人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2022年秋のアニメ感想になります。今期は作品数は19作品で、あたりはとことんあたり、外れはとことん外れと、両極端な評価となりました。狙って期待していたアニメは基本的に当たりだったので満足度は高めな今期のアニメ評価です。お待たせしました。どうぞ。
(1/14完成。なお、異世界おじさんは最終話、艦これは6話以降が未放送で、放送されたのち追記します。)

「うたわれるもの 二人の白皇」(BS11/HTB 全28話 原作:AQUAPLUS 製作:WHITE FOX)
(4.5, 4.6, 4.3, 4.5, 4.3, 4.3, 4.5, 4.1; 35.1pt)
 聖上の突然の死去に端を発したヤマトの内乱で、ブライ(乃村健次)との激戦で力を使い果たし灰となったオシュトルの遺志を次いで成り代わったオシュトル/ハク(利根健太郎)が、現聖上のアンジュ(赤崎千夏)とともに脱出したエンナカムイの地から、聖上を奉じてヤマトを取り返すため立ち上がる異種族戦乱時代劇ファンタジー。
 前作「偽りの仮面」の放送は2015年秋で何と7年の間を経ての完結編。16年前の初作からは想像もつかなかった大作ぶりに、驚愕と感動を禁じ得ない大団円となった。ストーリーの大半は前作からの続きでオシュトル率いるエンナカムイ軍とライコウ(置鮎龍太郎)・ウォシス(菊池幸利)が中心のヤマト軍との交戦が中心だったものの、この世界の成り立ちがさらに深い所にあって、大勢が決した後のトゥスクルを含む世界の謎の種明かしが壮大で惹き込まれ続けたし、オシュトル/ハクとクオン(種田梨沙)らヒロインたちとの関係性も丁寧に描かれた他、初期メンバーにもそれぞれ重要な役割があって、大団円に向けて全てをしっかり描ききろうという気概が伝わり、3部作を通じて見事な名作になったと感じる。
物語:細かい人物関係や世界の謎を書き出すときりがない緻密で深い話ではあるが、大枠は上に書いた通り。オシュトルを追うようにハクも・・・という展開は涙を禁じ得なかった。
世界観:緻密に練り上げられた物語なだけにその世界観の深さにも驚かされる。ヤマトとトゥスクル、オンビタイカヤンとウィツアルネミテアが遂に繋がり、ハクオロ(小山力也)が地上に戻って来てまた涙。
人物:マロロ(杉山大)がオシュトルに抗す姿やウォシスとその配下たちのしつこい抵抗は、嫌というより見ていて辛かった。クオンの不安定さも物語をかき乱し大変だった。ただ、大団円に向けてトゥスクルのキャラたちがしっかり登場してくれたのは眼福。
作画:最終章をしっかり描き上げようというスタッフの気合いが感じられる見事な作画だったと言えよう。その美しいアニメーションにこちらはただただ見入るだけでよかった。
声優:トゥスクル勢の出演もあったので、古えから新規まで豪華絢爛なキャスト陣。そして藤原啓治さん亡き後のハクを見事に引き継ぎ物語を完結に導いてくれた利根さんには感謝しかない。
魅力:各キャラのヴィジュアル的、人間的な魅力はもちろんあるが、フミルィル(儀武ゆう子)以外は全員既出なうえ、物語のうねりが大きく、各キャラに気を回す余裕がなかった。
主題歌:OP「人なんだ」(4.7)、ED「百日草」(4.2)(共にSuara)。Suaraさんの楽曲はキャラに寄り添ったイメージが固まっていて、作品とシンクロしてのめり込める。OPはもちろんオンビタイカヤン(人間)であるハクのこと、EDはクオンであり、本作を象徴する2人のことを見事に表現している。
劇中音:本作においてもやはり戦闘が中心になっており、アクルトゥルカ(大型獣化)含め効果音はその類いのものが中心。終盤に向けては過去の主題歌も積極的に起用され、盛り上がりに寄与していた。

「ヤマノススメ Next Summit」(BS11 全12話 原作:しろ 製作:エイトビット)
(4.2, 4.4, 4.3, 4.4, 4.3, 4.4, 4.5, 4.1; 34.6pt)
 半ば倉上ひなた(阿澄佳奈)に連れ出される形で始まった雪村あおい(井口裕香)の山登りは、徐々に仲間を増やしながら回数をこなし体力もついてきた。やり残して来た富士山山頂登頂を今度こそ達成するために万全の準備をして再び挑む夏までの山登りの日常を描いた日常クライミンググラフィティの4期。
 こちらも約10年をかけて大団円を迎えた作品。日常ものなのでうたわれほど壮大感があるわけではないが、1度中座した富士山登頂の再挑戦という明確な終着点があったので、物語としては筋が通っていて、日常部分のコメディを混ぜながらも、あおいの心情を中心に描き、常に前向きな物語として描かれていた。15分アニメを30分尺に広げたことも影響してか、前半4話が総集編扱いになっていたり、結論ありきの作品なので、富士山登頂が成功が約束されていたためか割とあっさりに見えたなど、全てが良かったと言えるわけではないものの、1~4期を通じて親しみの生まれたキャラたちへの思い入れもあって、素晴らしいアニメとして完結を迎えることが出来たと思う。
物語:大きな目的である富士山再登頂がクローズアップされがちだが、実際はそこに至るまでの冬から初夏のあおいたちの進級も含めた日常描写が中心。山登りも3期まででやりきった感があるのか比較的あっさり目な描写。
世界観:4期にあってもまだ山登りに関して新たな知識を出すなど奥の深さが感じられた。季節的な事情もあって富士山以外はまともな山登りは殆どなかったが、様々な形で山の自然を見せる努力は感じられた。
人物:1度喧嘩したことで信頼をさらに深めたあおいとひなたの互いを思う気持ちは抜群の信頼感。あおいの小心さも回りのフォローもありつつも安心して見られるようになった。
作画:日常系に必須な作画の安定感はもちろん、風景の再現度もしっかり。ゆるキャン△2期のような突然の実写的完成度の作画が出て来て驚いたこともあった。
声優:追加キャラは無名声優なので、基本前期と変わらず。とはいえ、最終期なだけあってキャスト総出演のような形となり、その分豪華な感じにはなっていた。
魅力:各キャラは相変わらず可愛いが、これまでに比べて少し描写にリアル感が増した気がする。今期はビステマや新米など萌え描写に優れた作品がはびこり、その中に埋もれた感がある。
主題歌:OP「想いのち晴れ」(4.7)、ED「扉を開けてベルを鳴らそう」(4.2)(共にあおい(井口裕香)、ひなた(阿澄佳奈))。OPは山登りを通じて培った仲間たちとの楽しい日常が溢れ出るようなポップサウンド。2人の楽しそうな歌声が心地よく、とても良い楽曲です。EDは大きな目標に向かう決意のようなものが感じられる壮大なイメージの楽曲。
劇中音:富士山登頂というゴールへ向けて前向きなはずなのだが、寂しげなBGMがやや多かった気がする。製作側の想いが漏れ出たのかもね。

「ぼっち・ざ・ろっく」(BS11 全12話 原作:はまじあき 製作:CloverWorks)
(4.3, 4.2, 4.2, 4.4, 4.0, 4.5, 4.4, 4.3; 34.3pt)
 人前で何かをすることが極端に苦手な後藤ひとり(青山吉能)は、引きこもる中で父親から譲り受けたギターを独学で演奏するうちプロ級の腕前を手に入れ、ギターヒーローとして動画投稿しては高評価を受けてぐへへと密かに喜ぶ生活を続けていた。つい出来心でギターを背負って学校に登校したものの萎縮して、下校後に公園で佇んでいると、伊地知虹夏(鈴代紗弓)に自分たちのバンドのサポートギターを頼まれ、半ば強引にライブハウスに連れて行かれる。そこでの演奏をきっかけに、惹かれるものを感じたひとりがバンド活動を続けていく姿を描いたハイスクールロックバンドコメディ。
 今期のきらら枠、当初はそれだけだと思っていたのだが、製作のCloverであったりキャストとリンクしたぼっち共感であったりアジカンオマージュだったりと、次々と話題が喚起されて昨季のリコリコ並に巷の人気が急上昇し、終わってみれば今季を代表する人気作にのし上がっていた。かかる曲も全てが話題、人気になり、音楽アニメとしての矜持も保ちつつ、きらららしいキャラクターの可愛らしさもありながら、陰キャ設定であったり顔芸などの本作ならではの特徴も見せ、非の打ち所を探す方が難しいのだが、個人的にはきらら作品の中ではそれほど思い入れが深くないことや、明確にアクションで凄いと思わせたリコリコに比べ音楽という視覚情報でない所での凄みがいまいち刺さらなかった点で、世間の評価とはややズレた評価に落ち着いてしまったかなと思う。
物語:ひきこもりのひとりがバンド活動という形で世間に引きずり出され、仲間の後押しもあって高い実力のギターを武器に結束バンドを活躍させる成功物語で、ひとりの陰キャ気質やその他の癖の強いキャラたちがいい塩梅にスパイスとして効いている。
世界観:女子校生がバンドすること自体はアニメ界隈においてもそれほど珍しくないだけに、本作がこれだけ流行った要因にバンド活動を求めるのは個人的に少々理解に苦しむので、私がここで評価しているのはきらららしい日常感。
人物:結束バンドの面々の個性がそれぞれ強くかつばらけているので、強い印象という点で評価は高いがまとまりに欠ける点で足を引っ張り、結果評価としては中途半端。
作画:ひとりの顔面崩れなど画力を犠牲にしたインパクト狙いの作画などで一見上手くないようにも見えるが、一方でキャラの可愛さだったり八景やライブハウスなどの実在箇所の再現度など作画面で評価に値する場面も多い。
声優:メインどころの声優は若手中心の構成。ただ、キャラとのシンクロをつまびやかに話す声優がいるなど、個々にインパクトを植え付けようと攻めの姿勢が目立った。それはそうと長谷川さんの歌の上手さと演技幅の広さよ。
魅力:虹夏や喜多(長谷川育美)など陽キャアピールな子は見るからに可愛いし、陰キャで顔面崩壊するひとりも実は可愛いというのが作画でもしっかり表現されていて、この辺はちゃんときららなんだなぁと思う。
主題歌:OP「青春コンプレックス」 (4.7)、ED「Distortion」 (4.7)、「カラカラ」 (3.7)、「なにが悪い」 (3.7)(いずれも結束バンド(後藤ひとり(青山吉能)、伊地知虹夏(鈴代紗弓)、山田リョウ(水野朔)、喜多郁代(長谷川育美)))。OPはまさにこじらせた青春を抱えるひとりの作詞センスが発揮された結束バンドのご挨拶替わりのハードチューンで、見事なバンドサウンド。EDは各キャラがソロでヴォーカルを取る形だがあくまで結束バンドとしての楽曲。ただDistortionのポップさがあまりにも良過ぎて、あとに続く2曲は嵌まれなかった(後藤ひとりが歌う12話のEDは1回きりなので評価から外した)。
劇中音:作中の結束バンドの演奏曲がどれも挿入歌とするには勿体ないくらい気合いの入った楽曲で、バンドもの作品の真骨頂を見せてくれた。

「勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う」(Abema/BSフジ 全13話 原作:深山鈴、茂村モト 製作:EMTスクエアード)
(4.1, 4.2, 4.2, 4.3, 4.2, 4.6, 4.4, 4.0; 34.0pt)
 ビーストテイマーという下位職ゆえに勇者パーティーの中で体よく使われ、貢献空しく捨てられたレイン(千葉翔也)。失職したレインは冒険者となるべく、小さな街のギルドの試験を受けるが、その道中で魔物に襲われていた猫霊族のカナデ(和氣あず未)を助けに入る。本来最強種ながら腹ぺこで弱っていたカナデはレインの優しさに惹かれ使役契約を結び、それにより最強種の力を自身でも使えるようになったレインが持ち前のお人好しの優しさで次々と様々な最強種と契約を重ね、手に入れた最強の力とレイン自身のマルチ契約スキルで街と自分たちの平和な生活のために活躍する
 こちらはぼっちとは逆に世間の評判がかなり悪い作品。というのも、レイン視点で見れば都合良く何でもひとりでに集まってくるので、生い立ちを除けば人生イージーモードと言えなくもないお気楽ストーリーで、所謂なろう系アニメの悪い所が全部入りで、批判したがりや物語に起伏を求める層からすれば不満噴出待った無しなわけだが、ことキャラの可愛さだったり主人公安泰の平和ものを求める層からすればドンピシャな作品なわけで、迷い無く高評価とした私もそちら側の層だったということか。不思議とEMTスクエアードと私の相性は良いんですよね。
物語:レインと結ばれた最強種たちの勧善懲悪行脚で片付けられる程度に物語としては薄いのだが、最強種との邂逅・契約やレインの昔話など印象深い部分もあった。
世界観:魔法が使える田舎の小市民街という、この類いの作品ではありふれた世界で、狭いエリアに最強種がいくつもいるというご都合設定は気になるが、冒険物の雰囲気はそれなりにある。
人物:レインの全方位的な優しさが作品の特徴で、最強種がみなレインにベタ惚れする様がその証明でもある。その対比か、悪役はとことん性悪で、勇者(島崎信長)をここまで堕とせるものかと感心するくらい。
作画:戦闘シーンなど、大量のモブの使い回しが分かるような杜撰な部分も気にならないではなかったが、キャラに賭ける作画力が圧倒的なのがEMTスクエアード作品の謎ではある。
声優:最強種たちは中堅の人気声優で固められ、話題性もあった。
魅力:キャラの可愛らしい描写については、今期の中でも図抜けている。内容がどうあっても見続けられたのはキャラによる所が大きい。
主題歌:OP「Change The World」(MADKID)(4.7)、ED「LOVE&MOON」(高野麻里佳)(4.1)。OPはMADKIDの盾以外で初の主題歌。これまでに比べ優しさを感じる曲調でレインの性格を反映してるのかも。EDはデフォルメキャラが月をレインに見立てて想いを馳せるようなPVとともにやや物憂げな雰囲気の楽曲。
劇中音:最強種の派手な戦闘が繰り広げられたにしては、サウンド面での印象は薄い。

「新米錬金術師の店舗経営」(BS日テレ 全12話 原作:いつきみずほ 製作:ENGI)
(4.3, 4.2, 4.3, 4.5, 4.0, 4.6, 3.8, 4.1; 33.8pt)
 店を持っていた両親と死に別れ、孤児院育ちのサラサ=フィード(高尾奏音)は、師匠であるオフィーリア(斎賀みつき)のもとでアルバイトをしながら、魔術師養成学校を優秀な成績で卒業する。卒業祝いとして紹介された辺境の空き店舗は、行ってみるととんでもないボロ家で、失意からの奮起で村人たちと良好な関係を築きながら店舗経営を軌道に乗せる姿を描いた錬金マーチャント冒険コメディ。
 錬金術で様々ものを錬成し、街の人々を助けたりピンチに立ち向かう流れはゲームのアトリエシリーズを想起させ、作画がパステル調でキャラが可愛いのも共通する要素であるが、原作は富士見Fのラノベで、個人的には漫画のキルタイムコミュニケーション(コミックヴァルキリーなのでエロくはないよ)からの珍しいアニメ化という点に注目していた。とはいえ、可愛い振りしてやることえげつなく、金銭感覚にもシビアというサラサの強さ(体術的にも魔法能力的にも)に唖然とさせられつつもコメディとして昇華され、大半はサラサを中心とした4人の女の子のワイワイキャッキャなファンタジーな日常で安心して楽しむことが出来た。
物語:素材集めと称して冒険に出かけたり強敵と戦ったり、雰囲気の割に結構波瀾万丈。サラサの力技で物事を解決する場面も結構あるが、その分展開がスピーディーで逆に好感触。
世界観:サラサの能力が秀でていることもあって、多少の無理は押し通してしまえるのを逆手に取って、ふんわりした作風にしては割と厳し目なクエスト攻略が繰り広げられていた。
人物:サラサの不遇を引きずらない精神の強さが秀でている。小さい街故かほとんどの人たちがサラサの味方になっているのも心強い。
作画:パステル調で可愛いキャラというのは、個人的にはハナヤマタに通じる所がある。パステル調の良い所として、背景の雰囲気も独特な美しさを感じられる。
声優:中心となる面々はそれなりに名の通った声優揃いなのだが、豪華さという点では一歩引かざるを得ない。斎賀さんが正真正銘の女性キャラを演じているのが珍しかったりする。
魅力:サラサやロレア(木野日菜)を中心としたキャラの可愛らしさが群を抜いており、ビステマと同じく今期のトップスコア。
主題歌:OP「はじまるウェルカム」(大西亜玖璃)(3.8)、ED「Fine Day」(諏訪ななか)(3.7)。OPはソフトに明るい作品のポジティブな部分が現れたポップ曲。EDは一筋縄では行かない日々の苦労を癒してくれる暖かな楽曲。ただ、いずれも歌い手とインパクトが物足りなく、作品高評価の足を引っ張る形になってしまった。
劇中音:物理も強いサラサではあるが、錬成や攻撃などで見せる魔法の派手さがBGMで補われていた。

「転生したら剣でした」(Abema/BS朝日 全12話 原作:棚架ユウ 製作:C2C)
(4.3, 4.2, 4.2, 4.2, 4.1, 4.0, 4.3, 4.1; 33.4pt)
 事故により異世界に転生した男の姿は剣(三木眞一郎)だった。意志を持つ剣としてモンスター狩りに無双の限りを尽くしたが、戦いの領域を広げた際に油断してトラップに自己念動力を奪われ、地面から剣を抜け出せなくなってしまう。長らくそのままの状態だった剣だが、奴隷輸送中の荷馬車がモンスターに襲われる。投げ出された奴隷の1人だったフラン(加隈亜依)は進化を強く願う黒猫族の少女で、剣からの呼びかけを自らの強い願いに呼応したと思い込んだフランの手により遂に地面から抜け出した剣が、フランと親子のような絆を紡ぎながら冒険の旅を続ける異世界ソードバトルファンタジー。
 異世界転生ものの中でも人気の高い作品で、待望のアニメ化。剣という無機物への転生という点が珍しいものの結局はチート化するのでまたかと思わせるが、この作品は剣ではなくフランを主人公化させたことで、フランの成長物語に昇華し、剣とシンクロして保護欲が?き立てられる。優れた能力の剣と共にあっても、フランの冒険の旅は安泰ではなく、次々に襲いかかる強敵に何度も生命の危機を脅かされる流れは見てるこちらをハラハラさせ、この点もまたほかのイージーな異世界転生ものとは一線を画したと言えよう。2期が決定しているが、まだまだ見たいと思わせてくれる良質な作品だった。
物語:剣自体のチート性能はあるものの、物語はフランが万能剣の力を使いこなしながらも強敵との死闘を繰り広げて成長していくしっかりしたバトルものになっていた。
世界観:魔獣や魔物がはびこる荒廃した世界で、人間側は剣技や魔術を駆使して戦うファンタジーであるが、身の危険が真に迫る様子はなかなかにグッと来るものがある。
人物:善悪裏表様々な顔を持つキャラたちとフランが邂逅し、その関係性も様々なドラマとして描かれ、人物描写もしっかりしている。
作画:獣や魔物系の登場人物が多いせいか、見てくれはあまり良くないキャラも多いが、作画そのものの完成度は非常に高い。
声優:三木さんの独特な個性の強い剣の演技は見事。一方、女性キャラが少ないせいかいまいち豪華さを感じにくい。ちなみに大久保さんは今期は本作以外にも受付嬢役が多くプロ受付嬢といっても過言ではないかも(爆)。
魅力:フランは可愛い、とは思うが、それ以外はみんな強さを誇示したがりのごついイメージのお方ばかりなので、魅力とは正反対の方向に突き抜けている。
主題歌:OP「転生したら剣でした」(岸田教団 & THE 明星ロケッツ)(3.9)、ED「more劇中音:剣がやたらスキル持ちで魔石を得たがりだったりするので、討伐やレベルアップ、ウィンドウを開く時などいろいろ効果音があって騒がしいくらい。

「Do It Yourself」(BS11 全12話 原作:IMAGO/avex pictures 製作:PINE JAM)
(4.3, 4.3, 4.2, 4.0, 4.2, 4.1, 4.2, 4.1; 33.4pt)
 幼なじみのぷりん(市ノ瀬加那)と同じ高校を目指しながらも不合格となり、隣の高校に進学したせるふ(稲垣好)は、ある日の登校中に自転車が故障し、DIY部のくれい(佐倉綾音)に助けられる。お礼のため訪れた部室で廃部の危機を知り、自然な流れで入部したせるふが、次々に増えていく部の仲間たちとともにDIYの楽しさを理解しながら大きなもの作りに挑戦する様子を描いたハイスクールものづくりコメディ。
 作画が独特(正直あまり上手くないと思った)で視聴を躊躇いかけたのも最初のうちで、日曜大工(古い!)ならぬDIYを楽しむ女子高生たちの姿が見ていて微笑ましく、またDIYに関わる技術的な描写もしっかりしていて、感心しつつほっこり出来るアニメーションだった。ぷりんのツンが長過ぎたのと集めた材料が誤って捨てられるくだりは若干不満ではあるが、それ以外は満足のいく良作。
物語:DIYをエッセンスに仲間たちとの共同作業や仲違いしていた幼なじみとの仲直りなど、青春を満喫しているストーリーだった。女の子の日曜大工とか、学生がDIYで作るには大きすぎる秘密基地とかやや現実味が薄いところもあるが、インパクト重視で。
世界観:日常アニメではあるのだが、木工系の道具であったり技法であったり、結構細部にまでこだわりを見せている。
人物:ぷりんを含むDIY部の面々の得意分野がバラエティに富み、分業という形の協力体制が出来上がっていた。
作画:日常系にありがちな美少女テンプレとは一線を画すややラフな描画なのだが、見続けるほどに味が出る。とはいえ、上手いという評価にはなりにくいのも事実。
声優:せるふ以外のDIY部の面々がそれなりに名の売れている人気声優揃いで割と豪華。
魅力:ラフな作画ということもあってキャラクターの魅力は感じにくい。
主題歌:OP「どきどきアイデアをよろしく」(DIY部(せるふ(稲垣好)、ぷりん(市ノ瀬加那)、くれい(佐倉綾音)、たくみ(和氣あず未)、しー(高橋花林)、ジョブ子(大森日雅)) (4.2)、ED「続く話」(せるふとぷりん(稲垣好、市ノ瀬加那))(3.7)。OPはバラバラの個性が纏まっていくように1つの曲が完成するようなパズル感のあるソロパートが印象的なナチュラルポップ。EDは喧嘩してても互いに目の離せない親友同士の大切な想いを優しい曲調に乗せたバラード。
劇中音:工具の音はもちろんだが、ぷりんやしー(高橋花林)の通う進学校をはじめとする近未来化した設備や小物の機械音も反対の方向性という意味で印象深い。

「不徳のギルド」(BS11 全12話 原作:河添太一 製作:TNK)
(4.2, 4.2, 4.1, 4.3, 4.0, 4.5, 3.9, 4.0; 33.2pt)
 メブキの街ギルドに所属する優秀なソロ狩人であるキクル(福原かつみ)は、ワーカホリックから引退を考え後継者の育成を希望したが、紹介された新米はいずれも厄介者ばかりで、同行させればモンスターに襲われ、何故かやらしい責めを受けてしまう。そんな先行き不安なキクルと仲間たちのハプニングだらけなモンスター狩りの冒険を描いたエロティックハプニング冒険ファンタジー。
 いかにもなうふふアニメとして、AT-Xなら消える見ちゃダメマークが満載ではあったが、決してエロだけではない面白さがあって、見辛さは感じなかった。というより、むしろ物語性がしっかりしていることに感心した。モンスター相手にはどういう作戦で行けば勝ちに導けるのか、仲間に対してはどう対応すれば抱えている問題を最小限の影響で留められるのかをキクルがしっかり考えて行動に移していて、モンスター退治ものとしての完成度も高かった。異世界系作品の氾濫で不満の声も少なくない中、本作や前期の異世界迷宮などのエロ寄りアニメにお株を奪われているようではこのジャンルの先行きは不安しかないよ。
物語:作品の否定から入ってはいけないが、キクル君を不遇にすべくパーティーメンバーをわざと当てつけてるでしょ。それでもそんな難ありメンバーを何とか使いこなし(見捨てるとも言う)強敵モンスター相手にもしっかりバトるキクル君はさすが。もちろん責め苦を負う女の子メンバーたちもさすが(嬉)。
世界観:モンスターがちゃんと強いので、モンスターバトルアニメとしてもちゃんと見られる所が凄い。まぁ、やたらとエロい所をつきまくるモンスターという謎はお約束ということで(笑)。
人物:パーティーメンバーにろくなのがいないのは、本作の笑いどころで肝でもあるのだが、だからと言って厄介なことには変わりない。
作画:これもDIYと同じで一見すると雑な作画に見えがちだが、作画の肌色感が増すにつれ、ああこれで良いんだと思えるようになるから不思議。
声優:大久保嬢の受付係2作目(笑、3作目は農民関連)。ただその他は無名ではないが若手揃いで、残念ながら声優の充実度では一歩下がった所にいる。
魅力:本作でここを評価しないわけにはいかないでしょう。セクシーな面はもちろんだが、彼女たちの個性もそれぞれに特徴があって魅力付けに効果的。
主題歌:OP「Never The Fever」(佐咲紗花)(3.9)、ED「シュガーシュガースパイス」(栗林みな実)(3.9)。両方ともこの人たちがやって良いの?と思えるほどのLantisの重鎮。OPは波乱に満ちたおかしなパーティーバトルを激走感たっぷりに明るく歌い上げたハードポップ。EDは戦闘を離れた女の子たちがはしゃげるような安心感を表現した優しいポップソング。
劇中音:エッチな展開でだいたい入るような効果音は入っていたが、個人的にはそこに注目は行っていなかった。

「SPY x FAMILY 第2クール」(TVH 全12話 原作:遠藤達哉 製作:WIT STUDIO x CloverWorks)
(4.1, 4.1, 4.2, 4.2, 4.2, 4.1, 4.0, 4.1; 33.0pt)
 スパイ活動の過程で子連れ夫婦を偽装しているロイド=フォージャーことタソガレ(江口拓也)たちの波乱含みな家族生活も徐々に板に付き、あとはアーニャ(種崎敦美)のエリート学校での優等生化が命題であったが到底無理な話であった。アーニャの学校での波乱にみちた生活やタソガレの本来業務であるスパイ活動を無難とは行かないながらもこなしながら、本来の目的である敵の要人デズモンド(土師孝也)との接触を目指すシークレットファミリードキュメンタリーコメディ。
 3か月の空隙を挟んで放送された後半クール。前半クールからかなり波乱に満ちた物語であったが、一応生活面では安定した分、後半は物語の根幹に関わる部分での波乱は少ない感じで、多少脇に逸れた所でのコメディ要素が強くなった。面白さが欠けたとか言うことは無く十分に楽しめたが、物語の本筋は(ネタバレしてしまうが)デズモンドとの邂逅は達成したもののそこまでで終わり、かなりスローペースな分サイドストーリーが多くなったのは明白。フィオナ(佐倉綾音)のような個性の強い新キャラもいたが、本筋の進まない中ではちょっとしたスパイスでしかない。そう思っていたらまさかの2期発表!?つまり、今季は1期の後半クールの扱いらしい。そりゃ引き延ばしもするよな。
物語:主目的(デズモンド)のスパイ活動がなかなか進展の望みにくいものなので、タソガレの別のスパイ活動だったりアーニャの学校生活で引き延ばしせざるを得ないが、そこを好意的に捉えられるかどうかで評価が割れそう。
世界観:近代欧州をイメージした貧富差の大きさやテロリズムの蔓延が表現され、スパイ活動が盛んなのも然りと言ったイメージ。ただ賭けテニスなど必ずしも近代に拘らない思いきったギャグ振りもしている。
人物:オムニバス的話数を除き数話ごとに1テーマの構成なので、新キャラはそのテーマ内で出番が終わるため評価しにくい。あとヨル(早見沙織)は今回暗殺者の顔は見せておらず、ただ怪力女というある意味酷いレッテル。
作画:アーニャを中心にデフォルメを多用するので美麗とは行かないが、それでも今最も信頼の置ける製作でもあり、安定した作画であることは間違いない。
声優:1期ほどの驚きはないにしろ、アーニャを演じる種崎さんの演技幅には感心ばかり。人物同様こちらの評価でも新キャラの撤退(使い捨て)が早く加点要素にならない。
魅力:作品全体を通じてキャラを可愛く見せようとしていない。本作視聴層が求めていないのである意味正しいが、ここの評価においては逆効果。
主題歌:OP「SOUVENIR」(BUMP OF CHICKEN)(3.8)、ED「色彩」(yama)(4.2)。OPは一般にもオタにも受けの良い安心のバンプ。今回も適度にポップでノリの良い楽曲でセンスが光る。EDはYoutube発の歌い手であるyamaの独特なセンスのポップソング。アニメ主題歌での新境地を開拓したように感じる。
劇中音:前半の犬であったり後半の賭けテニスなど、奇特性を引き立てるために効果音を敢えて大きくしている節がある。

「宇崎ちゃんは遊びたいω」(BS11 全13話 原作:丈 製作:ENGI)
(4.1, 4.1, 4.1, 4.3, 4.1, 4.2, 3.7, 4.0; 32.6pt)
 ぼっち可哀想などとからかいながらも先輩の桜井真一(赤羽根健治)のことがかまいたくて仕方ない宇崎花(大空直美)は、知らず知らずのうちに先輩との距離が詰まっていた。一方の桜井も花に対して思う所がないではないが、未だ好意よりウザさが優っていた。そんな縮まりそうで縮まらない花と桜井のドタバタな大学生活を描いた日常キャンパスライフコメディの2期。
 相変わらずうざ絡みの関係にある桜井と花だが、そのうざさの裏に隠れていた桜井への恋心がにじみ出てきて、2人の関係性が進みそうな展開を見せた2期だった。両家の家族も登場し、それぞれの家族たちが向ける眼差しもまた破天荒ながら家族らしさは溢れている。亜細家特に亜美(竹達彩奈)の変態性には磨きがかかっているものの、彼女らの言葉を代弁するまでもなく外から見ても早くくっつけよ2人!と思わずにはいられないほどにデレっぷりが熱かった。
物語:花のウザ絡みが見ててやや苦痛な所もあったので、ラブコメにかなり寄せて来た今期は見ててかなり面白さ、微笑ましさが増したと思う。
世界観:大学生活からお互いの家庭に目が向けられるようになったが、日常感たっぷりの世界観はしっかり保たれている。
人物:周りが概ね桜井と花の関係を次の段階に進める目的で一致しているのに、自身の構想に酔う榊(高木朋弥)に妄想丸だしの亜美、独断専行の行動力お化け柳(加藤聖奈)とまとまりに欠けるのが苦笑どころ。
作画:クソキャットで印象を下げているが、人物や背景など全体を通して作画レベルは十分。新米といい本作といい、ENGIはちゃんと作ってるんですよ。なんで艦これだけあんなことに。。。
声優:桜井の両親がまさかのShuffle!結ばれコンビと考えると、あの桜井のルーツが。。。いやいや、他作品のことは置いといて、宇崎家側は声優的に目立ったものは無く、1期並の評価。
魅力:実のところ花のSUGOI DEKAI胸に目がいっているかと言うとそうでもなく、今期はむしろ桜井を意識して恥ずかしがる可愛いシーンの印象の方が強い。
主題歌:OP「いちごいちえCelebration」(鹿乃と宇崎ちゃん(大空直美))(3.7)、ED「はっぴーらいふ」(MKLNtic)(3.7)。OPは1期に続き鹿乃と宇崎ちゃんによる賑やかしポップソングで、フルは鹿乃ソロというのも同じ。EDは鹿乃も含むヴァーチャルユニットによる2人に訪れるであろう楽しく幸せな生活を想起するナチュラルポップな楽曲。
劇中音:ジムや柔術など桜井が自ら体をいじめるシーンでの息づかいとかが印象に残る。何か変態っぽいな(爆)。

「4人はそれぞれウソをつく」(HTB 全11話 原作:橿原まどか 製作:スタジオフラッド)
(4.0, 4.1, 4.1, 4.2, 4.0, 4.3, 3.8, 4.0; 32.5pt)
 宇宙船が校舎にブッ刺さったヘンテコな学校で、素性を隠して女子校生をやっている4人の生徒が、一見仲良くしつつもそれぞれの秘密がバレないようにいろいろ裏工作しながら送るスリルある学園生活を描いたシークレットガールズ(?)ハイスクールコメディ。
 取りあえず斬新な設定であることを理解した上で、日常学園コメディとして視聴した。宇宙人、忍者、超能力者、男と、悉く女子校生には無理のある設定だがそれを強引に押し通し、何故バレないんだ!?と思わせるすれすれのスリルを味わっていたのも最初のうち、すぐに違和感は消えて楽しんでいる自分がいた。ハッ!これもリッカ(田中ちえ美)の記憶操作か?
物語:4人それぞれ裏事情を隠しながらも学校生活をやり遂げようと立ち回る様が見ていて楽しい。超能力で思考が読め一見優位にありそうな関根(佐倉綾音)がサポートに回り苦悩する様もバランスが取れて上手い。
世界観:学園生活とそれぞれの事情に基づいた世界が、接しない形で両方きっちり描かれている。一見混乱のもととも取れるが学園生活メインでそれほど見づらくはない。
人物:どうしてそうなる的な突飛な行動やそうはならんだろ的思い込みがあったりするが、4人が仲良く今の生活を続けようとしているのは安心感。
作画:背景が淡白ではあるが、人物描写は確実性を重視しており、あまり聞かない製作だが、視聴の問題となるような気になる所はなかった。
声優:殆どのシーンを4人で構成していたので、事実上4人の声優での評価となる。半分は虹ヶ咲関係で残りは人気、実力派。
魅力:4人とも可愛い女の子として振る舞おうとしているので、所々出てくるあざとさが多少不自然ではあるが、元が良いので魅力付けにはちょうどいい。
主題歌:OP「エクリプス」(NACHERRY)(3.7)、ED「For 4 Forever」(リッカ(田中ちえ美)、千代(村上奈津実)、関根(佐倉綾音)、つばさ(潘めぐみ))(3.8)。OPは主役のうち2人が組むユニットの初主題歌。ジャンル的には所謂コミックロックといえるものか。EDは4人の波乱に満ちた様子を表現したやや大仰な雰囲気の楽曲。
劇中音:リッカ絡みのシーンだと宇宙ネタなので効果音もつけやすいが、そこばかりが目立ってしまうので4人のバランスを取る上でも采配が難しかったと思える。

「アークナイツ~黎明前奏~」(BS11 全8話 原作:Hypergryph/Studio Montagne 製作:Yoster Pictures)
(4.0, 4.0, 4.0, 4.3, 4.2, 4.2, 3.7, 4.0; 32.4pt)
 不治の病である鉱石病にかかった人々は、死亡時に感染をまき散らすことから隔離・差別の対象となり、当然抑圧からの蜂起が各地で起こっていた。その大きな勢力である強硬派リユニオンの攻勢を前に、製薬会社と手を組んで活動するロドスの妨げとなっていた。両者はたびたび戦闘となる中、ロドス所属のアーミヤ(黒沢ともよ)はロドスの目指す病の治療の観点から不殺を誓い戦闘に加わる。指揮者となるドクター(甲斐田ゆき)を目覚めが不完全ながらも救出し、共に激しい戦闘に身を置くこととなるロドスの面々の命がけの戦いを描いた終末戦乱ダークファンタジー。
 人気大作ゲームのアニメ化。これを書いている日にちょうど本作ゲームのイベントが行われていたが、大作を示す人気ぶりだった。ただ、アニメとしては明瞭な初見殺しで、アークナイツの世界を知らないままだと戦闘の意味も能力も目指す未来も分からず、話が理解出来ているか自信が無くなり純粋に楽しめなくなる。加えて内容が病の感染と戦争と、悪い意味でタイムリー過ぎて船出としては厳しいものだったと言わざるを得ない。

「マブラヴ オルタナティブ(2期)」(UHB/BSフジ 全12話 原作:吉宗鋼紀(age)/aNCHOR 製作:FLAGSHIP LINE/ゆめ太カンパニーxグラフィニカ)
(4.2, 4.3, 4.0, 4.2, 4.0, 4.0, 3.7, 4.0; 32.4pt)
 死地を含む無数の並行世界を行き来し、全て生き延びてBETAのいる今の世界線にいる白銀武(神木孝一)は、正規兵となり自らが開発した戦術OSの性能実証も兼ねて戦闘訓練を行っていたが、突如BETAが出現し苦戦、慕っていた神宮司まりも教官(渡部紗弓)の死という代償を負う。その事実に絶えきれず元の世界線に戻った白銀だが、前の世界線での結果を持ち込み再びまりもを死に追いやってしまう。その因果は想い人である鑑純夏(楠木ともり)にも影響し、日記で必死に記憶をつなぎ止めるのを見た白銀が、再び決意して世界線を戻り、BETAとの壮絶な決死戦に挑むタイムパラドックスモンスターバトルアクションの2期。
 マブラヴはやはりこうでなくてはとばかりに、BETAとの圧倒的に不利な戦いが2期を通じて展開された。それでもこれまでの外伝に比べ渡り合えているのは、オルタネイティブ作戦の卓越した戦術の成せる業という本筋だからこその展開だろう。純夏が駆る巨大武器による佐渡島BETAへの攻勢は圧倒的絶望の中に見出した希望となったが、純夏の不安定から再び絶望が訪れ、佐渡島もろとも巨大武器の自爆という形で物語は終わっている。絶望と希望が交ざり合う展開ではあったが見応えはあり、絶望感ばかりを先行させる最近のヒロアカには見習ってほしい所。

「農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった」(BS日テレ/HTB 全12話 原作:樽戸アキ・しょぼんぬ 製作:Studio A-CAT)
(4.0, 4.1, 4.1, 4.2, 4.0, 4.2, 3.7, 4.0; 32.3pt)
 職業農民を自認するアル(榎木淳弥)は、超一流の農民となるべく農民関連のスキルを全て最大に高めることに成功する。その力は、空飛ぶドラゴンに人参をぶん投げて倒すほど。明らかに異常なそのスキルアップぶりは王女ファル(田中美海)の目に留まる所となり、農地を与えるとか上手く言いくるめられてアルは良いように冒険の手駒にされてしまう。それでもその強いスキルで難局を乗り越えながら、何故か冒険者として大成していく様を描いた農民大成冒険ファンタジー。
 北海道での放送があったのと主人公が榎木くんだったことから視聴した。それだけ榎木くんのインパクトが凄くて(特にカノジョも彼女)、今回も期待に違わぬキャラ立ちを見せてくれた。物語自体は最近ありふれた異世界冒険ファンタジーの枠に嵌まったものでこれと言った特徴はない。製作のせいで作画が最大の不安であったが崩れなかったのは一安心。

「ピーターグリルと賢者の時間 Super Extra」(BSフジ 全12話 原作:檜山大輔 製作:ウルフズベインxセブン)
(3.9, 4.1, 3.9, 4.2, 4.1, 4.3, 3.8, 4.0; 32.3pt)
 地上最強の肩書きが故に様々な種族の女性たちに子種を狙われ続けているピーター・グリル(下野紘)は、不貞の度に婚約者ルヴェリア(二ノ宮ゆい)への申し訳なさが先にたち立つものも立たなくなるほど。不貞に対しては暴君と化すピーターの妹ルーシー(木下鈴奈)の脅威から逃げ続けたり、エルフの里に連れ去られたり、ドワーフの倉に閉じ込められたり相変わらず波乱にも巻き込まれがちなピーターの不遇な女性関係を描いた異種族エロティックストロンガーバトルの2期。
 図らずも1期を見てしまったので、もういいやとは言ったけど、やっぱり気になるじゃないですか、続き。なので見てしまいました。(とは言え、同じ下野さん主役の進化の実2期は見ないけどね。)まぁ、展開は分かっていたので、展開は予想の範疇ではあったものの、新キャラとの関係性に話を持っていく都合から、1期で積極的だったキャラ立ちは出番が減った分しつこさが緩和されていたので、その分見やすくはなっていたと思う。

「ハーレムきゃんぷっ」(BS11 全8話 原作:ユウキHB 製作:Studio HoKIBOSHI)
(3.5, 3.8, 3.7, 4.3, 3.8, 4.4, 3.5, 3.8; 30.8pt)
 ソロキャンプを楽しんでいた健介(雅仁)は、同じくキャンプに来ていた4人組のギャルたちと邂逅する。そのうち1人を少年と勘違いして嫉妬したのと酔った勢いでギャルたちのテントに潜り込むが、女の子と思って手を出したのは先の少年で実は女の子と気づく。そのギャルたちとは同じ学校で教師と生徒の関係になり、秘密を握られた健介はキャンプ部の顧問に収まり事実上ギャルたちのコマ使いとなってしまう。それでも女子たちには魅力的な健介に対しキャンプの場でギャルたちが愛嬌を仕掛けるキャンピングガールズハーレムラブコメ。
 5分エロアニメだと言うのに丁寧なあらすじを書いてしまった。。。所謂僧侶枠と呼ばれる男性向けセクシーミニアニメであり、有料配信では完全版として本番入りの展開が見られるのだが、そこまで支払う義理はない。今回見たのは声優の1人が気になったから(言いません)。思った以上に下世話が過ぎる内容で残念。
 
「ポプテピピック TVアニメーション第2シリーズ」(BS11/HTB 全12話 原作:大川ぶくぶ 製作:スペースネコカンパニー・神風動画)
(3.6, 3.7, 3.6, 3.8, 4.4, 3.9, 3.7, 3.8; 30.5pt)
 風刺が聞いた独特の構成(攻勢)が売りの喧嘩売りナンセンスアニメーション、まさかの2期。
 声優の起用法など1期放送時はセンセーションを巻き起こし良くも悪くも話題をかっさらい、いい気になって2期を作ってみたのだろうが、1期で正直やりきった感が強かったようで、2期でなにか新しいことが出て来たわけでもなく、マンネリ感の方が優ってしまった。ボブネさん(AC部)たちが頑張ってた回があったけど、正直彼らは好きじゃない。1期では上坂すみれの主題歌だけは良かったが、その分が丸々削られたのが今回のポイントなので、良くも悪くも前回と変わらず。

# by mfbox | 2023-01-08 21:22 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)

無事今年も新年を迎えました。早速ですが今冬のテレビ(アニメ)視聴計画です。今期は期待の新作が数多くあって、久々に純粋に楽しめそうです。それでは、今期の視聴計画をどうぞ。

<海外ドラマ>
なし

<スポーツ>
スキーワールドカップ(JSPORTSオンデマンド)

<アニメ>
(継続)
札◎僕のヒーローアカデミア 6期(STV 土曜 17:30)
札○うる星やつら(UHB 火曜 25:50)
札◎「艦これ」いつかあの空へ(BS11 時間不明/HBC)※全8話、3週延期により継続中

(旧作)
今の所なし

(新作)
◎文豪ストレイドックス 第4シーズン(BS11 1/5~ 木曜 23:00)
◎お兄ちゃんはおしまい!(BS11 1/5~ 木曜 24:30)
◎英雄王、武を極めるため転生す(BSテレ東 1/12~ 木曜 24:30)
◎ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 深章 厄災編(BS11 1/6~ 金曜 25:30)
○ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん(BS-TBS 1/6~ 金曜 27:30)
札◎NieR:Automata Ver1.1a(BS11 1/7~ 土曜 24:00/STV)
○イジらないで、長瀞さん 2nd Attack(BS11 1/7~ 土曜 25:00)
札○老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます(HTB 1/7~ 土曜 26:00/BS11)
△異世界のんびり農家(BSテレ東 1/8~ 日曜 24:35)
○しょうたいむ!2~歌のお姉さんだってしたい(BS11 1/8~ 日曜 25:00)
◎吸血鬼すぐ死ぬ2(BS11 1/9~ 月曜 23:00)
○虚構推理 Season2(BS日テレ 1/9~ 月曜 24:00)
○ヴィンランド・サガ SEASON2(BS11 1/9~ 月曜 24:30)
◎あやかしトライアングル(BS11 1/9~ 月曜 25:00)
◎にじよん あにめーしょん(BS11 1/10~ 火曜 21:54)
札○とんでもスキルで異世界放浪メシ(TVH 1/10~ 火曜 24:00)
◎痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2(BS11 1/11~ 水曜 25:30)

北海道の放送本数がグッと減ってしまったのが残念ですが、地上波専用にしていたBDレコーダーが壊れてしまったので正直あまり関係なくなりました。視聴がほぼ確定している17本を中心に取り上げると、あやかし、英雄王、おにまいと期待の新作が揃い踏みとなりました(図らずも全てTSもの(生まれ変わりの英雄王は微妙だが))。2期ものも防振り、文豪、ダンまち、虚構、吸血鬼、長瀞さん、ヴィンサガなど充実していて、本数を絞った割には見る前から充実感があります。にじよんと僧侶枠のしょうたいむは前期なかったショートです。視聴前期待度は、防振り2>おにまい>英雄王>あやかし>にじよん>吸血鬼>ダンまち>虚構>文豪>NieRです。NieRがどのくらいのポテンシャルを持つ作品なのか、前期のアークナイツくらいの出来は欲しい所で、BRS Dawnfallの二の舞はご免です。リーゼロッテは悪役令嬢もの?異世界ものは今期は北海道の放送ものとスローライフ系ののんびり農家に絞りました。恋愛系&○○さんものも継続の長瀞さんのみです。
# by mfbox | 2023-01-03 10:46 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)

 そろそろアニメ関連ではコロナの影響は切り離して良さそうな2022年、充実のアニメライフが戻って来たと実感します。そうは言っても、ジャンルの偏りが大きく、また放送作は傑作揃いでしたがきらら系の弾切れ感も感じ始めています。一方で予想外の話題作もほぼ毎クール出現し、その流れの中に身を任せたりもしました。そんな今年のアニメランキングを総まとめします。(異世界おじさん、艦これが延期未完のため暫定)

<<作品>>
【最優秀作】スローループ(1~3月、AT-X/BS11)CONNECT 35.2pt
【最優秀作】リコリス・リコイル(7~9月、BS11)A-1 Pictures 35.2pt
【傑作/TOP5】
3.うたわれるもの~二人の白皇(7~12月 BS11/HTB)WHITE FOX 35.1pt
4.ラブライブ 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期(4~6月、TVH/BS11/AT-X)サンライズ 34.8pt
5.まちカドまぞく 2丁目(4~6月、BS11)J.C.STAFF 34.6pt
5.メイドインアビス~烈日の黄金郷~(7~9月、BS11)キネマシトラス 34.6pt
5.ヤマノススメ Next Summit(10月~12月、BS11)エイトビット 34.6pt
【優秀作/TOP12】
8.その着せ替え人形は恋をする(1~3月、BS11/AT-X)CloverWorks 34.3pt
8.明日ちゃんのセーラー服(1~3月、BS11/AT-X)CloverWorks 34.3pt
8.プリマドール(7~9月、BS11)バイブリーアニメーションスタジオ 34.3pt
8.ぼっち・ざ・ろっく(10~12月、BS11)CloverWorks 34.3pt
12.勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う(10~12月、Abema/BSフジ)EMTスクエアード 34.0pt
【良作】
13.リアデイルの大地にて(1~3月、BS日テレ/AT-X)Maho Film 33.9pt
13.マギアレコード~魔法少女まどか☆マギカが遺伝~覚醒前夜/浅き夢の暁~(’21.7~3月、BS11/AT-X)シャフト 33.9pt
15.からかい上手の高木さん3(1~3月、HBC)シンエイ動画 33.8pt
15.新米錬金術師の店舗経営(10~12月、BS日テレ)ENGI 33.8pt
17.現実主義勇者の王国再建記(2期)(1~3月、BS11/HTB)J.C.STAFF 33.7pt
17.可愛いだけじゃない式守さん(4~6月、HTB)動画工房 33.7pt
17.デート・ア・ライブIV(4~6月、BS11)GEEKTOYS 33.7pt
17.盾の勇者の成り上がり Season2(4~6月、BS11)キネマシトラス 33.7pt
21.プリンセスコネクト Re:Dive セカンドシーズン(1~3月、BS11/TVH/AT-X)Cygames Pictures 33.5pt
22.鬼滅の刃~遊郭編~(21’12~2月、UHB)ufotable 33.4pt
22.カッコウの許嫁(4~9月、HTB)シンエイ動画&Synergy SP 33.4pt
22.咲うアルスノトリア すんっ!(7~9月、BS日テレ)LIDEN FILM 33.4pt
22.転生したら剣でした(10~12月、Abema/BS朝日)C2C 33.4pt
22.Do It Yourself(10月~12月、BS11)PINE JAM 33.2pt
27.社畜さんは幼女幽霊に癒されたい(4~6月、BS日テレ)Project No.9 33.3pt
27.オーバーロードIV(7~9月、UHB/AT-X)マッドハウス 33.3pt
29.ドールズフロントライン(1~3月、BS11/AT-X)旭プロダクション 33.2pt
29.異世界美少女受肉おじさんと(1~3月、HTB/AT-X/BSテレ東)OLM Team Yoshioka 33.2pt
29.異世界薬局(7~9月、BS日テレ)ディオメディア 33.2pt
29.異世界迷宮でハーレムを(7~9月、BS11)パッショーネ 33.2pt
29.ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮編(7~9月、BS11)J.C.STAFF 33.2pt
29.不徳のギルド(10~12月、BS11)TNK 33.2pt
35.失格紋の最強賢者(1~3月、AT-X/BS11)J.C.STAFF 33.1pt
35.であいもん(4~6月、BS11)エンカレッジフィルムズ 33.1pt
35.連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ(7~9月、BS日テレ)シャフト 33.1pt
35.シャドーハウス 2nd Season(7~9月、BS11)CloverWorks 33.1pt
39.天才王子の赤字国家再生術(1~3月、AT-X/BS日テレ)横浜アニメーションラボ 33.0pt
39.SPY x FAMILY 第2クール(10~12月、TVH)WIT STUDIO x CloverWorks 33.0pt
(旧作:AT-Xが見れなくなったのでほぼなし)

【個性的】BIRDIE WING~Golf Girls’ Story~、阿波蓮さんははかれない、理系が恋に落ちたので証明してみた r=1-sinθ(ハート)、かぎなど。2期、継母の連れ子が元カノだった、農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。、マブラヴオルタネイティブ(2期)、4人はそれぞれウソをつく
【不満作】賢者の弟子を名乗る賢者、終末のハーレム、くノ一ツバキの胸の内、RPG不動産、ブラック☆☆ロックシューター Dawn Fall、邪神ちゃんドロップキックX、はたらく魔王さま!!、転生賢者の異世界ライフ~第2の職業を得て異世界最強になりました~、ラブライブ スーパースター 2期、ハーレムきゃんぷっ、艦これ~いつかあの海で~
【見切り】平家物語
【映画】「映画「五等分の花嫁」舞台挨拶」(ライブビューイング)「劇場版「からかい上手の高木さん」舞台挨拶」(ライブビューイング)「映画ゆるキャン△ 舞台挨拶」(ライブビューイング)「ソードアートオンライン~プログレッシブ~ 冥き暗闇のスケルツォ 舞台挨拶」(ライブビューイング)「私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ」「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆」「かがみの孤城」

総評:視聴感覚的には充実していたのですが、ポイントを拾ってみると昨年からかなり減退しているのが違和感のあるランキングとなりました。2期ものが多かった割には伸び悩んだ作品が多かった印象で、これも例年とは少し違う傾向でした。世間で話題沸騰になったリコリコ、ぼっち、着せ替え人形、明日ちゃんなどは私も高評価した作品たちで、順当に上位に入りました。また、きらら系も概ね健闘し、スローループ、まちカド、ぼっちは期待通りの出来を見せ、上位にランクインしました(RPGは例外)。うたわれ、ヤマノススメは見事な大団円。前評判の悪さをストーリーの見直しでばん回しマイナスを最小限に抑えた虹ヶ咲はさすがのコンテンツだし、メイアビは独自性により磨きがかかっていました。ダントツの可愛さ押しだったプリマも高評価でした。巷に氾濫する異世界ものは12位以下となり、余程の印象を植え付けないと高評価は得られませんが、割と健闘した作品が多かったように思います(新米錬金術師と天才王子は異世界物ではありません)。また高木さんや式守さん、カッコウなど○○さん系・恋愛ものも今年は当たり年だったように思います(社畜さんは○○さん系ではありません(爆))。ゲーム原作は製作に苦戦したマギアレコードは論外として、プリコネやアルスノ、ドルフロがランクインしたものの全体的に伸び悩んだかな。

<<部門別>>
物語:うたわれるもの~二人の白皇(4.5)
世界観:メイドインアビス~烈日の黄金郷~、うたわれるもの~二人の白皇(4.6)
人物:リコリス・リコイル(4.5)
作画:スローループ、ラブライブ 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期、リコリス・リコイル(4.6)
声優:プリンセスコネクト Re:Dive セカンドシーズン、かぎなど。2期、ポプテピピック TVアニメーション第2シーズン(4.4)
魅力(演出):スローループ、その着せ替え人形は恋をする(4.7)
主題歌:スローループ、リコリス・リコイル(4.7)
劇中音:プリマドール、ぼっち・ざ・ろっく(4.3)

<<主題歌>>
【最優秀OP】1.人なんだ(Suara)※うたわれるもの~二人の白皇~ OP
【最優秀ED】2.宵加減テトラゴン(コーロまちカド(シャミ子(小原好美)、桃(鬼頭明里)、ミカン(高柳知葉)、リリス(高橋ミナミ))※まちカドまぞく 2丁目 ED
3.かたち(安月名莉子)※メイドインアビス~烈日の黄金郷~ OP
【個人的Top10】
4.シュワシュワ(Three∞Loop)※スローループ ED
5.Colorful Days! Colorful Smile!(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)※ラブライブ 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期 OP
6.Happy Encount(TRUE)※リアデイルの大地にて OP
7.ALIVE(ClariS)※リコリス・リコイル OP
8.青春コンプレックス(結束バンド)※ぼっち・ざ・ろっく OP
9.花の塔(さユり)※リコリス・リコイル ED
10.想いのち晴れ(あおい(井口裕香)、ひなた(阿澄佳奈))※ヤマノススメ Next Summit OP
【最優秀映像賞】Route Blue(中島由貴)※可愛いだけじゃない式守さん ED

総評:今年は2クール継続主題歌だったこともありうたわれOPが首位となりました。リコリコやアビス、虹ヶ咲など印象的な主題歌の作品が上位を占めたほか、高評価だったきらら系3作品から順当に主題歌がランクインしているのも特徴です。映像賞は降り掛かる火の粉を振り払うかのように和泉くんに襲いかかる様々な障害を防ぐ式守さんをコミカルなデフォルメアニメで描いた式守さんEDが受賞。

<<キャラクター、声優>>
【男性キャラ】オシュトル(ハク)(利根健太郎)「うたわれるもの~二人の白皇~」
【女性キャラ】海凪小春(日岡なつみ)「スローループ」
【ネタ(男子)】ロボ太(榊原優希)「リコリス・リコイル」
【ネタ(女子)】亜細亜実(竹達彩奈)「宇崎ちゃんは遊びたいω」
【男性声優】日野聡(神宮司司(異世界美少女受肉おじさんと)、武田尚虎(オリエント)、アインズ・ウール・ゴウン(オーバーロードIV、劇場版異世界かるてっと~あなざーわーるど~)、ベンジャミン、ベン(シャドーハウス 2nd Season)、煉獄杏樹郎(鬼滅の刃~無限列車編、遊郭編~)ほか)
【女性声優】久野美咲(ブラックトライク(ブラック☆☆ロックシューター Dawn Fall)、アルスノトリア(咲うアルスノトリア すんっ!)、クルミ(リコリス・リコイル)、ファプタ、イルミューイ(メイドインアビス~烈日の黄金郷~)、千代(プリマドール)、阿波連れん(阿波連さんははかれない)、シノノン(うたわれるもの~二人の白皇)ほか)
【新人声優】長谷川育美(アイーシャ・ウドガルド(現実主義勇者の王国再建記 2期)、南暁月(継母の連れ子が元カノだった)、喜多郁代(ぼっち・ざ・ろっく)、シオン(くノ一ツバキの胸の内)、志乃(社畜産は幼女幽霊に癒されたい)、小糸(うちの師匠はしっぽがない)ほか)

総評:今年は男性キャラはオシュトル(ハク)で割とすんなり決まりました。というより、演者的要素で(演者自身も)思い入れが強いキャラであり、様々な露出でそういった想いが伝わって来て、キャラクターの所作だけでない要素まで見えてくる特異な状況でのめり込むのは必定でした。一方の女性キャラは今年は激戦でした。最終的には奔放な可愛らしさが前面に出て、安心感のあるスローループの小春を選びましたが、各クールに複数の選ばなかったことを後悔したくなる推しキャラがいます(冬:小春、明日小路 春:風山絆、式守さん、夏:錦木千束、天野エリカ、秋:フラン、サラサ=フィード)。ネタキャラの男性は探しました。例年のような頭おかしいタイプのキャラがおらず、今期作を頭の中で振り返ること十数分、リコリコにいました!スペックは高いけどぶっ飛んだキャラが。ぶっ飛んでいるという意味では真島の方ですが彼はストーリーに深く関わりすぎているので、よりドライ(笑)なロボ太で。一方の女性も決め手に欠ける部分はありましたが放っておくとヤバい常時垂涎キャラの亜美で。声優は男性が危なく該当無しの可能性もあったのですが、ファ美肉やアインズ様と複数の主演+煉獄さんの余波もあり日野さんが受賞。松岡君がキャラ数では上回り今年こその可能性もあったのですが、いかんせんベル君以外はサブキャラで惜しくも次点。女性は8人ほど候補があり大激戦(特に早見さん)でしたが、7月クールの大車輪の活躍が大きく貢献して久野ちゃんに決めました。注目3作(リコリコ、プリマ、アルスノトリア)全出演に加えて強い想い入れをもって演じたファプタ・イルミューイのメイアビにも感動しました。新人枠は長谷川さんを選出。未だにアイーシャと喜多ちゃんを同じ声優が演じているとは信じられないのですが(汗)。ちなみに木野ちゃんとの争いで、仮に木野ちゃん受賞だった場合久野・木野でロリ声ペアになる所でした(滝汗)。

<<アニメスタジオ>>
1.CloverWorks(その着せ替え人形は恋をする、明日ちゃんのセーラー服、シャドーハウス 2nd Season、SPY X FAMILY 第2クール、ぼっち・ざ・ろっく ほか)
2.キネマシトラス(メイドインアビス~烈日の黄金郷~、盾の勇者の成り上がり Season2 ほか)
3.J.C.STAFF(現実主義勇者の王国再建記 2期、失格紋の最強賢者、まちカドまぞく 2丁目、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮編、 ほか)

総評:今年は誰もが認めるCloverWorksの年だったと断言していいでしょう。着せ替え人形・明日ちゃんのゴールデンサタデー24で出だしから見事に話題をかっさらうと、SPY x FAMILY(MAPPAとの共同)の人気作にも関わり、年の締めはぼっちで再び話題沸騰となり、年を通じてClover作品の話題に尽きなかったと思います。2位はメイアビ、盾と人気作品の続編を確実にトップクラスの作品に昇華したキネマシトラス。3位は相変わらずの作品の多さでJ.C.に。異世界ものが多かったですが、まちカドの安心感が大きく貢献しています。

<<イベント>>
1/8,9 Sony Music AnimeSongs Online 2022(配信:Streaming+)
1/16 MIYUKI HASHIMOTO Winter Live -yell!!- ~latte side/espresso side~(配信:Streaming+)
(参加取りやめ)2/25 ご注文はうさぎですか?Bloom Rabbit House Tea Party 2022
5/8 Rhodanthe* Music Festival 2022 大感謝!!(配信:Streaming+)
5/14 eufonius LIVE 2022 ~翠玉~ (配信:ZAIKO)
5/15 Nakajima Megumi Billboard Live 2022 2nd Stage(配信:Streaming+)
5/21 アサルトリリィ ミニトーク&ライブ 「#リリィ向上会議」3日目(配信:Streaming+)
6/5 Re:ステージ!稀星学園文化祭 高尾校編(配信:Streaming+)
6/11 異世界食堂2 スペシャルイベント 昼の部(配信:SPWN)
6/19 Re:ステージ!稀星学園文化祭 本校編(配信:Streaming+)
無)7/2 きららファンタジア リアルフェスタ2022 (配信:Youtube)
8/6 アサルトリリィ Summer Live 「Voller Blute」(配信:Streaming+)
9/11 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所(Day2)(配信:Streaming+)
9/17-18 ナガノアニエラフェスタ(佐久市駒場公園)
9/20 きんいろモザイクThank you!展(アベノラクバス特設会場)
9/20 絵師100人展12(ATCコンベンションルーム)
無)9/24 ANIPLEX ONLINE FEST(配信:Youtube)
無)9/25 TOHO ANIMATION 10周年記念大感謝祭(配信:Youtube)
9/25 ご注文はうさぎですか?Petit Rabbit’s ぷちラビバーチャルライブ 2022(配信:ZAIKO)
10/2 ヤマノススメ Next Summit オータムフェス 2022(配信:Streaming+)
11/13 進撃の巨人 The Final Season Special Event 2022(配信:ZAIKO)
11/13 「中二病でも恋がしたい!」10周年記念イベント『”極東魔術昼寝結社の夏”の秋の祝祭』(配信:ZAIKO)
11/13 高橋李依・上田麗奈 仕事で会えないからラジオはじめて5年たちました。昼の部、夜の部(配信:Streaming+)
11/20 可愛いだけじゃない式守さん スペシャルイベント 尊さ1000%プロムナイト(配信:Streaming+)
11/23 牧野由依 Billboard Live 2022(配信:RakutenTV)
12/4 Re:ステージ!PRISM☆LIVE!! 4th Stage ~Reboot~ 昼の部、夜の部(配信:Streaming+)

<<ネットラジオ>>
1.リコリコラジオ(安済知佳、若山詩音)(youtube)
2.仕事で会えないからラジオ始めました(高橋李依、上田麗奈)(インターネットラジオステーション音泉)
3.ガルフレ♪ラジオ「明音と文緒の聖櫻学園放送室♪」(佐藤利奈、名塚佳織)(響-Hibiki Radio Station-)
4.調査のご依頼お待ちしてます。(富田美憂、前田佳織里)(インターネットラジオステーション音泉)
5.縁・うたわれるものらじお(利根健太郎、赤崎千夏)(インターネットラジオステーション音泉)
6.転スラジオ(岡咲美保、熊田茜音)(youtube)
7.リステップTV(牧野天音)(youtube)
8.Fate/Grand Order カルデア・ラジオ局Plus(田中美海、高橋李依、大久保瑠美)(youtube)
9.スローループのらじおるーぷ(久住琳、日岡なつみ、嶺内ともみ)(インターネットラジオステーション音泉)
10.ラジオでもはたらく魔王さま(アニメキャストシャッフル)(youtube)

総評:夏の話題作リコリコの、ラジオもまた話題喝采で圧倒的1位でした。ラジオの定義はどこ行ったという感じで1時間超えは当たり前で、それが毎週、さらにパーソナリティーの話術も巧みなら企画力もまた凄くて、聞いてて楽しさしかありませんでした。2~4、8位はロングランの声優系ラジオで、面白さと安心感の同居は貴重です。youtubeでの放送が主体のラジオ番組も増え、今年は半分を占めました。一方でアニメ連動ラジオはアニメ放送期間に連動して1クールで終わってしまうものが多く、ランクインするのが難しくなっている気がします。

# by mfbox | 2022-12-29 20:01 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)

2022年夏のアニメ感想になります。今期は作品数は20作品(継続のうたわれを除く)と多めとなり、あたりはとことんあたり、外れはとことん外れと、両極端な評価となりました。狙って期待していたアニメは基本的に当たりだったので満足度は高めな今期のアニメ評価です。お待たせしました。どうぞ。

「リコリス・リコイル」(BS11 全13話 オリジナル 製作:A-1 Pictures)
(4.4, 4.3, 4.5, 4.6, 4.1, 4.5, 4.7, 4.1; 35.2pt)
 作戦遂行中に独断行動をとったことで作戦失敗の責任をなすり付けられて所属組織かが事実上追い出された井ノ上たきな(若山詩音)は、負傷を理由に隠居した元関係者のミカ(さかき孝輔)が運営する喫茶リコリコでバイトする所謂組織のはぐれ者錦木千束(安済知佳)とペアを組み独立行動による組織のサポートに回ることになった。始めは千束の感覚的な行動にそりの合わないたきなだったが、千束の信念や生い立ちを知るにつれ深い信頼を寄せるようになる。こうして最強ペアとなった千束とたきなが大活躍して平和に見せかけた社会をぶちこわして真実を明らかにしようとする敵勢力などを打ち破って行く超人的シューティングアクションバラエティ。
 これぞオリジナル作品のあり方というのを体現した、息詰まる展開、包まれた様々な謎、アクションシーン、予想の斜め上を行く物語など、とにかく視聴者を惹き付けるに十分な作品だった。ここまでワクワクが止まらなかったのはコードギアス以来かもしれない。当初は「この美」のいみぎむる先生の作画ということで、萌え的要素も期待しつつ予想外の方向性を見せてくれたらいいな程度に考えていたが、そんな程度で収まるような作品ではなかった。萌えポイントも含めた作画はもちろん、千束やたきななど人物に入れ込む要素もあるし、百合とか男同士とかちょっと方向性をずらして笑いも取ってみたり、メディア展開(ラジオとか)までも驚かされるし、何か良いとこばかりな作品でした。
物語:作戦失敗の真相やクルミ(久野美咲)の活躍と失態、千束の特殊な能力、真島(松岡禎丞)の目的、千束の生命の秘密とアラン機関の関係、千束と真島の邂逅など、それぞれの物語が緻密に練り上げられ、また複雑に絡み合って、片時も見逃せなかった。個人的には、たきながそれぞれに深く関わりながらも俯瞰しているような感じで展開しているのかなと思った。
世界観:一見平和に見えるが、その実は不安要素を秘密工作員のリコリスたちが処理して成り立っている前提の社会があって、そのまやかしを暴こうとする真島やロボ太(榊原優希)という対立構造が軸、なのだが、そこに千束が絡んだ途端関係性の根幹につながる面白さ。
人物:とにかくキャラクターがみんな個性的で圧倒される。アクション的に見ても心情的に見ても、千束やたきな、敵であっても真島など、行動原理を含めて強い意志があり、その活躍も含めて目が離せない。
作画:シューティングやバトルアクションなど繊細な動きが緻密に表現されているにもかかわらず、画面いっぱいに大胆に動かしており、作画リソースはヤバいことになっていたのではなかろうか。それだけ作品に賭ける想いも伝わってくる見事な作画だった。
声優:千束の飄々とした感じを見事に表現した安済さんの演技が素晴らしい。その他、声優的には決して豪華なものではないが、各キャラとも要所要所に記憶に残るような印象的な演技を見せていた。
魅力:人としての魅力は人物の項目で述べた通り。加えていみぎむる先生のソフトに萌える可愛らしい作画が作品のアクション性にたいして良いクッションになっている。
主題歌:OP「ALIVE」(ClariS)(4.7)、ED「花の塔」(さユり)(4.7)。OPはClariSの真骨頂とも言えるサッドネスポップ。短調系だけどすごく前向きな内容で、正直「コネクト」以来のヒット性を信じて疑わなかった。EDはすごくポップで、めくるめく展開を見せた物語を優しく締める欠かせない楽曲になった。歌っているのがまさかのさユりで驚きにたえなかった。
劇中音:物語の展開がめくるめく変わるので、BGMも正直落ち着かないくらいに様々な方向性のサウンドを見せていたと思う。

「メイドインアビス~烈日の黄金郷~」(BS11 全12話(最終話1時間) 原作:つくしあきひと 製作:Kimena Citrus)
(4.4, 4.6, 4.1, 4.5, 4.2, 4.2, 4.4, 4.2; 34.6pt)
 深層6層に到達したリコ(富田美憂)たち一行は、そこに住む先住の民と邂逅し、民たちとの様々なトラブルや、不思議な現象がありながらも触れ合いを深めていく。その先住の民たちはかつて難破船で大穴の島にたどり着き、最初に6層に足を踏み入れた冒険者たちで、ワズキャン(平田広明)の強力な指導力のもと、未知の現象に苦しみつつも、イルミューイ(久野美咲)の赤子を犠牲にしてまで、6層に適応する姿に変化してまで定住を選んだ罪の民だった。侵入した原生生物の打破のためレグ(伊瀬茉莉也)の放った火葬砲により村の守りが破られ、イルミューイの民たちへの恨みから生まれたファプタ(久野美咲)侵入を許した結果、程なく訪れる民たちの村の崩壊による混乱の中を、リコたちが生き延びる様子を描いた異世界アドベンチャーファンタジーの第2期。
 1期は大穴の深部への挑戦という冒険色の強い物語だったが、本作では先住民との親交(良いことばかりではないが)など人間(?)関係の構築に軸が置かれた。その分深層への冒険要素は一休みとなったが、先住民たちの過去の激動展開もあって引き続き惹き込まれる作品だった。ここまでの展開を見ていれば住民が異形であることには今更驚かないが、それでも過去の人間の姿との対比から異形のバリエーションや能力の引き出しには驚かされる。
物語:リコたち視点では、村での不思議体験やトラブルに終始し展開としては小さめだが、先住民たちの冒険の惨さが圧倒的で、やはり結構堪えるディープな物語。
世界観:舞台はほぼ6層のなれ果て村に限られるのだが、先住民たちや原生生物など、相変わらず特殊性の強い圧倒的な世界観に惹き付けられる。
人物:先住民たちは欲に忠実なきらいがあって、ファプタ含めリコたちに対して害をなすこともしばしば。またワズキャンの異様な雰囲気は印象的ではあるが恐怖すら感じた。
作画:異形メインになるので美麗なわけがなく、評価に悩む所ではあるが、その異形の姿であったりなれ果て村の独特な風景が描かれている緻密さを買った。
声優:親子2役を演じた久野さんの役に賭ける想いを随所で聞き、まさに心血注いで生命を吹き込み得られたのがあの演技だと思うと感慨を禁じ得ない。今期大活躍の久野さんの代表作とも言えよう。
魅力:もうまともに人として存在しているのがリコくらいという状況なので、リコの存在は物語的にも作画的にも安心感がある。
主題歌:OP「かたち」(安月名莉子)(4.7)、ED「Endless Embrace」(Myth and Loyd)(4.0)。OPは前作のキャラクターによる楽曲が神曲だったので少し不安もあったが、作風に寄せた妖しさを含みつつも前作同様前向きさを出した明るい楽曲。ただ、歌詞は意外と怖いこと言ってる。EDは何が起こるか判らない独特の雰囲気を帯びたダークな楽曲。ブギーポップ以降のMyth and Loydは特にこういう雰囲気の楽曲が増えた気がする。
劇中音:なれ果て村の住民は姿も独特なら移動時の音も独特。マジカジャ(後藤ヒロキ)のカラカラ音などは特にリコと深く関わったこともあって登場も多く印象深い。

「プリマドール」(BS朝日/Abema 全12話 原作:Key/Visual Arts 製作:Bibury Animation Studio)
(4.2, 4.2, 4.3, 4.5, 4.3, 4.6, 3.9, 4.3; 34.3pt)
 戦時において戦闘用として生産された人形たちは、戦争終結により行き場を失ったが、御曹司のナギ(村瀬歩)は一部の人形たちを引き取り、水からが経営する黒猫亭の担い手として雇用していた。そんな黒猫亭の地下室で目覚めたオートマタの灰桜(和氣あず未)が、自らの記憶を失ったまま、ウェイトレスとしてはおぼつかないながらも、何故か強い想いのある歌で活躍し、一人前の担い手として成長して行く姿を描いた美少女オートマタワーキングファンタジー。
 様々な作画クリエーターが参加し、あのkeyがプロデュースする見かけは美少女喫茶店アニメで、きんモザの原悠衣先生も月下(富田美憂)のキャラデザで参加している。泣きのkey作品であることから想像出来ると思うが、物語の最後は灰桜にとって激動の展開となるので、上記の説明でははっきり言って書ききれていない。そういう判らない所も含めて元来のオリジナル作品の楽しみ方なので、そういった意味では展開が充実していることにもつながるのだろう。御涙頂戴的な感動を強く意識した作品ではあるが、そこまで入れ込まなくても物語としての完成度も高いと思う。
物語:終戦したとは言え、裏で火種が燻っているので、物語としては広げやすいのだが、せっかくの可愛い黒猫亭の乙女たちが巻き込まれてしまうと考えると、嫌な感情が沸いてくる。
世界観:人形の世代による従属ルールなど結構細かな設定がある。ただ、それは戦争に必要な技術であり、最終的には灰桜の”歌”もそこに関わってくる。
人物:オートマタではあるが人間同様に感情が豊かで、冷却液と言う名の涙を大量に流すシーンも多く感動を呼ぶ。
作画:多クリエーターによる作画はまとまりに欠けることも多いが、本作はキャラ画への力の入れようが凄く、美麗さを感じるしかなかった。
声優:登場人物は多くないものの、ツボを着いた声優陣。そして富田、鬼頭揃い踏みとあっては、見逃すことなどあってはならない。
魅力:人形たちは見た目少女なので、黒猫亭で働いている分にはジェネリックきららと言えなくもない萌えアニメ。また、灰桜や黒猫亭を見事にサポートする千代(久野美咲)の存在も大きな癒し。そしてここまで久野ちゃん登場パーフェクト。
主題歌:OP「Tin Toy Melody」 (3.9)、ED「想灯歌」 (3.9)(ともにシャノワール(灰桜(和氣あず未)、鴉羽(楠木ともり)、月下(富田美憂)、箒星(中島由貴)、レーツェル(鬼頭明里))。OPは優しい歌声が特徴の哀愁漂うポップバラード。ヒット性のあるもっとポップな楽曲を使う案もあったようだが、作品の雰囲気が決して明るくないので、こちらの方が合っていた。EDは第6話から固定された。物語を通じて5人がそれぞれ誰かを想う心を強く灯らせるまさにタイトル通りの楽曲。
劇中音:シャノワールの楽曲は、ソロも含めて早い段階から露出があり、耳馴染みのものもあった。歌をテーマにしてもいるので、楽曲に対する強い意気込みが聞いていても感じられる。

「カッコウの許嫁」(HTB 全24話 原作:吉河美希 製作:シンエイ動画&SynergySP)
(4.1, 4.1, 4.0, 4.5, 4.2, 4.5, 4.0, 4.0; 33.4pt)
 貧乏な食堂経営一家の長男である海野凪(石川界人)は貧乏ながらも充実した学生生活を送っていたが、ある日、自身が取り違え子で本当は裕福なホテル王の子供だったと告げられる。加えて、両家の親同士の勝手な取り決めにより、富豪の娘との許嫁関係を決められてしまっていた。だが実は想いを寄せる相手がいて、納得いかないまま登校した凪は、歩道橋の欄干に乗っていた美少女を見つけ、飛び降りと勘違いして飛びつく。その娘こそ件の許嫁である天野エリカ(鬼頭明里)であり、こちらもまた許嫁には納得していなかった。ホテル王の親に良いように丸め込まれ共同生活を送ることになった2人は、親の言いなりになるまいと抵抗しながら、凪の想い人である才女瀬川ひろ(東山奈央)や実は兄好きなツンデレ妹の海野幸(小原好美)も巻き込んで複雑な四角関係を展開する取り違え子パラドックスラブコメ。
 入れ替わりコメディ「山田くんと7人の魔女」が好評だった吉河美希先生の、違った意味での入れ替わりを扱ったセンセーショナルラブコメ。ヒロインのエリカの美しさとそれを鬼頭さんが演じることもあってかねてから注目しており、また後番の「式守さん」とラブコメ続きなのも興味を惹いた。4月末と、通常よりかなり遅れての開始となった本作だが、10月第1週にさしかかり最終回は2話連続もこなしつつ、2クール24話を走りきった。2クールなので、4人の感情の浮き沈みや向く方向がめまぐるしく変わって、複雑な青春事情がやきもきしつつも楽しかった。なにより、ヒロインたちを如何に美しく描くかが本作の肝だったので、そこはベテラン製作が頑張ってくれた。
物語:取り違えたのが男女だったのならいっそ2人くっついてしまえば両家にとってハッピーなんて考え方が斬新でいきなり面食らった。別に好きな人がいるのも含めて、ラブコメ要素は王道そのもの。
世界観:海野家は貧乏ながらも幸せそうな雰囲気が感じられるのが良い。一方の天野家はいかにも富豪という感じに金にモノを言わせた贅沢っぷりが共同生活家屋などに感じられる。
人物:可愛い自分に陶酔する常識欠如許嫁、ミステリアスに少し悪意混じりな想い人、ツンデレが過ぎて兄にあたりの強い妹、凪は3人に振り回されまくりで、こちらも男なので凪に感情移入して、彼女らを面倒くさく思ってしまう。
作画:美少女たちを如何に生き生きと動かすかにかかっていたので、そこをしっかり描写して来たのはさすがベテランスタジオと言った所。その分背景描写は比較的淡白だったかもしれない。
声優:声優ラインナップが視聴決定のきっかけにもなっているので充実している。特に4月期はまちカドも鬼頭・小原コンビなので対比が面白かったりした。
魅力:あまり正ヒロイン推しはしないタイプの私ですが、本作においては断然エリカ推し。それだけエリカの美しさ、可愛さに魅力が詰まっているということ。
主題歌:OP「凸凹」(吉岡聖恵)(3.9)、「Glitter」(sumika)(3.7)、ED「四角運命」(三月のパンタジア)(3.8)、「HELLO HELLO HELLO」(藍井エイル)(4.6)。OPは前半は恋の楽しさをソフトに歌い上げた感じ。後半は慌ただしい共同生活をばたばたな楽曲で表現した感じ。EDはパンタジアの方は複雑な3人の想いのうねりを疾走感とダークさで表現したハードな楽曲。また、カッコウにエイルが起用されるとは思わなかったが、かつてないスローな優しい楽曲に新しい一面を見た。
劇中音:人間関係を集中して追っていたので、BGMなどに特段注目すべき点は感じなかった。

「咲うアルスノトリア すんっ!」(BS日テレ 全12話 原作:ニトロプラス 製作:Liden Film)
(4.0, 4.2, 4.2, 4.4, 4.2, 4.5, 3.9, 4.0; 33.4pt)
 全寮制の魔法学園都市で、魔法や礼儀作法を学ぶアルスノトリア(久野美咲)たちアシュラムの生徒たちが、裏でうごめく騎士団たちの不穏な動きと切り離された中で、同寮の親友たちと淑女らしく振る舞おうとしながらも、賑やかにお茶会を楽しんだりする魔法系ゆるふわ日常スクールライフ。
 ゲーム原作のアニメ化で、萌え系バリバリの美少女たちと格好いい系の美男子騎士たちが混在して、交わった所で衝突し騎士の能力と少女たちの魔法が激突してバトルが始まる、というのを期待していたしOPもそれを想起させるものだったので、アルスノトリアたちの日常がずっと続く一方、「Warning」と称して騎士団たちが暗躍しそれとなくアシュラムに近づきつつあるような演出もみられ、邂逅も時間の問題化と思いながら見続けたが、最終話までとうとう邂逅すること無く終わってしまい壮大な肩すかしを喰らわされた。アルスノトリアたちの日常パートはオチ無しヤマなしながら異世界日常アニメとしてはよく出来ていたと思うので、絡みもしない騎士パートを何故入れたのかと言う疑問が余計に頭に残ってしまった。
物語:お淑やかでありつつも楽しいアシュラムの生徒たちによる学園生活がメインで、あまり浮き沈みのないお話。日常もの好きにはこれで十分なだけに、騎士パートの必要性にやはり疑問が残る。
世界観:エレガントに魔法を使いこなす様子など、魔法学園らしさが十分表現されている。ただ、騎士団が外界で暗躍し、最終目標がアシュラムのように見せているので、アシュラムが隔離世界である可能性がある。
人物:無口少女、元気娘、マイペース、実直クール、淑女気質と、メインキャラの個性が強く、サブキャラも個々に独特の雰囲気を纏っていて、キャラクターアニメとしてはよく出来ている。
作画:少女たちの萌え画、騎士たちの美麗画、そして魔法学園の背景描写など、崩れも無く細かな描写が出来ていると感じる。衣装や小物など、細かな所にもこだわりが見える。
声優:今期数多くの当たりアニメに出演し凄い活躍の久野美咲だが、その中でも本作はゲームの時からの主演。また富田さんもいて、プリマやアビスとも被り何を見ているのか混乱しかけたことも(笑)。
魅力:メインキャラたちを可愛く描くことに力を注いでおり、あからさまに萌えアニメの印象を与えている。私はこういうのは大好きなので当然高ポイントだが、ますます騎士たちの存在意義が。。。いや、もういいか。
主題歌:OP「はじまりへと続く場所」(ハナウタ(第5寮)(アルスノトリア(久野美咲)、メル(花井美春)、小アルベール(富田美憂)、ピカトリクス(幸村恵理)、アブラメリン(松井恵理子)))(4.0)、ED「With You」(cluppo)(3.8)。OPはメインのキャストたちが明るく可愛く歌い上げているが、魔法学園の楽しい日常と騎士たちの不穏さが混在した、温厚と激動の合わさった楽曲。この通りに話が進んでいれば完璧だったのだが。EDはやや暗めのスローテンポな楽曲で、独特な歌い口調が少し不穏さも混じって印象的。
劇中音:魔法は多用されているが、あまりサウンド的に印象を強める演出は見られていないと感じた。

「オーバーロードIV」(BS11 全13話 原作:丸山くがね 製作:マッドハウス)
(4.1, 4.4, 4.0, 4.2, 4.2, 4.0, 4.3, 4.1; 33.3pt)
 複数の隣国と秘密裏に、時に敵対的に関係を持ちつつ国力を上げて来たアインズ(日野聡)は、遂に魔導国として国の設立を宣言した。あまりに強大な魔導国の国力を前に各国は対応を考えあぐね、あからさまに媚びる国もあれば静観を決め込む国もあった。しかし、ちょっとした貴族の過ちがきっかけで王国は殲滅を宣言されるが、その裏には王女ラナー(安野希世乃)の密かな計画もあって。未だ判らぬワールドアイテムの使い手の存在という不安を抱えつつも、魔導国の強さを見せつけ支配を強めるアインズたちの暗躍を描いた異世界アンデッドダークファンタジーの第4期。
 オーバーロードも4期まで来た。1期で身内の反旗という最大の危機を乗り越えて以降、それ以上の危機が無いためぱっとせず、また魔導国の強さが弱いものイジメにも見えかねないあまり良くない話が2期、3期と続いたが、今期は、国を滅ぼすと言う、魔導国としてはかなり大掛かりなことに踏み出した分、話のインパクトは上がった。また、視点が王国側にも分散したので、やられる側の対抗っぷりも味わえて、2倍の楽しみ方を味わえたかなとも思う。
物語:魔導国対各国という構図が明確となり、国家による対応の違いを明確にしつつ、王国に対して圧勝確実の戦争を細かく魅せていた。ドワーフ絡みの物語は箸休め的に捉えれば良いか。
世界観:自らの国力を自覚した上で、隣国に対して見下した見方をとれるのが魔導国が中心のこの世界の特徴。この見方は、転スラのそれ(自国を強いと認識しつつも対等に交渉)と比較するとその違いが良くわかる。
人物:魔導国側はアインズ様への信頼がぶれないので心情の変化に乏しく、キャラの仕草などでコミカルに表現するくらいしか動かせない。その分各国の慌てふためく様を見ている方が面白いが、醜い計略も透けて見えるので、良い評価を与えられる人物に乏しいのが痛い所。
作画:4期ともなり描き慣れたこともあってか、だいたいのキャラは特に意識することも無く普通に良い作画として見られた。ただオバロはどうしても表情を醜悪にしたがるので、エレガントさに欠ける分ポイントは伸び悩む。
声優:今期も新キャラは数多く出るが、話を長引かせないのでパッと出で終わってしまうため、声優陣が豪華なのか判りにくい。松岡くんもいるんだけどアホ貴族なんだよなぁ。
魅力:魔導国に限らずだいたいのキャラはどこかぶっ飛んでいて頭のネジが歪んでいるので、そういう方向に魅力を感じる人でなければ魅力的な要素は見出しにくい。全滅方針に対し救いの具申をした新井さんのキャラがいるけど犬顔だしなぁ。
主題歌:OP「Hollow Hungah」(OxT)(4.7)、ED「No Man’s Dawn」(前島麻由)(3.9)。OPはオバロではおなじみのOxT。今回はアコギのリフを印象的に使い狂気の喜劇を歌い上げてみせた。EDはソロとして戻って来た前島さんの渾身のバラード。王国をイメージし深みにはまる様子をDawnと称しつつ、映像では魔導国の面々の圧が圧倒的だった。
劇中音:バトルや戦乱が多かったので、そういった関連の盛り上がりの歓声、掛け声の迫力があった。

「異世界薬局」(BS日テレ 全12話 原作:高山理図 製作:ディオメディア)
(4.2, 4.2, 4.1, 4.5, 4.1, 4.3, 3.8, 4.0; 33.2pt)
 一流の研究者であった薬剤師の男は、その激務に倒れ床に伏す。次に目覚めると、異世界の宮廷薬剤の息子ファルマ(豊崎愛生)として転生していた。しかし異世界の状況は元の世界に遠く及ばず、お世辞にも健康管理が出来ているとは言えない惨状を憂いたファルマが、何故か身に付いていた薬神の力と前世の薬の知識をフル活用して、まともな治療も受けられなかった異世界の医療環境を変え、多くの人を救っていく異世界転生メディカルチートファンタジー。
 今期も数多かった異世界ものの中で、一番見やすかったのがこの作品。お決まりのチート能力はあれど、様々な困難を目の当たりにしつつも、策を弄して医療行為という目に見える形で人々の救済に取り組む姿や物語の展開は共感を得やすいと思えた。また、作画、特に主要キャラの表情はかなりレベルが高く、萌え要素も備わっていたのは、個人的には評価しやすい。
物語:ファルマの行動には人助けが先にくるので、対象者が救われることで良い話の印象で終われる。繰り返しによりマンネリ化の恐れもあったが、良いイメージが打ち勝った感じ。
世界観:健康環境としては腐敗しているはずだが、その割には小綺麗な町並みなのが微妙なずれを感じるものの、まだ十分な薬のなかった中世欧州をイメージした統一的な雰囲気がある。
人物:ファルマの能力が絶大過ぎるがため、商品などがなかなか受け入れてもらえないのは分かるが、懐疑心が出過ぎたキャラが多少目立っていたのが気になる。
作画:ファルマや従業員たちを含め、優しさがにじみ出る丸く大きな目を中心とした幼げな表情で、萌え要素の強い人物画の印象が強い。背景の中世感も画一的で安定している。
声優:登場人物が限られるのもあって豪華さには欠けるが、メインは有名どころをしっかり抑えてある。ファルマの父(乃村健次)もいい味だしてます。
魅力:薬局の職員たちを可愛く描いていて萌えポイントは高いのだが、ファルマと衝突する人物たちには見にくい要素も付き纏い、高評価の妨げになっている。
主題歌:OP「夢想的クロニクル」(石原夏織)(3.8)、ED「白雨」(Little Black Dress)(3.7)。OPは2期連続の主題歌となる石原夏織の爽やかなポップソング。EDは初めて聞くグループの曲でアニソンらしさはない。使用部分はバラードだが後にポップに変わるのは以前TRUEがやっていた技術。
劇中音:薬生成の場面では詠唱も絡んだりするのでそれなりの効果音もあったが、全体的にはストーリー重視でサウンド面への重みは感じにくかった。

「異世界迷宮でハーレムを」(BS11 全12話 原作:蘇我捨恥 製作:パッショーネ)
(4.2, 4.1, 4.2, 4.3, 4.1, 4.5, 3.8, 4.0; 33.2pt)
 妖しげなネットゲームに手を出してしまった加賀道夫(八代拓)は、ゲームの開始とともに異世界に飛ばされ、戻れないことに気づく。元の世界に絶望していたこともありこのゲーム世界で生きることを決めるものの、現実との違いに困惑しながらも、自らのステータスを自由に再設定出来ることをゲーム感覚に捉えて、モンスターとの戦いで経験値やお金を稼ぎ、妖艶な異種族少女たちを(性)奴隷として雇い、幸せな(性)生活を作り上げるまでを描いた異世界ダンジョン攻略ファンタジー。
 所謂セクシーアニメの部類で、女性側が奴隷意識が強いため積極的で、性交シーンもあってエロ度は強めだが、意外なのは道夫のレベルアップの過程をダンジョン攻略を通じてしっかり描いていることで、異世界バトルものとしてもちゃんと楽しめる所。AT-Xが見れない環境になったため、フルに楽しめていないのが残念なところ。今後見れる機会があるといいな。
物語:異世界で生きて行くことを決めた道夫が、異世界で稼げるようになるまでの過程が丁寧に描かれ、ロクサーヌ(三上枝織)を手に入れるまでの苦労の描き方で、本作が地道な成長過程をしっかり描く方向性を把握するとともに感心した。
世界観:場所の文字テロップの雑さはちょっとどうかと思うが、異世界の街や賑わいなどを丁寧に表現し、冒険ものの雰囲気をしっかり出している。
人物:ロクサーヌの純粋で献身的な貢献がバトル面でもプレイ面でも大きく、本作の大半の要素を占めている。残念なのはセリー(井澤詩織)の加入までしか描かれず、残る3人のシーンは殆ど無く、アルスノトリア同様騙されたような気持ちになる。
作画:必ずしも美麗とは言えないが、セクシーアニメなだけあって女性キャラの妖艶さには深いこだわりを感じられる。
声優:やはり三上枝織がこのようなセクシー系作品に登場したのが特筆でしょう。アッカリーン//も成長したものだ(爆)。残り3名がまともに描かれていればろこどる以来のW井澤を楽しめたのに、残念。
魅力:お約束な所はあるのだろうが、道夫が実直でありながらも性にどん欲で、ロクサーヌも主人に強い忠誠を示しているので、性交シーンのラブラブ度が凄いことになっている。正直に言うとやはり他のキャラとの絡みも見たかった。
主題歌:OP「Oath」(ロクサーヌ(三上枝織)) (3.7)、ED「紳士の取引60万ナール」(加賀道夫(八代拓)&アラン(三宅健太))(3.8)。OPは本作のハードな面を表現した激走曲。三上さんはごらく部を長くやって来たので歌の経験は十分のはずだが、心もとなく聞こえたのは歌の方向性の問題か。EDはやってくれました!ロクサーヌを手に入れるまでの初見の気持ちや資金稼ぎを含めた過程を全て詰め込んだ面白曲で、アランのセリフパートのインパクトがたまらなく大きく爆笑。
劇中音:ステータス確認の単純なウィンドウ音があるくらいで目立った効果音はなかったように思う。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮編」(BS11 全11話 原作:大森藤ノ 製作:J.C.STAFF)
(4.1, 4.4, 4.1, 4.3, 4.3, 4.1, 3.8, 4.1; 33.2pt)
 意志のある魔物たちを深層に返し、様々な戦いを経てさらにレベルアップしたベル=クラネル(松岡禎丞)とヘスティア・ファミリアに、レベルに応じた深層攻略の命がギルドから下る。所属メンバーの関係者を伝手に有志を募り、体制を整えて向かった未踏の25層以下で繰り広げられる未知のモンスターとの激しいバトルを描いた異世界ダンジョンバトルファンタジーの4期前半。
 ベルのバトルを通じての成長物語を根幹としている作品本来の姿である、ダンジョン攻略を通じての戦闘がメインストーリーとしてようやく戻って来た。外伝、2期、3期とダンジョンバトル以外のゴタゴタばかりでのめり込めなかったので、これは嬉しい。相手にする魔物が強力であるほどベルの逆境からの逆転に興奮出来るので良いのだが、後半は相手が強過ぎてどうなるのかと思ったらまさかの分割2期。さらなる絶望からのスタートとなる1月からの後半が気が気でならない。
物語:本作の真骨頂であるダンジョンでの派手なバトル展開が戻って来た。やはりダンまちはこうでなくては。ただ、異世界ものが流行中の最近よく見かけるのだが、腕切断という大重傷を次の回にはあっさり治してしまうのは、事態の深刻さを無かったことにする表現でよろしくない。
世界観:ダンまちの肝はダンジョン攻略だと思っているので、本作は原点に立ち返ってダンジョン攻略をメインに据えている所が高評価。本来の主要キャラであるヘスティア(水瀬いのり)やアイズ(大西沙織)の登場は殆どないが、登場人物が多くなった今ではこれも仕方なし。
人物:ベルたちのパーティーは難敵に一丸となって立ち向かっていてみんな素晴らしいが、予知夢の予言があるとはいえカサンドラ(真野あゆみ)の後ろ向きな行動はあからさまに足を引っ張っておりストレスがたまる。
作画:強敵を相手にしていることもあり、激しい戦闘を見事な動的描写で表現している。
声優:キャラクターも多くなってきて、もう声優の面子も豪華なのかどうなのか分からなくなった。主要メンバーに変化無いので、前作同等ということで。
魅力:激戦のためみんな余裕が無く、表情も厳しい。戦闘の姿に魅力を感じる性癖で無ければ、特にキャラクターそのものに対する魅力を見出すのは難しい。
主題歌:OP「天灯」(sajou no hana)(3.9)、ED「Guide」(早見沙織)(3.7)。OPは遂に井口裕香が外れ、前作のED担当が昇格。激動の展開を示すような疾走感のある曲だが、爽快感も残る。EDはしっとりとした純なバラード。歌の上手い早見さんは物語中ではリュー役なので、後半のキーパーソンである彼女との関係が気になる。
劇中音:激しいダンジョンバトルなので、BGMもそれに合わせて荘厳かつ派手な雰囲気。

「(連盟空軍航空魔法音楽隊)ルミナスウィッチーズ」(BS日テレ 全12話 原作:島田フミカネ & Projekt World Witches 製作:シャフト)
(4.2, 4.3, 4.2, 4.3, 3.8, 4.4, 3.8, 4.1; 33.1pt)
 各地でネウロイとウィッチーズとの激しいバトルが繰り広げられているころ、戦闘要員からはみ出てしまい失意の中にあった所謂落ちこぼれウィッチたちは、癒しを届ける音楽隊の募集を目にし、それぞれの想いを胸に面接に集まる。そんなウィッチのいのり(細川美菜子)とミラーシャ(藍本あみ)は、とある街で出会った1人の少女の歌声に耳を奪われていた。そんな希有な存在の少女ジニー(鳴海まい)も加えて結成された音楽隊=ルミナスウィッチーズが、戦乱に疲弊した世界を音楽で癒していく様子を描いた航空魔法戦争ファンタジーの非戦闘外伝。
 事前展開がかなり早く、放映までの期間が長くなったため、期待とともに不安も多く、戦わないというコンセプトやライブでの歌唱力の不安、メンバーの脱退などのトラブルもあった。だが、ふたを開けてみれば、構成の上手さや作画の良さ、楽曲の良さにも助けられ、予想以上に楽しめた。やはり曲がりなりにもウィッチーズシリーズということなのだろう。
物語:音楽隊結成までの過程、最初の成功までの道のり、世界に必要とされる存在になるまでを緻密に描いており、戦闘がなくともルミナスたちだけでしっかり物語が成立している。
世界観:戦闘をしないのでネウロイも登場しないが、平和とは違うのは、訪れた先々での建物の崩壊などで伝わってくる。「ネウロイが存在しない」某ギャグ作品もあったが、あちらと比べるまでもなく疲弊した世界がしっかり表現され、その分ルミナスの必要性も浮き彫りになる。
人物:ルミナスが成功する過程をしっかり描いているので、失敗や困惑、衝突も含め各キャラの心情や関係性の変化が丁寧に読み取れる。最後に成功を勝ち得るだけに見てて清々しくもある。
作画:ウィッチーズシリーズも多数のスタジオを転々としてきたが、人物描写にかけては随一の出来ではなかろうか。キャラ名をしつこく出す手法はアサルトリリィでも使われ、佐伯シャフトの手法として定着しそう。
声優:全てのメンバーが新人クラスであり、当初の歌唱力の不安もあってどうしても声優力としては劣る。グレイス役の小松未可子が作中のようにまとめ役になっていそう。トピックとしては、石田燿子が本当に大尉役として登場した。
魅力:キャラクターがとにかく可愛く描かれている。ウィッチの光り表現も相まって神々しさすら感じるくらい。
主題歌:OP「Wonderful World」(3.8)、ED「わたしとみんなの歌」(3.7)(共にルミナスウィッチーズ(ヴァージニア・ロバートソン(鳴海まい)、渋谷いのり(細川美菜子)、リュドミラ・アンドレエヴナ・リンナマー(藍本あみ)、アイラ・ペイヴィッキ・リンナマー(真宮涼)、エレオノール・ジョヴァンナ・ガション(都月彩楓)、マリア・マグダレーネ・ディートリヒ(古仲可奈)、マナイア・マタワウラ・ハト(結木美咲)、シルヴィ・カリエッロ(吉北梨乃)、ジョアンナ・エリザベス・スタッフォード(豆咲りお))。そもそもの作品コンセプトが歌うウィッチなので主題歌がルミナスになるのは当然ではあるが、OPはチームの統一感を重視、EDはメンバーの仲の良さを表現し、共に楽しい雰囲気で聞き応えのある楽曲。
劇中音:チャンピオンデータ(最も上手い音源)だとは思うが、挿入歌の数々はどれも上手く歌い上げられていた。

「シャドーハウス 2nd Season」(BS11 全12話 原作:ソウマトウ 製作:Clover Works)
(4.1, 4.3, 4.0, 4.2, 4.2, 4.0, 4.3, 4.0; 33.1pt)
 影人がその対の人形(人間)を従えて生活を送るシャドーハウスの中で、一人前のシャドーとしての新人披露儀礼を通過したケイト(鬼頭明里)とエミリコ(篠原侑)は、シャドーハウスの有り様を打破すべく秘密を探り続けていた。そんな中、ハウスの手入れを行う人形組が集う「こどもたちの棟」では妖しいローブを纏った影の出現に混乱し、ケイトたちが疑いをかけられることになる。疑いを晴らすべく、また秘密裏に棟の構造把握も兼ねて、ローブ様の秘密を暴くため立ち上がるケイトたちを描いたブラックノーブルミステリーの第2期。
 2期ではあるが、物語の本筋であるシャドーハウスの秘密からは外れた外伝的物語に終始してしまった。こどもたちの棟での事件はケイトたちの目的にとっては足枷にしかなっておらず、物語の実質のメインキャラもローズマリー/マリーローズ(中原麻衣)やバーバラ/バービー(釘宮理恵)ら星つき組であり、ケイトたちを中心としてみる視聴者側からすれば、その活躍がきちんと描かれていたとは言えず、中途半端感が否めない。
物語:ローブ様騒ぎの収束という視点で見るなら、纏まった物語。ただ、視聴者側が求める物語のスケールからはほど遠い内容。
世界観:前作同様ややホラーチックでもあるシャドーハウスの異様なダークな雰囲気がしっかり表現されている。
人物:ケイトやエミリコが活躍してこその物語なのに、外野に当たる実質メイン組の物語に終始してしまい、彼女らの活躍はあまり見せられていなかった感じ。
作画:登場人物の半分は黒塗りなので、着衣やアクセサリーなどで人物の特徴を表現する難しさがある。とはいえ、本作は表情のある人形側のシーンが実は多い。
声優:実質メインを張ったのが、重鎮とも見なせるベテラン組なので存在感が強い。その他は前作と大きく変わらず。
魅力:元々人形たちを可愛く描くことには拘っていないが、洗脳コーヒーで死んだ魚の目化したり、バービーの鬼のような表情など可愛さからわざわざ遠ざかろうとしているように見えた。
主題歌:OP「シャル・ウィ・ダンス」(ReoNa)(4.7)、ED「masquarade」(ClariS)(3.9)。OPはこどもたちの棟の人形たちがせわしなく動き回る様をダンサブルな楽曲で表現したReoNaの新境地。EDはClariSがリコリコとのW主題歌。ダークなバラードで雰囲気は合っているが、リコリコ側の眩しさに影響されW主題歌の負の面が出てしまった。
劇中音:作風からホラー感を強めるようなBGMや効果音があっても良いと思ったが、そういった印象づけはあまり感じられなかった。

「継母の連れ子が元カノだった」(BS日テレ 全12話 原作:紙城境介 製作:Project No.9)
(4.2, 4.1, 3.9, 4.4, 4.1, 4.3, 3.8, 4.0; 32.8pt)
 読書好きの伊理戸水斗(下野紘)と綾井結女(日高里菜)は互いの共通点から恋愛に発展し、中学時代付き合っていたが、チョットしたすれ違いから卒業を機に分かれてしまう。しかし、共に片親だった2人の親同士がまさかの再婚、2人は一つ屋根の下で兄弟として暮らすことになる。一念発起して主席合格したこともあり、水斗にマウントを取ろうとする結女は高校デビューも果たし、その可愛い姿にそそられつつも無関心を装う水斗。そのお互いを意識する中にはまだ好きの気持ちも残っていて。そんな彼氏彼女から兄弟に変化した関係の2人を中心に繰り広げられる青春模様を描いた元恋人同士ファミリー青春ラブコメ。
 親の再婚をきっかけにして関係性の変わったきょうだいの物語はそれなりにあるが、元恋人関係は意外とこれまで出会わず、ビジュアルの良さもあって今期の中では注目度が高かった。恋愛を経て心情が大きく変化したのはあるだろうが、結女の変貌ぶりはちょっと出来過ぎ感があって、それもあってか抜けがちで詰めが甘い要素が盛り込まれ、水斗との主導権争いでバランスが取れているのかなと感じた。そんな2人のやっぱり好きなんじゃと思われるいじらしい仕草がこそばゆく、ラブコメものとしてはよく出来ていたのではなかろうか。
物語:一旦別れた彼氏彼女関係の2人なので、それを隠して家族として振る舞うことのやり辛さがよくにじみ出ている。物語全体も基本的にはそこに焦点をあてているので、2人の関係性に注目すれば大凡把握出来るのがいい。
世界観:不意の回想シーンが多く、高校(今)の話なのか過去の話なのか混乱することが時折あった。それ以外は一般的な高校での青春であり、登場人物も多くないので見やすくはある。
人物:結女の水斗への対抗心がたまに感じ悪く当たることがあり気になった。それより許せないのは2人の関係どころか実際に家に土足で入り込む醜悪な野心を秘めた南暁月(長谷川育美)。迷惑きわまりないのに何故かすんなり友達ポジションに収まっているのがなお気にいらない。
作画:学園生活で複雑な描写はあまり無く、人物描写へのリソースをたっぷりかけられたのは暁光。ゆえに結女や東頭いさな(富田美憂)など魅力的なキャラ描写につながっている。
声優:友人川波役の岡本くんを含め、少数精鋭感の強いキャスト構成。知った面子ばかりで安心感がある。
魅力:高校デビューに成功しただけあって結女の可愛さは図抜けている。ただ、それだけでは保たないので、巨乳のいさなを使ってラッキースケベ要素を引き出している。
主題歌:OP「デネヴとスピカ」(DIALOGUE+)(3.7)、ED「ふたりピノキオ」(harmoe)(3.8)。OPは声優ユニットDIALOGUE+の爽快感あるアップテンポ曲。ただ、登場人物の少ない本作でグループサウンドはちょっと合わなかったかも。EDはぎこちない2人の関係を操られ人形のピノキオになぞらえた興味深い楽曲。こちらも人気の上がりつつある声優同士のユニット。
劇中音:家庭内では素が出てばたばたする2人だが、学校ではそんな様子を微塵も見せないので、効果的なサウンドを登場させるシーン自体が無い。

「邪神ちゃんドロップキックX」(BS日テレ/UHB 全12話 原作:ユキヲ 製作:ノーマッド)
(3.8, 4.2, 3.9, 4.3, 4.1, 4.2, 4.1, 4.0; 32.6pt)
 相変わらず借金まみれの邪神ちゃん(鈴木愛奈)は、借金取りから逃げ続け全国行脚。数々の地で迷惑をかけ続けたあげく、ミノス(小見川千明)の親の力で借金地獄から脱出はしたが、それでも相も変わらず地獄への帰還が出来ない邪神ちゃんの泥沼な日常を描いたデーモンバイオレンス日常ファンタジーの第3期。
 我が帯広も含め、クラウドファンディングで集めた資金により北海道と南島原の地元プロモの話数を中間に4話ほど差し込んだが、これがカオス。邪神ちゃんのロクでなしな振る舞いは関係者の反感を買ってもおかしくなく、見てる方が怖くなって来た。取りあえず清水宏保とクランベリーには謝ろうか(怒)。あと、初音ミク(藤田咲)とのコラボでは、藤田さんの見事なミク演技(ボーカロイドの演技をしている)が炸裂し話題となった。数々のコラボに助けられた今回の3期だが、あまり良い話題は振りまけずに終わってしまった。
物語:地元コラボ編がとにかく突拍子もない展開で物語としての体を成しているとさえ言いたくない。一連の騒ぎが治まってエキュート(朝乃瑠璃)編が始まってからは少し物語の体裁を取り戻したが時既に遅し。
世界観:散々な地元コラボ編だが、取り上げられたのがほぼ北海道内で馴染みの場所も多く、既視感の強さは私にとってはプラスだった。こればかりは見る人によるのでボーナスポイントということで。
人物:邪神ちゃんの傍若無人さが極まり、他のキャラの献身でカバー出来なかった結果、及第点に届かない始末。いくらアニメの中でも一般人を巻き込んだらダメよ。
作画:各キャラの描写を含め作品全体の作画自体は安定している。加えて見馴染んだ釧路や帯広の風景描写が実際をちゃんとなぞらえていた。これもボーナスポイントかな。
声優:小坂井さんや原さんも最近のびて来て、面子としては充実しているが変わり映えもしない。VTuberのエキュートと特殊枠の初音ミクをどう扱うかが悩ましい。
魅力:ここまで全く触れなかったが、今回は花園ゆりね(大森日雅)のコスが結構可愛らしくいい味を出している。他キャラに変化が無い分わりと目立っていた。
主題歌:OP「あれこれドラスティック feat.鈴木愛奈」(halca)(3.9)、ED「流線型メーデー」(花譜 x 可不)(4.2)。OPは前作でも好評だったhalcaが邪神ちゃんではなく正式に鈴木愛奈をフィーチャリングしての激走曲。ただ荒れ気味な楽曲で前回ほどのキャッチーさは無かったかな。EDはYouTubeで活躍するバーチャルシンガーの楽曲。結構有名らしく、独特の声質と楽曲センスに惹かれいつの間にか嵌まってしまった。
劇中音:いろいろ賑やかだったんだけど、正直ノイズ化していた。

「はたらく魔王さま!」(BS11 全12話 原作:和ヶ原聡司 製作:Studio 3Hz)
(3.9, 4.2, 4.0, 3.9, 4.3, 4.1, 4.2, 4.0; 32.6pt)
 異世界エンテイスラでの勇者軍との抗争に敗北し逃げおおせた日本で、将来の再起を誓いつつ日々の生活のためにバイトに精を出す魔王サタンこと真奥貞夫(逢坂良太)は、魔王を追って日本入りし、同じくコールセンター勤めの勇者エミリアこと遊佐恵美(日笠陽子)と相も変わらずいがみ合いながらも、退屈しない日常を送っていた。そんなある日、真奥の住宅に送られて来た荷物から突如幼女が現れる。真奥をパパ、恵美をママと呼ぶその幼女アラスラムス(木野日菜)により大混乱となりつつも親として育てることを決めた真奥たちに対し、異世界からの訪問者や様々なトラブルが襲いかかる。そんな慌ただしい真奥たちの日常を描いた逆異世界魔王勇者日常ファンタジーのまさかの第2期。
 多くの人に続編を待ち望まれながら9年、ほぼ忘れられかけていた今になって突如の2期に驚きと期待を持って迎えられたが、キービジュアルの余りの変化ぶりに多くの人が失望を禁じ得なかった。1期の出来がとりわけ良かっただけに、ハードルが高かったのは仕方ないだろうが、結局その違和感ありまくりのキービジュアルのまま作品は作られ、物語的にもあまりパッとしないまま続編を示唆して終了してしまった。特にビジュアル的にガッカリだったのが佐々木千穂(東山奈央)で、物語的にもちーちゃんの真奥への強い恋心が1期の見どころだったのに、そういった積極性がなりを潜めすっかり親代わりの立場に落ち着いているのは見どころを削がれた気分。
物語:アラスラムスの加入が混乱しかもたらしていない現状では、丸く収まるような展開は望めず、着地点も見出せない。だから後半に続くのだが、分割2クールをかけるほどの内容ではない。
世界観:天界や魔界の昔話や魔王、勇者の強さなどファンタジー要素を織り交ぜつつ、日本での日常を様々な形で描いているのは1期から続く本作の見やすい点。
人物:アラスラムスがきっかけでガブリエル(子安武人)ら天界の来訪者がちょっかいをかけ真奥たちの日常を脅かすのだが、そこはエッセンス程度のもので、アラスラムスを預けて無理矢理天界の問題に巻き込んだ元凶のライラ(井上喜久子)は許し難い。エッセンスついでに、芦屋(小野友樹)に梨香(西明日香)がまさかの恋をするのは面白かった。
作画:お世辞にも良いとは言えないが、それでもこれが魔王さま!でなければそれなりの評価だとは思う。前作の高評価から来る期待の高さがもたらした許し難い落差を皆許容できなかった。
声優:9年越しとは言え前作を踏襲しており、前作での豪華という評価は生きている。東山さんを好きになったきっかけの作品なので、ちーちゃんにはもっと活躍の場が欲しかった。
魅力:作画もそうだが、キャラクターの心情描写が見せる魅力というのも前作では大きかったのだが、本作では起きる事件に流されながらの行動が多く、思いの強さを感じる機会が無かったと感じる。
主題歌:OP「WITH」(栗林みな実)(4.7)、ED「水鏡の世界」(堀内まり菜)(3.7)。OPは前作に続き栗林みな実が担当。前作のZERO!ほどではないが真奥たちのドタバタ感が和やかに感じられる明るく爽やかなポップソング。EDは歌い手を存じ上げず、楽曲もあまり抑揚の無い平凡なバラード曲。
劇中音:戦闘自体は前期と同様にインパクトのあるものだったはずだが、作品全体の評価に引きずられてか、サウンド的にも印象が薄い。


32.5pt以下
# by mfbox | 2022-11-17 11:35 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)

事前に作っていたのですがアップを忘れてました。今秋のテレビ(アニメ)視聴計画です。引き続き2期ものが多く、安牌として安易に選んでしまいますが、視聴の義務感が勝ってしまうと十分に楽しめない可能性もあるので、新作の選択同様博打な部分はあります。新作の◎や○の少なさも最近は目立ってきました。それでは、今期の視聴計画をどうぞ。

<海外ドラマ>
なし

<スポーツ>
スキーワールドカップ(JSPORTSオンデマンド)

<アニメ>
(継続)
札◎うたわわれるもの~二人の白皇(BS11 土曜 25:00/HTB)

(旧作)
15周年 コードギアス~反逆のルルーシュR2(BS-TBS 金曜 27:00)
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います(BS11 10/6〜 木曜 23:00)

(新作)
札◎僕のヒーローアカデミア 6期(STV 10/1~ 土曜 17:30)
札◎SPY x FAMILY 第2クール(TVH 10/1~ 土曜 23:00)
◎ぼっち・ざ・ろっく(BS11 10/8~ 土曜 24:00)
札◎ポプテピピック TVアニメーション作品第二シリーズ(BS11 10/1~ 土曜 25:30/HTB)
札◎4人はそれぞれ嘘をつく(HTB 10/15~ 土曜 26:00)
○アークナイツ 黎明前奏(BS11 10/30~ 日曜 23:30)
札◎マヴラヴ・オルタナティブ第2期(UHB 10/9~ 日曜 25:00)
札◎ゴールデンカムイ 第四期(BS11 10/3~ 月曜 23:00/STV)
○新米錬金術師の店舗経営(BS日テレ 10/3~ 月曜 23:30)
◎宇崎ちゃんは遊びたいω(BS11 10/3~ 月曜 24:00)
札○チェンソーマン(TVH 10/11~ 火曜 24:00)
△勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う(BSフジ 10/4~ 火曜 24:00)
◎ヤマノススメ Next Summit(BS11 10/4~ 火曜 24:30)
○ピーターグリルと賢者の時間 Super Extra(BSフジ 10/11~ 火曜 24:45)
札○うる星やつら(UHB 10/18~ 火曜 25:50)
△陰の実力者になりたくて(BS日テレ 10/5~ 水曜 24:30)
△不徳のギルド(BS日テレ 10/5~ 水曜 25:30)
札△農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。(HTB 10/5~ 水曜 25:55)
△Do It Yourself(BS11 10/6~ 木曜 22:30)
札◎「艦これ」いつかあの空へ(BS11 11/3~ 木曜 24:30/HBC)
○異世界おじさん(BS11 10/6~ 木曜 25:00)※7月番延期扱い
△転生したら剣でした(BS朝日 10/7~ 金曜 23:00/Abema)

一応22本上げましたが、多分このまま見続けるということは今回はないのではと思います。始めに言った通り、続編ものが今期も9作(継続のうたわれとリバイバル系のうる星も入れれば11作)と大量にあって、きらら系のぼっちを加えて見ておけば正直充足するのですが、相変わらず氾濫する異世界系に何故か作画で惹かれるものが多く、どれがあたるか分からないので取りあえず食指を伸ばしています。何も選ばないと水曜から金曜が空白期間になる恐れもあります。ただ、11月から艦これとアークナイツが追加になるので、それまでに落とせるものは落としておきたいです(候補は△)。視聴前期待度は、ヤマNext>ぼっち>(うたわれ白皇)>カムイ>4人嘘>SPY>ヒロアカ>宇崎>艦これ>新米錬金術師>チェンソーです。ただ、前期のリコリコ・プリマ・アルスノのような待ち遠しさが常にある状態は今期はヤマNext(展開次第ではカムイも)以外は難しそうです。特にヒロアカや宇崎、ピーターグリルなどは前期では視聴中にストレスを感じることもあったのでモチベーションの維持が不安です。クソアニメことポプテピと前期がかなりガッカリだったマヴラヴも不安ではありますが、続編なのと北海道で放送されるので取りあえず見ます。ただ、異世界系で唯一北海道で放送される農民スキルは地雷臭がぷんぷん(製作など)します(苦笑)。

# by mfbox | 2022-10-14 23:04 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)