話 原作:矢立肇 製作:サンライズ)
(4.2, 4.2, 4.2, 4.2, 4.2, 4.3, 4.5, 4.1; 33.9pt)
虹ヶ咲学園でスクールアイドル活動を頑張る女子高生たちの、アイドル活動中は見せないような部室での日常や人間関係、秘めた想いなどをコミカルに描いたスクールアイドル日常コメディ。
原作は本編放送当時も並行してWeb公開されていた4コマ漫画。小ネタながらもちゃんと声優に寄るセリフが入って完成度が高く、本編の人気と歩調を合わせるように人気のコンテンツとなっていた。ショートアニメ化の期待もあったがまさか本当になるとは驚きだった。ショートアニメといえど、その内容は意外と深く、はちゃめちゃコメディに終わらず、短い時間にしっかり物語性を詰め込み、各話とも感動的だったり良い話っぽく描かれていて、ラブライブの中でも個々のキャラクター性が特に強い虹ヶ咲のコンテンツ力が成せる業なのだろう。
物語:短い時間の中で、賑やかな部室風景からキャラの想い、周りに与える影響などがしっかり描かれ、ショートアニメとは思えない物語性の深さに感心する。
世界観:こちらはショートアニメゆえライブを描写する時間が取れないので、学園生活の日常を描くに止まっているが、お台場というインパクトの強い場所設定でショートでも既視感を保っている。
人物:本編で綿密に描かれて来た各キャラクターの性格や行動がしっかり練り込まれ、短い時間でも各キャラの行動が納得出来るよう描けている。まぁ、初見殺しにはなるのだけど。
作画:本編の美麗作画を経験しているので、それに比べるとデフォルメ描画はどうしてもと劣るいう一面はあるが、原作のデフォルメ作画の再現度は極めて高い。
声優:これは本編とキャストが同じなので本編とほぼ同じポイントになる。実際には本編2期より0.1pt高いが、ともりるの卒業記念ということで。
魅力:デフォルメキャラにすることで優る点の1つに、コミカルな動きが作画とよく合うことが挙げられる。本作はそれが特に秀でていたように感じられた。
主題歌:ED「わちゅごなどぅー」(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会) (4.5)。早口言葉のようなスピード感たっぷりのノリノリ楽曲で、ショートアニメゆえ主題歌に時間が割けないのを逆手に取った上手いED。
劇中音:本編でも使用されたキャラごとのソロ曲をBGMに使ったり、コミカルな表現に特徴的な音だったり、興味をひく所は多数ある。
「異世界のんびり農家」(BSテレ東 全12話 原作:内藤騎之介 製作:Zero-G)
(4.3, 4.2, 4.4, 4.3, 4.1, 4.3, 4.2, 4.1; 33.9pt)
人に恵まれず、不幸なまま病に倒れ若くして死を迎えた街尾火楽/ヒラク(阿部敦)は、責任を感じていた神(速水奨)の計らいで、健康な体と農業をしたいと言うヒラクの希望を叶えて転生させる。健康体を喜ぶヒラクだったが転生先は深い森の中。ギフトとしてもらった万能農具の力で開墾を進め、次々に集まる様々な種族たちと農業で生計を立てる村を作っていく異世界開墾ファーマーズファンタジー。
当初は視聴継続を迷っていた作品だったが、1話目の開墾から作物生育に至るまでの流れが分かりやすく区切られていたのとOPの印象の強さで視聴を決め、そのまま興味深く見続けていた。掘るだけで作物が出来たり、村人の増え方が余りにあっさりだったりなど、異世界もの特有の都合の良さはやや鼻がつくが、ヒラクの前向きさや村人たちが家族として村の生活を成り立たせるのに一生懸命な所が非常に好感度高く、物語がサクサク進むのも見やすい要素になっている。
物語:「農業」ではなく「農家」に焦点を置いた作品であることが重要。作物づくりにおける「憂」の部分はあまりないが、次々増えていく住人がみな家族として農業に取り組む様が美しい。
世界観:深い森の中ゆえ積極的には外界との接触を取れないため、出会いはだいたい迷い込みか住人の知り合いを呼び込むか。それゆえ多種族であっても最小限の描写で表現出来ている。
人物:展開の早さもあるが、どの来訪者も初見は猜疑心があっても割とすんなり住人に収まっている。ヒラクを中心に強い信頼関係が構築され、たまに強者の来訪があるものの村は平和そのもの。
作画:種族の違いがなければ見分けがつかない住人もいたりはするが、どの種族、キャラも美しく描かれている。動物たちも細かな動きまで繊細に描写されている。
声優:キャラ数は多いもの同種族内は掛け持ちするなど声優充実度はそれほど高くはない。ヒロイン役も巷の人気声優からはやや格落ちなのも苦しい(私は好きですし合ってるとは思いますよ)。
魅力:住人の殆どは女性という、理想郷という意味での魅力はある。ただ、みな美人ではあるものの大人っぽさが優り、萌え要素に欠ける点でポイントとしては伸び悩む。
主題歌:OP「Flower Ring」(ルールーシー・ルー(下地紫野)、ティア(洲崎綾))(4.7)、ED「Feel the Winds」(緋月ゆい)(3.7)。OPは歌唱力に自信のある2人の伸びやかな歌声と心の琴線に触れる美しい旋律が合わさって感動的な楽曲に仕上がっている。それはもう私が視聴継続を決めるほどに。EDは歌ってみた系実力派VTuberさんの楽曲だが、落ち着いたサウンドに合わせた決して主張が過ぎていない芯のある声で聞きやすい。
劇中音:来訪者の登場の仕方が派手なので、それにあった効果音で一時的には不穏な空気を作り出している。すぐに仲間になるの繰り返しでそのうち驚かなくなったけど。
「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」(BS-TBS 全12話 原作:恵ノ島すず 製作:手塚プロダクション)
(4.3, 4.2, 4.3, 4.2, 4.2, 4.2, 3.8, 4.1; 33.3pt)
怪我が元で打ち込んでいた野球を辞め打ち拉がれていた遠藤碧人(石川界人)は、縁遠い所でと入った放送部の部員である小林詩帆乃に強く進められ「マジカルに恋して」というギャルゲーを共に始める。そのゲームでは悪役令嬢であるリーゼロッテ(楠木ともり)がどうあがいてもバッドエンドを迎えるのが小林さんの憂いたポイントだった。気分転換に実況のまねごとをしながらゲームを進めていた2人はある時、自分たちの声がリーゼロッテの婚約者であるジークヴァルト(中村悠一)に届いていることを知る。ジークヴァルトに神の声と認識された2人が、その実況と解説を駆使してゲームキャラたちを誘導してリーゼロッテのバッドエンド回避に挑むリアルクロッシングゲームファンタジー。
乱暴なタイトルのくっつけ方がむしろ話題を呼んだ本作だが、干渉力強めながらもゲームをプレイする2人から見たギャルゲー世界での出来事を中心としたストーリーラインで、話の中心にリーゼロッテを据えたことで救済されるべきキャラとして感情移入しながら見ることが出来た。遠藤くんと小林さんの現実(学校生活)もあるが割合としてはわずかで、全体的に救済色の強い流れで清々しい気分になれたのは大きい。足を引っ張った主題歌が違ったとしても同じ悪役令嬢物のはめふらには敵わないが、構成力の巧さが光った作品だったと思う。
物語:プレイヤーがゲームキャラに干渉・誘導するスタイルは斬新。ゲームと現実を行き来する複雑な展開だが、リーゼロッテに視点が定まっていたので理解しやすかった。
世界観:現実部分はおまけ的扱いなので、マジこいの世界に遠藤くん、小林さんと同じ感覚でのめり込むことが出来た。中世欧州貴族社会の雰囲気はありきたりではある。
人物:リーゼロッテの性格が可愛い、これに尽きる。気高くあろうとすることがツンと捉えられている節もあるが、一途な恋慕と掻き消えぬ不安への畏れは恋する乙女そのもの。それを分かって周りのキャラたちがこぞって支え合っているのも微笑ましい。
作画:おそらく完パケ納入だったのだろう。特に不安要素はなく、ギャルゲーらしく美男子揃い。
声優:所々家庭的というか仲間意識の強さを感じる面子だが、人気、実力どころを効果的に抽出している。
魅力:これははめふらでも感じた男でも見れるギャルゲーという感じで、ゲーム内のキャラ立ちの美化っぷりが凄い。
主題歌:OP「イビツナコトバ」(ダズビー)(3.9)、ED「花のように」(Anna)(3.7)。OP、EDともあまり特徴的な物が感じられない平凡感の強い楽曲。それにしても、最近の動画系アーティストの多用はどうにも好きになれない。
劇中音:実況&解説が神格化したため、そういった干渉が奇跡扱いされ過剰なまでに派手な音演出がなされていた。
「英雄王~武を極めるため転生す~そして世界最強の見習い騎士♀」(BSテレ東 全12話 原作:ハヤケン 製作:スタジオコメット)
(4.1, 4.2, 4.2, 4.2, 4.2, 4.4, 3.9, 4.0; 33.2pt)
英雄として名を馳せてその生涯を終えた善王イングリス♂(麦人)は死後、神に見初められ、武を極めたいとの望みを受けて再び生を得ることとなったが、生まれ変わった姿は赤子のイングリス♀(鬼頭明里)だった。生まれながらにエーテルを操り、幼くして猛獣を倒すその姿はまさに戦闘狂。前世の記憶と美貌を備え、ひたすら武に邁進するイングリスの活躍を描いた性転再誕美少女バトルファンタジー。
男の前世から女に転生したという点でTSジャンルに入り、おにまい、あやトラとの重複もあって初めは話題になったが、そもそも幼女の段階で麦人さんに心の声をさせるのが無理で、結果TS要素は初めの設定だけで、早々にバトルジャンキーっぷりの方が注目されるようになった。深刻な状況にも目を輝かせるイングリスの場違いっぷりは笑いポイントだが、展開が進むにつれて物語は平凡化し、最後に敵のパワーインフレに頼るのも悪手。作画は特徴的で良く、割と前からの注目作だっただけにもう少し頑張ってほしかったのが正直な所。
物語:イングリス♀は戦闘狂ではあるがあくまで一学生であり、ツンリゼのリーゼロッテのようにその存在が物語を動かす駒とはなっていない。なので、巻き起こる動乱(物語)を作り上げなければならず、それにイングリスが深く関われないと途端につまらなくなる。
世界観:イングリスが通う騎士学校であったり、浮上都市と地上との関係性だったり、世界観の作り込みはしっかりしている。ただ、今回の放送範囲では派遣者が強い理由やそれと対抗しうる反抗組織の秘密には踏み込めず物足りなさが残る。
人物:イングリスのバトルジャンキーぶりは面白いがちょっとひく気持ちもある。その分ラニ(加隈亜依)が癒しになるのだが、2人の関係性は本編よりもYoutubeのショートアニメの方が見てて面白い。
作画:全体的に綺麗で表情に艶がある。笑う口元の表情も特徴的で、印象を与えるという意味ではよく出来た作画。ただ、リーゼロッテ(倉持若菜)とエリス(白石晴香)の描き分けは正直な所出来ていなかった。
声優:鬼頭さんのTSキャラというだけで注目に値する。脇を固めるのは人気若手声優が中心。
魅力:イングリスの物語なので、如何にイングリスを可愛く魅力的に描くかに注力されているのが分かる。合わせてラニや関係する級友などの美貌にも波及している。
主題歌:OP「DAY1」(AUO feat. Morisaki Win)(3.9)、ED「セルフハグ ビッグラヴ」(ゆいにしお)(3.8)。OPは演劇界で話題の森崎ウィンをヴォーカルに招いたおしゃれなかっこよさをイメージした楽曲。ただ歌い手のイメージとしては良いが作品のイメージとしてはどうだろうか。EDは落ち着いたソフトな楽曲。こちらもバトル物である本作と落ち着いた雰囲気との相性を考えるといまいち。
劇中音:魔法も存在する世界でのバトルものであるが、派手さを狙った各種効果音の印象は正直薄い。
「陰の実力者になりたくて」(BS日テレ 全20話 原作:逢沢大介 製作:Nexus)
(4.0, 4.1, 4.0, 4.2, 4.2, 4.2, 4.3, 4.0; 33.0pt)
事故で現世で落命した少年は、図らずも異世界で優秀な姉のいる名家の弟シド・カゲノー(山下誠一郎)としての生を受ける。もともと「陰の実力者」に憧れのあったシドは、実力をひた隠し剣技で姉に無様に負ける役立たずを演じながら、夜な夜な密かに盗賊狩りなどしていると、エルフの娘を救い出す。妄想逞しいシドはこの娘にアルファ(瀬戸麻沙美)と名付け、仮想の「闇の教団」を倒すシャドウガーデンとして暗躍するなどと嘯くが、その仮想は真実となり、シドの元を離れたアルファはシャドウガーデンを拡大し暗躍する。シドはシドで溢れる実力をひた隠しながら表は学生として、裏ではシャドウとしてまさに「陰の実力者」として振る舞う。そんなシドやシャドウガーデンの面々の暗躍ぶりを描いたダークコメディファンタジー。
原作人気のかなりあるタイトルで、巷の期待も大きかった作品だが、評判自体はそこそこ良かったようだが、展開の出来過ぎっぷりにちょっとついていけない自分がいた。加えて、登場人物が多過ぎる上に主人公の表裏の二重生活どころかジミナ・セーネン(緑川光)も含めると三重生活な状態のそれぞれに厚みのある設定がついてくるので一部理解を投げ出した。そんなわけで正直見難い作品ではあったが、妄想展開が現実転化する所は面白かったので、惰性でも見通せるくらいにはしっかり作られてはいたのだろう。
物語:一応いくつかの展開別に区切ってはあるものの、微妙に流れが続いているので理解が難しい。これに主人公の勘違い行動が輪をかけて混乱を招いている。「結」が見えない。
世界観:暗躍するときの自分は別人に見せたいという主人公のネジ曲がった信条のせいで、世界観すらも安定しない。現実も裏の世界も別人も全部同等に見せようとするから混乱しか生まない。
人物:シドとシャドウガーデンの七影を追っているだけでいいなら判りやすくもあるが、それ以外のキャラが多く、また物語にも深く関わるので覚えるのが大変。特に理解に苦しんだのはシドと姉クレア(日高里菜)との関係。
作画:美麗というわけでもないが特段崩れも無く安定した作画。爆発など若干やりたい放題感がにじみ出ているが、ある意味この作品のテーマと合っているとも言える。
声優:そこそこ有名どころを揃え充実しているのは確かだが、キャラ数の多さ故人物把握が追いつかない結果、声優の知名度、充実度を生かしきれないことに。
魅力:特に女性キャラは美形揃いなのだが、比較的クールに振る舞う七影はともかく、それ以外の学友や良家のお嬢様たちなどはどうにも鬼気迫る感というか圧が前面に出過ぎて良くない。
主題歌:OP「HIGHEST」(OxT) (4.7)、ED「Darling in the Night」(七影)(3.8)。OPはダークさを曲のあちこちににじませた格好良い楽曲。EDは暗躍する七影たちの、本当は快活な姿を明るいサウンドに込めた楽曲。ただ全員曲は最後までかかることは無かった。
劇中音:バトル展開を派手にする諸々の効果音はあるのだが、特に主人公絡みに多いが発生が地味だったり小声だったりして、その迫力が正しく伝わっていない気がする。
「文豪ストレイドックス(4期)」(BS11 全13話 原作:朝霧カフカ 製作:BONES)
(4.1, 4.2, 3.9, 4.2, 4.2, 4.0, 4.3, 4.1; 33.0pt)
ポートマフィアと共闘の末、首領の命とともに未曾有の危機を防いだ武装探偵社は、国から勲章を与えられることとなったが、そこには既に罠が張られ、直後に舞い込んだ緊急要請に応じた探偵社は要人殺害犯に仕立てられ、世間の反感とともに特殊部隊「猟犬」に追われることとなる。仲間は散り散りになり、連携も取れない中、真実を求めて猟犬の追跡をかいくぐりながら探偵社の面々たちはそれぞれの道を進む。そんな文豪の名を借りた探偵やマフィアたちの横浜を舞台にした異能力バトル活劇の4期。
2期以降恒例の、つなぎとなる先行3話は探偵社設立前の福沢諭吉(小山力也)が江戸川乱歩(神谷浩史)の才を見出す話。その乱歩が行くなと警告した緊急要請に応じてしまったがための武装探偵社のえん罪による凋落劇が今シーズンのストーリー。とことんまで絶望に陥り、逃げても逃げても光りが一向に射さない状況が終盤まで続き、さすがにおかしいなと思っていたが、5期に続くと知ってやっと納得。今期は同様の絶望系作品が多かっただけに正直見るのはしんどかったが、7月からの5期では爽快な逆転劇を期待したい。
物語:探偵社にとっての絶望的な状況を見続けることは正直胸が痛んだが、張り巡らされた伏線や黒幕のフョードル・D(石田彰)の計画などの緻密さは感服する所。
世界観:元々多彩な異能力のオンパレードが本作の特徴だったが、本作では新キャラも含めてさらに多彩となった異能力が出し惜しみない。
人物:完全正義を歌う猟犬だがやることは鉄拳制裁そのもの。また黒幕側の天人五衰の狡猾さも加わって探偵社勢が苦しめられるのを見るのは辛い。
作画:いつにも増してバトルシーンが多くてかつ派手なので、それを描くだけのリソース確保はさぞ大変だろうと思う。
声優:4期ともなるとキャラも増えて声優のネームバリューもかなりの物。何となくだがキャラと声優のクラスがシンクロしているように感じるのも面白い。
魅力:全体的に重苦しい雰囲気なので魅力を感じる余裕は無いが、ルーシー(花澤香菜)の存在が危機を駆ける中島敦(上村祐翔)にとっての救いであると同時に、視聴者にとっての数少ない癒しになっている。
主題歌:OP「True Story」(Screen Mode)(4.7)、ED「しるし」(ラックライフ)(3.9)。OPは2期以来のScreen Mode。疾走感溢れる曲は異能力舞い踊る派手なバトル展開の本作に良く合う。EDはおなじみラックライフ。ゆったりと流れるバラードは手に汗握る本編の盛り上がりを落ち着かせ安らぎを与えてくれる。
劇中音:今期は特に多かった派手なバトル展開を音楽面からもしっかり支えていた。
「異世界おじさん」(BS11 全13話 原作:殆ど死んでいる 製作:Atelier Pontdarc)
(4.3, 4.3, 4.0, 3.9, 4.2, 3.8, 4.3, 4.1; 32.9pt)
交通事故に遭い昏睡状態のまま17年が経ったときに突如目覚めた叔父(子安武人)を引き取ったたかふみ(福山潤)。17年間を異世界で過ごしたと言うおじさんに当初は呆れていたが、現実では有り得ない能力で回想を見せられたたかふみはおじさんのことを信じ、17年前で時が止まっているおじさんを巧く丸め込みながら、魔法を使って動画投稿したり異世界話に花を咲かせたりする異世界カムバックファンタジー
延期があって遅れて見始めたが、各所で話題となっていたその面白さは本物で、回想するという形での異世界無双描写は斬新だったし、空白年数分のギャップからくるおじさんとの認識のずれや、そもそものおじさんやたかふみのズレた常識が良いように重なってあらぬ面白さを生み出していた。おじさんが能力でエルフ娘に変身するTS展開もあったりして興味深かった。残念だったのは当初昨年7月期作品だったのが、遅れに遅れて最終話が3月までずれ込んだこと。最初の延期は話題に乗り遅れた私にとっては助け舟になったが、やはり度重なる長期延期は負のイメージが大きい。
物語:異世界を虐げられながら生き抜いて来たおじさんの半生の物語であり、面白可笑しく描いてはいるが、その一部は過酷なことも含まれ、実は重たい内容だったりもする。
世界観:帰還後は異世界で培った能力を現実世界でも発揮したりするので、どちらかと言うと異世界寄りではあるが、日常生活の部分も時間をかけて見せている。
人物:異世界では特に老け顔の所為でおじさんの扱いは散々で、興味を持った者たちやおじさん自身もどこかぶっ飛んでいる。家族関係者除きあまり良好な関係は築けていない。
作画:こういう作風であることは理解するが、老けっぷりがリアル過ぎてなかなか取っつき難い。放送がずれ込んだこともここではマイナス要因。
声優:声優の知名度的にはその充実ぶりが伺えるが、日常会話中心になりあまり演技力に依存していない印象。
魅力:わざと質を落とした描写をしているシーンもあるとは思うが、独特のカオスな表情が魅力とは完全に逆方向。
主題歌:OP「Story」(前島麻由)(4.7)、ED「一番星ソノリティ」(井口裕香)(3.9)。OPは初回放送当時はオバロとのW主題歌だった前島さんの熱さほとばしる激走曲。EDは毎度の騒然とした展開を落ち着ける静かな楽曲。井口さん移籍してたんだね。
劇中音:作画はしょぼかろうとも、異世界ではおじさん無双だったので、魔法だったり特攻だったりの時はBGMもついて激しさを表現している。
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか IV~深章 厄災編」(BS11 全11話 原作:大森藤ノ 製作:J.C.STAFF)
(4.1, 4.3, 4.1, 4.1, 4.2, 4.2, 3.8, 4.1; 32.9pt)
過去の復讐のため地下深くに潜ったリュー(早見沙織)の追撃隊に混ざって行動していたベル(松岡禎丞)は、リューのターゲットである犯罪集団の生き残りが召還したジャガーノートの暴走により、リューと共に深層に転落してしまう。それとともに中層では主の復活など大混乱が起き、後を追っていたヘスティア・ファミリアの仲間たちも危機にさらされる。互いに絶望にまみれた状況をかいくぐり、命からがらベルが生還するまでを描いた異世界ダンジョンバトルファンタジーの4期後半。
7月放送の前半部分からして絶望感にまみれた展開が続き、深層を回るには明らかに力量不足のベルを見続けるのは辛く、ストレスを感じるほどだった。それでもベルとリューの深層組とヴェルフ(細谷佳正)たち中層組の物語を別々に描いて交わった時のカタルシス感を演出したり、リューの原点であるアストレア・ファミリアの話もほぼ回想に止め、展開や視点が混同することが無かったのは一応評価しておきたい。
物語:前半を見て覚悟はしていたが、絶望感がさらに深まる展開はしんどく、主人公は死なないと信じて見なければ心の安寧は保てない。ただ、いくら深層とはいえベルのアルゴノウト(成長の光)を多用していたのはいただけない。
世界観:ダンジョンの危険さは良く表現されていたと思うが、今回階層を跨ぐ破壊など規則性を大きく損なう状態でかなり不安感が大きくなった。
人物:リューの命を賭した行動とベルのリューを救うための行動が相反するものなので、ただでさえ絶望の中いつ綻んで命に関わるか見ていてハラハラする。
作画:モンスターの強敵ぶりが見事に表現されていた。特に階層主とファミリアとの争いの描写は迫力があった。
声優:回想に止まったアストレア・ファミリアの面々はあまりプラスには働かず、ほぼダンジョン内だったので登場キャラも限られ、ポイントの伸び要素はない。
魅力:アストレア・ファミリアの美しい思い出、そしてそれが最後にリューの力になる展開、嫌いじゃない。絶望的な戦いが続き血も多い中、この回想は癒しになる。
主題歌:OP「視紅」(早見沙織)(3.8)、ED「切り傷」(sajou no hana)(3.7)。前半と入れ替えとなった。OPは絶望的な中でも生きるために動き出す意志を表現した荘厳かつ疾走感を持って歌った楽曲。EDはタイトル通り傷だらけのベルたちを癒して静かに勇気づけるような心のこもったバラード。
劇中音:深層の不気味さを妖しい効果音などで表現し、恐怖感を与えている。
「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」(HTB 全12話 原作:FUNA 製作:Felix Film)
(4.1, 4.1, 4.1, 4.2, 4.0, 4.5, 3.8, 4.0; 32.8pt)
両親と兄を事故で失い、受験にも失敗して失意の中にあった山野光波/ミツハ(長江里加)はある日、足を滑らせて崖から転落してしまう。死を覚悟したが気づけば知らない平原に転移し、彷徨い続けた末に出会った少女コレット(立花理香)とその家族からこの異世界のことを学んだミツハは、ふとしたきっかけから元の世界に再転移し、自らに世界間転移の力があることを知る。転移先の貨幣価値も学んでいたミツハは、この転移の力と兄から伝え聞いていた豆知識を駆使して、老後に備えての資金を貯めるため異世界で商売を始め、その過程で出会う様々な人との関係や出来事を描いたクロスワールドマネタイズファンタジー。
こちらも流行の異世界アニメの1つになるが、きっかけは転落事故ながら強制転移で体が無事なためこちらとあちらの世界を行き来出来ること、ゼニというやたらと現実味を帯びたテーマを扱っているのが他とは違う特徴。物語開始時のミツハを取り巻く状況はかなり酷なものだが、物語自体はかなりざっくばらんに展開するので、酷な環境にあることはすっかり忘れて見ていた。一方で金儲けがトントン拍子に進まないこともある程度現実味を持って見られた。王族等の娘たちはもちろんだが、ミツハの衣装も可愛く描かれていて眼福な部分もあった。
物語:どのような状況が訪れても、お金の話に持っていくあたり、テーマに忠実に沿った物語の作りがされている。その分登場キャラの人となりは深堀りされないが、その潔さやよし。
世界観:異世界は、最初は彷徨い歩いたが結局はおなじみの中世ヨーロッパ風。ただ現実世界と行き来出来ることでミツハはいいとこ取りが出来て、稼ぎに走る理由付けにもなっている。
人物:話が進むにつれミツハのガメツさが目立ってくるのだが、そうは言っても押しに弱かったり状況に流されて損得勘定が反故になるのは優しい心根がある証拠。
作画:おそらく全体的な作画としてはレベルの高いものではないと思うが、こと女性キャラの描写に関しては力の入りようが一段違う。
声優:メインどころはだいたいどこかで名前は聞いたことあるが、同時期に放映された他作品と比較すると声優人気面ではどうしても格落ちする印象。
魅力:中世貴族社会よろしく、貴族の娘たちを美しく描くことに余念がない。また、貴族たちと正面から対峙することもあってミツハの衣装もまた多彩でエレガント。
主題歌:OP「光ったコインが示す方」(前田佳織里)(3.9)、ED「やっぱりエコノミー」(YABI x YABI)(3.7)。OPは人気上昇中の前田さん初主題歌。楽曲的には良くあるポップサウンドでパッとしないが、歌唱力はラブライブなどで折り紙つき。EDはちょっととぼけ気味な歌い方が特徴のカントリージャズ風楽曲。こちらの方が作品の雰囲気に沿っているように感じるのは多分ED映像でコインがくるくる回っている所為。
劇中音:パーティーなどのエレガントな場面でのBGMは多少印象的だが、この番組に必要な効果音は「ちゃりーん」でしょ?
「とんでもスキルで異世界放浪メシ」(TVH 全12話 原作:江口連 製作:MAPPA)
(4.0, 4.1, 4.1, 4.1, 4.0, 4.1, 4.0, 4.1; 32.5pt)
向田剛志/ムコーダ(内田雄馬)は、突然異世界の勇者召還に巻き込まれ、王様の謁見を受けるが、同時に召還された他の若者と違い、ネットスーパーなる能力系とはほど遠い固有スキルしかなかったムコーダは早々に勇者を辞退し街も離れることにする。しかし、与えられたネットスーパーなるスキルは元の世界のネットショッピングそのもので、購入即手元に商品が転移されるかなり便利なものだった。護衛に雇った冒険者パーティーに食事を振る舞いながら隣国へ向かう途中、伝説の魔獣フェル(日野聡)に食事を請われ、最終的にムコーダの従魔となる。最強の護衛を手に入れたムコーダがフェルのわがままな食欲に付き合いながら、美食を伴った冒険を続ける異世界ネットクッキングアドベンチャー
ダンまちも含めれば4連続異世界ものなわけだが、ネットスーパーで現実世界の食料他を調達するという点で個性的と言えるだろう。フェル(及び加護を与えている女神)の膨大な食事の世話が正直ムコーダの労力に見合っておらず酷なのが気になるが、グルメな番組を深夜にやってくれて飯テロだよ、もう。また、ネットスーパー自体がイオンだったり取り寄せた商品が実在するメーカーの商品だったりタイバニを彷彿とさせるようなスポンサードの数々も印象的で、物語そっちのけで楽しんでた所もある。
物語:食事に限らず異世界での生活を成り立たせるために、より強い魔獣を狩りに行ったり、生活用品を揃えるために稼ぐ姿も描写され、知らず知らずのうちに異世界に染まっている。
世界観:本作の特徴であるネットスーパーのスキルだが、それにより購入した商品を描写することは、世界観という意味では異世界の雰囲気を台無しにする諸刃の剣である。
人物:ムコーダの状況を敏感に感じ取る力と判断力が割と凄い。ムコーダ自身の能力はしょぼいが、旅を五体満足に出来ているのはフェルの伝説級の力によるものだけではない。
作画:MAPPAなんで、信頼の安定作画ではある。が、取り立てて作画の凄さをたたえるような作品でもない。
声優:大半がムコーダとフェル、スイ(木野日菜)の会話劇であり、その他はゲストキャラ程度なので声優印象度は低い。が、女神ニンリルが内田真礼で内田姉弟の競演が実現した!
魅力:女神を含め女性キャラの登場シーンは少なく、敢えて言うならスイを可愛く描いているのが一番魅力的と言えるのかも。食事(食材)が魅力的という考え方もあるか。
主題歌:OP「贅沢な匙」(van de Shop)(3.9)、ED「Happy-go-Journey」(内田雄馬)(4.0)。OPは連弾が印象的なカントリー風の楽曲で、放浪の旅の印象に良く合う。EDはステップを踏みたくなるような軽快な曲調で冒険の雰囲気を楽しく持ち上げている。
劇中音:ネットスーパーの力を使って商品を取り出すシーンの効果音が強い印象。つまりそれだけネットスーパーを多用しているということ。
「吸血鬼すぐ死ぬ」(BS11 全12話 原作:盆ノ木至 製作:MAD HOUSE)
(4.1, 4.0, 4.1, 4.0, 4.2, 4.0, 3.9, 4.1; 32.4pt)
吸血鬼とハンターと言う、本来敵同士なはずの2人が凸凹コンビとして一緒に行動し、様々な吸血鬼絡みのトラブルに対処するハイテンションダイイングドラキュラコメディの2期。
ハイテンションギャグに増々磨きのかかった2期。正直評価そっちのけで楽しんでしまったわけだが、吸血鬼の変態度は増すばかりだし、ロナルドの行動までおかしくなる始末。オータム書店関連の話題が増え、フクマ(土岐隼一)の出演頻度とともにその怖さも増えているのがなかなかのツボ。壮大なチャーム合戦をやり終えたあとに小ネタ祭りで締めるとか構成が斬新。
「うる星やつら★」(UHB 全23話 原作:高橋留美子 製作:david production)
(3.9, 4.1, 4.0, 4.2, 4.3, 4.1, 3.8, 4.0; 32.4pt)
宇宙からの侵略者との壮絶な鬼ごっこに奇跡的に勝利した超絶スケベな諸星あたる(神谷浩史)が、鬼ごっこの相手だったラム(上坂すみれ)の強烈なラブアタックにもめげず欲望に忠実な学生生活を謳歌する中で巻き起こる、金持ちや宇宙鬼族を巻き込んだ波瀾万丈な日常を描いたハイパースペースサンダーラブコメ。
この作品も昭和のヒット作の懐古作。絵柄はそのままにキャストを現代の声優たちに一新して臨んだ期待作だったが、他作品の話題の陰に隠れてか、いまいち話題に乏しかった。当時を知る身としては、ネタは当時のままのハイテンションぶりだったが、やはり今の時代に合っていない部分があったかもしれない。23話と当時と比較すればかなり短いシリーズで終わっているのも物足りなさに繋がっているかも。記憶では面堂終太郎(宮野真守)の「暗いよ〜狭いよ〜怖いよ〜」がもっと頻発していたはずだが。。。
「僕のヒーローアカデミア(6期)」(STV 全25話 原作:堀越耕平 製作:BONES)
(4.1, 4.1, 4.0, 4.2, 4.1, 4.1, 3.8, 4.0; 32.4pt)
ヴィラン連合の討伐作戦に突入した緑谷出久(山下大輝)らヒーローたち。一時は敵の出端を挫くなど優位に立つも、圧倒的な力を持つ敵改造人間たちの前に次第に劣勢に立たされてゆく。破滅の能力を解放した死柄木弔(内山昂輝)らの前に負けに等しい結果となったヒーローたちには、大きな犠牲と大量破壊された街が残され、人々は罵声と絶望を次々に口にし危険な自衛という手段に打って出る。絶望の縁に立つヒーローたち、そして繋がれた過去のワンフォーオールたちと対峙しながら自ら囮となって道を切り開こうとする出久たちの瀬戸際の戦いを描いた特殊能力ヒロイックアクションファンタジーの第6期。
今期やたら多かった絶望系アニメのなかでもその最たるものが本作。初めの方でまだヒーローたちが活躍していたのも忘れるくらい惨憺たる状況を見せられ、何が楽しいんだかと思わずにはいられなかった。とにかく敵勢力のインフレが大き過ぎるし、それに対抗するにはヒーロー側は余りに不利(同様にインフレさせるのは簡単だが、それでは話が雑になりすぎる)で、光が見えない状態を延々見せられるのは正直辛い。やたらと歯を食いしばるシーンが多いが、それなら頑張れば何とかなるという展開(好転する結果)をもっと見せなければダメだし、しんどい状態が余りに長過ぎる。6期まで来たのは凄いと思うが、さすがにもう限界かもしれない。
「イジらないで長瀞さん 2nd Attack」(BS11 全12話 原作:ナナシ 製作:OLM Team Inoue)
(4.0, 3.9, 4.1, 4.0, 4.1, 3.9, 4.3, 4.0; 32.3pt)
部活でひっそり絵画に取り組む陰キャなセンパイ(山下大輝)をキモいとからかいながら付き纏う長瀞さん(上坂すみれ)。そんな関係も1年が過ぎ、互いを少しずつ意識するようになって来た2人の関係性の微妙な変化を描いたハイスクールいじられラブコメ。
前期の宇崎ちゃんに続き女性優位ラブコメの2期。1期では陰キャなセンパイをバカにすることに執着しているようにしか見えなかったが、2期になりさすがにしつこいのは裏がある?と感じていた所にお互いの意識の変化が明確に現れ、長瀞さんの物腰も少し柔らかくなって見やすくなった。とはいえ、特段魅力的な行動がとられているわけでもなく、ただただ騒々しい日常なだけの平凡作品に終始した。
「虚構推理 Season2」(BS日テレ 全12話 原作:城平京 製作:Brain’s Base)
(4.0, 4.1, 4.0, 4.2, 4.1, 4.0, 3.7, 4.0; 32.1pt)
とある出来事を機に、片足と片眼を引き換えに人ならざる怪異の知恵の神となった岩永琴子(鬼頭明里)は、恋い慕う特異体質者の桜川九郎(宮野真守)と付きつ着かれつの関係にいそしんでいるが、知恵の神への依頼の舞い込みもひっきりなしだった。そんな非日常な依頼のいくつかを琴子の推理力と九郎の特異能力で解決して行くサイケデリックミステリーファンタジーの2期。
1期は鋼人七瀬の話を最後まで引きずり悪評を残したが、そこでの失敗から学んだのか、今回は数話程度のオムニバス話で繋ぎ、1つ1つの話を怪異にまつわるミステリーとして状況説明から行っており、丁寧に物語の流れを作っている。ただ、話づくりに注力した結果ではあるが、琴子や九郎の事件への関与が限られたシーンでのみとなってしまい、主人公置き去り感が少し強めに感じられた。
「しょうたいむ!2~歌のお姉さんだってしたい」(BS11 全8話 原作:ギリギリ舞 製作:ラビットゲート)
(4.0, 4.0, 4.0, 4.2, 3.7, 4.3, 3.6, 4.0; 31.8pt)
歌のお姉さんとして活躍する高崎三奈美(北見六花)は、娘との触れ合いがきっかけで恋愛に発展した藤本翔二(八神仙)と密かなお付き合いを続けている。スキャンダルの目もありアイドル活動との両立は大変だが、愛し合う喜びには逆らえない2人の恋愛模様を描いたアイドルピュアラブストーリーの2期。
実は1期も見ているうたのお姉さん。枠としてはエッチなおまけが(お金を払えば)つく僧侶枠ショートなのだが、男がやたら積極的な点を除けば割と純粋な恋愛模様を描いている。職業柄知られると非常に不味い密会のスリルがあり、今期は実際にそこを突いた話もあるが、ショートなので深入りできず、あまりハラハラした展開にならないのはむしろ安心材料。作画が比較的綺麗で可愛くも描かれているのでこのジャンルの中では結構見やすい。
「「艦これ」(1944)~いつかあの海で」(HBC/BS11 全8話 原作:C2機関 製作:ENGI)
(3.6, 4.1, 4.0, 3.8, 4.0, 4.2, 3.8, 4.0; 31.5pt)
海の底から現れる深海艦艇群の猛攻に日々晒されながらも日本近海の海域を防衛する艦娘たち。駆逐艦時雨(タニベユミ)をはじめとする残存勢力が総力を挙げて勢いづく敵勢力に反抗する死力戦を描いた艦隊戦争ファンタジー。
酷評されまくった1期から長いインターバルを経てやっと登場した2期。だが、満を持してというには余りに見切り発車が過ぎ、また、内容も1期とは別物(別世界)となり、2期と呼ぶのは正しくないかもしれない。本来の放送は昨10月期だったので3作掛け持ちのENGIに対する不安の声も大きかったが、動きに疑問符のつく場面こそあれど作画自体がダメというわけではなく、むしろただでさえ8話と短縮されてるのに途中から1か月に1話ペースにせざるを得なかったくらい構想が固まっていなかった脚本側こそ責められるべきだろう。本作も今期数多くあった絶望系のうちの1本だが、戦闘自体は形勢不利ながらも互角の戦いを展開していたように見えるので、史実に依った所もあるだろうが、最後に全滅(し、次の場面では生まれ変わり後の世界か?)エンドはポカンとして見ざるを得なかった。逆に史実と真逆の米艦キャラ登場に至ってはアズールレーンに擦り寄ったかと苦笑。この最後の展開も含めて、各話とも物語の破綻ぶりが目に余り、何を見せたいのかさっぱり意味が分からない場面やキャラの行動も多かった。元々艦隊これくしょんのゲームユーザーでもファンでもないので、もう、何がしたかったんだろうと思うね。
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4月1日 今春のアニメ視聴計画
http://mfbox.exblog.jp/33167870/
2023-04-01T18:51:00+09:00
2023-04-15T11:14:34+09:00
2023-04-01T18:51:36+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
<海外ドラマ>
なし
<スポーツ>
なし
<アニメ>
(継続)
◎ヴィンランド・サガ SEASON2(BS11 月曜 24:30)
◎痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います2(BS11 水曜 25:30)※残り2話
(旧作)
◎無職転生~異世界行ったら本気出す(BS11 4/7~ 金曜 23:00, 25:30)
(新作)
札○TIGER & BUNNY 2(NHK総合 4/1~ 土曜 24:00)
札○山田くんとLv.999の恋をする(BS11 4/1~ 土曜 24:30)
札◎鬼滅の刃 刀鍛冶の里編(UHB 4/9~ 日曜 23:15)
◎BIRDIE WING~Golf Girls’ Story 2(BSテレ東 4/9~ 日曜 24:35)
札◎ゴールデンカムイ 第4シーズン(BS11 4/3~ 月曜 23:00/HBC)
○アイドルマスターシンデレラガールズ U149(BS11 4/10~ 月曜 23:30)
○君は放課後インソムニア(BSテレ東 4/10~ 月曜 24:30)
◎くまクマ熊ベアーぱーんち(BS11 4/3~ 月曜 25:00)
○アリス・ギア・アイギス Expansion(BS日テレ 4/4~ 火曜 23:30)
▲異世界ワンターンキル姉さん(BSフジ 4/12~ 水曜 24:30)
札◎推しの子(BS11 4/5~ 水曜 25:00/HTB)
◎この素晴らしい世界に爆焔を(BS11 4/6~ 木曜 23:00)
◎Dr.STONE New World(BS11 4/6~ 木曜 23:30)
▲異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する〜レベルアップは人生を変えた〜(BS11 4/6~ 木曜 24:30)
○神無き世界のカミサマ活動(BS日テレ 4/6~ 木曜 25:00)
◎魔法使いの嫁 Season2(BS11 4/7~ 金曜 23:00)
◎スキップとローファー(BS朝日 4/7~ 金曜 23:00)
○私の百合はお仕事です(BSフジ 4/7~ 金曜 25:00)
◎トニカクカワイイ 2nd(BS11 4/7~ 金曜 25:30)
札○女神のカフェテラス(HBC 4/7~ 金曜 25:25)
16作をチョイスしましたが、前期がかなり面白いラインナップだった反動で、今季はそこまで入れ込んで見たいと思うほどの作品はあまりありません。また、北海道の放送本数は少ないわけではないんですが、見たいアニメを絞った結果5本程度と少なくなりました。2期もののトニカワ、熊、石、まほよ、鬼滅、ゴルフ、再開始の黄金神居、関連作の爆焔は安心して見られそうです。視聴前1~2話後の期待度は、トニカワ2>くまクマ>魔法嫁>石新世界>黄金神居>推し>爆焔>わたゆりスキロー>鬼滅刀鍛冶>アリスギアBirdieです。恋愛系のスキローは化ければホリミヤ並みの可能性もあります。話題作の推しの子ですが、1話見た限りでは確かに凄みを感じましたが、ストーリー的にもここからがカギでしょう。一旦は期待した話題ゲーム原作のアリスギアですが、1~2話見た限りではやっぱりゴルフの方が上でしたが、可愛いキャラデザもあるので期待は残します。百合姫系のわたゆりにも期待はしているのですが、ギスギス感が強すぎると評価は落ちます。タイバニとデレマスUはシリーズ物なのと放映タイミングの良さから取りあえず見ますが、そこまで視聴欲は強くないです。ただデレマスは出だしの評判はすこぶる良いです。イセレベは声優枠でしたが、神カミに富田さん登場で早くもその枠を奪われ、ワンターンとともに切り候補に転落です。Lv999もはじめ切り候補でしたがなんだか面白くなってきました。カフェテラスは未だ鬼頭ショック(五等分の佐倉さんよろしく文庫のCMで鬼頭明里が5役やったのに5人どころかまさかのアニメ出演なしという仕打ち)を引きずりまともに見れる自信がありません。あと、前期のおにまいがあまりにも良かったので、製作つながりで無職転生の再放送を見ようと思います。]]>
1月8日 2022年秋のアニメ評価
http://mfbox.exblog.jp/32738746/
2023-01-08T21:22:00+09:00
2023-01-14T22:01:56+09:00
2023-01-08T21:22:06+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
(1/14完成。なお、異世界おじさんは最終話、艦これは6話以降が未放送で、放送されたのち追記します。)
「うたわれるもの 二人の白皇」(BS11/HTB 全28話 原作:AQUAPLUS 製作:WHITE FOX)
(4.5, 4.6, 4.3, 4.5, 4.3, 4.3, 4.5, 4.1; 35.1pt)
聖上の突然の死去に端を発したヤマトの内乱で、ブライ(乃村健次)との激戦で力を使い果たし灰となったオシュトルの遺志を次いで成り代わったオシュトル/ハク(利根健太郎)が、現聖上のアンジュ(赤崎千夏)とともに脱出したエンナカムイの地から、聖上を奉じてヤマトを取り返すため立ち上がる異種族戦乱時代劇ファンタジー。
前作「偽りの仮面」の放送は2015年秋で何と7年の間を経ての完結編。16年前の初作からは想像もつかなかった大作ぶりに、驚愕と感動を禁じ得ない大団円となった。ストーリーの大半は前作からの続きでオシュトル率いるエンナカムイ軍とライコウ(置鮎龍太郎)・ウォシス(菊池幸利)が中心のヤマト軍との交戦が中心だったものの、この世界の成り立ちがさらに深い所にあって、大勢が決した後のトゥスクルを含む世界の謎の種明かしが壮大で惹き込まれ続けたし、オシュトル/ハクとクオン(種田梨沙)らヒロインたちとの関係性も丁寧に描かれた他、初期メンバーにもそれぞれ重要な役割があって、大団円に向けて全てをしっかり描ききろうという気概が伝わり、3部作を通じて見事な名作になったと感じる。
物語:細かい人物関係や世界の謎を書き出すときりがない緻密で深い話ではあるが、大枠は上に書いた通り。オシュトルを追うようにハクも・・・という展開は涙を禁じ得なかった。
世界観:緻密に練り上げられた物語なだけにその世界観の深さにも驚かされる。ヤマトとトゥスクル、オンビタイカヤンとウィツアルネミテアが遂に繋がり、ハクオロ(小山力也)が地上に戻って来てまた涙。
人物:マロロ(杉山大)がオシュトルに抗す姿やウォシスとその配下たちのしつこい抵抗は、嫌というより見ていて辛かった。クオンの不安定さも物語をかき乱し大変だった。ただ、大団円に向けてトゥスクルのキャラたちがしっかり登場してくれたのは眼福。
作画:最終章をしっかり描き上げようというスタッフの気合いが感じられる見事な作画だったと言えよう。その美しいアニメーションにこちらはただただ見入るだけでよかった。
声優:トゥスクル勢の出演もあったので、古えから新規まで豪華絢爛なキャスト陣。そして藤原啓治さん亡き後のハクを見事に引き継ぎ物語を完結に導いてくれた利根さんには感謝しかない。
魅力:各キャラのヴィジュアル的、人間的な魅力はもちろんあるが、フミルィル(儀武ゆう子)以外は全員既出なうえ、物語のうねりが大きく、各キャラに気を回す余裕がなかった。
主題歌:OP「人なんだ」(4.7)、ED「百日草」(4.2)(共にSuara)。Suaraさんの楽曲はキャラに寄り添ったイメージが固まっていて、作品とシンクロしてのめり込める。OPはもちろんオンビタイカヤン(人間)であるハクのこと、EDはクオンであり、本作を象徴する2人のことを見事に表現している。
劇中音:本作においてもやはり戦闘が中心になっており、アクルトゥルカ(大型獣化)含め効果音はその類いのものが中心。終盤に向けては過去の主題歌も積極的に起用され、盛り上がりに寄与していた。
「ヤマノススメ Next Summit」(BS11 全12話 原作:しろ 製作:エイトビット)
(4.2, 4.4, 4.3, 4.4, 4.3, 4.4, 4.5, 4.1; 34.6pt)
半ば倉上ひなた(阿澄佳奈)に連れ出される形で始まった雪村あおい(井口裕香)の山登りは、徐々に仲間を増やしながら回数をこなし体力もついてきた。やり残して来た富士山山頂登頂を今度こそ達成するために万全の準備をして再び挑む夏までの山登りの日常を描いた日常クライミンググラフィティの4期。
こちらも約10年をかけて大団円を迎えた作品。日常ものなのでうたわれほど壮大感があるわけではないが、1度中座した富士山登頂の再挑戦という明確な終着点があったので、物語としては筋が通っていて、日常部分のコメディを混ぜながらも、あおいの心情を中心に描き、常に前向きな物語として描かれていた。15分アニメを30分尺に広げたことも影響してか、前半4話が総集編扱いになっていたり、結論ありきの作品なので、富士山登頂が成功が約束されていたためか割とあっさりに見えたなど、全てが良かったと言えるわけではないものの、1~4期を通じて親しみの生まれたキャラたちへの思い入れもあって、素晴らしいアニメとして完結を迎えることが出来たと思う。
物語:大きな目的である富士山再登頂がクローズアップされがちだが、実際はそこに至るまでの冬から初夏のあおいたちの進級も含めた日常描写が中心。山登りも3期まででやりきった感があるのか比較的あっさり目な描写。
世界観:4期にあってもまだ山登りに関して新たな知識を出すなど奥の深さが感じられた。季節的な事情もあって富士山以外はまともな山登りは殆どなかったが、様々な形で山の自然を見せる努力は感じられた。
人物:1度喧嘩したことで信頼をさらに深めたあおいとひなたの互いを思う気持ちは抜群の信頼感。あおいの小心さも回りのフォローもありつつも安心して見られるようになった。
作画:日常系に必須な作画の安定感はもちろん、風景の再現度もしっかり。ゆるキャン△2期のような突然の実写的完成度の作画が出て来て驚いたこともあった。
声優:追加キャラは無名声優なので、基本前期と変わらず。とはいえ、最終期なだけあってキャスト総出演のような形となり、その分豪華な感じにはなっていた。
魅力:各キャラは相変わらず可愛いが、これまでに比べて少し描写にリアル感が増した気がする。今期はビステマや新米など萌え描写に優れた作品がはびこり、その中に埋もれた感がある。
主題歌:OP「想いのち晴れ」(4.7)、ED「扉を開けてベルを鳴らそう」(4.2)(共にあおい(井口裕香)、ひなた(阿澄佳奈))。OPは山登りを通じて培った仲間たちとの楽しい日常が溢れ出るようなポップサウンド。2人の楽しそうな歌声が心地よく、とても良い楽曲です。EDは大きな目標に向かう決意のようなものが感じられる壮大なイメージの楽曲。
劇中音:富士山登頂というゴールへ向けて前向きなはずなのだが、寂しげなBGMがやや多かった気がする。製作側の想いが漏れ出たのかもね。
「ぼっち・ざ・ろっく」(BS11 全12話 原作:はまじあき 製作:CloverWorks)
(4.3, 4.2, 4.2, 4.4, 4.0, 4.5, 4.4, 4.3; 34.3pt)
人前で何かをすることが極端に苦手な後藤ひとり(青山吉能)は、引きこもる中で父親から譲り受けたギターを独学で演奏するうちプロ級の腕前を手に入れ、ギターヒーローとして動画投稿しては高評価を受けてぐへへと密かに喜ぶ生活を続けていた。つい出来心でギターを背負って学校に登校したものの萎縮して、下校後に公園で佇んでいると、伊地知虹夏(鈴代紗弓)に自分たちのバンドのサポートギターを頼まれ、半ば強引にライブハウスに連れて行かれる。そこでの演奏をきっかけに、惹かれるものを感じたひとりがバンド活動を続けていく姿を描いたハイスクールロックバンドコメディ。
今期のきらら枠、当初はそれだけだと思っていたのだが、製作のCloverであったりキャストとリンクしたぼっち共感であったりアジカンオマージュだったりと、次々と話題が喚起されて昨季のリコリコ並に巷の人気が急上昇し、終わってみれば今季を代表する人気作にのし上がっていた。かかる曲も全てが話題、人気になり、音楽アニメとしての矜持も保ちつつ、きらららしいキャラクターの可愛らしさもありながら、陰キャ設定であったり顔芸などの本作ならではの特徴も見せ、非の打ち所を探す方が難しいのだが、個人的にはきらら作品の中ではそれほど思い入れが深くないことや、明確にアクションで凄いと思わせたリコリコに比べ音楽という視覚情報でない所での凄みがいまいち刺さらなかった点で、世間の評価とはややズレた評価に落ち着いてしまったかなと思う。
物語:ひきこもりのひとりがバンド活動という形で世間に引きずり出され、仲間の後押しもあって高い実力のギターを武器に結束バンドを活躍させる成功物語で、ひとりの陰キャ気質やその他の癖の強いキャラたちがいい塩梅にスパイスとして効いている。
世界観:女子校生がバンドすること自体はアニメ界隈においてもそれほど珍しくないだけに、本作がこれだけ流行った要因にバンド活動を求めるのは個人的に少々理解に苦しむので、私がここで評価しているのはきらららしい日常感。
人物:結束バンドの面々の個性がそれぞれ強くかつばらけているので、強い印象という点で評価は高いがまとまりに欠ける点で足を引っ張り、結果評価としては中途半端。
作画:ひとりの顔面崩れなど画力を犠牲にしたインパクト狙いの作画などで一見上手くないようにも見えるが、一方でキャラの可愛さだったり八景やライブハウスなどの実在箇所の再現度など作画面で評価に値する場面も多い。
声優:メインどころの声優は若手中心の構成。ただ、キャラとのシンクロをつまびやかに話す声優がいるなど、個々にインパクトを植え付けようと攻めの姿勢が目立った。それはそうと長谷川さんの歌の上手さと演技幅の広さよ。
魅力:虹夏や喜多(長谷川育美)など陽キャアピールな子は見るからに可愛いし、陰キャで顔面崩壊するひとりも実は可愛いというのが作画でもしっかり表現されていて、この辺はちゃんときららなんだなぁと思う。
主題歌:OP「青春コンプレックス」 (4.7)、ED「Distortion」 (4.7)、「カラカラ」 (3.7)、「なにが悪い」 (3.7)(いずれも結束バンド(後藤ひとり(青山吉能)、伊地知虹夏(鈴代紗弓)、山田リョウ(水野朔)、喜多郁代(長谷川育美)))。OPはまさにこじらせた青春を抱えるひとりの作詞センスが発揮された結束バンドのご挨拶替わりのハードチューンで、見事なバンドサウンド。EDは各キャラがソロでヴォーカルを取る形だがあくまで結束バンドとしての楽曲。ただDistortionのポップさがあまりにも良過ぎて、あとに続く2曲は嵌まれなかった(後藤ひとりが歌う12話のEDは1回きりなので評価から外した)。
劇中音:作中の結束バンドの演奏曲がどれも挿入歌とするには勿体ないくらい気合いの入った楽曲で、バンドもの作品の真骨頂を見せてくれた。
「勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う」(Abema/BSフジ 全13話 原作:深山鈴、茂村モト 製作:EMTスクエアード)
(4.1, 4.2, 4.2, 4.3, 4.2, 4.6, 4.4, 4.0; 34.0pt)
ビーストテイマーという下位職ゆえに勇者パーティーの中で体よく使われ、貢献空しく捨てられたレイン(千葉翔也)。失職したレインは冒険者となるべく、小さな街のギルドの試験を受けるが、その道中で魔物に襲われていた猫霊族のカナデ(和氣あず未)を助けに入る。本来最強種ながら腹ぺこで弱っていたカナデはレインの優しさに惹かれ使役契約を結び、それにより最強種の力を自身でも使えるようになったレインが持ち前のお人好しの優しさで次々と様々な最強種と契約を重ね、手に入れた最強の力とレイン自身のマルチ契約スキルで街と自分たちの平和な生活のために活躍する
こちらはぼっちとは逆に世間の評判がかなり悪い作品。というのも、レイン視点で見れば都合良く何でもひとりでに集まってくるので、生い立ちを除けば人生イージーモードと言えなくもないお気楽ストーリーで、所謂なろう系アニメの悪い所が全部入りで、批判したがりや物語に起伏を求める層からすれば不満噴出待った無しなわけだが、ことキャラの可愛さだったり主人公安泰の平和ものを求める層からすればドンピシャな作品なわけで、迷い無く高評価とした私もそちら側の層だったということか。不思議とEMTスクエアードと私の相性は良いんですよね。
物語:レインと結ばれた最強種たちの勧善懲悪行脚で片付けられる程度に物語としては薄いのだが、最強種との邂逅・契約やレインの昔話など印象深い部分もあった。
世界観:魔法が使える田舎の小市民街という、この類いの作品ではありふれた世界で、狭いエリアに最強種がいくつもいるというご都合設定は気になるが、冒険物の雰囲気はそれなりにある。
人物:レインの全方位的な優しさが作品の特徴で、最強種がみなレインにベタ惚れする様がその証明でもある。その対比か、悪役はとことん性悪で、勇者(島崎信長)をここまで堕とせるものかと感心するくらい。
作画:戦闘シーンなど、大量のモブの使い回しが分かるような杜撰な部分も気にならないではなかったが、キャラに賭ける作画力が圧倒的なのがEMTスクエアード作品の謎ではある。
声優:最強種たちは中堅の人気声優で固められ、話題性もあった。
魅力:キャラの可愛らしい描写については、今期の中でも図抜けている。内容がどうあっても見続けられたのはキャラによる所が大きい。
主題歌:OP「Change The World」(MADKID)(4.7)、ED「LOVE&MOON」(高野麻里佳)(4.1)。OPはMADKIDの盾以外で初の主題歌。これまでに比べ優しさを感じる曲調でレインの性格を反映してるのかも。EDはデフォルメキャラが月をレインに見立てて想いを馳せるようなPVとともにやや物憂げな雰囲気の楽曲。
劇中音:最強種の派手な戦闘が繰り広げられたにしては、サウンド面での印象は薄い。
「新米錬金術師の店舗経営」(BS日テレ 全12話 原作:いつきみずほ 製作:ENGI)
(4.3, 4.2, 4.3, 4.5, 4.0, 4.6, 3.8, 4.1; 33.8pt)
店を持っていた両親と死に別れ、孤児院育ちのサラサ=フィード(高尾奏音)は、師匠であるオフィーリア(斎賀みつき)のもとでアルバイトをしながら、魔術師養成学校を優秀な成績で卒業する。卒業祝いとして紹介された辺境の空き店舗は、行ってみるととんでもないボロ家で、失意からの奮起で村人たちと良好な関係を築きながら店舗経営を軌道に乗せる姿を描いた錬金マーチャント冒険コメディ。
錬金術で様々ものを錬成し、街の人々を助けたりピンチに立ち向かう流れはゲームのアトリエシリーズを想起させ、作画がパステル調でキャラが可愛いのも共通する要素であるが、原作は富士見Fのラノベで、個人的には漫画のキルタイムコミュニケーション(コミックヴァルキリーなのでエロくはないよ)からの珍しいアニメ化という点に注目していた。とはいえ、可愛い振りしてやることえげつなく、金銭感覚にもシビアというサラサの強さ(体術的にも魔法能力的にも)に唖然とさせられつつもコメディとして昇華され、大半はサラサを中心とした4人の女の子のワイワイキャッキャなファンタジーな日常で安心して楽しむことが出来た。
物語:素材集めと称して冒険に出かけたり強敵と戦ったり、雰囲気の割に結構波瀾万丈。サラサの力技で物事を解決する場面も結構あるが、その分展開がスピーディーで逆に好感触。
世界観:サラサの能力が秀でていることもあって、多少の無理は押し通してしまえるのを逆手に取って、ふんわりした作風にしては割と厳し目なクエスト攻略が繰り広げられていた。
人物:サラサの不遇を引きずらない精神の強さが秀でている。小さい街故かほとんどの人たちがサラサの味方になっているのも心強い。
作画:パステル調で可愛いキャラというのは、個人的にはハナヤマタに通じる所がある。パステル調の良い所として、背景の雰囲気も独特な美しさを感じられる。
声優:中心となる面々はそれなりに名の通った声優揃いなのだが、豪華さという点では一歩引かざるを得ない。斎賀さんが正真正銘の女性キャラを演じているのが珍しかったりする。
魅力:サラサやロレア(木野日菜)を中心としたキャラの可愛らしさが群を抜いており、ビステマと同じく今期のトップスコア。
主題歌:OP「はじまるウェルカム」(大西亜玖璃)(3.8)、ED「Fine Day」(諏訪ななか)(3.7)。OPはソフトに明るい作品のポジティブな部分が現れたポップ曲。EDは一筋縄では行かない日々の苦労を癒してくれる暖かな楽曲。ただ、いずれも歌い手とインパクトが物足りなく、作品高評価の足を引っ張る形になってしまった。
劇中音:物理も強いサラサではあるが、錬成や攻撃などで見せる魔法の派手さがBGMで補われていた。
「転生したら剣でした」(Abema/BS朝日 全12話 原作:棚架ユウ 製作:C2C)
(4.3, 4.2, 4.2, 4.2, 4.1, 4.0, 4.3, 4.1; 33.4pt)
事故により異世界に転生した男の姿は剣(三木眞一郎)だった。意志を持つ剣としてモンスター狩りに無双の限りを尽くしたが、戦いの領域を広げた際に油断してトラップに自己念動力を奪われ、地面から剣を抜け出せなくなってしまう。長らくそのままの状態だった剣だが、奴隷輸送中の荷馬車がモンスターに襲われる。投げ出された奴隷の1人だったフラン(加隈亜依)は進化を強く願う黒猫族の少女で、剣からの呼びかけを自らの強い願いに呼応したと思い込んだフランの手により遂に地面から抜け出した剣が、フランと親子のような絆を紡ぎながら冒険の旅を続ける異世界ソードバトルファンタジー。
異世界転生ものの中でも人気の高い作品で、待望のアニメ化。剣という無機物への転生という点が珍しいものの結局はチート化するのでまたかと思わせるが、この作品は剣ではなくフランを主人公化させたことで、フランの成長物語に昇華し、剣とシンクロして保護欲が?き立てられる。優れた能力の剣と共にあっても、フランの冒険の旅は安泰ではなく、次々に襲いかかる強敵に何度も生命の危機を脅かされる流れは見てるこちらをハラハラさせ、この点もまたほかのイージーな異世界転生ものとは一線を画したと言えよう。2期が決定しているが、まだまだ見たいと思わせてくれる良質な作品だった。
物語:剣自体のチート性能はあるものの、物語はフランが万能剣の力を使いこなしながらも強敵との死闘を繰り広げて成長していくしっかりしたバトルものになっていた。
世界観:魔獣や魔物がはびこる荒廃した世界で、人間側は剣技や魔術を駆使して戦うファンタジーであるが、身の危険が真に迫る様子はなかなかにグッと来るものがある。
人物:善悪裏表様々な顔を持つキャラたちとフランが邂逅し、その関係性も様々なドラマとして描かれ、人物描写もしっかりしている。
作画:獣や魔物系の登場人物が多いせいか、見てくれはあまり良くないキャラも多いが、作画そのものの完成度は非常に高い。
声優:三木さんの独特な個性の強い剣の演技は見事。一方、女性キャラが少ないせいかいまいち豪華さを感じにくい。ちなみに大久保さんは今期は本作以外にも受付嬢役が多くプロ受付嬢といっても過言ではないかも(爆)。
魅力:フランは可愛い、とは思うが、それ以外はみんな強さを誇示したがりのごついイメージのお方ばかりなので、魅力とは正反対の方向に突き抜けている。
主題歌:OP「転生したら剣でした」(岸田教団 & THE 明星ロケッツ)(3.9)、ED「more
劇中音:剣がやたらスキル持ちで魔石を得たがりだったりするので、討伐やレベルアップ、ウィンドウを開く時などいろいろ効果音があって騒がしいくらい。
「Do It Yourself」(BS11 全12話 原作:IMAGO/avex pictures 製作:PINE JAM)
(4.3, 4.3, 4.2, 4.0, 4.2, 4.1, 4.2, 4.1; 33.4pt)
幼なじみのぷりん(市ノ瀬加那)と同じ高校を目指しながらも不合格となり、隣の高校に進学したせるふ(稲垣好)は、ある日の登校中に自転車が故障し、DIY部のくれい(佐倉綾音)に助けられる。お礼のため訪れた部室で廃部の危機を知り、自然な流れで入部したせるふが、次々に増えていく部の仲間たちとともにDIYの楽しさを理解しながら大きなもの作りに挑戦する様子を描いたハイスクールものづくりコメディ。
作画が独特(正直あまり上手くないと思った)で視聴を躊躇いかけたのも最初のうちで、日曜大工(古い!)ならぬDIYを楽しむ女子高生たちの姿が見ていて微笑ましく、またDIYに関わる技術的な描写もしっかりしていて、感心しつつほっこり出来るアニメーションだった。ぷりんのツンが長過ぎたのと集めた材料が誤って捨てられるくだりは若干不満ではあるが、それ以外は満足のいく良作。
物語:DIYをエッセンスに仲間たちとの共同作業や仲違いしていた幼なじみとの仲直りなど、青春を満喫しているストーリーだった。女の子の日曜大工とか、学生がDIYで作るには大きすぎる秘密基地とかやや現実味が薄いところもあるが、インパクト重視で。
世界観:日常アニメではあるのだが、木工系の道具であったり技法であったり、結構細部にまでこだわりを見せている。
人物:ぷりんを含むDIY部の面々の得意分野がバラエティに富み、分業という形の協力体制が出来上がっていた。
作画:日常系にありがちな美少女テンプレとは一線を画すややラフな描画なのだが、見続けるほどに味が出る。とはいえ、上手いという評価にはなりにくいのも事実。
声優:せるふ以外のDIY部の面々がそれなりに名の売れている人気声優揃いで割と豪華。
魅力:ラフな作画ということもあってキャラクターの魅力は感じにくい。
主題歌:OP「どきどきアイデアをよろしく」(DIY部(せるふ(稲垣好)、ぷりん(市ノ瀬加那)、くれい(佐倉綾音)、たくみ(和氣あず未)、しー(高橋花林)、ジョブ子(大森日雅)) (4.2)、ED「続く話」(せるふとぷりん(稲垣好、市ノ瀬加那))(3.7)。OPはバラバラの個性が纏まっていくように1つの曲が完成するようなパズル感のあるソロパートが印象的なナチュラルポップ。EDは喧嘩してても互いに目の離せない親友同士の大切な想いを優しい曲調に乗せたバラード。
劇中音:工具の音はもちろんだが、ぷりんやしー(高橋花林)の通う進学校をはじめとする近未来化した設備や小物の機械音も反対の方向性という意味で印象深い。
「不徳のギルド」(BS11 全12話 原作:河添太一 製作:TNK)
(4.2, 4.2, 4.1, 4.3, 4.0, 4.5, 3.9, 4.0; 33.2pt)
メブキの街ギルドに所属する優秀なソロ狩人であるキクル(福原かつみ)は、ワーカホリックから引退を考え後継者の育成を希望したが、紹介された新米はいずれも厄介者ばかりで、同行させればモンスターに襲われ、何故かやらしい責めを受けてしまう。そんな先行き不安なキクルと仲間たちのハプニングだらけなモンスター狩りの冒険を描いたエロティックハプニング冒険ファンタジー。
いかにもなうふふアニメとして、AT-Xなら消える見ちゃダメマークが満載ではあったが、決してエロだけではない面白さがあって、見辛さは感じなかった。というより、むしろ物語性がしっかりしていることに感心した。モンスター相手にはどういう作戦で行けば勝ちに導けるのか、仲間に対してはどう対応すれば抱えている問題を最小限の影響で留められるのかをキクルがしっかり考えて行動に移していて、モンスター退治ものとしての完成度も高かった。異世界系作品の氾濫で不満の声も少なくない中、本作や前期の異世界迷宮などのエロ寄りアニメにお株を奪われているようではこのジャンルの先行きは不安しかないよ。
物語:作品の否定から入ってはいけないが、キクル君を不遇にすべくパーティーメンバーをわざと当てつけてるでしょ。それでもそんな難ありメンバーを何とか使いこなし(見捨てるとも言う)強敵モンスター相手にもしっかりバトるキクル君はさすが。もちろん責め苦を負う女の子メンバーたちもさすが(嬉)。
世界観:モンスターがちゃんと強いので、モンスターバトルアニメとしてもちゃんと見られる所が凄い。まぁ、やたらとエロい所をつきまくるモンスターという謎はお約束ということで(笑)。
人物:パーティーメンバーにろくなのがいないのは、本作の笑いどころで肝でもあるのだが、だからと言って厄介なことには変わりない。
作画:これもDIYと同じで一見すると雑な作画に見えがちだが、作画の肌色感が増すにつれ、ああこれで良いんだと思えるようになるから不思議。
声優:大久保嬢の受付係2作目(笑、3作目は農民関連)。ただその他は無名ではないが若手揃いで、残念ながら声優の充実度では一歩下がった所にいる。
魅力:本作でここを評価しないわけにはいかないでしょう。セクシーな面はもちろんだが、彼女たちの個性もそれぞれに特徴があって魅力付けに効果的。
主題歌:OP「Never The Fever」(佐咲紗花)(3.9)、ED「シュガーシュガースパイス」(栗林みな実)(3.9)。両方ともこの人たちがやって良いの?と思えるほどのLantisの重鎮。OPは波乱に満ちたおかしなパーティーバトルを激走感たっぷりに明るく歌い上げたハードポップ。EDは戦闘を離れた女の子たちがはしゃげるような安心感を表現した優しいポップソング。
劇中音:エッチな展開でだいたい入るような効果音は入っていたが、個人的にはそこに注目は行っていなかった。
「SPY x FAMILY 第2クール」(TVH 全12話 原作:遠藤達哉 製作:WIT STUDIO x CloverWorks)
(4.1, 4.1, 4.2, 4.2, 4.2, 4.1, 4.0, 4.1; 33.0pt)
スパイ活動の過程で子連れ夫婦を偽装しているロイド=フォージャーことタソガレ(江口拓也)たちの波乱含みな家族生活も徐々に板に付き、あとはアーニャ(種崎敦美)のエリート学校での優等生化が命題であったが到底無理な話であった。アーニャの学校での波乱にみちた生活やタソガレの本来業務であるスパイ活動を無難とは行かないながらもこなしながら、本来の目的である敵の要人デズモンド(土師孝也)との接触を目指すシークレットファミリードキュメンタリーコメディ。
3か月の空隙を挟んで放送された後半クール。前半クールからかなり波乱に満ちた物語であったが、一応生活面では安定した分、後半は物語の根幹に関わる部分での波乱は少ない感じで、多少脇に逸れた所でのコメディ要素が強くなった。面白さが欠けたとか言うことは無く十分に楽しめたが、物語の本筋は(ネタバレしてしまうが)デズモンドとの邂逅は達成したもののそこまでで終わり、かなりスローペースな分サイドストーリーが多くなったのは明白。フィオナ(佐倉綾音)のような個性の強い新キャラもいたが、本筋の進まない中ではちょっとしたスパイスでしかない。そう思っていたらまさかの2期発表!?つまり、今季は1期の後半クールの扱いらしい。そりゃ引き延ばしもするよな。
物語:主目的(デズモンド)のスパイ活動がなかなか進展の望みにくいものなので、タソガレの別のスパイ活動だったりアーニャの学校生活で引き延ばしせざるを得ないが、そこを好意的に捉えられるかどうかで評価が割れそう。
世界観:近代欧州をイメージした貧富差の大きさやテロリズムの蔓延が表現され、スパイ活動が盛んなのも然りと言ったイメージ。ただ賭けテニスなど必ずしも近代に拘らない思いきったギャグ振りもしている。
人物:オムニバス的話数を除き数話ごとに1テーマの構成なので、新キャラはそのテーマ内で出番が終わるため評価しにくい。あとヨル(早見沙織)は今回暗殺者の顔は見せておらず、ただ怪力女というある意味酷いレッテル。
作画:アーニャを中心にデフォルメを多用するので美麗とは行かないが、それでも今最も信頼の置ける製作でもあり、安定した作画であることは間違いない。
声優:1期ほどの驚きはないにしろ、アーニャを演じる種崎さんの演技幅には感心ばかり。人物同様こちらの評価でも新キャラの撤退(使い捨て)が早く加点要素にならない。
魅力:作品全体を通じてキャラを可愛く見せようとしていない。本作視聴層が求めていないのである意味正しいが、ここの評価においては逆効果。
主題歌:OP「SOUVENIR」(BUMP OF CHICKEN)(3.8)、ED「色彩」(yama)(4.2)。OPは一般にもオタにも受けの良い安心のバンプ。今回も適度にポップでノリの良い楽曲でセンスが光る。EDはYoutube発の歌い手であるyamaの独特なセンスのポップソング。アニメ主題歌での新境地を開拓したように感じる。
劇中音:前半の犬であったり後半の賭けテニスなど、奇特性を引き立てるために効果音を敢えて大きくしている節がある。
「宇崎ちゃんは遊びたいω」(BS11 全13話 原作:丈 製作:ENGI)
(4.1, 4.1, 4.1, 4.3, 4.1, 4.2, 3.7, 4.0; 32.6pt)
ぼっち可哀想などとからかいながらも先輩の桜井真一(赤羽根健治)のことがかまいたくて仕方ない宇崎花(大空直美)は、知らず知らずのうちに先輩との距離が詰まっていた。一方の桜井も花に対して思う所がないではないが、未だ好意よりウザさが優っていた。そんな縮まりそうで縮まらない花と桜井のドタバタな大学生活を描いた日常キャンパスライフコメディの2期。
相変わらずうざ絡みの関係にある桜井と花だが、そのうざさの裏に隠れていた桜井への恋心がにじみ出てきて、2人の関係性が進みそうな展開を見せた2期だった。両家の家族も登場し、それぞれの家族たちが向ける眼差しもまた破天荒ながら家族らしさは溢れている。亜細家特に亜美(竹達彩奈)の変態性には磨きがかかっているものの、彼女らの言葉を代弁するまでもなく外から見ても早くくっつけよ2人!と思わずにはいられないほどにデレっぷりが熱かった。
物語:花のウザ絡みが見ててやや苦痛な所もあったので、ラブコメにかなり寄せて来た今期は見ててかなり面白さ、微笑ましさが増したと思う。
世界観:大学生活からお互いの家庭に目が向けられるようになったが、日常感たっぷりの世界観はしっかり保たれている。
人物:周りが概ね桜井と花の関係を次の段階に進める目的で一致しているのに、自身の構想に酔う榊(高木朋弥)に妄想丸だしの亜美、独断専行の行動力お化け柳(加藤聖奈)とまとまりに欠けるのが苦笑どころ。
作画:クソキャットで印象を下げているが、人物や背景など全体を通して作画レベルは十分。新米といい本作といい、ENGIはちゃんと作ってるんですよ。なんで艦これだけあんなことに。。。
声優:桜井の両親がまさかのShuffle!結ばれコンビと考えると、あの桜井のルーツが。。。いやいや、他作品のことは置いといて、宇崎家側は声優的に目立ったものは無く、1期並の評価。
魅力:実のところ花のSUGOI DEKAI胸に目がいっているかと言うとそうでもなく、今期はむしろ桜井を意識して恥ずかしがる可愛いシーンの印象の方が強い。
主題歌:OP「いちごいちえCelebration」(鹿乃と宇崎ちゃん(大空直美))(3.7)、ED「はっぴーらいふ」(MKLNtic)(3.7)。OPは1期に続き鹿乃と宇崎ちゃんによる賑やかしポップソングで、フルは鹿乃ソロというのも同じ。EDは鹿乃も含むヴァーチャルユニットによる2人に訪れるであろう楽しく幸せな生活を想起するナチュラルポップな楽曲。
劇中音:ジムや柔術など桜井が自ら体をいじめるシーンでの息づかいとかが印象に残る。何か変態っぽいな(爆)。
「4人はそれぞれウソをつく」(HTB 全11話 原作:橿原まどか 製作:スタジオフラッド)
(4.0, 4.1, 4.1, 4.2, 4.0, 4.3, 3.8, 4.0; 32.5pt)
宇宙船が校舎にブッ刺さったヘンテコな学校で、素性を隠して女子校生をやっている4人の生徒が、一見仲良くしつつもそれぞれの秘密がバレないようにいろいろ裏工作しながら送るスリルある学園生活を描いたシークレットガールズ(?)ハイスクールコメディ。
取りあえず斬新な設定であることを理解した上で、日常学園コメディとして視聴した。宇宙人、忍者、超能力者、男と、悉く女子校生には無理のある設定だがそれを強引に押し通し、何故バレないんだ!?と思わせるすれすれのスリルを味わっていたのも最初のうち、すぐに違和感は消えて楽しんでいる自分がいた。ハッ!これもリッカ(田中ちえ美)の記憶操作か?
物語:4人それぞれ裏事情を隠しながらも学校生活をやり遂げようと立ち回る様が見ていて楽しい。超能力で思考が読め一見優位にありそうな関根(佐倉綾音)がサポートに回り苦悩する様もバランスが取れて上手い。
世界観:学園生活とそれぞれの事情に基づいた世界が、接しない形で両方きっちり描かれている。一見混乱のもととも取れるが学園生活メインでそれほど見づらくはない。
人物:どうしてそうなる的な突飛な行動やそうはならんだろ的思い込みがあったりするが、4人が仲良く今の生活を続けようとしているのは安心感。
作画:背景が淡白ではあるが、人物描写は確実性を重視しており、あまり聞かない製作だが、視聴の問題となるような気になる所はなかった。
声優:殆どのシーンを4人で構成していたので、事実上4人の声優での評価となる。半分は虹ヶ咲関係で残りは人気、実力派。
魅力:4人とも可愛い女の子として振る舞おうとしているので、所々出てくるあざとさが多少不自然ではあるが、元が良いので魅力付けにはちょうどいい。
主題歌:OP「エクリプス」(NACHERRY)(3.7)、ED「For 4 Forever」(リッカ(田中ちえ美)、千代(村上奈津実)、関根(佐倉綾音)、つばさ(潘めぐみ))(3.8)。OPは主役のうち2人が組むユニットの初主題歌。ジャンル的には所謂コミックロックといえるものか。EDは4人の波乱に満ちた様子を表現したやや大仰な雰囲気の楽曲。
劇中音:リッカ絡みのシーンだと宇宙ネタなので効果音もつけやすいが、そこばかりが目立ってしまうので4人のバランスを取る上でも采配が難しかったと思える。
「アークナイツ~黎明前奏~」(BS11 全8話 原作:Hypergryph/Studio Montagne 製作:Yoster Pictures)
(4.0, 4.0, 4.0, 4.3, 4.2, 4.2, 3.7, 4.0; 32.4pt)
不治の病である鉱石病にかかった人々は、死亡時に感染をまき散らすことから隔離・差別の対象となり、当然抑圧からの蜂起が各地で起こっていた。その大きな勢力である強硬派リユニオンの攻勢を前に、製薬会社と手を組んで活動するロドスの妨げとなっていた。両者はたびたび戦闘となる中、ロドス所属のアーミヤ(黒沢ともよ)はロドスの目指す病の治療の観点から不殺を誓い戦闘に加わる。指揮者となるドクター(甲斐田ゆき)を目覚めが不完全ながらも救出し、共に激しい戦闘に身を置くこととなるロドスの面々の命がけの戦いを描いた終末戦乱ダークファンタジー。
人気大作ゲームのアニメ化。これを書いている日にちょうど本作ゲームのイベントが行われていたが、大作を示す人気ぶりだった。ただ、アニメとしては明瞭な初見殺しで、アークナイツの世界を知らないままだと戦闘の意味も能力も目指す未来も分からず、話が理解出来ているか自信が無くなり純粋に楽しめなくなる。加えて内容が病の感染と戦争と、悪い意味でタイムリー過ぎて船出としては厳しいものだったと言わざるを得ない。
「マブラヴ オルタナティブ(2期)」(UHB/BSフジ 全12話 原作:吉宗鋼紀(age)/aNCHOR 製作:FLAGSHIP LINE/ゆめ太カンパニーxグラフィニカ)
(4.2, 4.3, 4.0, 4.2, 4.0, 4.0, 3.7, 4.0; 32.4pt)
死地を含む無数の並行世界を行き来し、全て生き延びてBETAのいる今の世界線にいる白銀武(神木孝一)は、正規兵となり自らが開発した戦術OSの性能実証も兼ねて戦闘訓練を行っていたが、突如BETAが出現し苦戦、慕っていた神宮司まりも教官(渡部紗弓)の死という代償を負う。その事実に絶えきれず元の世界線に戻った白銀だが、前の世界線での結果を持ち込み再びまりもを死に追いやってしまう。その因果は想い人である鑑純夏(楠木ともり)にも影響し、日記で必死に記憶をつなぎ止めるのを見た白銀が、再び決意して世界線を戻り、BETAとの壮絶な決死戦に挑むタイムパラドックスモンスターバトルアクションの2期。
マブラヴはやはりこうでなくてはとばかりに、BETAとの圧倒的に不利な戦いが2期を通じて展開された。それでもこれまでの外伝に比べ渡り合えているのは、オルタネイティブ作戦の卓越した戦術の成せる業という本筋だからこその展開だろう。純夏が駆る巨大武器による佐渡島BETAへの攻勢は圧倒的絶望の中に見出した希望となったが、純夏の不安定から再び絶望が訪れ、佐渡島もろとも巨大武器の自爆という形で物語は終わっている。絶望と希望が交ざり合う展開ではあったが見応えはあり、絶望感ばかりを先行させる最近のヒロアカには見習ってほしい所。
「農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった」(BS日テレ/HTB 全12話 原作:樽戸アキ・しょぼんぬ 製作:Studio A-CAT)
(4.0, 4.1, 4.1, 4.2, 4.0, 4.2, 3.7, 4.0; 32.3pt)
職業農民を自認するアル(榎木淳弥)は、超一流の農民となるべく農民関連のスキルを全て最大に高めることに成功する。その力は、空飛ぶドラゴンに人参をぶん投げて倒すほど。明らかに異常なそのスキルアップぶりは王女ファル(田中美海)の目に留まる所となり、農地を与えるとか上手く言いくるめられてアルは良いように冒険の手駒にされてしまう。それでもその強いスキルで難局を乗り越えながら、何故か冒険者として大成していく様を描いた農民大成冒険ファンタジー。
北海道での放送があったのと主人公が榎木くんだったことから視聴した。それだけ榎木くんのインパクトが凄くて(特にカノジョも彼女)、今回も期待に違わぬキャラ立ちを見せてくれた。物語自体は最近ありふれた異世界冒険ファンタジーの枠に嵌まったものでこれと言った特徴はない。製作のせいで作画が最大の不安であったが崩れなかったのは一安心。
「ピーターグリルと賢者の時間 Super Extra」(BSフジ 全12話 原作:檜山大輔 製作:ウルフズベインxセブン)
(3.9, 4.1, 3.9, 4.2, 4.1, 4.3, 3.8, 4.0; 32.3pt)
地上最強の肩書きが故に様々な種族の女性たちに子種を狙われ続けているピーター・グリル(下野紘)は、不貞の度に婚約者ルヴェリア(二ノ宮ゆい)への申し訳なさが先にたち立つものも立たなくなるほど。不貞に対しては暴君と化すピーターの妹ルーシー(木下鈴奈)の脅威から逃げ続けたり、エルフの里に連れ去られたり、ドワーフの倉に閉じ込められたり相変わらず波乱にも巻き込まれがちなピーターの不遇な女性関係を描いた異種族エロティックストロンガーバトルの2期。
図らずも1期を見てしまったので、もういいやとは言ったけど、やっぱり気になるじゃないですか、続き。なので見てしまいました。(とは言え、同じ下野さん主役の進化の実2期は見ないけどね。)まぁ、展開は分かっていたので、展開は予想の範疇ではあったものの、新キャラとの関係性に話を持っていく都合から、1期で積極的だったキャラ立ちは出番が減った分しつこさが緩和されていたので、その分見やすくはなっていたと思う。
「ハーレムきゃんぷっ」(BS11 全8話 原作:ユウキHB 製作:Studio HoKIBOSHI)
(3.5, 3.8, 3.7, 4.3, 3.8, 4.4, 3.5, 3.8; 30.8pt)
ソロキャンプを楽しんでいた健介(雅仁)は、同じくキャンプに来ていた4人組のギャルたちと邂逅する。そのうち1人を少年と勘違いして嫉妬したのと酔った勢いでギャルたちのテントに潜り込むが、女の子と思って手を出したのは先の少年で実は女の子と気づく。そのギャルたちとは同じ学校で教師と生徒の関係になり、秘密を握られた健介はキャンプ部の顧問に収まり事実上ギャルたちのコマ使いとなってしまう。それでも女子たちには魅力的な健介に対しキャンプの場でギャルたちが愛嬌を仕掛けるキャンピングガールズハーレムラブコメ。
5分エロアニメだと言うのに丁寧なあらすじを書いてしまった。。。所謂僧侶枠と呼ばれる男性向けセクシーミニアニメであり、有料配信では完全版として本番入りの展開が見られるのだが、そこまで支払う義理はない。今回見たのは声優の1人が気になったから(言いません)。思った以上に下世話が過ぎる内容で残念。
「ポプテピピック TVアニメーション第2シリーズ」(BS11/HTB 全12話 原作:大川ぶくぶ 製作:スペースネコカンパニー・神風動画)
(3.6, 3.7, 3.6, 3.8, 4.4, 3.9, 3.7, 3.8; 30.5pt)
風刺が聞いた独特の構成(攻勢)が売りの喧嘩売りナンセンスアニメーション、まさかの2期。
声優の起用法など1期放送時はセンセーションを巻き起こし良くも悪くも話題をかっさらい、いい気になって2期を作ってみたのだろうが、1期で正直やりきった感が強かったようで、2期でなにか新しいことが出て来たわけでもなく、マンネリ感の方が優ってしまった。ボブネさん(AC部)たちが頑張ってた回があったけど、正直彼らは好きじゃない。1期では上坂すみれの主題歌だけは良かったが、その分が丸々削られたのが今回のポイントなので、良くも悪くも前回と変わらず。
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1月3日 今冬の視聴計画
http://mfbox.exblog.jp/32712881/
2023-01-03T10:46:00+09:00
2023-01-08T21:36:32+09:00
2023-01-03T10:46:24+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
<海外ドラマ>
なし
<スポーツ>
スキーワールドカップ(JSPORTSオンデマンド)
<アニメ>
(継続)
札◎僕のヒーローアカデミア 6期(STV 土曜 17:30)
札○うる星やつら(UHB 火曜 25:50)
札◎「艦これ」いつかあの空へ(BS11 時間不明/HBC)※全8話、3週延期により継続中
(旧作)
今の所なし
(新作)
◎文豪ストレイドックス 第4シーズン(BS11 1/5~ 木曜 23:00)
◎お兄ちゃんはおしまい!(BS11 1/5~ 木曜 24:30)
◎英雄王、武を極めるため転生す(BSテレ東 1/12~ 木曜 24:30)
◎ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 深章 厄災編(BS11 1/6~ 金曜 25:30)
○ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん(BS-TBS 1/6~ 金曜 27:30)
札◎NieR:Automata Ver1.1a(BS11 1/7~ 土曜 24:00/STV)
○イジらないで、長瀞さん 2nd Attack(BS11 1/7~ 土曜 25:00)
札○老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます(HTB 1/7~ 土曜 26:00/BS11)
△異世界のんびり農家(BSテレ東 1/8~ 日曜 24:35)
○しょうたいむ!2~歌のお姉さんだってしたい(BS11 1/8~ 日曜 25:00)
◎吸血鬼すぐ死ぬ2(BS11 1/9~ 月曜 23:00)
○虚構推理 Season2(BS日テレ 1/9~ 月曜 24:00)
○ヴィンランド・サガ SEASON2(BS11 1/9~ 月曜 24:30)
◎あやかしトライアングル(BS11 1/9~ 月曜 25:00)
◎にじよん あにめーしょん(BS11 1/10~ 火曜 21:54)
札○とんでもスキルで異世界放浪メシ(TVH 1/10~ 火曜 24:00)
◎痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2(BS11 1/11~ 水曜 25:30)
北海道の放送本数がグッと減ってしまったのが残念ですが、地上波専用にしていたBDレコーダーが壊れてしまったので正直あまり関係なくなりました。視聴がほぼ確定している17本を中心に取り上げると、あやかし、英雄王、おにまいと期待の新作が揃い踏みとなりました(図らずも全てTSもの(生まれ変わりの英雄王は微妙だが))。2期ものも防振り、文豪、ダンまち、虚構、吸血鬼、長瀞さん、ヴィンサガなど充実していて、本数を絞った割には見る前から充実感があります。にじよんと僧侶枠のしょうたいむは前期なかったショートです。視聴前期待度は、防振り2>おにまい>英雄王>あやかし>にじよん>吸血鬼>ダンまち>虚構>文豪>NieRです。NieRがどのくらいのポテンシャルを持つ作品なのか、前期のアークナイツくらいの出来は欲しい所で、BRS Dawnfallの二の舞はご免です。リーゼロッテは悪役令嬢もの?異世界ものは今期は北海道の放送ものとスローライフ系ののんびり農家に絞りました。恋愛系&○○さんものも継続の長瀞さんのみです。]]>
12月29日 2022年のアニメ総括
http://mfbox.exblog.jp/32698760/
2022-12-29T20:01:00+09:00
2023-01-03T10:36:26+09:00
2022-12-29T20:01:04+09:00
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オタクゴタク(語託)
<<作品>>
【最優秀作】スローループ(1~3月、AT-X/BS11)CONNECT 35.2pt
【最優秀作】リコリス・リコイル(7~9月、BS11)A-1 Pictures 35.2pt
【傑作/TOP5】
3.うたわれるもの~二人の白皇(7~12月 BS11/HTB)WHITE FOX 35.1pt
4.ラブライブ 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期(4~6月、TVH/BS11/AT-X)サンライズ 34.8pt
5.まちカドまぞく 2丁目(4~6月、BS11)J.C.STAFF 34.6pt
5.メイドインアビス~烈日の黄金郷~(7~9月、BS11)キネマシトラス 34.6pt
5.ヤマノススメ Next Summit(10月~12月、BS11)エイトビット 34.6pt
【優秀作/TOP12】
8.その着せ替え人形は恋をする(1~3月、BS11/AT-X)CloverWorks 34.3pt
8.明日ちゃんのセーラー服(1~3月、BS11/AT-X)CloverWorks 34.3pt
8.プリマドール(7~9月、BS11)バイブリーアニメーションスタジオ 34.3pt
8.ぼっち・ざ・ろっく(10~12月、BS11)CloverWorks 34.3pt
12.勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う(10~12月、Abema/BSフジ)EMTスクエアード 34.0pt
【良作】
13.リアデイルの大地にて(1~3月、BS日テレ/AT-X)Maho Film 33.9pt
13.マギアレコード~魔法少女まどか☆マギカが遺伝~覚醒前夜/浅き夢の暁~(’21.7~3月、BS11/AT-X)シャフト 33.9pt
15.からかい上手の高木さん3(1~3月、HBC)シンエイ動画 33.8pt
15.新米錬金術師の店舗経営(10~12月、BS日テレ)ENGI 33.8pt
17.現実主義勇者の王国再建記(2期)(1~3月、BS11/HTB)J.C.STAFF 33.7pt
17.可愛いだけじゃない式守さん(4~6月、HTB)動画工房 33.7pt
17.デート・ア・ライブIV(4~6月、BS11)GEEKTOYS 33.7pt
17.盾の勇者の成り上がり Season2(4~6月、BS11)キネマシトラス 33.7pt
21.プリンセスコネクト Re:Dive セカンドシーズン(1~3月、BS11/TVH/AT-X)Cygames Pictures 33.5pt
22.鬼滅の刃~遊郭編~(21’12~2月、UHB)ufotable 33.4pt
22.カッコウの許嫁(4~9月、HTB)シンエイ動画&Synergy SP 33.4pt
22.咲うアルスノトリア すんっ!(7~9月、BS日テレ)LIDEN FILM 33.4pt
22.転生したら剣でした(10~12月、Abema/BS朝日)C2C 33.4pt
22.Do It Yourself(10月~12月、BS11)PINE JAM 33.2pt
27.社畜さんは幼女幽霊に癒されたい(4~6月、BS日テレ)Project No.9 33.3pt
27.オーバーロードIV(7~9月、UHB/AT-X)マッドハウス 33.3pt
29.ドールズフロントライン(1~3月、BS11/AT-X)旭プロダクション 33.2pt
29.異世界美少女受肉おじさんと(1~3月、HTB/AT-X/BSテレ東)OLM Team Yoshioka 33.2pt
29.異世界薬局(7~9月、BS日テレ)ディオメディア 33.2pt
29.異世界迷宮でハーレムを(7~9月、BS11)パッショーネ 33.2pt
29.ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮編(7~9月、BS11)J.C.STAFF 33.2pt
29.不徳のギルド(10~12月、BS11)TNK 33.2pt
35.失格紋の最強賢者(1~3月、AT-X/BS11)J.C.STAFF 33.1pt
35.であいもん(4~6月、BS11)エンカレッジフィルムズ 33.1pt
35.連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ(7~9月、BS日テレ)シャフト 33.1pt
35.シャドーハウス 2nd Season(7~9月、BS11)CloverWorks 33.1pt
39.天才王子の赤字国家再生術(1~3月、AT-X/BS日テレ)横浜アニメーションラボ 33.0pt
39.SPY x FAMILY 第2クール(10~12月、TVH)WIT STUDIO x CloverWorks 33.0pt
(旧作:AT-Xが見れなくなったのでほぼなし)
【個性的】BIRDIE WING~Golf Girls’ Story~、阿波蓮さんははかれない、理系が恋に落ちたので証明してみた r=1-sinθ(ハート)、かぎなど。2期、継母の連れ子が元カノだった、農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。、マブラヴオルタネイティブ(2期)、4人はそれぞれウソをつく
【不満作】賢者の弟子を名乗る賢者、終末のハーレム、くノ一ツバキの胸の内、RPG不動産、ブラック☆☆ロックシューター Dawn Fall、邪神ちゃんドロップキックX、はたらく魔王さま!!、転生賢者の異世界ライフ~第2の職業を得て異世界最強になりました~、ラブライブ スーパースター 2期、ハーレムきゃんぷっ、艦これ~いつかあの海で~
【見切り】平家物語
【映画】「映画「五等分の花嫁」舞台挨拶」(ライブビューイング)「劇場版「からかい上手の高木さん」舞台挨拶」(ライブビューイング)「映画ゆるキャン△ 舞台挨拶」(ライブビューイング)「ソードアートオンライン~プログレッシブ~ 冥き暗闇のスケルツォ 舞台挨拶」(ライブビューイング)「私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ」「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆」「かがみの孤城」
総評:視聴感覚的には充実していたのですが、ポイントを拾ってみると昨年からかなり減退しているのが違和感のあるランキングとなりました。2期ものが多かった割には伸び悩んだ作品が多かった印象で、これも例年とは少し違う傾向でした。世間で話題沸騰になったリコリコ、ぼっち、着せ替え人形、明日ちゃんなどは私も高評価した作品たちで、順当に上位に入りました。また、きらら系も概ね健闘し、スローループ、まちカド、ぼっちは期待通りの出来を見せ、上位にランクインしました(RPGは例外)。うたわれ、ヤマノススメは見事な大団円。前評判の悪さをストーリーの見直しでばん回しマイナスを最小限に抑えた虹ヶ咲はさすがのコンテンツだし、メイアビは独自性により磨きがかかっていました。ダントツの可愛さ押しだったプリマも高評価でした。巷に氾濫する異世界ものは12位以下となり、余程の印象を植え付けないと高評価は得られませんが、割と健闘した作品が多かったように思います(新米錬金術師と天才王子は異世界物ではありません)。また高木さんや式守さん、カッコウなど○○さん系・恋愛ものも今年は当たり年だったように思います(社畜さんは○○さん系ではありません(爆))。ゲーム原作は製作に苦戦したマギアレコードは論外として、プリコネやアルスノ、ドルフロがランクインしたものの全体的に伸び悩んだかな。
<<部門別>>
物語:うたわれるもの~二人の白皇(4.5)
世界観:メイドインアビス~烈日の黄金郷~、うたわれるもの~二人の白皇(4.6)
人物:リコリス・リコイル(4.5)
作画:スローループ、ラブライブ 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期、リコリス・リコイル(4.6)
声優:プリンセスコネクト Re:Dive セカンドシーズン、かぎなど。2期、ポプテピピック TVアニメーション第2シーズン(4.4)
魅力(演出):スローループ、その着せ替え人形は恋をする(4.7)
主題歌:スローループ、リコリス・リコイル(4.7)
劇中音:プリマドール、ぼっち・ざ・ろっく(4.3)
<<主題歌>>
【最優秀OP】1.人なんだ(Suara)※うたわれるもの~二人の白皇~ OP
【最優秀ED】2.宵加減テトラゴン(コーロまちカド(シャミ子(小原好美)、桃(鬼頭明里)、ミカン(高柳知葉)、リリス(高橋ミナミ))※まちカドまぞく 2丁目 ED
3.かたち(安月名莉子)※メイドインアビス~烈日の黄金郷~ OP
【個人的Top10】
4.シュワシュワ(Three∞Loop)※スローループ ED
5.Colorful Days! Colorful Smile!(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)※ラブライブ 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期 OP
6.Happy Encount(TRUE)※リアデイルの大地にて OP
7.ALIVE(ClariS)※リコリス・リコイル OP
8.青春コンプレックス(結束バンド)※ぼっち・ざ・ろっく OP
9.花の塔(さユり)※リコリス・リコイル ED
10.想いのち晴れ(あおい(井口裕香)、ひなた(阿澄佳奈))※ヤマノススメ Next Summit OP
【最優秀映像賞】Route Blue(中島由貴)※可愛いだけじゃない式守さん ED
総評:今年は2クール継続主題歌だったこともありうたわれOPが首位となりました。リコリコやアビス、虹ヶ咲など印象的な主題歌の作品が上位を占めたほか、高評価だったきらら系3作品から順当に主題歌がランクインしているのも特徴です。映像賞は降り掛かる火の粉を振り払うかのように和泉くんに襲いかかる様々な障害を防ぐ式守さんをコミカルなデフォルメアニメで描いた式守さんEDが受賞。
<<キャラクター、声優>>
【男性キャラ】オシュトル(ハク)(利根健太郎)「うたわれるもの~二人の白皇~」
【女性キャラ】海凪小春(日岡なつみ)「スローループ」
【ネタ(男子)】ロボ太(榊原優希)「リコリス・リコイル」
【ネタ(女子)】亜細亜実(竹達彩奈)「宇崎ちゃんは遊びたいω」
【男性声優】日野聡(神宮司司(異世界美少女受肉おじさんと)、武田尚虎(オリエント)、アインズ・ウール・ゴウン(オーバーロードIV、劇場版異世界かるてっと~あなざーわーるど~)、ベンジャミン、ベン(シャドーハウス 2nd Season)、煉獄杏樹郎(鬼滅の刃~無限列車編、遊郭編~)ほか)
【女性声優】久野美咲(ブラックトライク(ブラック☆☆ロックシューター Dawn Fall)、アルスノトリア(咲うアルスノトリア すんっ!)、クルミ(リコリス・リコイル)、ファプタ、イルミューイ(メイドインアビス~烈日の黄金郷~)、千代(プリマドール)、阿波連れん(阿波連さんははかれない)、シノノン(うたわれるもの~二人の白皇)ほか)
【新人声優】長谷川育美(アイーシャ・ウドガルド(現実主義勇者の王国再建記 2期)、南暁月(継母の連れ子が元カノだった)、喜多郁代(ぼっち・ざ・ろっく)、シオン(くノ一ツバキの胸の内)、志乃(社畜産は幼女幽霊に癒されたい)、小糸(うちの師匠はしっぽがない)ほか)
総評:今年は男性キャラはオシュトル(ハク)で割とすんなり決まりました。というより、演者的要素で(演者自身も)思い入れが強いキャラであり、様々な露出でそういった想いが伝わって来て、キャラクターの所作だけでない要素まで見えてくる特異な状況でのめり込むのは必定でした。一方の女性キャラは今年は激戦でした。最終的には奔放な可愛らしさが前面に出て、安心感のあるスローループの小春を選びましたが、各クールに複数の選ばなかったことを後悔したくなる推しキャラがいます(冬:小春、明日小路 春:風山絆、式守さん、夏:錦木千束、天野エリカ、秋:フラン、サラサ=フィード)。ネタキャラの男性は探しました。例年のような頭おかしいタイプのキャラがおらず、今期作を頭の中で振り返ること十数分、リコリコにいました!スペックは高いけどぶっ飛んだキャラが。ぶっ飛んでいるという意味では真島の方ですが彼はストーリーに深く関わりすぎているので、よりドライ(笑)なロボ太で。一方の女性も決め手に欠ける部分はありましたが放っておくとヤバい常時垂涎キャラの亜美で。声優は男性が危なく該当無しの可能性もあったのですが、ファ美肉やアインズ様と複数の主演+煉獄さんの余波もあり日野さんが受賞。松岡君がキャラ数では上回り今年こその可能性もあったのですが、いかんせんベル君以外はサブキャラで惜しくも次点。女性は8人ほど候補があり大激戦(特に早見さん)でしたが、7月クールの大車輪の活躍が大きく貢献して久野ちゃんに決めました。注目3作(リコリコ、プリマ、アルスノトリア)全出演に加えて強い想い入れをもって演じたファプタ・イルミューイのメイアビにも感動しました。新人枠は長谷川さんを選出。未だにアイーシャと喜多ちゃんを同じ声優が演じているとは信じられないのですが(汗)。ちなみに木野ちゃんとの争いで、仮に木野ちゃん受賞だった場合久野・木野でロリ声ペアになる所でした(滝汗)。
<<アニメスタジオ>>
1.CloverWorks(その着せ替え人形は恋をする、明日ちゃんのセーラー服、シャドーハウス 2nd Season、SPY X FAMILY 第2クール、ぼっち・ざ・ろっく ほか)
2.キネマシトラス(メイドインアビス~烈日の黄金郷~、盾の勇者の成り上がり Season2 ほか)
3.J.C.STAFF(現実主義勇者の王国再建記 2期、失格紋の最強賢者、まちカドまぞく 2丁目、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮編、 ほか)
総評:今年は誰もが認めるCloverWorksの年だったと断言していいでしょう。着せ替え人形・明日ちゃんのゴールデンサタデー24で出だしから見事に話題をかっさらうと、SPY x FAMILY(MAPPAとの共同)の人気作にも関わり、年の締めはぼっちで再び話題沸騰となり、年を通じてClover作品の話題に尽きなかったと思います。2位はメイアビ、盾と人気作品の続編を確実にトップクラスの作品に昇華したキネマシトラス。3位は相変わらずの作品の多さでJ.C.に。異世界ものが多かったですが、まちカドの安心感が大きく貢献しています。
<<イベント>>
1/8,9 Sony Music AnimeSongs Online 2022(配信:Streaming+)
1/16 MIYUKI HASHIMOTO Winter Live -yell!!- ~latte side/espresso side~(配信:Streaming+)
(参加取りやめ)2/25 ご注文はうさぎですか?Bloom Rabbit House Tea Party 2022
5/8 Rhodanthe* Music Festival 2022 大感謝!!(配信:Streaming+)
5/14 eufonius LIVE 2022 ~翠玉~ (配信:ZAIKO)
5/15 Nakajima Megumi Billboard Live 2022 2nd Stage(配信:Streaming+)
5/21 アサルトリリィ ミニトーク&ライブ 「#リリィ向上会議」3日目(配信:Streaming+)
6/5 Re:ステージ!稀星学園文化祭 高尾校編(配信:Streaming+)
6/11 異世界食堂2 スペシャルイベント 昼の部(配信:SPWN)
6/19 Re:ステージ!稀星学園文化祭 本校編(配信:Streaming+)
無)7/2 きららファンタジア リアルフェスタ2022 (配信:Youtube)
8/6 アサルトリリィ Summer Live 「Voller Blute」(配信:Streaming+)
9/11 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所(Day2)(配信:Streaming+)
9/17-18 ナガノアニエラフェスタ(佐久市駒場公園)
9/20 きんいろモザイクThank you!展(アベノラクバス特設会場)
9/20 絵師100人展12(ATCコンベンションルーム)
無)9/24 ANIPLEX ONLINE FEST(配信:Youtube)
無)9/25 TOHO ANIMATION 10周年記念大感謝祭(配信:Youtube)
9/25 ご注文はうさぎですか?Petit Rabbit’s ぷちラビバーチャルライブ 2022(配信:ZAIKO)
10/2 ヤマノススメ Next Summit オータムフェス 2022(配信:Streaming+)
11/13 進撃の巨人 The Final Season Special Event 2022(配信:ZAIKO)
11/13 「中二病でも恋がしたい!」10周年記念イベント『”極東魔術昼寝結社の夏”の秋の祝祭』(配信:ZAIKO)
11/13 高橋李依・上田麗奈 仕事で会えないからラジオはじめて5年たちました。昼の部、夜の部(配信:Streaming+)
11/20 可愛いだけじゃない式守さん スペシャルイベント 尊さ1000%プロムナイト(配信:Streaming+)
11/23 牧野由依 Billboard Live 2022(配信:RakutenTV)
12/4 Re:ステージ!PRISM☆LIVE!! 4th Stage ~Reboot~ 昼の部、夜の部(配信:Streaming+)
<<ネットラジオ>>
1.リコリコラジオ(安済知佳、若山詩音)(youtube)
2.仕事で会えないからラジオ始めました(高橋李依、上田麗奈)(インターネットラジオステーション音泉)
3.ガルフレ♪ラジオ「明音と文緒の聖櫻学園放送室♪」(佐藤利奈、名塚佳織)(響-Hibiki Radio Station-)
4.調査のご依頼お待ちしてます。(富田美憂、前田佳織里)(インターネットラジオステーション音泉)
5.縁・うたわれるものらじお(利根健太郎、赤崎千夏)(インターネットラジオステーション音泉)
6.転スラジオ(岡咲美保、熊田茜音)(youtube)
7.リステップTV(牧野天音)(youtube)
8.Fate/Grand Order カルデア・ラジオ局Plus(田中美海、高橋李依、大久保瑠美)(youtube)
9.スローループのらじおるーぷ(久住琳、日岡なつみ、嶺内ともみ)(インターネットラジオステーション音泉)
10.ラジオでもはたらく魔王さま(アニメキャストシャッフル)(youtube)
総評:夏の話題作リコリコの、ラジオもまた話題喝采で圧倒的1位でした。ラジオの定義はどこ行ったという感じで1時間超えは当たり前で、それが毎週、さらにパーソナリティーの話術も巧みなら企画力もまた凄くて、聞いてて楽しさしかありませんでした。2~4、8位はロングランの声優系ラジオで、面白さと安心感の同居は貴重です。youtubeでの放送が主体のラジオ番組も増え、今年は半分を占めました。一方でアニメ連動ラジオはアニメ放送期間に連動して1クールで終わってしまうものが多く、ランクインするのが難しくなっている気がします。
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11月17日 今夏のアニメ評価
http://mfbox.exblog.jp/32489749/
2022-11-17T11:35:00+09:00
2022-11-17T11:35:11+09:00
2022-11-12T15:20:20+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
「リコリス・リコイル」(BS11 全13話 オリジナル 製作:A-1 Pictures)
(4.4, 4.3, 4.5, 4.6, 4.1, 4.5, 4.7, 4.1; 35.2pt)
作戦遂行中に独断行動をとったことで作戦失敗の責任をなすり付けられて所属組織かが事実上追い出された井ノ上たきな(若山詩音)は、負傷を理由に隠居した元関係者のミカ(さかき孝輔)が運営する喫茶リコリコでバイトする所謂組織のはぐれ者錦木千束(安済知佳)とペアを組み独立行動による組織のサポートに回ることになった。始めは千束の感覚的な行動にそりの合わないたきなだったが、千束の信念や生い立ちを知るにつれ深い信頼を寄せるようになる。こうして最強ペアとなった千束とたきなが大活躍して平和に見せかけた社会をぶちこわして真実を明らかにしようとする敵勢力などを打ち破って行く超人的シューティングアクションバラエティ。
これぞオリジナル作品のあり方というのを体現した、息詰まる展開、包まれた様々な謎、アクションシーン、予想の斜め上を行く物語など、とにかく視聴者を惹き付けるに十分な作品だった。ここまでワクワクが止まらなかったのはコードギアス以来かもしれない。当初は「この美」のいみぎむる先生の作画ということで、萌え的要素も期待しつつ予想外の方向性を見せてくれたらいいな程度に考えていたが、そんな程度で収まるような作品ではなかった。萌えポイントも含めた作画はもちろん、千束やたきななど人物に入れ込む要素もあるし、百合とか男同士とかちょっと方向性をずらして笑いも取ってみたり、メディア展開(ラジオとか)までも驚かされるし、何か良いとこばかりな作品でした。
物語:作戦失敗の真相やクルミ(久野美咲)の活躍と失態、千束の特殊な能力、真島(松岡禎丞)の目的、千束の生命の秘密とアラン機関の関係、千束と真島の邂逅など、それぞれの物語が緻密に練り上げられ、また複雑に絡み合って、片時も見逃せなかった。個人的には、たきながそれぞれに深く関わりながらも俯瞰しているような感じで展開しているのかなと思った。
世界観:一見平和に見えるが、その実は不安要素を秘密工作員のリコリスたちが処理して成り立っている前提の社会があって、そのまやかしを暴こうとする真島やロボ太(榊原優希)という対立構造が軸、なのだが、そこに千束が絡んだ途端関係性の根幹につながる面白さ。
人物:とにかくキャラクターがみんな個性的で圧倒される。アクション的に見ても心情的に見ても、千束やたきな、敵であっても真島など、行動原理を含めて強い意志があり、その活躍も含めて目が離せない。
作画:シューティングやバトルアクションなど繊細な動きが緻密に表現されているにもかかわらず、画面いっぱいに大胆に動かしており、作画リソースはヤバいことになっていたのではなかろうか。それだけ作品に賭ける想いも伝わってくる見事な作画だった。
声優:千束の飄々とした感じを見事に表現した安済さんの演技が素晴らしい。その他、声優的には決して豪華なものではないが、各キャラとも要所要所に記憶に残るような印象的な演技を見せていた。
魅力:人としての魅力は人物の項目で述べた通り。加えていみぎむる先生のソフトに萌える可愛らしい作画が作品のアクション性にたいして良いクッションになっている。
主題歌:OP「ALIVE」(ClariS)(4.7)、ED「花の塔」(さユり)(4.7)。OPはClariSの真骨頂とも言えるサッドネスポップ。短調系だけどすごく前向きな内容で、正直「コネクト」以来のヒット性を信じて疑わなかった。EDはすごくポップで、めくるめく展開を見せた物語を優しく締める欠かせない楽曲になった。歌っているのがまさかのさユりで驚きにたえなかった。
劇中音:物語の展開がめくるめく変わるので、BGMも正直落ち着かないくらいに様々な方向性のサウンドを見せていたと思う。
「メイドインアビス~烈日の黄金郷~」(BS11 全12話(最終話1時間) 原作:つくしあきひと 製作:Kimena Citrus)
(4.4, 4.6, 4.1, 4.5, 4.2, 4.2, 4.4, 4.2; 34.6pt)
深層6層に到達したリコ(富田美憂)たち一行は、そこに住む先住の民と邂逅し、民たちとの様々なトラブルや、不思議な現象がありながらも触れ合いを深めていく。その先住の民たちはかつて難破船で大穴の島にたどり着き、最初に6層に足を踏み入れた冒険者たちで、ワズキャン(平田広明)の強力な指導力のもと、未知の現象に苦しみつつも、イルミューイ(久野美咲)の赤子を犠牲にしてまで、6層に適応する姿に変化してまで定住を選んだ罪の民だった。侵入した原生生物の打破のためレグ(伊瀬茉莉也)の放った火葬砲により村の守りが破られ、イルミューイの民たちへの恨みから生まれたファプタ(久野美咲)侵入を許した結果、程なく訪れる民たちの村の崩壊による混乱の中を、リコたちが生き延びる様子を描いた異世界アドベンチャーファンタジーの第2期。
1期は大穴の深部への挑戦という冒険色の強い物語だったが、本作では先住民との親交(良いことばかりではないが)など人間(?)関係の構築に軸が置かれた。その分深層への冒険要素は一休みとなったが、先住民たちの過去の激動展開もあって引き続き惹き込まれる作品だった。ここまでの展開を見ていれば住民が異形であることには今更驚かないが、それでも過去の人間の姿との対比から異形のバリエーションや能力の引き出しには驚かされる。
物語:リコたち視点では、村での不思議体験やトラブルに終始し展開としては小さめだが、先住民たちの冒険の惨さが圧倒的で、やはり結構堪えるディープな物語。
世界観:舞台はほぼ6層のなれ果て村に限られるのだが、先住民たちや原生生物など、相変わらず特殊性の強い圧倒的な世界観に惹き付けられる。
人物:先住民たちは欲に忠実なきらいがあって、ファプタ含めリコたちに対して害をなすこともしばしば。またワズキャンの異様な雰囲気は印象的ではあるが恐怖すら感じた。
作画:異形メインになるので美麗なわけがなく、評価に悩む所ではあるが、その異形の姿であったりなれ果て村の独特な風景が描かれている緻密さを買った。
声優:親子2役を演じた久野さんの役に賭ける想いを随所で聞き、まさに心血注いで生命を吹き込み得られたのがあの演技だと思うと感慨を禁じ得ない。今期大活躍の久野さんの代表作とも言えよう。
魅力:もうまともに人として存在しているのがリコくらいという状況なので、リコの存在は物語的にも作画的にも安心感がある。
主題歌:OP「かたち」(安月名莉子)(4.7)、ED「Endless Embrace」(Myth and Loyd)(4.0)。OPは前作のキャラクターによる楽曲が神曲だったので少し不安もあったが、作風に寄せた妖しさを含みつつも前作同様前向きさを出した明るい楽曲。ただ、歌詞は意外と怖いこと言ってる。EDは何が起こるか判らない独特の雰囲気を帯びたダークな楽曲。ブギーポップ以降のMyth and Loydは特にこういう雰囲気の楽曲が増えた気がする。
劇中音:なれ果て村の住民は姿も独特なら移動時の音も独特。マジカジャ(後藤ヒロキ)のカラカラ音などは特にリコと深く関わったこともあって登場も多く印象深い。
「プリマドール」(BS朝日/Abema 全12話 原作:Key/Visual Arts 製作:Bibury Animation Studio)
(4.2, 4.2, 4.3, 4.5, 4.3, 4.6, 3.9, 4.3; 34.3pt)
戦時において戦闘用として生産された人形たちは、戦争終結により行き場を失ったが、御曹司のナギ(村瀬歩)は一部の人形たちを引き取り、水からが経営する黒猫亭の担い手として雇用していた。そんな黒猫亭の地下室で目覚めたオートマタの灰桜(和氣あず未)が、自らの記憶を失ったまま、ウェイトレスとしてはおぼつかないながらも、何故か強い想いのある歌で活躍し、一人前の担い手として成長して行く姿を描いた美少女オートマタワーキングファンタジー。
様々な作画クリエーターが参加し、あのkeyがプロデュースする見かけは美少女喫茶店アニメで、きんモザの原悠衣先生も月下(富田美憂)のキャラデザで参加している。泣きのkey作品であることから想像出来ると思うが、物語の最後は灰桜にとって激動の展開となるので、上記の説明でははっきり言って書ききれていない。そういう判らない所も含めて元来のオリジナル作品の楽しみ方なので、そういった意味では展開が充実していることにもつながるのだろう。御涙頂戴的な感動を強く意識した作品ではあるが、そこまで入れ込まなくても物語としての完成度も高いと思う。
物語:終戦したとは言え、裏で火種が燻っているので、物語としては広げやすいのだが、せっかくの可愛い黒猫亭の乙女たちが巻き込まれてしまうと考えると、嫌な感情が沸いてくる。
世界観:人形の世代による従属ルールなど結構細かな設定がある。ただ、それは戦争に必要な技術であり、最終的には灰桜の”歌”もそこに関わってくる。
人物:オートマタではあるが人間同様に感情が豊かで、冷却液と言う名の涙を大量に流すシーンも多く感動を呼ぶ。
作画:多クリエーターによる作画はまとまりに欠けることも多いが、本作はキャラ画への力の入れようが凄く、美麗さを感じるしかなかった。
声優:登場人物は多くないものの、ツボを着いた声優陣。そして富田、鬼頭揃い踏みとあっては、見逃すことなどあってはならない。
魅力:人形たちは見た目少女なので、黒猫亭で働いている分にはジェネリックきららと言えなくもない萌えアニメ。また、灰桜や黒猫亭を見事にサポートする千代(久野美咲)の存在も大きな癒し。そしてここまで久野ちゃん登場パーフェクト。
主題歌:OP「Tin Toy Melody」 (3.9)、ED「想灯歌」 (3.9)(ともにシャノワール(灰桜(和氣あず未)、鴉羽(楠木ともり)、月下(富田美憂)、箒星(中島由貴)、レーツェル(鬼頭明里))。OPは優しい歌声が特徴の哀愁漂うポップバラード。ヒット性のあるもっとポップな楽曲を使う案もあったようだが、作品の雰囲気が決して明るくないので、こちらの方が合っていた。EDは第6話から固定された。物語を通じて5人がそれぞれ誰かを想う心を強く灯らせるまさにタイトル通りの楽曲。
劇中音:シャノワールの楽曲は、ソロも含めて早い段階から露出があり、耳馴染みのものもあった。歌をテーマにしてもいるので、楽曲に対する強い意気込みが聞いていても感じられる。
「カッコウの許嫁」(HTB 全24話 原作:吉河美希 製作:シンエイ動画&SynergySP)
(4.1, 4.1, 4.0, 4.5, 4.2, 4.5, 4.0, 4.0; 33.4pt)
貧乏な食堂経営一家の長男である海野凪(石川界人)は貧乏ながらも充実した学生生活を送っていたが、ある日、自身が取り違え子で本当は裕福なホテル王の子供だったと告げられる。加えて、両家の親同士の勝手な取り決めにより、富豪の娘との許嫁関係を決められてしまっていた。だが実は想いを寄せる相手がいて、納得いかないまま登校した凪は、歩道橋の欄干に乗っていた美少女を見つけ、飛び降りと勘違いして飛びつく。その娘こそ件の許嫁である天野エリカ(鬼頭明里)であり、こちらもまた許嫁には納得していなかった。ホテル王の親に良いように丸め込まれ共同生活を送ることになった2人は、親の言いなりになるまいと抵抗しながら、凪の想い人である才女瀬川ひろ(東山奈央)や実は兄好きなツンデレ妹の海野幸(小原好美)も巻き込んで複雑な四角関係を展開する取り違え子パラドックスラブコメ。
入れ替わりコメディ「山田くんと7人の魔女」が好評だった吉河美希先生の、違った意味での入れ替わりを扱ったセンセーショナルラブコメ。ヒロインのエリカの美しさとそれを鬼頭さんが演じることもあってかねてから注目しており、また後番の「式守さん」とラブコメ続きなのも興味を惹いた。4月末と、通常よりかなり遅れての開始となった本作だが、10月第1週にさしかかり最終回は2話連続もこなしつつ、2クール24話を走りきった。2クールなので、4人の感情の浮き沈みや向く方向がめまぐるしく変わって、複雑な青春事情がやきもきしつつも楽しかった。なにより、ヒロインたちを如何に美しく描くかが本作の肝だったので、そこはベテラン製作が頑張ってくれた。
物語:取り違えたのが男女だったのならいっそ2人くっついてしまえば両家にとってハッピーなんて考え方が斬新でいきなり面食らった。別に好きな人がいるのも含めて、ラブコメ要素は王道そのもの。
世界観:海野家は貧乏ながらも幸せそうな雰囲気が感じられるのが良い。一方の天野家はいかにも富豪という感じに金にモノを言わせた贅沢っぷりが共同生活家屋などに感じられる。
人物:可愛い自分に陶酔する常識欠如許嫁、ミステリアスに少し悪意混じりな想い人、ツンデレが過ぎて兄にあたりの強い妹、凪は3人に振り回されまくりで、こちらも男なので凪に感情移入して、彼女らを面倒くさく思ってしまう。
作画:美少女たちを如何に生き生きと動かすかにかかっていたので、そこをしっかり描写して来たのはさすがベテランスタジオと言った所。その分背景描写は比較的淡白だったかもしれない。
声優:声優ラインナップが視聴決定のきっかけにもなっているので充実している。特に4月期はまちカドも鬼頭・小原コンビなので対比が面白かったりした。
魅力:あまり正ヒロイン推しはしないタイプの私ですが、本作においては断然エリカ推し。それだけエリカの美しさ、可愛さに魅力が詰まっているということ。
主題歌:OP「凸凹」(吉岡聖恵)(3.9)、「Glitter」(sumika)(3.7)、ED「四角運命」(三月のパンタジア)(3.8)、「HELLO HELLO HELLO」(藍井エイル)(4.6)。OPは前半は恋の楽しさをソフトに歌い上げた感じ。後半は慌ただしい共同生活をばたばたな楽曲で表現した感じ。EDはパンタジアの方は複雑な3人の想いのうねりを疾走感とダークさで表現したハードな楽曲。また、カッコウにエイルが起用されるとは思わなかったが、かつてないスローな優しい楽曲に新しい一面を見た。
劇中音:人間関係を集中して追っていたので、BGMなどに特段注目すべき点は感じなかった。
「咲うアルスノトリア すんっ!」(BS日テレ 全12話 原作:ニトロプラス 製作:Liden Film)
(4.0, 4.2, 4.2, 4.4, 4.2, 4.5, 3.9, 4.0; 33.4pt)
全寮制の魔法学園都市で、魔法や礼儀作法を学ぶアルスノトリア(久野美咲)たちアシュラムの生徒たちが、裏でうごめく騎士団たちの不穏な動きと切り離された中で、同寮の親友たちと淑女らしく振る舞おうとしながらも、賑やかにお茶会を楽しんだりする魔法系ゆるふわ日常スクールライフ。
ゲーム原作のアニメ化で、萌え系バリバリの美少女たちと格好いい系の美男子騎士たちが混在して、交わった所で衝突し騎士の能力と少女たちの魔法が激突してバトルが始まる、というのを期待していたしOPもそれを想起させるものだったので、アルスノトリアたちの日常がずっと続く一方、「Warning」と称して騎士団たちが暗躍しそれとなくアシュラムに近づきつつあるような演出もみられ、邂逅も時間の問題化と思いながら見続けたが、最終話までとうとう邂逅すること無く終わってしまい壮大な肩すかしを喰らわされた。アルスノトリアたちの日常パートはオチ無しヤマなしながら異世界日常アニメとしてはよく出来ていたと思うので、絡みもしない騎士パートを何故入れたのかと言う疑問が余計に頭に残ってしまった。
物語:お淑やかでありつつも楽しいアシュラムの生徒たちによる学園生活がメインで、あまり浮き沈みのないお話。日常もの好きにはこれで十分なだけに、騎士パートの必要性にやはり疑問が残る。
世界観:エレガントに魔法を使いこなす様子など、魔法学園らしさが十分表現されている。ただ、騎士団が外界で暗躍し、最終目標がアシュラムのように見せているので、アシュラムが隔離世界である可能性がある。
人物:無口少女、元気娘、マイペース、実直クール、淑女気質と、メインキャラの個性が強く、サブキャラも個々に独特の雰囲気を纏っていて、キャラクターアニメとしてはよく出来ている。
作画:少女たちの萌え画、騎士たちの美麗画、そして魔法学園の背景描写など、崩れも無く細かな描写が出来ていると感じる。衣装や小物など、細かな所にもこだわりが見える。
声優:今期数多くの当たりアニメに出演し凄い活躍の久野美咲だが、その中でも本作はゲームの時からの主演。また富田さんもいて、プリマやアビスとも被り何を見ているのか混乱しかけたことも(笑)。
魅力:メインキャラたちを可愛く描くことに力を注いでおり、あからさまに萌えアニメの印象を与えている。私はこういうのは大好きなので当然高ポイントだが、ますます騎士たちの存在意義が。。。いや、もういいか。
主題歌:OP「はじまりへと続く場所」(ハナウタ(第5寮)(アルスノトリア(久野美咲)、メル(花井美春)、小アルベール(富田美憂)、ピカトリクス(幸村恵理)、アブラメリン(松井恵理子)))(4.0)、ED「With You」(cluppo)(3.8)。OPはメインのキャストたちが明るく可愛く歌い上げているが、魔法学園の楽しい日常と騎士たちの不穏さが混在した、温厚と激動の合わさった楽曲。この通りに話が進んでいれば完璧だったのだが。EDはやや暗めのスローテンポな楽曲で、独特な歌い口調が少し不穏さも混じって印象的。
劇中音:魔法は多用されているが、あまりサウンド的に印象を強める演出は見られていないと感じた。
「オーバーロードIV」(BS11 全13話 原作:丸山くがね 製作:マッドハウス)
(4.1, 4.4, 4.0, 4.2, 4.2, 4.0, 4.3, 4.1; 33.3pt)
複数の隣国と秘密裏に、時に敵対的に関係を持ちつつ国力を上げて来たアインズ(日野聡)は、遂に魔導国として国の設立を宣言した。あまりに強大な魔導国の国力を前に各国は対応を考えあぐね、あからさまに媚びる国もあれば静観を決め込む国もあった。しかし、ちょっとした貴族の過ちがきっかけで王国は殲滅を宣言されるが、その裏には王女ラナー(安野希世乃)の密かな計画もあって。未だ判らぬワールドアイテムの使い手の存在という不安を抱えつつも、魔導国の強さを見せつけ支配を強めるアインズたちの暗躍を描いた異世界アンデッドダークファンタジーの第4期。
オーバーロードも4期まで来た。1期で身内の反旗という最大の危機を乗り越えて以降、それ以上の危機が無いためぱっとせず、また魔導国の強さが弱いものイジメにも見えかねないあまり良くない話が2期、3期と続いたが、今期は、国を滅ぼすと言う、魔導国としてはかなり大掛かりなことに踏み出した分、話のインパクトは上がった。また、視点が王国側にも分散したので、やられる側の対抗っぷりも味わえて、2倍の楽しみ方を味わえたかなとも思う。
物語:魔導国対各国という構図が明確となり、国家による対応の違いを明確にしつつ、王国に対して圧勝確実の戦争を細かく魅せていた。ドワーフ絡みの物語は箸休め的に捉えれば良いか。
世界観:自らの国力を自覚した上で、隣国に対して見下した見方をとれるのが魔導国が中心のこの世界の特徴。この見方は、転スラのそれ(自国を強いと認識しつつも対等に交渉)と比較するとその違いが良くわかる。
人物:魔導国側はアインズ様への信頼がぶれないので心情の変化に乏しく、キャラの仕草などでコミカルに表現するくらいしか動かせない。その分各国の慌てふためく様を見ている方が面白いが、醜い計略も透けて見えるので、良い評価を与えられる人物に乏しいのが痛い所。
作画:4期ともなり描き慣れたこともあってか、だいたいのキャラは特に意識することも無く普通に良い作画として見られた。ただオバロはどうしても表情を醜悪にしたがるので、エレガントさに欠ける分ポイントは伸び悩む。
声優:今期も新キャラは数多く出るが、話を長引かせないのでパッと出で終わってしまうため、声優陣が豪華なのか判りにくい。松岡くんもいるんだけどアホ貴族なんだよなぁ。
魅力:魔導国に限らずだいたいのキャラはどこかぶっ飛んでいて頭のネジが歪んでいるので、そういう方向に魅力を感じる人でなければ魅力的な要素は見出しにくい。全滅方針に対し救いの具申をした新井さんのキャラがいるけど犬顔だしなぁ。
主題歌:OP「Hollow Hungah」(OxT)(4.7)、ED「No Man’s Dawn」(前島麻由)(3.9)。OPはオバロではおなじみのOxT。今回はアコギのリフを印象的に使い狂気の喜劇を歌い上げてみせた。EDはソロとして戻って来た前島さんの渾身のバラード。王国をイメージし深みにはまる様子をDawnと称しつつ、映像では魔導国の面々の圧が圧倒的だった。
劇中音:バトルや戦乱が多かったので、そういった関連の盛り上がりの歓声、掛け声の迫力があった。
「異世界薬局」(BS日テレ 全12話 原作:高山理図 製作:ディオメディア)
(4.2, 4.2, 4.1, 4.5, 4.1, 4.3, 3.8, 4.0; 33.2pt)
一流の研究者であった薬剤師の男は、その激務に倒れ床に伏す。次に目覚めると、異世界の宮廷薬剤の息子ファルマ(豊崎愛生)として転生していた。しかし異世界の状況は元の世界に遠く及ばず、お世辞にも健康管理が出来ているとは言えない惨状を憂いたファルマが、何故か身に付いていた薬神の力と前世の薬の知識をフル活用して、まともな治療も受けられなかった異世界の医療環境を変え、多くの人を救っていく異世界転生メディカルチートファンタジー。
今期も数多かった異世界ものの中で、一番見やすかったのがこの作品。お決まりのチート能力はあれど、様々な困難を目の当たりにしつつも、策を弄して医療行為という目に見える形で人々の救済に取り組む姿や物語の展開は共感を得やすいと思えた。また、作画、特に主要キャラの表情はかなりレベルが高く、萌え要素も備わっていたのは、個人的には評価しやすい。
物語:ファルマの行動には人助けが先にくるので、対象者が救われることで良い話の印象で終われる。繰り返しによりマンネリ化の恐れもあったが、良いイメージが打ち勝った感じ。
世界観:健康環境としては腐敗しているはずだが、その割には小綺麗な町並みなのが微妙なずれを感じるものの、まだ十分な薬のなかった中世欧州をイメージした統一的な雰囲気がある。
人物:ファルマの能力が絶大過ぎるがため、商品などがなかなか受け入れてもらえないのは分かるが、懐疑心が出過ぎたキャラが多少目立っていたのが気になる。
作画:ファルマや従業員たちを含め、優しさがにじみ出る丸く大きな目を中心とした幼げな表情で、萌え要素の強い人物画の印象が強い。背景の中世感も画一的で安定している。
声優:登場人物が限られるのもあって豪華さには欠けるが、メインは有名どころをしっかり抑えてある。ファルマの父(乃村健次)もいい味だしてます。
魅力:薬局の職員たちを可愛く描いていて萌えポイントは高いのだが、ファルマと衝突する人物たちには見にくい要素も付き纏い、高評価の妨げになっている。
主題歌:OP「夢想的クロニクル」(石原夏織)(3.8)、ED「白雨」(Little Black Dress)(3.7)。OPは2期連続の主題歌となる石原夏織の爽やかなポップソング。EDは初めて聞くグループの曲でアニソンらしさはない。使用部分はバラードだが後にポップに変わるのは以前TRUEがやっていた技術。
劇中音:薬生成の場面では詠唱も絡んだりするのでそれなりの効果音もあったが、全体的にはストーリー重視でサウンド面への重みは感じにくかった。
「異世界迷宮でハーレムを」(BS11 全12話 原作:蘇我捨恥 製作:パッショーネ)
(4.2, 4.1, 4.2, 4.3, 4.1, 4.5, 3.8, 4.0; 33.2pt)
妖しげなネットゲームに手を出してしまった加賀道夫(八代拓)は、ゲームの開始とともに異世界に飛ばされ、戻れないことに気づく。元の世界に絶望していたこともありこのゲーム世界で生きることを決めるものの、現実との違いに困惑しながらも、自らのステータスを自由に再設定出来ることをゲーム感覚に捉えて、モンスターとの戦いで経験値やお金を稼ぎ、妖艶な異種族少女たちを(性)奴隷として雇い、幸せな(性)生活を作り上げるまでを描いた異世界ダンジョン攻略ファンタジー。
所謂セクシーアニメの部類で、女性側が奴隷意識が強いため積極的で、性交シーンもあってエロ度は強めだが、意外なのは道夫のレベルアップの過程をダンジョン攻略を通じてしっかり描いていることで、異世界バトルものとしてもちゃんと楽しめる所。AT-Xが見れない環境になったため、フルに楽しめていないのが残念なところ。今後見れる機会があるといいな。
物語:異世界で生きて行くことを決めた道夫が、異世界で稼げるようになるまでの過程が丁寧に描かれ、ロクサーヌ(三上枝織)を手に入れるまでの苦労の描き方で、本作が地道な成長過程をしっかり描く方向性を把握するとともに感心した。
世界観:場所の文字テロップの雑さはちょっとどうかと思うが、異世界の街や賑わいなどを丁寧に表現し、冒険ものの雰囲気をしっかり出している。
人物:ロクサーヌの純粋で献身的な貢献がバトル面でもプレイ面でも大きく、本作の大半の要素を占めている。残念なのはセリー(井澤詩織)の加入までしか描かれず、残る3人のシーンは殆ど無く、アルスノトリア同様騙されたような気持ちになる。
作画:必ずしも美麗とは言えないが、セクシーアニメなだけあって女性キャラの妖艶さには深いこだわりを感じられる。
声優:やはり三上枝織がこのようなセクシー系作品に登場したのが特筆でしょう。アッカリーン//も成長したものだ(爆)。残り3名がまともに描かれていればろこどる以来のW井澤を楽しめたのに、残念。
魅力:お約束な所はあるのだろうが、道夫が実直でありながらも性にどん欲で、ロクサーヌも主人に強い忠誠を示しているので、性交シーンのラブラブ度が凄いことになっている。正直に言うとやはり他のキャラとの絡みも見たかった。
主題歌:OP「Oath」(ロクサーヌ(三上枝織)) (3.7)、ED「紳士の取引60万ナール」(加賀道夫(八代拓)&アラン(三宅健太))(3.8)。OPは本作のハードな面を表現した激走曲。三上さんはごらく部を長くやって来たので歌の経験は十分のはずだが、心もとなく聞こえたのは歌の方向性の問題か。EDはやってくれました!ロクサーヌを手に入れるまでの初見の気持ちや資金稼ぎを含めた過程を全て詰め込んだ面白曲で、アランのセリフパートのインパクトがたまらなく大きく爆笑。
劇中音:ステータス確認の単純なウィンドウ音があるくらいで目立った効果音はなかったように思う。
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮編」(BS11 全11話 原作:大森藤ノ 製作:J.C.STAFF)
(4.1, 4.4, 4.1, 4.3, 4.3, 4.1, 3.8, 4.1; 33.2pt)
意志のある魔物たちを深層に返し、様々な戦いを経てさらにレベルアップしたベル=クラネル(松岡禎丞)とヘスティア・ファミリアに、レベルに応じた深層攻略の命がギルドから下る。所属メンバーの関係者を伝手に有志を募り、体制を整えて向かった未踏の25層以下で繰り広げられる未知のモンスターとの激しいバトルを描いた異世界ダンジョンバトルファンタジーの4期前半。
ベルのバトルを通じての成長物語を根幹としている作品本来の姿である、ダンジョン攻略を通じての戦闘がメインストーリーとしてようやく戻って来た。外伝、2期、3期とダンジョンバトル以外のゴタゴタばかりでのめり込めなかったので、これは嬉しい。相手にする魔物が強力であるほどベルの逆境からの逆転に興奮出来るので良いのだが、後半は相手が強過ぎてどうなるのかと思ったらまさかの分割2期。さらなる絶望からのスタートとなる1月からの後半が気が気でならない。
物語:本作の真骨頂であるダンジョンでの派手なバトル展開が戻って来た。やはりダンまちはこうでなくては。ただ、異世界ものが流行中の最近よく見かけるのだが、腕切断という大重傷を次の回にはあっさり治してしまうのは、事態の深刻さを無かったことにする表現でよろしくない。
世界観:ダンまちの肝はダンジョン攻略だと思っているので、本作は原点に立ち返ってダンジョン攻略をメインに据えている所が高評価。本来の主要キャラであるヘスティア(水瀬いのり)やアイズ(大西沙織)の登場は殆どないが、登場人物が多くなった今ではこれも仕方なし。
人物:ベルたちのパーティーは難敵に一丸となって立ち向かっていてみんな素晴らしいが、予知夢の予言があるとはいえカサンドラ(真野あゆみ)の後ろ向きな行動はあからさまに足を引っ張っておりストレスがたまる。
作画:強敵を相手にしていることもあり、激しい戦闘を見事な動的描写で表現している。
声優:キャラクターも多くなってきて、もう声優の面子も豪華なのかどうなのか分からなくなった。主要メンバーに変化無いので、前作同等ということで。
魅力:激戦のためみんな余裕が無く、表情も厳しい。戦闘の姿に魅力を感じる性癖で無ければ、特にキャラクターそのものに対する魅力を見出すのは難しい。
主題歌:OP「天灯」(sajou no hana)(3.9)、ED「Guide」(早見沙織)(3.7)。OPは遂に井口裕香が外れ、前作のED担当が昇格。激動の展開を示すような疾走感のある曲だが、爽快感も残る。EDはしっとりとした純なバラード。歌の上手い早見さんは物語中ではリュー役なので、後半のキーパーソンである彼女との関係が気になる。
劇中音:激しいダンジョンバトルなので、BGMもそれに合わせて荘厳かつ派手な雰囲気。
「(連盟空軍航空魔法音楽隊)ルミナスウィッチーズ」(BS日テレ 全12話 原作:島田フミカネ & Projekt World Witches 製作:シャフト)
(4.2, 4.3, 4.2, 4.3, 3.8, 4.4, 3.8, 4.1; 33.1pt)
各地でネウロイとウィッチーズとの激しいバトルが繰り広げられているころ、戦闘要員からはみ出てしまい失意の中にあった所謂落ちこぼれウィッチたちは、癒しを届ける音楽隊の募集を目にし、それぞれの想いを胸に面接に集まる。そんなウィッチのいのり(細川美菜子)とミラーシャ(藍本あみ)は、とある街で出会った1人の少女の歌声に耳を奪われていた。そんな希有な存在の少女ジニー(鳴海まい)も加えて結成された音楽隊=ルミナスウィッチーズが、戦乱に疲弊した世界を音楽で癒していく様子を描いた航空魔法戦争ファンタジーの非戦闘外伝。
事前展開がかなり早く、放映までの期間が長くなったため、期待とともに不安も多く、戦わないというコンセプトやライブでの歌唱力の不安、メンバーの脱退などのトラブルもあった。だが、ふたを開けてみれば、構成の上手さや作画の良さ、楽曲の良さにも助けられ、予想以上に楽しめた。やはり曲がりなりにもウィッチーズシリーズということなのだろう。
物語:音楽隊結成までの過程、最初の成功までの道のり、世界に必要とされる存在になるまでを緻密に描いており、戦闘がなくともルミナスたちだけでしっかり物語が成立している。
世界観:戦闘をしないのでネウロイも登場しないが、平和とは違うのは、訪れた先々での建物の崩壊などで伝わってくる。「ネウロイが存在しない」某ギャグ作品もあったが、あちらと比べるまでもなく疲弊した世界がしっかり表現され、その分ルミナスの必要性も浮き彫りになる。
人物:ルミナスが成功する過程をしっかり描いているので、失敗や困惑、衝突も含め各キャラの心情や関係性の変化が丁寧に読み取れる。最後に成功を勝ち得るだけに見てて清々しくもある。
作画:ウィッチーズシリーズも多数のスタジオを転々としてきたが、人物描写にかけては随一の出来ではなかろうか。キャラ名をしつこく出す手法はアサルトリリィでも使われ、佐伯シャフトの手法として定着しそう。
声優:全てのメンバーが新人クラスであり、当初の歌唱力の不安もあってどうしても声優力としては劣る。グレイス役の小松未可子が作中のようにまとめ役になっていそう。トピックとしては、石田燿子が本当に大尉役として登場した。
魅力:キャラクターがとにかく可愛く描かれている。ウィッチの光り表現も相まって神々しさすら感じるくらい。
主題歌:OP「Wonderful World」(3.8)、ED「わたしとみんなの歌」(3.7)(共にルミナスウィッチーズ(ヴァージニア・ロバートソン(鳴海まい)、渋谷いのり(細川美菜子)、リュドミラ・アンドレエヴナ・リンナマー(藍本あみ)、アイラ・ペイヴィッキ・リンナマー(真宮涼)、エレオノール・ジョヴァンナ・ガション(都月彩楓)、マリア・マグダレーネ・ディートリヒ(古仲可奈)、マナイア・マタワウラ・ハト(結木美咲)、シルヴィ・カリエッロ(吉北梨乃)、ジョアンナ・エリザベス・スタッフォード(豆咲りお))。そもそもの作品コンセプトが歌うウィッチなので主題歌がルミナスになるのは当然ではあるが、OPはチームの統一感を重視、EDはメンバーの仲の良さを表現し、共に楽しい雰囲気で聞き応えのある楽曲。
劇中音:チャンピオンデータ(最も上手い音源)だとは思うが、挿入歌の数々はどれも上手く歌い上げられていた。
「シャドーハウス 2nd Season」(BS11 全12話 原作:ソウマトウ 製作:Clover Works)
(4.1, 4.3, 4.0, 4.2, 4.2, 4.0, 4.3, 4.0; 33.1pt)
影人がその対の人形(人間)を従えて生活を送るシャドーハウスの中で、一人前のシャドーとしての新人披露儀礼を通過したケイト(鬼頭明里)とエミリコ(篠原侑)は、シャドーハウスの有り様を打破すべく秘密を探り続けていた。そんな中、ハウスの手入れを行う人形組が集う「こどもたちの棟」では妖しいローブを纏った影の出現に混乱し、ケイトたちが疑いをかけられることになる。疑いを晴らすべく、また秘密裏に棟の構造把握も兼ねて、ローブ様の秘密を暴くため立ち上がるケイトたちを描いたブラックノーブルミステリーの第2期。
2期ではあるが、物語の本筋であるシャドーハウスの秘密からは外れた外伝的物語に終始してしまった。こどもたちの棟での事件はケイトたちの目的にとっては足枷にしかなっておらず、物語の実質のメインキャラもローズマリー/マリーローズ(中原麻衣)やバーバラ/バービー(釘宮理恵)ら星つき組であり、ケイトたちを中心としてみる視聴者側からすれば、その活躍がきちんと描かれていたとは言えず、中途半端感が否めない。
物語:ローブ様騒ぎの収束という視点で見るなら、纏まった物語。ただ、視聴者側が求める物語のスケールからはほど遠い内容。
世界観:前作同様ややホラーチックでもあるシャドーハウスの異様なダークな雰囲気がしっかり表現されている。
人物:ケイトやエミリコが活躍してこその物語なのに、外野に当たる実質メイン組の物語に終始してしまい、彼女らの活躍はあまり見せられていなかった感じ。
作画:登場人物の半分は黒塗りなので、着衣やアクセサリーなどで人物の特徴を表現する難しさがある。とはいえ、本作は表情のある人形側のシーンが実は多い。
声優:実質メインを張ったのが、重鎮とも見なせるベテラン組なので存在感が強い。その他は前作と大きく変わらず。
魅力:元々人形たちを可愛く描くことには拘っていないが、洗脳コーヒーで死んだ魚の目化したり、バービーの鬼のような表情など可愛さからわざわざ遠ざかろうとしているように見えた。
主題歌:OP「シャル・ウィ・ダンス」(ReoNa)(4.7)、ED「masquarade」(ClariS)(3.9)。OPはこどもたちの棟の人形たちがせわしなく動き回る様をダンサブルな楽曲で表現したReoNaの新境地。EDはClariSがリコリコとのW主題歌。ダークなバラードで雰囲気は合っているが、リコリコ側の眩しさに影響されW主題歌の負の面が出てしまった。
劇中音:作風からホラー感を強めるようなBGMや効果音があっても良いと思ったが、そういった印象づけはあまり感じられなかった。
「継母の連れ子が元カノだった」(BS日テレ 全12話 原作:紙城境介 製作:Project No.9)
(4.2, 4.1, 3.9, 4.4, 4.1, 4.3, 3.8, 4.0; 32.8pt)
読書好きの伊理戸水斗(下野紘)と綾井結女(日高里菜)は互いの共通点から恋愛に発展し、中学時代付き合っていたが、チョットしたすれ違いから卒業を機に分かれてしまう。しかし、共に片親だった2人の親同士がまさかの再婚、2人は一つ屋根の下で兄弟として暮らすことになる。一念発起して主席合格したこともあり、水斗にマウントを取ろうとする結女は高校デビューも果たし、その可愛い姿にそそられつつも無関心を装う水斗。そのお互いを意識する中にはまだ好きの気持ちも残っていて。そんな彼氏彼女から兄弟に変化した関係の2人を中心に繰り広げられる青春模様を描いた元恋人同士ファミリー青春ラブコメ。
親の再婚をきっかけにして関係性の変わったきょうだいの物語はそれなりにあるが、元恋人関係は意外とこれまで出会わず、ビジュアルの良さもあって今期の中では注目度が高かった。恋愛を経て心情が大きく変化したのはあるだろうが、結女の変貌ぶりはちょっと出来過ぎ感があって、それもあってか抜けがちで詰めが甘い要素が盛り込まれ、水斗との主導権争いでバランスが取れているのかなと感じた。そんな2人のやっぱり好きなんじゃと思われるいじらしい仕草がこそばゆく、ラブコメものとしてはよく出来ていたのではなかろうか。
物語:一旦別れた彼氏彼女関係の2人なので、それを隠して家族として振る舞うことのやり辛さがよくにじみ出ている。物語全体も基本的にはそこに焦点をあてているので、2人の関係性に注目すれば大凡把握出来るのがいい。
世界観:不意の回想シーンが多く、高校(今)の話なのか過去の話なのか混乱することが時折あった。それ以外は一般的な高校での青春であり、登場人物も多くないので見やすくはある。
人物:結女の水斗への対抗心がたまに感じ悪く当たることがあり気になった。それより許せないのは2人の関係どころか実際に家に土足で入り込む醜悪な野心を秘めた南暁月(長谷川育美)。迷惑きわまりないのに何故かすんなり友達ポジションに収まっているのがなお気にいらない。
作画:学園生活で複雑な描写はあまり無く、人物描写へのリソースをたっぷりかけられたのは暁光。ゆえに結女や東頭いさな(富田美憂)など魅力的なキャラ描写につながっている。
声優:友人川波役の岡本くんを含め、少数精鋭感の強いキャスト構成。知った面子ばかりで安心感がある。
魅力:高校デビューに成功しただけあって結女の可愛さは図抜けている。ただ、それだけでは保たないので、巨乳のいさなを使ってラッキースケベ要素を引き出している。
主題歌:OP「デネヴとスピカ」(DIALOGUE+)(3.7)、ED「ふたりピノキオ」(harmoe)(3.8)。OPは声優ユニットDIALOGUE+の爽快感あるアップテンポ曲。ただ、登場人物の少ない本作でグループサウンドはちょっと合わなかったかも。EDはぎこちない2人の関係を操られ人形のピノキオになぞらえた興味深い楽曲。こちらも人気の上がりつつある声優同士のユニット。
劇中音:家庭内では素が出てばたばたする2人だが、学校ではそんな様子を微塵も見せないので、効果的なサウンドを登場させるシーン自体が無い。
「邪神ちゃんドロップキックX」(BS日テレ/UHB 全12話 原作:ユキヲ 製作:ノーマッド)
(3.8, 4.2, 3.9, 4.3, 4.1, 4.2, 4.1, 4.0; 32.6pt)
相変わらず借金まみれの邪神ちゃん(鈴木愛奈)は、借金取りから逃げ続け全国行脚。数々の地で迷惑をかけ続けたあげく、ミノス(小見川千明)の親の力で借金地獄から脱出はしたが、それでも相も変わらず地獄への帰還が出来ない邪神ちゃんの泥沼な日常を描いたデーモンバイオレンス日常ファンタジーの第3期。
我が帯広も含め、クラウドファンディングで集めた資金により北海道と南島原の地元プロモの話数を中間に4話ほど差し込んだが、これがカオス。邪神ちゃんのロクでなしな振る舞いは関係者の反感を買ってもおかしくなく、見てる方が怖くなって来た。取りあえず清水宏保とクランベリーには謝ろうか(怒)。あと、初音ミク(藤田咲)とのコラボでは、藤田さんの見事なミク演技(ボーカロイドの演技をしている)が炸裂し話題となった。数々のコラボに助けられた今回の3期だが、あまり良い話題は振りまけずに終わってしまった。
物語:地元コラボ編がとにかく突拍子もない展開で物語としての体を成しているとさえ言いたくない。一連の騒ぎが治まってエキュート(朝乃瑠璃)編が始まってからは少し物語の体裁を取り戻したが時既に遅し。
世界観:散々な地元コラボ編だが、取り上げられたのがほぼ北海道内で馴染みの場所も多く、既視感の強さは私にとってはプラスだった。こればかりは見る人によるのでボーナスポイントということで。
人物:邪神ちゃんの傍若無人さが極まり、他のキャラの献身でカバー出来なかった結果、及第点に届かない始末。いくらアニメの中でも一般人を巻き込んだらダメよ。
作画:各キャラの描写を含め作品全体の作画自体は安定している。加えて見馴染んだ釧路や帯広の風景描写が実際をちゃんとなぞらえていた。これもボーナスポイントかな。
声優:小坂井さんや原さんも最近のびて来て、面子としては充実しているが変わり映えもしない。VTuberのエキュートと特殊枠の初音ミクをどう扱うかが悩ましい。
魅力:ここまで全く触れなかったが、今回は花園ゆりね(大森日雅)のコスが結構可愛らしくいい味を出している。他キャラに変化が無い分わりと目立っていた。
主題歌:OP「あれこれドラスティック feat.鈴木愛奈」(halca)(3.9)、ED「流線型メーデー」(花譜 x 可不)(4.2)。OPは前作でも好評だったhalcaが邪神ちゃんではなく正式に鈴木愛奈をフィーチャリングしての激走曲。ただ荒れ気味な楽曲で前回ほどのキャッチーさは無かったかな。EDはYouTubeで活躍するバーチャルシンガーの楽曲。結構有名らしく、独特の声質と楽曲センスに惹かれいつの間にか嵌まってしまった。
劇中音:いろいろ賑やかだったんだけど、正直ノイズ化していた。
「はたらく魔王さま!」(BS11 全12話 原作:和ヶ原聡司 製作:Studio 3Hz)
(3.9, 4.2, 4.0, 3.9, 4.3, 4.1, 4.2, 4.0; 32.6pt)
異世界エンテイスラでの勇者軍との抗争に敗北し逃げおおせた日本で、将来の再起を誓いつつ日々の生活のためにバイトに精を出す魔王サタンこと真奥貞夫(逢坂良太)は、魔王を追って日本入りし、同じくコールセンター勤めの勇者エミリアこと遊佐恵美(日笠陽子)と相も変わらずいがみ合いながらも、退屈しない日常を送っていた。そんなある日、真奥の住宅に送られて来た荷物から突如幼女が現れる。真奥をパパ、恵美をママと呼ぶその幼女アラスラムス(木野日菜)により大混乱となりつつも親として育てることを決めた真奥たちに対し、異世界からの訪問者や様々なトラブルが襲いかかる。そんな慌ただしい真奥たちの日常を描いた逆異世界魔王勇者日常ファンタジーのまさかの第2期。
多くの人に続編を待ち望まれながら9年、ほぼ忘れられかけていた今になって突如の2期に驚きと期待を持って迎えられたが、キービジュアルの余りの変化ぶりに多くの人が失望を禁じ得なかった。1期の出来がとりわけ良かっただけに、ハードルが高かったのは仕方ないだろうが、結局その違和感ありまくりのキービジュアルのまま作品は作られ、物語的にもあまりパッとしないまま続編を示唆して終了してしまった。特にビジュアル的にガッカリだったのが佐々木千穂(東山奈央)で、物語的にもちーちゃんの真奥への強い恋心が1期の見どころだったのに、そういった積極性がなりを潜めすっかり親代わりの立場に落ち着いているのは見どころを削がれた気分。
物語:アラスラムスの加入が混乱しかもたらしていない現状では、丸く収まるような展開は望めず、着地点も見出せない。だから後半に続くのだが、分割2クールをかけるほどの内容ではない。
世界観:天界や魔界の昔話や魔王、勇者の強さなどファンタジー要素を織り交ぜつつ、日本での日常を様々な形で描いているのは1期から続く本作の見やすい点。
人物:アラスラムスがきっかけでガブリエル(子安武人)ら天界の来訪者がちょっかいをかけ真奥たちの日常を脅かすのだが、そこはエッセンス程度のもので、アラスラムスを預けて無理矢理天界の問題に巻き込んだ元凶のライラ(井上喜久子)は許し難い。エッセンスついでに、芦屋(小野友樹)に梨香(西明日香)がまさかの恋をするのは面白かった。
作画:お世辞にも良いとは言えないが、それでもこれが魔王さま!でなければそれなりの評価だとは思う。前作の高評価から来る期待の高さがもたらした許し難い落差を皆許容できなかった。
声優:9年越しとは言え前作を踏襲しており、前作での豪華という評価は生きている。東山さんを好きになったきっかけの作品なので、ちーちゃんにはもっと活躍の場が欲しかった。
魅力:作画もそうだが、キャラクターの心情描写が見せる魅力というのも前作では大きかったのだが、本作では起きる事件に流されながらの行動が多く、思いの強さを感じる機会が無かったと感じる。
主題歌:OP「WITH」(栗林みな実)(4.7)、ED「水鏡の世界」(堀内まり菜)(3.7)。OPは前作に続き栗林みな実が担当。前作のZERO!ほどではないが真奥たちのドタバタ感が和やかに感じられる明るく爽やかなポップソング。EDは歌い手を存じ上げず、楽曲もあまり抑揚の無い平凡なバラード曲。
劇中音:戦闘自体は前期と同様にインパクトのあるものだったはずだが、作品全体の評価に引きずられてか、サウンド的にも印象が薄い。
「彼女、お借りします。(2期)」(HBC 全12話 原作:宮島礼吏 製作:トムス・エンタテインメント)
(3.9, 4.1, 4.1, 4.2, 4.1, 4.3, 3.7, 4.0; 32.4pt)
彼女に振られ、失意もあってレンタル彼女に手を出した木ノ下和也(堀江瞬)が心酔する水原千鶴(雨宮天)は実はアパートの隣人だった。レンカノの関係と自制しつつも、千鶴の夢を知ってしまった和也は、その夢を応援する純粋な想いから必要以上に関わり続けてしまう。和也のレンカノ関係を知って執拗に嫉妬心を燃やす元カノの七海麻美(悠木碧)や同業者ながら我こそ真の彼女だと対抗心を燃やす更科瑠夏(東山奈央)らとも関わりつつ、深みに嵌まっていく和也のただれた女性関係を描いた疑似彼女ハーレムカレッジコメディの2期。
千鶴の夢を知って、より千鶴への貢献の気持ちを強くした和也だが、相変わらず流されやすく女性関係にだらしがないため、共感性が全くない。彼らの祖母関係もめんどくさく、レンカノ関係も含め事情は複雑化するばかり。桜沢墨(高橋李依)の存在も中の人含め持て余し気味で、構成も良いとは言えない。2期だから見続けたが、やはりストレスの方が先に来てしまうので、3期があるけど見るかどうかは迷ってます。
「最近雇ったメイドが怪しい」(HTB 全11話 原作:昆布わかめ 製作:SILVER LINK.、BLADE)
(4.0, 4.1, 4.1, 4.2, 4.1, 4.2, 3.7, 4.0; 32.4pt)
裕福な家庭に育っていたゆうり(早見沙織)は、しかし突然の事故により両親を失い、給金も払えないからと雇っていた使用人も全て解雇して一人貧しい家主となる。一人寂しく暮らすゆうりの元に押し掛けるようにやってきたリリス(高橋李依)は、タダで良いからメイドとして雇ってほしいと懇願する。押しに負けて共に暮らすことになったゆうりとリリス。からかい性のリリスは度々色香をゆうりに仕掛けるが素直なゆうりの返しに逆にいつもたじたじに。一方のゆうりは突然現れた大人の女性が怪しくて気が気でない。そんな2人のぎこちない生活ぶりを描いたアットホーム主従関係コメディ。
1年前の同時間帯にジャヒー様を放映した昆布わかめ先生の新作。高木さんでからかい上手っぷりを見せつけた高橋李依のリリスがまた上手くからかうのかと思いきやピュアな返しにたじろぐというのが面白い所ではあったのだが、残念なことに話の広がりがそれ以上なく、見事にマンネリ化してしまった。早々にマンネリ化してしまうと、放映毎に評価が下がるサイクルに入るため、11話という短期決戦はいい落としどころかもしれない。作品構成のバランスは良かっただけに残念な評価となった。
「オリエント~淡路島激闘編~」(BSテレ東 全12話 原作:大高忍 製作:A・G・C・T)
(4.0, 4.2, 4.0, 4.2, 4.2, 4.0, 3.7, 4.0; 32.3pt)
鬼族の支配が続く日ノ本の国で唯一対抗出来る存在である武士としての一歩を踏み出した武蔵(内田雄馬)ら鐘巻武士団は、小次郎(斉藤壮馬)の親のルーツに上杉家が関わっていることを確かめるために、鬼の幹部が支配するとされる淡路島に総攻撃をかけるべき結集した上杉武士団に加わる。仲間と引き離された武蔵は島津や尼子と言った同年代の若手武士たちと共に先遣隊として鬼退治に向かうが、淡路島には鬼を崇める「黒曜石の八人」が立ちはだかる。結集した武士団が総力を結集して鬼や黒曜石の八人と対決する鬼退治アクションファンタジーの第2期。
素性も分からぬ新参ものゆえ、武蔵に対する風当たりが強くなるのは分かるが、島津秋弘(内山昂輝)の不遜な態度は後にその真意が明かされるとは言え行き過ぎで、若手武士団の和を乱していたのは見るに堪えない。その一方で場の空気を読めないバカっぷりが描かれた武蔵もまた和を乱しており、船出から不安だらけだった。本格的な戦闘になってからは、複数の強者x強者の戦いで割とバランスが取れていて、見応えもそれなりにはあったと思うが、立場上難しいとは言え主人公らしい武蔵頼みの戦闘でないと、他がそれほど印象深くないだけに他人ごとの戦いに思えてしまった。
「それでも歩は寄せてくる」(BS-TBS 全12話 原作:山本崇一朗 製作:SILVER LINK.)
(4.0, 4.0, 4.0, 4.3, 3.9, 4.4, 3.7, 4.0; 32.3pt)
一人将棋部だった八乙女うるし(中村カンナ)の元に入部して来た初心者の田中歩(阿座上洋平)。歩はうるしのことが好きだが、将棋でうるしに勝ったら告白すると頑なに枷をはめている。その隠しきれてない好き好きオーラを受けるうるしも好ましく思っており、将棋でこそ威を張れるが、それ以外では歩を意識してタジタジに。そんな初心な恋模様を展開する2人とそれを見守る周囲の友人たちの様子を描いた照れデレ日常将棋ラブコメ。
高木さんの山本崇一朗先生の3期連続3作目のアニメ化。歩むとうるしのぎこちない恋心を描いた典型的な初心ラブコメで、将棋のエッセンスが加わっているものの、他のラブコメ作品と違う何かは感じられない平凡作。それこそ将棋のごとく一歩抜け出す何かがなければ印象には残らない。一見絶好調にも思える山本先生だが、前作「くの一ツバキ」といい本作といい、キャラ作画頼りで全体の完成度としてはいまいちな作品が続き、実際は厳しいのかも。
「ラブライブ・スーパースター 2期」(NHK教育 全12話 原作:矢立肇 製作:サンライズ)
(3.8, 4.2, 3.9, 4.4, 3.9, 4.2, 3.7, 4.1; 32.2pt)
自らの音楽への想いに気づき、賛同する仲間とともに結ヶ丘女子学園スクールアイドル部Liella!を結成して初めて臨んだラブライブ東京予選で惜敗した澁谷かのん(伊達さゆり)は、再起を誓い翌年度、新たに4人のメンバーを加えて再びラブライブに挑む。新人たちとの実力差問題や前年度優勝者を打ち破ったマルガレーテ(結那)の挑発を乗り越えて、2回目の挑戦となった東京予選でLiella!として優勝を果たすまで(実際にはもう少し先があるが)を描いたハイスクールシンギングドリームグラフィティ。
過去様々なラブライブシリーズが1、2期含め放映されて来たが、これほどまでにケチのついたラブライブは他になかったのではなかろうか。銭ゲバな鬼塚夏美(絵森彩)(口調が同じ「ですの〜」の邪神ちゃん放送中もあって余計に悪印象を拾った)の行動やマルガレーテのヘイト集めといったキャラそのものであったり、かのん留学(中止)にまつわる一連の流れなど、これまでと違う流れを生み出そうとしたのかもしれないが余りに粗が目立つ。スクスタでケチのついた部分を見事に丸め込んで昇華した虹ヶ咲2期の直後の放送でもあったので余計に強く違和感を感じた。これ、3期に続くんだけど、大丈夫なのか?
「転生賢者の異世界ライフ~第2の職業を得て異世界最強になりました~」(BS日テレ 全12話(初回1時間) 原作:進行諸島 製作:REVOROOT)
(3.9, 4.0, 4.0, 4.1, 3.9, 4.1, 3.7, 4.0; 31.7pt)
ブラック企業で社畜としてこき使われていた佐野ユージ(小林千晃)は突如異世界に召還される。不遇の職業とされるテイマーとなったユージは、多くのスライムを仲間に従え戦いを続けるうちに第2の職業である「賢者」の力を手に入れる。そのことを知らないまま圧倒的な力で知らず知らずのうちに世界の安寧に貢献していくユージたちを描いた無自覚異世界チートバトルファンタジー。
原作方面ではかなりの売れ筋でアニメ化も期待が大きかったようだが、チートバトルの悪い面がもろに出た感じで今期の最低評価となった。別に自身のスペックが強大で何でも出来るというのであれば納得も出来ようが、ユージの場合はMPがマイナスになっても力を出し続け、それで無理矢理事態を解決するという、オーバースペックの意味をはき違えている。MPの許容値って何だ?ユージにしても、無自覚と謳いながら、どう見ても自身が最強とでも思ってなければ移さないような行動にいとも簡単に踏み出してしまうなど、そもそも人としての描き方がおかしい。不愉快なアニメだった。
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10月14日 今秋のテレビ視聴計画
http://mfbox.exblog.jp/32389774/
2022-10-14T23:04:00+09:00
2022-10-14T23:04:25+09:00
2022-10-14T23:04:25+09:00
mfbox
オタクゴタク(語託)
<海外ドラマ>
なし
<スポーツ>
スキーワールドカップ(JSPORTSオンデマンド)
<アニメ>
(継続)
札◎うたわわれるもの~二人の白皇(BS11 土曜 25:00/HTB)
(旧作)
15周年 コードギアス~反逆のルルーシュR2(BS-TBS 金曜 27:00)
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います(BS11 10/6〜 木曜 23:00)
(新作)
札◎僕のヒーローアカデミア 6期(STV 10/1~ 土曜 17:30)
札◎SPY x FAMILY 第2クール(TVH 10/1~ 土曜 23:00)
◎ぼっち・ざ・ろっく(BS11 10/8~ 土曜 24:00)
札◎ポプテピピック TVアニメーション作品第二シリーズ(BS11 10/1~ 土曜 25:30/HTB)
札◎4人はそれぞれ嘘をつく(HTB 10/15~ 土曜 26:00)
○アークナイツ 黎明前奏(BS11 10/30~ 日曜 23:30)
札◎マヴラヴ・オルタナティブ第2期(UHB 10/9~ 日曜 25:00)
札◎ゴールデンカムイ 第四期(BS11 10/3~ 月曜 23:00/STV)
○新米錬金術師の店舗経営(BS日テレ 10/3~ 月曜 23:30)
◎宇崎ちゃんは遊びたいω(BS11 10/3~ 月曜 24:00)
札○チェンソーマン(TVH 10/11~ 火曜 24:00)
△勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う(BSフジ 10/4~ 火曜 24:00)
◎ヤマノススメ Next Summit(BS11 10/4~ 火曜 24:30)
○ピーターグリルと賢者の時間 Super Extra(BSフジ 10/11~ 火曜 24:45)
札○うる星やつら(UHB 10/18~ 火曜 25:50)
△陰の実力者になりたくて(BS日テレ 10/5~ 水曜 24:30)
△不徳のギルド(BS日テレ 10/5~ 水曜 25:30)
札△農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。(HTB 10/5~ 水曜 25:55)
△Do It Yourself(BS11 10/6~ 木曜 22:30)
札◎「艦これ」いつかあの空へ(BS11 11/3~ 木曜 24:30/HBC)
○異世界おじさん(BS11 10/6~ 木曜 25:00)※7月番延期扱い
△転生したら剣でした(BS朝日 10/7~ 金曜 23:00/Abema)
一応22本上げましたが、多分このまま見続けるということは今回はないのではと思います。始めに言った通り、続編ものが今期も9作(継続のうたわれとリバイバル系のうる星も入れれば11作)と大量にあって、きらら系のぼっちを加えて見ておけば正直充足するのですが、相変わらず氾濫する異世界系に何故か作画で惹かれるものが多く、どれがあたるか分からないので取りあえず食指を伸ばしています。何も選ばないと水曜から金曜が空白期間になる恐れもあります。ただ、11月から艦これとアークナイツが追加になるので、それまでに落とせるものは落としておきたいです(候補は△)。視聴前期待度は、ヤマNext>ぼっち>(うたわれ白皇)>カムイ>4人嘘>SPY>ヒロアカ>宇崎>艦これ>新米錬金術師>チェンソーです。ただ、前期のリコリコ・プリマ・アルスノのような待ち遠しさが常にある状態は今期はヤマNext(展開次第ではカムイも)以外は難しそうです。特にヒロアカや宇崎、ピーターグリルなどは前期では視聴中にストレスを感じることもあったのでモチベーションの維持が不安です。クソアニメことポプテピと前期がかなりガッカリだったマヴラヴも不安ではありますが、続編なのと北海道で放送されるので取りあえず見ます。ただ、異世界系で唯一北海道で放送される農民スキルは地雷臭がぷんぷん(製作など)します(苦笑)。
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