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恒例となりました、四半期ごとの視聴計画になります。

<海外ドラマ>
予定なし

<スポーツ>
スキージャンプ女子ワールドカップ(NHKBS1)
FISスキーワールドカップ(JSPORTS)
※アルペンスキー、スキージャンプ、複合、スキーモーグル、スノーボード

<アニメ>
(継続)
◎鬼滅の刃~遊郭編~(UHB 日曜 23:15)
◎マギアレコード~魔法少女まどかマギカ外伝~(BS11 放送時期未定(3月頃?))

(旧作)※は初視聴
バックアロウ(AT-X 月曜 18:00)
転生したらスライムだった件 2期(後半)(AT-X ~1/11 月~金曜 19:00)
モーレツ宇宙海賊(BS11 1/3〜 月曜 25:00)
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦(AT-X 1/4~ 火曜 18:00)
IS インフィニット・ストラトス2(AT-X 水曜 20:00)
S・A~Special A(AT-X 木曜 20:00)
桜蘭高校ホスト部(AT-X ~2/10 木曜 20:30)
※ストライク・ザ・ブラッド4(OVA)(AT-X ~1/14 金曜 18:00)
アサルトリリィBOUQUET(AT-X 1/16~ 日曜 21:30)
現実主義勇者の王国再建記(AT-X 日曜 22:30)
BEASTERS(AT-X 1/23~ 日曜 23:30)
猫神やおよろず(AT-X 1/8 一挙放送)
我が家のお稲荷さま(AT-X 1/9.16 一挙放送)
サーバントサービス(AT-X 1/16 一挙放送)
桜TRICK(AT-X 1/24,25 一挙放送)

(新作)
◎リアデイルの大地にて(BS日テレ 1/5~ 水曜 24:30/AT-X)
△オリエント(BSテレ東 1/5~ 水曜 24:30/AT-X)
札 ◎現実主義勇者の王国再建記 第2部(HTB 1/12~ 水曜 25:50/BS11/AT-X)
◎終末のハーレム(AT-X 1/7~ 金曜 21:30/BSフジ)
◎スローループ(AT-X 1/7~ 金曜 22:00/BS11)
札 ◎異世界美少女受肉おじさんと(BSテレ東 1/7~ 金曜 24:30/HTB/AT-X)
札 ◎からかい上手の高木さん3(HBC 1/7~ 金曜 25:25/AT-X)
〇ドールズフロントライン(BS11 1/7~ 金曜 25:30/AT-X)
△失格紋の最強賢者(BS11 1/8~ 土曜 22:30/AT-X)
◎賢者の弟子を名乗る賢者(AT-X 1/8~ 土曜 23:30/BS日テレ)
〇その着せ替え人形は恋をする(BS11 1/8~ 土曜 24:00/AT-X)
△明日ちゃんのセーラー服(BS11 1/8~ 土曜 24:30/AT-X)
札 ◎進撃の巨人 Final Season Part2(NHK総合 1/9~ 日曜 24:05)
札 △平家物語(UHB 1/16~ 日曜 25:20)
札 ◎プリンセスコネクトRe:Dive Season2(BS11 1/10~ 月曜 24:00/TVH/AT-X)
△天才国家の赤字再生術~そうだ、売国しよう~(AT-X 1/11~ 火曜 22:30/BS日テレ)


2022年もこのスタイルでのテレビ視聴が継続する見込みです。スポーツ中継が充実しているのでどれだけ効率的に消化していくか(北京五輪もあるし)が、視聴時間を確保するカギになりそうです。そんなわけで、アニメの方は相変わらず十分には絞れないまま候補を挙げている状態です。プリコネ、進撃、現実主義勇者、高木さんの継続ものは確定として、スローループは久々のきらら作として期待大。異世界ものも相変わらず充実で、リアデイル、受肉おじさん、賢者の弟子は宣伝の上手さもあり視聴意欲は高いです。日常系、恋愛系も多く、明日ちゃん、着せ替え人形など候補はあげてますが、内容は未知数で見てからのお楽しみというところでしょうか。期待順はプリコネ2>スローループ>リアデイル>現実主義勇者>受肉おじさん>鬼滅遊郭>進撃>高木3>賢者の弟子>終ハーです。
# by mfbox | 2022-01-03 00:00 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)

 世間のコロナ騒ぎが続いた2021年は、巣ごもりによって見る時間の増えたアニメ等を楽しむ需要が増え、制作のノウハウも出来上がって以前のような多くの作品に出会うことができました。見る目が肥えたせいか、それとも作り方によるものかは分かりませんが、今年は出来の差がかなり大きな印象を受けました。それでも感動をもたらしたような多くの傑作もありました。そんな今年のランキングを総まとめ。

<<作品>>(第4クールは最終回がまだの作品が数作あるため、終了後に評価し高ポイントとなった作品あれば随時追加します。マギアレコードの評価は最終シーズン放送まで持ち越し。)
【最優秀作】のんのんびより のんすとっぷ(1~3月、BSテレ東/AT-X)Silver Link. 35.5pt
【傑作/TOP4】
2.結城友奈は勇者である。~大満開の章~(10~12月、BS-TBS/AT-X)Studio五組 35.4pt
3.先輩がうざい後輩の話(10~12月 BS11/HTB)動画工房 35.2pt
4.ゆるキャン△ Season2(1~3月、HTB/BS11/AT-X)C-Station 35.1pt
【優秀作/TOP10】
5.スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました。(4~6月、AT-X/HTB)REVOROOT 34.9pt
5.精霊幻想記(7~9月、AT-X/BSフジ)トムス・エンタテインメント 34.9pt
7.世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する(10月~12月、AT-X/BS日テレ)Silver Link./Studioぱれっと 34.8pt
8.ホリミヤ(1~3月、BS11/AT-X)CloverWorks 34.7pt
9.転生したらスライムだった件 2期(前半)(1~3月、BS11/TVH/AT-X)エイトビット 34.6pt
9.乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X(7~9月、AT-X/BS11)Silver Link. 34.6pt
9.異世界食堂2(10~12月、AT-X)OLM Team Yoshioka 34.6pt

【良作】
12.バックアロウ(1~6月、BS11/AT-X)スタジオヴォルン 34.3pt
13.ゾンビランドサガR(4~6月、AT-X/BS11)MAPPA 34.2pt
14.転生したらスライムだった件 2期(後半)(7~9月、BS11/TVH/AT-X)エイトビット 34.2pt
15.Vivy~Fluorite Eye's Song~(4~6月、BS11/HBC/AT-X)WIT STUDIO 34.1pt
15.聖女の魔力は万能です(4~6月、AT-X/BS11)diomedea 34.1pt
17.転スラ日記~転生したらスライムだった件 外伝(4~6月、BS11/TVH/AT-X)エイトビット 34.0pt
18.スーパーカブ(4~6月、AT-X/BS11)スタジオKAI 33.7pt
18.白い砂のアクアトープ(7~12月、BSフジ/AT-X)P.A.WORKS 33.7pt
20.裏世界ピクニック(1~3月、AT-X/BS11)LIDENFILM/Felix Film 33.6pt
21.俺だけ入れる隠しダンジョン(1~3月、BS-TBS/AT-X)オクルトノボル 33.5pt
21.小林さんちのメイドラゴンS(7~9月、BS11/AT-X)京都アニメーション 33.5pt
23.アズールレーン びそくぜんしんっ!(1~3月、BS11/AT-X)Yoster Pictures/Studio CANDYBOX 33.4pt
23.SHOW BY ROCK!! STARS(1~3月、UHB/AT-X)キネマシトラス 33.4pt
23.チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラックストア(7~9月、BS11/AT-X)EMTスクエアード 33.4pt
23.現実主義勇者の王国再建記(7~9月、BS11/HTB)J.C.STAFF 33.4pt
27.Re:ゼロから始める異世界生活 2nd Season(後半)(1~3月、AT-X/TVH)WHITE FOX 33.2pt
27.takt op.~Destiny~(10~12月、TVH/AT-X)MAPPA/MAD HOUSE 33.2pt
29.Dr.STONE STONE WARS(1~3月、BS11)トムス・エンタテインメント 33.1pt
29.ひげを剃る。そして女子高生を拾う。(4~6月、AT-X/BS11)Project No.9 33.1pt
29.ジャヒー様はくじけない(7~12月、HTB/AT-X/BS11)Silver Link. 33.0pt
32.たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語(1~3月、BS11/AT-X/TVH)LIDENFILM 33.0pt
32.魔法科高校の優等生(7~9月、AT-X/BS11) CONNECT 33.0pt
32.ブルーピリオド(10~12月、HBC) Seven Arcs 33.0pt
(旧作)
私、能力は平均値でって言ったよね!(初回放送:19’10~12月、AT-X/BS11) Project No.9 33.5pt
ヲタクに恋は難しい(初回放送:18’4~7月、BSフジ) A-1 Pictures 33.3pt
異世界食堂(初回放送:17’7~9月、AT-X/BSテレ東)Silver Link. 33.2pt
Strawberry Panic!(初回放送:06’4~9月、Kids st.)MAD HOUSE 33.2pt

【個性的】はたらく細胞BLACK、ワールドウィッチーズ発進しますっ!、戦闘員、派遣します。、シャドーハウス、カノジョも彼女、月曜日のたわわ2、ブルーピリオド、アサルトリリィ ふるーつ
【不満作】はたらく細胞!!、幼なじみが絶対に負けないラブコメ、イジらないで長瀞さん、すばらしきこのせかい The Animation、探偵は、もう死んでいる。、Blue Reflection 澪
【見切り】プラチナエンド、Deep Insanity the Lost Child
【映画】「劇場版プリンセスプリンシパル-Crown Handler-第1章」「ARIA The CREPSCOLO 舞台挨拶」(ライブビューイング)「ガールズ&パンツァー最終章第3章」「劇場版Fate/Grand Order-神聖円卓領域キャメロット-後編 Paradin; Agateram」「劇場版きんいろモザイク Thank You!!」「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールドヒーローズミッション 舞台挨拶」(ライブビューイング)「岬のマヨイガ」「Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-」「劇場版Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ Licht 名前の無い少女」「劇場版プリンセスプリンシパル-Crown Handler-第2章」「劇場版マクロスΔ-絶対LIVE!!!!!!-&劇場短編マクロスF~時の迷宮~」「劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-~星なき夜のアリア」「EUREKA~劇場版エウレカセブン ハイエボリューション(3) 舞台挨拶」(ライブビューイング)「ARIA The BENEDIZIONE」

総評:今年は良作が各クールに満遍なく散らばっていた印象です。完結を迎え得ることとなったのんのんと結城友奈はまさに集大成。4月期の某作品で製作体制を不安視された動画工房も先輩後輩(+セレプロ)できっちり復活。ゆるキャン△は人気に胡坐をかくどころかさらに作品の質を上げてきました。転スラは外伝含め3クールにわたって安定したハイレベルの作品を提供してくれましたし、はめふらも1期と遜色ない出来。危うく見逃すところだった暗殺貴族は主題歌のインパクトが強かったです。4月期と7月期はそれ以外に比べ一見弱含みの成績にも見えますが、スラ300は異世界スローライフの新たな魅力に気づかせてくれましたし、ゲーム先行型の精霊幻想記はキャラの可愛さが全てでした。ホリミヤは純愛コメディに萌えましたし、異世界食堂2はやはり丁寧な食画でしょう。特に4月期は音楽で印象を強く残した作品が多く、Vivyの毎回にわたる衝撃展開は次への期待を増しましたし、ゾンサガRは最終回のライブが現実の状況にリンクして思わず感涙してしまいました。バックアロウは34pt超作品の中で唯一の2クール作品。33pt台を含めてもアクアトープと2作しかなく、継続制作の難しさが改めて浮き彫りになりました。美形キャラぞろいで一見女性向けと思える聖女もセイの初心さがツボに嵌りました。ショートで好成績だったびそくなど、これ以外にも多くの特徴的な作品に出会い、終わってみればかなり満足なアニメ漬けの1年だったように思います。

<<部門別>>
物語:のんのんびより のんすとっぷ;ゆるキャン△ Season2;ゾンビランドサガR;異世界食堂2(4.5)
世界観:ゆるキャン△ Season2;結城友奈は勇者である。~大満開の章~(4.7)
人物:ホリミヤ(4.7)
作画:アズールレーン びそくぜんしんっ!;スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました。;先輩がうざい後輩の話;結城友奈は勇者である。~大満開の章~(4.6)
声優:のんのんびより のんすとっぷ(4.5)
魅力(演出):精霊幻想記(4.7)
主題歌:精霊幻想記;先輩がうざい後輩の話;世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する(4.7)
劇中音:Vivy~Fluorite Eys's Song~;ゾンビランドサガR(4.3)

<<主題歌>>
【最優秀OP】1.Blessing(結城アイラ)※聖女の魔力は万能です OP
2.Seize The Day(亜咲花)※ゆるキャン△ Season2 OP
3.Sing My Pleasure(Vivy(Vo.八木海莉))※Vivy~Fluorite Eye's Song~ OP
【個人的Top10】
4.色香水(神山羊)※ホリミヤ OP
【最優秀ED】5.ただいま(宮内れんげ(小岩井ことり)、一条蛍(村川梨衣)、越谷夏海(佐倉綾音)、越谷小鞠(阿澄佳奈))※のんのんびより のんすとっぷ ED
6.アノーイングさんさんウィーク(五十嵐双葉(楠木ともり)、桜井桃子(早見沙織)、黒部夏美(青山玲菜)、月城モナ(古賀葵))※先輩がうざい後輩の話 OP
7.EASY LOVE(上坂すみれ)※イジらないで長瀞さん OP
8.New Story(高野麻里佳)※精霊幻想記 OP
9.Elder Flower(大西亜玖璃)※精霊幻想記 ED
10.You & Me(佐藤ミキ)※裏世界ピクニック ED
【最優秀映像賞】約束(フレンズ)※ホリミヤ ED

総評:今年は4月期に敵なしの状態だった結城アイラのBlessingが圧勝の年間1位でした。とはいえ、同期は音楽面での評価が高く、3は当然のトップ3入り。また7は作品がアレな出来なだけに楽曲力のみでランクインは見事。1月期は激戦で、作品力にあやかった2がトップ3入りしたほか、作品自体が高評価揃いだったこともあり4、5、10と計4曲独占です。7月期以降の作品は楽曲面で比較的苦しんだ印象で、7月期は精霊幻想記の両主題歌のみ、10月期は作品の雰囲気を明るく照らした6が健闘したもののこちらも集計期の妙で惜しくも漏れた楽曲が多い(暗殺貴族OPや結城友奈OP、先輩後輩EDなど)。映像賞は個性的で可愛いモーションクレイアニメが印象的なホリミヤEDが受賞。暗殺貴族OPもダークな雰囲気でかなりセンスのある映像でしたが、曲の良さに印象が引っ張られている要素もあり次点。

<<キャラクター、声優>>
【男性キャラ】ソーマ・カズヤ(小林裕介)「現実主義勇者の王国再建記」
【女性キャラ】堀京子(戸松遥)「ホリミヤ」
【ネタ(男子)】向井直也(榎木淳弥)「カノジョも彼女」
【ネタ(女子)】ハルカラ(原田彩楓)「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました。」
【男性声優】内山昂輝(宮村伊澄(ホリミヤ)、アイオーン(SHOW By ROCK!! STARS)、ネク(すばらしきこのせかい The Animation)、伊東正次郎(ゾンビランドサガR)、死柄木弔(僕のヒーローアカデミア)、レフ・レプス(月とライカと吸血姫)、朝雛タクト(takt op.~Destiny~)ほか)
【女性声優】石川由依(ミカサ=アッカーマン(進撃の巨人 Final Season)、セイ=小鳥遊聖(聖女の魔力は万能です)、エヴァ=ガレンシュタイン(バトルアスリーテス大運動会 Re:START)、井藤春名(さよなら私のクラマー)、ジャンヌ=ユーフォリア(現実主義勇者の王国再建記)、南風原知夢(白い砂のアクアトープ)、I-LeS ケイ(境界戦記)ほか)
【新人声優】楠木ともり(青沼ねいる(ワンダーエッグ=プライオリティ)、ラティーファ(精霊幻想記)、五十嵐双葉(先輩がうざい後輩の話)、鑑純夏(マブラヴ・オルタネイティブ)ほか)

総評:今年は特にキャラの選定に困りました。というのも、どの作品も安定感を重視した物語構成をとっており、抜きんでたキャラクター性を持った登場人物が見当たらないためです。それが特に顕著だったのが男性キャラで、ソーマの選定理由が一番理知的だからという正直平凡な理由によるものです。一方の女性キャラ堀さんはさばさばした雰囲気の等身大の女子高生で、群像劇では珍しい芯の通ったキャラ。対抗は聖女様くらいで割とすんなり決まりました。ネタキャラも男性は割とすんなり決まりました。直也はとても強い自己主張を展開しながら見事な流されキャラという立ち位置で、榎木さん演じる実直さが明後日の方向に向いていて大いに笑いました。一方の女性は今年は該当なしでも良かったくらいでしたが、トラブルメーカーっぷりが板につきまくっていたハルカラさんを選びました。声優はクール内で2作メインを張る人を絞ってWikipediaで出演作を検索するという他力本願的作業に終始しましたが、結果としてはいい人選になったと思います。内山さんはほぼ満遍なくすべてのクールで主役を張り、宮村君のような軟派な高校生から無気力で苦しみまみれのタクトまで幅広いキャラを演じていました。女性は和氣さん、早見さん、大空さんも候補で結構混戦でしたが、最終的には聖女様の好演が光った石川さんを選出。こちらも年間を通じて主役級を途切れさせず人気っぷりが伺えます。新人枠は高尾さんとのつばぜり合いでしたが、最後は双葉とリットを天秤にかけて楠木さんを選出。

<<アニメスタジオ>>
1.Silver Link.(のんのんびより のんすとっぷ、乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった。。。Ⅹ、ジャヒー様はくじけない、世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する ほか)
2.トムス・エンターテインメント(精霊幻想記、Dr.STONE STONE WARS ほか)
3.エイトビット(転生したらスライムだった件 2期(前半、後半)、転スラ日記~転生したらスライムだった件 外伝 ほか)

総評:終わってみれば今年もSilver Link.の年でした。神懸っていた昨年ほどジャンルを絞った活躍というわけではなかったものの、今年はジャンルに拘らず満遍なく数多くの良作を送り込みました。中堅どころのトムスも今年は当たり年で、2期となったDr.STONEはもちろんのこと、作画の出来が重要な精霊幻想記を見事に作り上げ、無事2期制作も決定しています。エイトビットは転スラ一点集中ではありましたが、3クールにわたる長い制作お疲れさまでした。結城友奈を最優秀作に押し上げた五組はしかしこの1本のみ、動画工房は汚点を残したおさまけの傷跡が影響し第4クールの活躍のみでは取り返せずそれぞれ上位には至らず。一方でREVOROOTやスタジオヴォルンのような新興スタジオの興隆もありつつ、既存の大手スタジオがあまり手を広げず(先ほどの五組もそうだが)年間数作にとどめているのも無理のない制作を追い求めているいい傾向なのかもしれません。一方マギアレコードを予定通り制作できないでいるシャフト(アサルトふるーつはあったが)の不安定さは相変わらずで不安である。

<<イベント>>
「Re:ステージ!ワンマンライブ~Chain of Dream~(各グループソロ公演×5)」(Streaming+)、「ゆるキャン△スペシャルイベント STAY△TENT」(Streaming+)、「魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Stage」(PIA LIVE STREAM)、「ラブライブ 虹ケ咲学園スクールアイドル同好会 3rd Live! School Idol Festival~夢の始まり~」(Streaming+)、「TVアニメ「ホリミヤ」スペシャルイベント 「Harmony Park」」(Streaming+)、「Re:ゼロから始める異世界生活 2nd Season 騎士叙勲式 UTAGE」(Streaming+)、「TVアニメ「魔王城でおやすみ」大安眠パーティー」(Streaming+)、「Choucho 10th Anniversary Online Live」(PIA LIVE STREAM)、「アサルトリリィ Last Bullet Presents Edel Lilie+」(Streaming+)、「TVアニメ「のんのんびより のんすとっぷ」スペシャルイベント「にゃんぱす祭り のんすとっぷなのん!」」(Streaming+)、「「ヤマノススメ NEXT SUMMIT」オータムフェス2021」(Streaming+)、「ラピスリライツ・スターズ 1st Orchestra 「Lights Up the Magic」」(Streaming+)、「ゆるキャン△音楽祭2021」(Streaming+)、「ワールドウィッチーズミュージックフェスタ」(SPWN)、「ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュ 佐賀よ共に沸いてくれ~」(Streaming+)、「Vivy~Fluorite Eye's Song~ Live Event ~Sing for Your Smile~」(PIA LIVE STREAM)、「第5回京都アニメーションファン感謝イベント KYOANI MUSIC FESTIVAL~感動を未来へ~」(Streaming+)、「魔法科高校の優等生~優等生たちの放課後」(Vimeo)、「TVアニメ「ゴールデンカムイ」スペシャルイベント21’」(Vimeo)、「にいがた超アニソンライブ2021」(Streaming+)、「小林さんちのメイドラゴンS スペシャルイベント あえて1日遅れのクリスマスパーティ」(ZAIKO)

<<ネットラジオ>>
1.アサルトリリィ~ラジオガーデン Overflow(井澤美香子、高橋果林)(響-Hibiki Radio Station-)
2.佐倉としたい大西(佐倉綾音、大西沙織)(インターネットラジオステーション音泉)
3.ガルフレ♪ラジオ「明音と文緒の聖櫻学園放送室♪」(佐藤利奈、名塚佳織)(響-Hibiki Radio Station-)
4.精霊幻想記 アナザーテイルラジオ(藤田茜)(インターネットラジオステーション音泉)
5.ラブライブ!虹ヶ咲学園~おはよう放送室~(前田佳織里、鬼頭明里、楠木ともり)(響-Hibiki Radio Station-)
6.はめふらじお(内田真礼)(インターネットラジオステーション音泉)
7.Vivy~Fluorite Eye's Radio~(福山潤、種崎敦美)(インターネットラジオステーション音泉)
8.Fate/Grand Order カルデア・ラジオ局Plus(田中美海、高橋李依、大久保瑠美)(Youtube)
9.結城友奈は勇者である。勇者部活動報告~大ラジオの章~(照井春佳)(インターネットラジオステーション音泉)
10.戦闘員、ラジオに派遣します。(白井悠介、富田美憂)(インターネットラジオステーション音泉)

総評:ネットラジオは、本数自体は少なくなってきましたが、各番組のセンスはむしろうなぎのぼりで、順位付けのための絞り込みは大変でした。泣く泣く圏外に落とした番組(ちゃんらじ等)もあります。前年からの継続組も強い(1、2、3、5、8)ですが、アニメ連動型の番組も個性にあふれていて、理不尽な罰ゲームが売りの6や、なぜばれないのか不思議な秘密指令付きの4、福山さんのトーク術の凄さに驚きつつ一番アニメ補足ラジオとしての役割を果たしていた7、富田さんのステータスをとことんまで貶めた10など、ここに挙げていないものでも強い個性を発揮していた番組が多数あり充実していました。媒体は音泉が復権し、昨年飛躍したYoutubeものはランキングからは減りましたが、鬼頭さんの虚構ラジオやアサリリラム乾、ラピライ関連など多数お世話になっています。

# by mfbox | 2021-12-26 23:08 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)

今夏のアニメ感想です。相変わらずの作品数の氾濫の中にあって、是非にも見たいと思う作品が減りつつある中、厳選して視聴した作品があたりだと嬉しいものがあります。今季もそんな良作が揃って、余裕を持って楽しめたクールとなりました。それではどうぞ。
(10/22「ラブライブ スーパースター」「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」更新)

「精霊幻想記」(AT-X/BSフジ 全12話 原作:北山結莉 製作:トムス・エンタテインメント)
(4.3, 4.3, 4.1, 4.5, 4.2, 4.7, 4.7, 4.1; 34.9pt)
 行方不明の幼なじみのことを想いながら大学生となっていた天川春人(松岡禎丞)は、乗車していたバスが突如挙動を乱して電車に轢かれる大事故に巻き込まれてしまう。次に気づいた時には異世界の貧民街の孤児リオとして転生していた。一方でリオとしての記憶も持ち合わせる春人は、同時に手に入れていた強大な魔力で、遭遇した王族の姫誘拐事件を解決、行き違いで拷問されながらも救助した姫君の計らいで名門の学院に編入する。しかし、学院生活も一筋縄ではいかず、とある事件をきっかけに学院から逃走し、親の残したキーワード「ヤグモ地方」を目指して放浪の旅を続ける姿を描いた異世界転生冒険潭。
 先行して配信されていたブラウザゲームの人気を買ってのアニメ化作品。流行の異世界転生ものであり、キャラクターの可愛さが今期の作品の中でも群を抜いていた。異なる種族の集落を転々とする興味深い展開も飽きさせず、主題歌を始めとする音楽面も好感が高く、続編ものでない新規作品の中では今年の最高タイのポイントとなった。1つだけ難点を言わせてもらうと、転生前の幼なじみである綾瀬美春(原田彩楓)を重要キャラに位置づけておきながら登場は最終回の最後の方しかなく、続編がなければプロモーション詐欺と言わざるを得ない。
物語:各地を転々とする物語ではあるが、滞在したそれぞれの地で住人たちと親交を深め、様々な情報(という名の設定)を得ることで、それぞれの地での物語が深みのあるものになっている。
世界観:王都、精霊の郷、山村と、この作品ならではの独特の風景が作品のファンタジー感を引き上げている。リーゼロッテ(東山奈央)の商会の回を除き各地で数話をかけており世界観の醸成も丁寧。
人物:リオは所謂チート性能ではあるのだが、他のチート主人公系作品に比べてハードな展開に苛まれている。セリア(藤田茜)との政略結婚を巡る公爵家の醜さなど割と悪人が多いのも印象が強い。
作画:キャラクター重視ではあるが、丁寧な作画という印象が強い。世界観を容易に把握出来たのも作画の良さによる所が大きい。
声優:豪華というほどではないが、松岡くんはじめ要所要所で一線級の声優が登場しており、キャラ要素と声優要素のバランスがとれている。
魅力:各キャラの可愛らしさが群を抜いている。その殆ど全てがリオに対して目を向けており、ハーレム感をより引き立たせている。みんな可愛くて誰が好きとか選べないなぁ、もう(笑)。
主題歌:OP「New Story」(高野麻里佳)(4.7)、ED「Elder Flower」(大西亜玖璃)(4.7)。どちらもアーティストとしてはひよっこながら、作品に寄せた素晴らしい楽曲に仕上がっている。OPは物悲しげな曲調の中にも未知なる世界を切り開く決意のような力強さを含んだ清純な曲。EDは巻き起こる様々な荒事を見透かすような激情的雰囲気の楽曲で癖になる。
劇中音:大きく揺れ動く様々な展開に応じたBGMが的確。

「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X」(HBC/BS11 全12話 原作:山口悟 製作:SILVER LINK.)
(4.3, 4.5, 4.4, 4.2, 4.3, 4.3, 4.5, 4.1; 34.6pt)
 乙女ゲーム「FORTUNE LOVERS」の世界にカタリナ・クラエス(内田真礼)として転生してしまった少女が、ゲーム通りなら避けられない不幸な結末を回避すべく、無自覚な天然たらしの才能を発揮して関係するキャラたち全員とのハッピーエンドを迎えたのもつかの間、ジオルド(蒼井翔太)の親族など新たなな出会いや、別の闇の魔法を操るものたちによる自身やキース(柿原徹也)の誘拐など、破滅フラグとも見紛う波瀾万丈な展開を描いた転生令嬢ラブコメの第2弾。
 とにかく1期の衝撃が凄く、馴染のなかった悪役令嬢というジャンルに深い造詣をもたらした傑作からはや1年。カタリナの性格や行動にも慣れたこともあってか、1期ほどの衝撃までは至らなかったが、ハラハラする展開は今期も絶賛継続し、作品のハイレベルぶりもそのまま。新たなキャラたちのアクもつよく、マンネリ感なく楽しめた。って、あっちゃん(水瀬いのり)、最後にFL2なんて爆弾置いてかないで~!?そして映画へ続く?
物語:小ネタを挟んで誘拐また誘拐と若干ワンパターンな趣に思えなくもないが、カタリナの性格を上手く使って物語の狂騒感を引き出しており、面白さが絶えない。
世界観:もうすっかり貴族設定の世界に違和感なく畑が混ざっている(笑)が、それを別にしても1期から練り込まれた貴族令嬢たちの華やかな日常の雰囲気が素敵。
人物:やっぱりカタリナの独創性の強さは作品の肝ともいうべきもの。およそ誘拐されているものとは思えない奇抜な行動はじめ、世界はカタリナを中心に回っているを地で行っている。
作画:カタリナに振り回される級友たちを中心に表情がコロコロ変わるのが見てて面白く、それをしっかり見せられる作画の良さも光っていた。
声優:1期から継続して男性女性問わず人気キャストが揃い、耳が豊かになる。あと、もうないだろうと思っていた幼少期のキャストも再登場していたのがサプライズ。
魅力:カタリナの強烈なキャラクターは頭一つ抜けているが、その他もアクの強い個性を持ったキャラたち揃いで、視覚的にも内面的にも惹かれてしまう。
主題歌:OP「アンダンテに恋をして」(angela)(4.7)、ED「give me ♡ me」(蒼井翔太)(4.2)。OP、EDともアーティストは前期からの継続で、共に作品の雰囲気にあったポップ感の強い楽曲。特に今回EDが大きくダンサブルに振ってきてノリノリな気分で視聴を終えられていた。
劇中音:カタリナの行動がハチャメチャになりがちなので、騒がし目の効果音が多かったりする。それと闇の魔法発動時のダークな感じのBGMも印象的。

「転生したらスライムだった件(2期)(後半)」(BS11/TVH/AT-X 全12話(+閑話) 原作:川上泰樹、伏瀬、みっつばー 製作:エイトビット)
(4.1, 4.6, 4.2, 4.3, 4.3, 4.3, 4.3, 4.1; 34.2pt)
 異世界転生者でスライムのリムル(岡咲美保)は、自らが多くの仲間を得て大森林の中に建設した連邦国をある人間国家に蹂躙され、失った仲間の復活のために自らが魔王となることを決断し、大残虐の末魔王に進化、失った仲間たちを取り戻すことも出来た。全ての裏に魔王クレイマン(子安武人)の存在を確信したリムルが、連邦国に協力的な国家などと同盟を結んだのち、クレイマンの残党を排し、自らは魔王たちの宴ワルプルギスに参加しクレイマンと直接対峙する建国後の激動を描いた異世界魔王間バトルファンタジー。
 人気異世界転生ものの第2期後半。魔王化し死者蘇生などチート感の増したリムルだが、ミリム(日高里菜)が敵側に回る一方、ヴェルドラ(前野智昭)が解放され心強い味方になるなど、勢力図も様変わりし、様々な魔王の登場などでよりスケール感が増した。会議また会議。。。と揶揄されることもあったが、元々戦略の緻密さは本作のベースの一つでもあるので、多くの味方のそれぞれに役割が与えられ、リムル以外の1期からの主要キャラたちの見せ場も多く、よく考えられたストーリーだなと感心した。
物語:緻密な戦略醸成ののちクレイマン領とワルプルギスを並行に描き、会議と戦闘に終始した感はあるが、展開の広がりが顕著で物語にのめり込めたとは思う。
世界観:ワルプルギスでの魔王たちの強さがそれまでと桁が違い、魔王たちの支配する世界として、ファンタジー感が一気に深まった印象。
人物:多くの友好国と連合を組むなど、抑えるべきキャラクターが一気に増えた。これに魔王たちが加わって、ますます賑やかになっている。
作画:間に転スラ日記を挟んだのでキャラの印象を戻すのにやや時間がかかったが、長く続いているだけあって安定した作画で安心。
声優:これまでと比較して特段豪華になったような印象はないが、新キャラ(特に魔王たち)の声優は納得の人選。
魅力:展開上仕方ないが、クレイマンを見るリムルの目の鋭利さが突き刺さるよう。それも含め全体的に可愛らしさが欠如している感じを受けた。
主題歌:OP「Like Frames」(Minda Ryn)(3.9)、ED「Reincarnate」(寺島拓篤)(4.7)。OPは他国系のニューフェイスだが、楽曲は激走感があってバトルメインの今期には合っている。EDは1期で良曲を量産した寺島くんの新曲。今回はしっとり目だが、やはり転スラとてらしーは切り離せないのを再確認した。
劇中音:会議が多いこともあって効果音は控えめかなと思っていたが、ラファエル(豊口めぐみ)だったりバトルシーンの派手さだったりで後半ほどしっかり幅を利かせていた。

「小林さんちのメイドラゴンS」(BS11/AT-X 全12話 原作:クール教信者 製作:京都アニメーション)
(4.4, 4.2, 4.2, 4.4, 4.1, 4.2, 3.9, 4.1; 33.5pt)
 失意の時に酔って絡んできた小林さん(田村睦心)の侠気を気に入ってメイドとして居着いたドラゴンのトール(桑原由気)とその仲間たちによるドタバタでちょっぴり感動もある日常を描いた異種族同居日常コメディの第2期。
 この作品の完成前に例の大事件があったため、本作が世に出たことが京アニの復活を意味する大きな偉業である。ドラゴン側に新キャラの追加はあったものの、小林さんに全幅の信頼を寄せるトールの種族を超えた対等な関係であったりドラゴン同士の価値観の違いなどの1期から連なるベースを維持しつつ、ギャグにも感動にも振った幅の大きな作品で完成度の高さはさすが。
物語:新キャラに頼ること無く、ドラゴンたちの生い立ちや想いの深さを2期にしてまだ深く掘り下げて来るのに感心した。もちろん日常を楽しむことに全力なのも好感。
世界観:回想シーンなどでドラゴンや神の世界が描かれたりしているが、基本はごく普通の日常にドラゴンが人の姿を借りて間借りしてますよという1期からの印象そのまま。
人物:各キャラそれぞれに思う所はあって、掘り下げは良く出来ているのだが、一方で行動に破天荒さが付き纏い、素直にキャラ萌えさせてくれない。
作画:1期から思っていたが、京アニ作品にあって京アニらしさが前面に出ていない不思議な画風。決して作画が悪いわけではないが、京アニならではの神作画感はない。
声優:人気の高さに媚びない中堅声優中心の1期と大きく変わらないが、2期までの間に各声優も成長している。
魅力:原作者の作風的に萌え度にやや劣る所がありポイントは伸びないが、カンナ(長縄まりあ)の存在は癒しと言うか存在自体がずるいところがある。
主題歌:OP「愛のシュプリーム」(fhana)(3.9)、ED「めいど・うぃず・どらごんず♡」(スーパーちょろごんず)(3.9)。OPはfhanaの久々の新曲だが、ド頭からのラップにはなかなか馴染めなかった。EDはイルル(嶺内ともみ)も加わったドラゴン5人(?)組による明るさ全開の楽しい楽曲。どこかのサイトで「ぼなぺてぃーと♡S」(ブレンド・S)とのマッシュアップを聞いたが、本当にそっくりなのには驚いた。
劇中音:物語の内容同様緩急の大きなサウンドエフェクトで日常感と激動感を両極端に煽っていた。

「チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア」(BS11/AT-X 全12話 原作:松うに 製作:EMTスクエアード)
(4.3, 4.2, 4.2, 4.3, 4.0, 4.5, 3.8, 4.1; 33.4pt)
 転生者である桐尾礼治(福島潤)は他の転生作品みたく何かチートな能力を期待したが持っていたのは創薬スキル。それでもそれを活用して異世界に薬屋を開き、時に売れ筋の薬を作ったり客の悩みを解決する薬を作ったりする転生チート創薬日常ファンタジー。
 異世界転生ものの一つのジャンルとして市民権を得たように思われるスローライフ系。本作もその中の1つで、たまに野獣や毒草に出くわすことはあっても基本は薬を作って人の役に立つ展開のみの、まさに異世界日常系で、何の不安も無く肩の力を抜いて見ることが出来た。それが楽しいかと言われるとどうかという気持ちもないわけではないが、平和なのはいいことだ。
物語:展開としてはものすごく平和で何もないとも言えるが、未開の世界なだけに現世の日常で一般的な薬が錬金術だともてはやされる様子がなかなか滑稽。
世界観:のどかな田舎という感じで人族でない登場人物がいる以外異世界感は正直乏しいが、その雰囲気が平和な作風にドンピシャリ。
人物:作品の平和さ同様、キャラの性格ものんびりした感じ。ただ興奮気味に接するキャラもそれなりにいて、主に礼治の周りで騒がしかったりする。
作画:薄いパステル調の画風である以外は取り立てて技術力を要する作画ではなさそうだが、その分キャラクターの可愛らしさに力を入れている。
声優:福島くんの声を聞くとどうにもキャラの曲者感が脳裏を掠めるが礼治は実直です。他は松田姉妹が目立つくらいで声優的には小粒揃い。
魅力:来客たちはなかなかに曲瀬があるものの、ノエラ(松田利冴)やミナ(熊田茜音)を中心に可愛らしいキャラが作中で魅力を振りまいて、見てるこちらもほっこりする。
主題歌:OP「ココロハヤル」(熊田茜音) (3.7)、ED「マイニチカシマシファーマシー」(ノエラ(松田利冴)&ミナ(熊田茜音)with 桐尾礼治(福島潤))(3.8) 。OPはこの世界の雰囲気にあった爽やかな楽曲。熊田の主題歌は前期につづくもので活躍のピークか。EDは薬屋一家の幸せそうな雰囲気を表現した楽しい楽曲。
劇中音:創薬時は必ず入るバンクとBGMは、そこまで必要かと思っていたが、次第に癖になってきた。作品に嵌った証拠か?

「現実主義勇者の王国再建記」(BS11/HTB 全13話 原作:どぜう丸 製作:J.C.STAFF)
(4.2, 4.3, 4.2, 4.2, 4.1, 4.1, 4.3, 4.0; 33.4pt)
 祖父の死去により身よりのなくなったソーマ・カズヤ(小林裕介)は、突如異世界からの召還を受ける。飛ばされた地エルフリーデン王国で勇者としてもてはやされるも、有しているのは趣味の歴史書漁りで手に入れた名将たちの国家運営知識のみ。しかしその知識を買われ国王から王位を譲渡されたソーマが、弱体化していた王国の再建を目指し、その知識をフル活用して選りすぐった仲間たちとともに立て直しに尽力する異世界国家再建ファンタジー。
 地方局では北海道が唯一という珍しいアニメだが、これも異世界(なろう)もの。主人公自身特に秀でた能力があるわけでもなく、国家運営というテーマからも仲間との協力体制に重きを置いた展開は、主人公チートな他のなろう作品勢から一線を画し、上手く差別化を図れていたと思う。将校たちとの対立展開以降は戦闘メインとなり、ソーマの役割が知略から戦略にレベルアップしているのも着目点。
物語:一筋縄では行かない国家運営を正面から描いており、食糧難に災害、将校たちとの対立、隣国からの侵略と次々に訪れる苦難を知略をもって乗り越える様子が共感を呼ぶ。
世界観:国家再建のために過去の知将たちの名策を駆使する様子は歴史に造詣があればなじみ深いものとして感じられる。
人物:ソーマの人心掌握ぶりはそれほどチートっぽさは無く、臣下の忠義に支えられている所が大きい。その点で主人公にはある程度の親近感が沸く。
作画:これは良いJ.C.。適度に萌えがあり作画崩れも無く、図抜けた秀逸感はないものの無難な仕上がり。
声優:主人公とヒロインが人気声優で、それに引っ張られている感じだが、脇を中堅どころが固め、面子としてはそこそこ。
魅力:美少女キャラは多くいるものの、シリアス寄りの展開の中では萌えに寄せられず、キャラの魅力より戦略面を楽しむ作品になっている。
主題歌:OP「HELLO HORIZON」(水瀬いのり)(4.7)、ED「カザニア」(愛美)(3.9)。OPは重厚感のある王道ポップという感じで、水瀬さんの低めの歌声が響いて来る。EDは愛美の復帰第2弾(アニメ主題歌としては第1弾)。2013年頃までの張りのある歌声そのままの愛美らしさ溢れる聞き応えのある曲。
劇中音:ストーリーがしっかりしているので、そちらに集中していたせいか、外野的存在の効果音やBGMは比較的薄味の印象。

「魔法科高校の優等生」(AT-X/BS11 全13話 原作:佐島勤、森夕 製作:CONNECT)
(4.0, 4.2, 4.1, 4.3, 4.3, 4.3, 3.7, 4.1; 33.0pt)
 魔法を扱えるものを国家戦略的にかくまう近未来の日本で、戦略級魔法士の能力を持つ兄・司馬達也(中村悠一)を慕ってやまない妹・司馬深雪(早見沙織)が共に入学した魔法科第一高校で、学力も魔法力もトップクラスの実力を見込まれ生徒会入りしたり九校戦でクラスメイトたちとともに大活躍する様子を描いたマギアスクールライフグラフィティ。
 人気ラノベ「魔法科高校の劣等生(1期)」の世界を深雪視点で描いたアナザーストーリー。作品としては人気なのだが、視点が違うだけで同じことを描いているのでリメイクとも異なり、結果が分かっている分新鮮味に欠けてしまうのは、クールを通じてかなり不利に働いていた。その分をあろう事かセクシー路線に振り向けてしまったのは安易な逃げに見えてしまった。
物語:劣等生1期で見た時は良く出来た物語だと思ったものだが、同じ世界線ゆえ異なる展開を描くわけにも行かず、既視感は明らかに負の方向に働いた。
世界観:魔法力の行使はやはり独特の雰囲気があり、これは世界観がしっかり完成していることの証左とも言える。
人物:深雪のしかも学校生活を中心に描き、一高は友達や生徒会など近しい者、九校戦はライバルを第三高校に絞ったので、人物把握にはさほど苦労しなかった。
作画:本家(劣等生)と比べると柔らかめの作画だが、作品の雰囲気を意識している所もありこれはこれでいい感じ。
声優:声優変更はなく、もともと豪華声優陣なので満足度は高い。
魅力:上記では安易な逃げとは言ったが、キャラの曲線美を強調した作画表現はやはり目を奪われてしまう。光井ほのか(雨宮天)に至ってはちょっとやり過ぎ感すらある。
主題歌:OP「101」(三月のパンタジア)(3.7)、ED「ダブルスタンダード」(フィロソフィーのダンス)(3.7)。OPは三パンとしてはかなり激し目の楽曲だが、それでも優しさは残り深雪の心根を表現しているかのよう。EDは初見のアーティストだがダンサブルな楽曲で、おしゃれな一面を併せ持つ。
劇中音:魔法行使時の効果音は魔法科高校シリーズ随一の特徴。

「ラブライブ スーパースター」(NHK教育 全12話 原作:矢立肇 製作:サンライズ)
(4.2, 4.2, 4.2, 4.3, 3.8, 4.3, 3.8, 4.1; 32.9pt)
 美声を持ちながら人前での歌唱が緊張で出来ず音楽科の受験に失敗した澁谷かのん(伊達さゆり)は普通科に進学するが、軽く口ずさんでいた所をスクールアイドルを目指す留学生唐可可(Liyuu)に見初められ、共にスクールアイドルを目指そうと請われる。その熱意に打たれつつも自身の上がり症から断っていたかのんはしかし、ある日街の往来の中で歌えていた自分に気づき、部員集めや部の承認などの困難を乗り越えて仲間とともにスクールアイドルの頂点、ラブライブを目指して音楽表現を磨いていくハイスクールシンギングドリームグラフィティ。
 人気アイドルアニメの新シリーズ。個人活動主体の虹ヶ咲を挟み原点であるラブライブを目指すシナリオに回帰した一方で、1年生のみ5人の少数精鋭という構成は大きな変更点。一部学校経営問題が顔をのぞかせてはいたが、音楽校でもあり音楽性を前面に押し出した構成で、歌を魅せることが出来ていたと思う。
物語:理事長の娘である葉月恋(青山なぎさ)のスクールアイドル部設立に対する抵抗感がやや強すぎるきらいはあったものの、互いの想いを確認し合い、仲間を増やし、大きな目標に向かって突き進むという王道ストーリーは清々しい。
世界観:都内という設定もあり、それなりに都会の雰囲気が良く出ている。強豪ライバルの出身地が離島という設定でそれがより引き立った。
人物:それぞれ自己主張が強いながらも互いを思いやれる綺麗な心の持ち主。またそれぞれ秀でたものを持ち合わせているのも特徴的。
作画:当初は他のシリーズとは違う画風に戸惑いもあったが、アニメ開始後表情が動きだしたらすんなりと受け入れられた。その他東京らしさも随所に溢れていた。
声優:別作品の主題歌でLiyuuのことは知っていたが、他は初見。リアル活動で他に拘束されないよう無名の若手を選ぶのは仕方ない。
魅力:いくら歌に力を入れていても、歌が引き立つのは歌うキャラに魅力あってこそ。少なくとも歌っているキャラに魅入るだけのキャラの存在感はあった。
主題歌:OP「START! True Dreams」(3.8)、ED「未来は風のように」(3.8)(共にLiella!)。OPは映像込みで元気に歌う5人の姿が印象的。EDは回によってバージョンが違うが、夢へ向かって進む5人のことを歌った感動的な楽曲。
劇中音:放送枠末尾の1分含め数多くの楽曲が歌唱されたが、上手さは感じたが強い印象を残すようなものはなかった。

「月が導く異世界道中」(BS日テレ/AT-X 全12話 原作:あずみ圭 製作:C2C)
(4.1, 4.1, 4.2, 4.2, 4.3, 4.2, 3.7, 4.0; 32.8pt)
 子供のうち誰かを勇者として異世界に派遣することを宿命づけられた一家で、家族会議の末異世界に召還された深澄真(花江夏樹)は、その平凡さが美貌第一の女神(上田麗奈)の怒りを買い、勇者の視覚を剥奪され最果ての地に飛ばされてしまう。しかしそれを見かねた召還神の月読命(前野智昭)の加護により超人的な能力を授かったことを知った真が、強大な異形の獣たちを配下に従え、自らの住み良い街づくりを目指して異世界を闊歩する理不尽パワードモンスター冒険ファンタジー。
 最近異世界ものが氾濫し、物語構成に差を見出しにくくなっているが、この作品はパワーインフレでもってそこを押し切った。強敵たちは真の力に惹かれ契約し、強者+強者で無敵感すら漂うが、クソ女神の気紛れで真は人と話せないなどのハンデを背負い、異人種とばかり仲良くなるなど人の道を望まぬ形で外れていく様が難儀さを感じさせ、強過ぎてつまらないというようには思わせない工夫が見て取れる。
物語:後にチート化するにしても、主人公は一度落ちる所まで落ちているので、そこからの立て直しという意味では下剋上的要素があって、少しは見届けたくなる。
世界観:美的に追いやられた烏合衆の反逆的要素があるので、異形たちの隆盛の一方でヒューマンは雑な扱いが徹底されている。
人物:異形たちとの主従関係に深い信頼関係を見て取れる。女神があまりに酷すぎるので、強者たちと一緒に人間世界に喧嘩を売るような流れはむしろやっちまえって感じ。
作画:主人公が勇者を追われる理由でもある美しさが根底のテーマにあるので、美醜の表現にメリハリがあるのが特徴的。
声優:謎に豪華なキャスト陣。私がこの作品の視聴にいざなわれたのもこのキャストの面子を見たから。

魅力:取りあえず巴(佐倉綾音)と澪(鬼頭明里)で保ってるかな。他は見てくれが美しいヒューマンは心が醜く、心が綺麗なキャラはだいたい異形という...。
主題歌:OP「ギャンブル」(Syudou) (3.7)、ED「ビューティフルドリーマー」(Ezoshika Gourmet Club)(3.7) 。OPは作品の破天荒さには合ってはいるが、歌い方が汚く好きにはなれない。EDはこれと言って特徴がなく、印象にも残らない。
劇中音:作中ではやたらと時代劇がもてはやされたせいか、そういった感じのBGMが(特殊ED含め)多用されていた。

「カノジョも彼女」(BS-TBS/AT-X 全12話 原作:ヒロユキ 製作:手塚プロダクション)
(3.9, 4.0, 4.2, 4.3, 4.2, 4.4, 3.8, 4.0; 32.8pt)
 幼なじみの佐木咲(佐倉綾音)への長年の求愛を、高校進学を機に成就させた向井直也(榎木淳弥)だが、突如現れた水瀬渚(和氣あず未)からピュアで熱い告白を受け、その健気さに感動した直也はまさかの二股提案を2人に持ちかける。信じられない提案だったが直也の裏表のない強い説得に折れて渋々共同生活を始めた3人が、二股を隠しながら学園生活を続けるハイスクールシークレットラブコメ。
 二股というだけでも異常なのに、それを互いが公認し、しかも共同生活というトンデモ展開。加えて直也の変に勢いのある説得力があさっての方向に突き抜けるのでハチャメチャ感満載で、内容度外視でひたすら笑っていた記憶しかない。
物語:面白過ぎて忘れてしまいそうになるが、いくらお互い公認でも二股はダメよ。星崎里香(竹達彩奈)のおしかけテント生活含め斜め上展開の多さは正しく採点すれば当然マイナス。
世界観:そもそも日常ものなので深い世界観作りはないのだけど、二股をはじめ秘め事の多さは作品世界を見せない(隠す)方向に作用するので評価は良くなりにくい。
人物:直也の性格に引きずられて皆ギャグ方向に突き抜けていて、勢い任せ感が強い。その分各キャラの性格の強さは良く表現されている。
作画:めまぐるしく動き回る人間関係が本作の肝であり、ほぼ常に躍動感がある作画で可愛いキャラを動かせていたのは拍手。
声優:メイン4人は豪華でラブコメとしては現在最強のキャストが揃ったと言えるのでは。それと榎木くんがどんどん変な方向に落ちてしまわないかが心配(苦笑)。
魅力:なんだかんだ二股+αが成立するくらいなので、みんな可愛さのレベルが高い。
主題歌:OP「ふざけてないぜ」(ネクライトーキー) (3.6)、ED「ピンキーフック」(麻倉もも)(3.9)。OPは。EDは。
劇中音:直也(一部他キャラも)の勢いの凄い発言力が強く、サウンドすらかき消していたかのよう。

「ぼくたちのリメイク」(BS日テレ/HTB 全12話 原作:木緒なち 製作:feel.)
(4.2, 4.3, 4.1, 4.2, 4.0, 4.2, 3.7, 4.0; 32.7pt)
 とあるゲーム会社で働きづめだった橋場恭也(伊藤昌弘)は、会社の倒産に遭い失意のうちに帰省する。ふて寝して目覚めると様子がおかしいことに気づく。巻き戻ってきた10年前、そこには恭也が選べるもう一つの選択があった。その選択である芸大に進んだ恭也が、元の世界ではのちに輝くクリエイターの卵たちと楽しく共同生活を送りながら、一筋縄ではいかない作品作りに明け暮れていくリトライクリエイターズグラフィティ。
 失敗した現世とは別の選択をする展開上、大人の記憶を持ったまま学生生活を送る主人公の立ち位置を良しとするかどうかが評価の分かれ目になりそうな危うい作品。ただ、なまじクリエイターが困った時の解決策を善かれと仲間に強いたのが仇となる展開があり、これを主人公最低と罵る向きもあったが、主人公がヒーロー足り得ない生々しさは良く出来ているなと感心した。シュタインズゲートほどショッキングではないが複数の世界線を描き、他人の選択肢もまた1つじゃないと知ってまたやり直せる主人公が理解出来れば感動もあるのではないだろうか。
物語:一見楽しい学園生活に見せかけて実はシビアな物語で、同居の仲間のためにと始めたゲーム作りが関係者全員転落への落とし穴となる展開はなかなかに残酷。
世界観:記憶を持ったまま過去と未来を行き来するが、芸大を選ばなかった世界線含めて必ずクリエイターとして存在しており、作品の方向性にぶれはない。
人物:主人公は何事も比較的上手くこなせてしまうしピンチも回避できて、おそらく器用過ぎるのだろう。故に有頂天にもなって反感を買う一面もあったのかもしれない。
作画:割と実直な作品なだけに何故にfeel.?と思う所はあるが、クリエイターテーマの作品に恥じない作画力は示していると思う。
声優:伊藤昌弘と愛美はバンドリ系列。その他東山、沢城くらいしか目立つキャストはいないが、大空直美演じる登美丘罫子がタイムリープのキーパーソンだったのは驚き。

魅力:feel.の作画力もあって、女性たちは当然美形かつ男性たちも整った顔立ちでいい意味で各キャラとも目立っていた。
主題歌:OP「ここからは歌にならない」(Poppin’ Party) (3.7)、ED「可能性」(Argonavis)(3.7) 。私は正直嫌いなバンドリだがOPEDとも占拠された。どちらも一方的な前向きさではなく仄かな後ろめたさを内包しつつも明るく振る舞う深い楽曲ではある。
劇中音:感情を揺さぶられがちな学生たちを描いているのでBGMも多いかと思ったが、割と抑え気味だった印象。

旧)「異世界食堂」(AT-X 全12話 原作:犬塚惇平 製作:SILVER LINK)
(4.3, 4.1, 4.2, 4.3, 4.2, 4.2, 3.7, 4.2; 33.2pt)
 オフィス街の一角にある老舗の食堂「洋食のねこや」は、週に一度、異世界の様々な場所に扉を出現させ、異世界の客が訪れては、週一の楽しみである店主(諏訪部順一)の作る美食に舌鼓を打つ。ある晩に厨房に迷い込んでいた異世界人のアレッタ(上坂すみれ)も給仕に加わり、常連客はもちろん、ふと現れた扉に誘われた新規客たちとの料理を通じた貴重な出会いを描いた異世界グルメファンタジー。
 2期放送を前に一挙放送があったので視聴した。「のぶ」派の私としては、同じ系統の本作は喰わず嫌いしていたが、やっていることは異世界の住人に対しこちら側の料理を提供することで変わりなく、「のぶ」が気に入ったのならこちらだって当然親しみがもてるわけで、数年間にわたり勿体ないことをしていた。いい感じで1期を見終えたので、2期も大いに期待したい所。
物語:洋食屋と言いつつ店主のレパートリーが豊富なので、客のどんなリクエストにも応じる度量の大きさが感じられる。また、新しい客登場時はその背景描写をしっかり触れていくので、それぞれの異世界食堂との出会いを理解しやすい構成。
世界観:「のぶ」を先行して見ていると、どうしても違いに目がいくもので、様々な場所に扉が現れるのと、取りあえずビールを頼む風習はメインではないことは大きな違いか。あとは看板娘が人間か異世界人かの違いも。
人物:先代から異世界人と付き合いがある描写があり、店主は異世界での新たな来客や人ならざるものに対しても動じないので、対人関係も極めて良好。
作画:店の雰囲気の良さは作画面からも感じられる。食事を美味しそうに見せる技術ももちろんだし、様々な登場人物の背景を見せる作画も繊細。
声優:人気声優、老獪含めバラエティに富み、出番が少なくても強い印象を残している。
魅力:食事を魅力的に見せることに拘っている。却ってキャラの魅力付けには無理に拘ってはいないように見える。
主題歌:OP「One In A Billion」(Wake Up, May’n!)(3.7)、ED「ちいさなひとつぶ」(安野希世乃)(3.7)。OPは当時は夢のコラボ(どちらかというとWUGにとって)と称されるような面白い組み合わせによるポップソング。May’nが加わり緩急の幅が広がっている。EDは優しい歌には定評のある安野さんの哀愁がありつつも悲しさは感じさせない穏やかな楽曲。
劇中音:一期一会の雰囲気作りに特に拘っていて、落ち着き払ったというかどこか物悲しげなBGMが心に染み入る。

遅)「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」
(4.0, 4.2, 4.1, 4.4, 4.2, 4.4, 3.7, 4.0; 33.0pt)
 人間離れした能力の人々が暮らすコンロン村の少年ロイド・ベラドンナ(花守ゆみり)は、軍人になる夢を叶えるため士官学校を目指して一人王国入りする。村の中では最弱と言われ自分は能がないと謙遜するロイドだがその強さは王国の常識とはかけ離れ、コンロン村を知る下宿先のマリー(茅野愛衣)ですら驚かされることしばしば。そんな周りとかけ離れた力を自覚していないロイドが王国で知り合った仲間たちと繰り広げるドタバタ劇を描いたパワーアンバランス冒険ファンタジー。
 主演の2人が同時期放送の裏世界ピクニックと被っていたためそちらを選択して切っていた本作だが、時間的余裕のあったクール替わりの狭間でちょうど再放送があったので視聴した。作画が良いことは当初から認識していたのでずっと気にはなっていたが、常識のずれがもたらすデタラメっぷりが全編展開され、おまけにマリーが視聴者を代弁するかのようにキレまくってくれるので、(特に温和な茅野さんとのギャップの大きさも)見ていてとても楽しかった。
物語:ロイドやコンロン村の人々が表に出れば大体のことは解決しそうなものだが、そうは問屋がおろさない展開は上手い構成かも。
世界観:コンロン村という化け物人たちの村という設定を出しておけばチートの説明になるだろうという安易な設定だが、それにまんまと乗せられてしまった。
人物:ロイドはもちろんだが、その他のキャラたちの出自もなかなかに奔放で、目を追うのが大変なのが複数いてますます大変。
作画:ロイドの可愛らしい描かれ方は却ってその驚異的性能を引き立てる。街に似つかわしくないモンスターの存在などアンバランスさの表現に特にこだわりがみられる。
声優:マリーのキレっぷりは某ダクネスとは違う茅野愛衣の崩れ方で抜群の面白さ。そして日岡、朝日奈といった成長株が霞むようなツボを得た声優陣。
魅力:ギャグがふんだんなので表情はころころ変わるが、どのキャラもかなり萌え要素を意識して描かれている。
主題歌:OP「たとえばそれは勇気の魔法」(山崎はるか)(3.7)、ED「I'mpossible!?」(Luce Twinkle Wink)(3.7)。KOTOKO+I’ve soundのバックアップを受けたOPはソフトなポップでありながらデジタル感がある。歌い手を除けば聞き馴染みのあるサウンド。EDはLuceらしい言葉遊びを交えたピュアなポップ楽曲。
劇中音:物語自体は派手な展開なのだが、物が壊れる音を派手にしてその凄みを表現している感じであまり工夫がない。

「NIGHT HEAD 2041」(UHB 全12話 原作:飯田譲治 製作:白組)
(4.0, 4.2, 4.0, 4.1, 4.2, 3.9, 3.8, 4.1; 32.3pt)
 超能力を持って生まれ育った霧原直人(小野大輔)と直也(島崎信長)の兄弟は、15年という長い期間にわたり隔離生活を受けていたが、ある日施設外の森の中で目を覚ます。超能力が認められた世界になったと期待して近くの街まで移動したが、そこで2人は正反対に超能力が全否定され思想統制された東京の街にショックを受ける。逃亡中の指名手配犯とある店で出くわしたことをきっかけに国家保安本部のお尋ね者となってしまった2人の兄弟が、逃亡しながら超能力にまつわる世界の真実に触れていくサイキックSFバトルサスペンス。
 NIGHT HEADと言えば私の世代では豊川悦司、武田真治が主人公兄弟を演じたやはりサイキック物の深夜ドラマで非常に深い印象を残したが、そのコンセプトを引き継ぎ、さらに未来の物語としてアニメ化された。ドラマのリメイクものとして見逃せないと思って見ていたが、ドラマでは兄弟視点での比較的身近な事件を扱っていたように思うが、アニメ化によって自由度が拡大した結果、心象世界との干渉・衝突とか地球の破滅とか風呂敷を広げすぎてしまい、望んだ方向から外れてしまったように感じた。あと、超能力者を多く作りすぎたのも敗因かも。

「僕のヒーローアカデミア(5期)」(STV 全25話 原作:堀越耕平 製作:BONES)
(4.1, 4.2, 4.0, 4.0, 4.2, 4.0, 3.7, 4.0; 32.2pt)
 オールマイト(三宅健太)が引退しエンデヴァー(稲田徹)がトップとなるなどヒーロー界に時代の波が訪れる中、新たなヒーローの育成が急がれているのを受け雄英高校では練習試合やインターンを積極的に行い未来のヒーロー足る生徒たちも成長を続けていた。そんなヒーロー候補生たちの中でもがく緑谷出久(山下大輝)がライバルであり仲間である同級生たちと対抗心をむき出しにしたり協力したりしながら、来るべき敵ヴィランたちとの大きな戦いに備えレベルアップしていく様を描いたグローアップヒーローバトルファンタジー。
 週間少年ジャンプの人気作にして既に5期。ここまで長く続くのも確かな人気があるから。本作の面白い所は、ヒーローvsヴィランという明確な対立構造がありながらも、主人公たちの成長にも重きを置き、ヒーロー同士の対戦も数多く見せている所で、今回も練習試合という形でクラス対抗戦で多くの新キャラを個性たっぷりに見せつけてきた。また次の大きなうねりの序章となるヴィラン連合側の物語も2クール目の大半を使って描いてみせ、新たな展開を見せてくれた。アニメーションとしては派手だが物語としては無難な作りで相変わらずポイントの伸びにくい作品ではある。

「探偵はもう、死んでいる」(AT-X/BS日テレ 全12話 原作:二語十 製作:ENGI)
(3.8, 4.2, 3.9, 4.2, 3.9, 4.3, 3.7, 4.0; 32.0pt)
 事件を呼び込むと自分で信じて疑わないほど巻き込まれ体質の君塚君彦(長井新)は、使途不明のスーツケースを持たされ飛行機に乗るという厄介ごとにまたしても巻き込まれていた。その飛行機で探偵のシエスタ(宮下早紀)と名乗る初対面の少女から突如「助手になってよ」と頼まれる。程なく飛行機はハイジャックされ、異形の敵と対峙しこれを打ち破った2人が、探偵と助手として世界中を旅していたのが1年前。シエスタの死で終わったはずの助手の役目を、君塚はとある出会いで再開することとなる。そんな君塚の奮闘を過去と未来両方から描いた異能力ミステリアスファンタジー。
 ラノベの話題作で、高い期待値を持って製作された本作だったが、死んだはずの探偵の話を蒸し返すように長く続けたり、探偵ものと銘打っておきながら完全に異能バトルだったりして、エが綺麗な以外は想像の斜め上の展開でついていけないことが多かった。また主人公の殊更に不幸を強調しながらも、我が強い上に意見を押し通した結果ろくなことにならない迷惑キャラぶりも不満が大きかった。なまじ画が綺麗なだけに勿体ない作品だった。

「Blue Reflection 澪」(BS-TBS/AT-X 全24話 原作:コーエーテクモゲームス 製作:J.C. STAFF)
(3.7, 4.1, 3.8, 4.1, 4.0, 4.1, 4.0, 4.0; 31.8pt)
 人の想いである花の形の「フラグメント」を守るため青の指輪の力でリフレクターに変身して戦う平原陽桜莉(石見舞菜香)たちは、人の苦しみを解き放つため「フラグメント」を抜き取る赤の指輪のリフレクターたちと一進一退の攻防を繰り広げるが、赤の軍勢には陽桜莉の姉の平原美弦(上田麗奈)が強敵として立ちはだかり、次第に劣勢となる。そんな中でも苦しみからの解放と称して「フラグメント」を奪うことは正しくないと信じて想いを守ろうとする少女たちの奮戦を描いた変身少女スピリチュアルバトルファンタジー。
 花咲くいろはの岸田メルが関わるマルチプロジェクトの1つとして企画された本作だが、その割には作画力に惹き付けられる物が感じられず(多分悪い時のJ.C.が出てる)、また話も一見善悪対立の単純な構造のように見えて心理戦の面が強かったりしてかなり分かりにくかった。特にそれを助長したのが平原美弦の感情表現で、操り人形のように表情が死んでいるかと思えば陽桜莉絡みで急に苦悩の叫びをあげたりして起伏が激しいが、揺れ動いても結局戻るんかい!?というシーンも何度も見せられたりして、着地点が全く見えなかった。なお、駒川詩(田辺留衣)の奇特な性格は正直好かないが、いろんなことが分かりにくかった本作においてはむしろ一番生き生きしていたキャラだった。

# by mfbox | 2021-10-12 17:03 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)

恒例となりました、今期のテレビ(アニメ)視聴計画です。(10/17 ラブライブ スーパースター、アサルトリリィ ふる〜つ、ほか修正)

<海外ドラマ>
なし

<スポーツ>
スキーワールドカップ(JSPORTS)

<アニメ>
(継続)
札◎ジャヒー様はくじけない(HTB 土曜 26:00)
札◎ラブライブ スーパースター(NHK教育 〜10/17 日曜 19:00)
◎白い砂のアクアトープ(BSフジ 木曜 24:30/AT-X)
札◎アサルトリリィ ふるーつ(Youtube 隔週木曜/HTB 10/20〜)
◎マギアレコード~魔法少女まどかマギカ外伝~(BS11 放送時期未定(年末特番?))

(旧作)
IS インフィニット・ストラトス(AT-X 9/15~ 水曜 20:00)
桜蘭高校ホスト部(AT-X 木曜 20:30)
初)たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語(AT-X 9/10~10/15 金曜 18:00/TVH)
Just Because(AT-X 10/15~ 金曜 21:30)
Strawberry Panic(AT-X 金曜 23:00)
コードギアス~叛逆のルルーシュ(BS-TBS 10/1~ 金曜 27:00)
初)異世界食堂(AT-X 10/2 土曜 15:00(一挙放送))
冴えない彼女の育てかた♭(AT-X 10/9~ 土曜 21:30)※10/2まで無印
鬼滅の刃~無限列車編(TV再構成版)(UHB 10/10~ 日曜 23:15/AT-X)
ダンベル何キロ持てる?(AT-X 10/5~ 火曜 18:00)
とらドラ!(AT-X 10/5~ 火曜 20:30)
はたらく細胞BLACK(AT-X ~10/20 水曜 18:00)
ホリミヤ(AT-X 10/7~18 月~木曜 26:00)

(新作)
○境界戦記(BS11 10/8~ 金曜 19:00)
○終末のハーレム(AT-X 10/8~ 金曜 21:30/BSフジ)
○SELECTION PROJECT(AT-X 10/1~ 金曜 22:00/BS11)
札 ブルーピリオド(HBC 10/1~ 金曜 25:25/BS朝日/AT-X)
◎結城友奈は勇者である。大満開の章(BS-TBS 10/1~ 金曜 26:30/AT-X)
大正オトメ御伽話(AT-X 10/9~ 土曜 21:00/BS11)
○最果てのパラディン(AT-X 10/9~ 土曜 23:30/BS11)
札○先輩がうざい後輩の話(BS11 10/9~ 土曜 25:00/HTB/Animax)
札◎鬼滅の刃~遊郭編(UHB 12/5~ 日曜 23:15/AT-X)
札○マブラヴ オルタネィティブ(UHB 10/10~ 日曜 25:10/BSフジ)
札?○古見さんはコミュ障です。(TVH 10/11~ 月・火曜 7:05)※セレクション放送
◎異世界食堂2(AT-X 10/4~ 月曜 22:30)
月とライカと吸血姫(BS日テレ 10/4~ 月曜 23:00/AT-X)
逆転世界ノ電池少女(AT-X 10/11~ 月曜 23:00/BS11)
札◎takt op. destiny(TVH 10/5~ 火曜 24:00/BSテレ東)
○進化の実~知らないうちに勝ち組人生~(BSテレ東 10/6~ 水曜 24:30/AT-X)
◎真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(AT-X 10/6~ 水曜 22:30/BS日テレ)
○サクガン(AT-X/BS11 10/8~ 木曜 23:30)

Web配信のアサルトふるーつと万策連発で後半4話を年末特番化と言う暴挙に出たマギアレコードを含めると継続が5作(このうちジャヒーとラブライブはクール途中で終わると思われる)とやや多めだが、ちゃんとした2クールはアクアトープだけという、何とも奇妙な状況。そして新作の方は、前期にも増して不作の臭いがぷんぷん。大本命の結城友奈大満開と今や国民的人気の鬼滅続編があるとはいえ、きらら系もないし知らないタイトルばかりで、多く選んでは見たものの興味が続かない可能性が多分にあります。セレプロは動画工房製作であることと秋番一番手なので視聴するが、おさまけで失墜したうえに前知識のないアイドル系は苦手(リステやラピライは前知識があったということです)なので生き残れるかというラインです。日常系は先輩後輩と古見さんで、運良くどちらも北海道で放送され、前者は今期2作目の動画工房で当たれば覇権もあり注目、後者は放送形態が不明で正しく楽しめるか?先に挙げた続編2作を除けば唯一のシリーズ作(無職転生は1期を見ていないので今回もパス)であるマブラヴは+ULTRA枠と優遇されているが、これまでのシリーズも激重シナリオなので今回もキツそう。シリーズの本丸なだけに失敗は許されない。異世界ものは相変わらずの充実度で、今回は辺境スローライフと進化を選択。前者はスラ300、チート薬師とスローライフ系が安牌なので期待しているが本当にスローライフで終わるのか?終ハーは紳士枠で確保まさかの放送延期。これ以外はお試し視聴の色合いが濃いが、境界はロボもの、サクガンはデカダンスの系譜と河森デザインの融合でこれ賭け案件なので巷の評判が気になる所。期待度は、結城大満開>先輩後輩>食堂2>takt op.>鬼滅遊郭>辺境スローライフ>セレプロ>終ハーサクガン>マブラヴ>進化の実。直前で1期視聴の間に合った異世界食堂が、見逃してたのを後悔するほどの良作だったので2期の期待が急上昇しています。
# by mfbox | 2021-10-05 21:14 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)

春期のアニメを振り返ります。春期は高得点にあたる34ポイント台が6作あり、突出した出来の作品があったというよりは、レベルの高い作品の数が多かったという意味で充実していたと思います。盛り上がるタイミングもそれぞれで、常に何かの作品の展開を意識していた気がします。期待通りだったり予想外の高評価だったり、全体的には満足なのですが、愚作も少なからずあった今期のアニメ評価です。

「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました。」(AT-X/HTB 全12話 原作:森田季節 製作:REVOROOT)
(4.4, 4.3, 4.5, 4.6, 4.2, 4.6, 4.2, 4.1; 34.9pt)
 社畜OLとして過労死してしまった相沢梓/アズサ(悠木碧)は、その不幸さを見かねた能天気な女神(井上喜久子)により不老不死と17歳の若い姿を永遠に与えた状態で異世界に転生される。願い通りに高原の家でひっそり暮らしていたアズサだったが、日々スライムを倒して生活費を稼ぐ生活を300年も続けているうちに、レベルMAXに達していたことが近くの村のギルドで判明。そのことは瞬く間に知れ渡り、様々な種族の挑戦を受けることとなったアズサは、その強さに魅入られた挑戦者たちを次々に家族に迎え、当初からは一転し賑やかな家族生活を送ることとなる。そんなアズサたちの緩くも破天荒な生活を描いたゆるふわ異世界生活コメディ。
 異世界転生チートものという、正直好みでないジャンルだったが、急にアニメに力を入れ始めたHTBが放送すると判って視聴リストに加えた、当初は期待度の低かった作品。しかし、緩さとノリの良さは某クマに通じ、加えて人間味溢れたアズサの包容力でとっても優しい作品として、見事に嵌まってしまった。作画は割と単調ではあるが、キャラクターの可愛さもあって予想以上の高得点となった。
物語:全体的には、アズサが望んだようなのんびりした雰囲気なのだが、舞い込む事件や勝負、トラブルの質から破天荒な展開になることも多く、割とシーソー感があって楽しかった。
世界観:ドラゴンやリヴァイアサンなどが共存するようなバラエティ豊かな世界なのだが、それも慣れてしまえば平和なゆるふわライフとの違和感も感じなくなる。
人物:アズサの転生前の設定が強く生きている場面が割と多く、敵意を示していたキャラでさえ籠絡してしまうような包容力で、優しさに包まれた家族(世界)を作り出していた。
作画:肌の色が単色だったりなど、モノトーン的な絵柄ではあるが、人物描写が崩れること無く可愛く描かれ、作画に不満はなかった。
声優:比較的地味なのだが、人気上昇中だったり力量十分な中堅どころの声優が揃っている。また井上や田村などキャラに合わせたような声優の選び方もこだわりを感じる。
魅力:アズサはもちろんだが、各キャラの性格や特徴が色濃く、それでいてぶつかり合うこと無くスムーズに物語を動かしていた。
主題歌:OP「ぐだふわエブリデー」(悠木碧)(4.2)、ED「Viewtiful Days」(和氣あず未)(4.1)。OPは物語のゆるふわさを体現しているだけでなく、歌い手が中の人でもあるのでアズサの感情そのものとも言える。EDはめまぐるしく変わる周りのドタバタ感が感じられる楽しくもスピード感のある楽曲。
劇中音:全体的なゆるふわ感の中で、仲間となる各キャラとの劇的な出会いを演出するため強めの効果音が印象的だった。

「バックアロウ」(BS11/AT-X 全24話 オリジナル 製作:スタジオヴォルン)
(4.4, 4.2, 4.4, 4.3, 4.2, 4.2, 4.5, 4.1; 34.3pt)
 周囲を壁に囲まれた地リンガリンド。2つの大国が支配するこの地にあって、辺境の小村エッジャ村の民たちはひっそりと暮らしていたが、そこに恵みをもたらすとされるラクホウが落ちて来る。しかし民の期待とは裏腹に中から出て来た裸の男は、記憶を失っているが「壁の外から来た」と村民には信じ難い発言をする。ラクホウ目当ての賞金稼ぎを追い払ったことで村の民と関係を得た男がバック・アロウ(梶裕貴)と名乗り、アロウを巡る二大国間の戦乱に巻き込まれながらも壁外への帰還を目指してエッジャ村の民とともに乱世を進むクローズドワールドバトルファンタジー。
 ネアカなコードギアスと言った感じで、次々に現出する奇想天外な状況に心躍らされ、加えて主人公のアロウが基本前向きな性格なのでとことん楽しんで見ることが出来た。信念を具現化するブライハイトという、まぁロボットと言って差し支えない大型機体も自在に闊歩するので、スケール感も大きく、見応えのある作品だった。2クールゆえかスタートダッシュにもたついた感はあるものの、尻上がりに面白さを増していく所は食いついた視聴者を離さない強みがある。
物語:広大に見える壁の外の世界に期待させつつ、壁内での戦闘や冒険など緻密に練られた仕込みを生かして、序盤はじっくりと、そして回が進むに連れて様々な仕掛けが一気に花開くように驚きの展開の連続という見応えある構成だった。
世界観:リンガリンドの壁内世界の描写はなかなかに見応えのあるものだったが、勿体ぶっていた割りに壁外世界の描写はあまり深みが無く、最後に「次なる地は地球」というのも正直安易。終盤の展開にもうひとひねり欲しかった。
人物:理性よりも勢いというキャラが多い印象。その分シュウ(杉田智和)の秀才ぶりが引き立つ面もあるが、それよりも各キャラの個性が作品を見事に動かしている点の方に注目したい。特に力こそ全てなゼツ(堀内賢雄)の暴君から英雄への大転換ぶりは見ていて度肝を抜かれた。
作画:美少年牧場の面々やフィーネ姫/フィノワール(小清水亜美)、ルドルフ(三木眞一郎)など、作画面からも意外性を突いてきて強い印象を残している。製作は初めて聞く所だが、2クールを通じて安定した作画を提供してくれた。
声優:出演者は多いものの、それほど声優売りを意識したラインナップにはなっていない印象。むしろスタッフの過去作つながりのキャストもいて、小清水亜美の二面性キャラなど監督の意向が強く出たキャスト陣という感じを受ける。
魅力:本来主人公であるはずのアロウが霞んでしまうくらい、周りのキャラたちの個性が強く、「信念」がキーワードなくらいなので我を押し通すキャラばかりなのは、他には無い特徴ではある一方でうるさくもあった。
主題歌:OP「dawn」(LiSA)(4.7)、「鼓動」(藍井エイル)(4.7)、ED「セカイノハテ」(斉藤朱夏)(3.7)、「United Sparrows」(FLOW)(4.7)。SACRA MUSICの大御所が集まった主題歌陣で、歌もおしなべて良い。OPは鬼滅で人気に火のついたLiSAとここ最近外れの無いエイルのタッグで共に躍動感のある楽曲。EDは毎回の盛り上がりを上手くクールダウンさせるややスローテンポな楽曲が揃った。特にFLOWは彼らにしては珍しいバラード寄りの曲。
劇中音:戦闘ももちろんだが、様々なことに大げさで派手やかなので、それに見合ったBGMや効果音で割とノイジーに描かれていた。

「ゾンビランド・サガ リベンジ」(AT-X/BS11 全12話 原作:広報広聴課ゾンビ係(オリジナル) 製作:MAPPA)
(4.5, 4.4, 4.2, 4.5, 4.1, 4.2, 4.0, 4.3; 34.2pt)
 ゾンビでありながら地道なアイドル活動を続け、ローカルアイドルとしての地位を築くに至ったフランシュシュだったが、功を焦った巽幸太郎(宮野真守)の強権でスタジアムライブという暴挙に及び失敗、多額の借金を抱えてしまう。正体を隠して地道にバイトに精を出すフランシュシュの面々が、失意に不貞腐れる幸太郎のやる気を取り戻させ、再びアイドルとして輝く道のりを描いたゾンビアイドルサクセスロードコメディ。
 個人的には1期を切り捨てて激しく後悔した超展開人気ゾンビコメディの2期。2期開始に向けて様々に組まれた特番などで期待値が跳ね上がり、2期でも再びの超展開の連続で息つく暇もなかった。8話以降はなぜ佐賀か?に切り込んで物語の本質に突っ込み、終盤は災害復興からのリベンジライブで、特にCMをカットしてまでフル尺に拘った最終話のライブ4曲は様々な難局を乗り越えての達成にじわりと来るものがあった。
物語:ギャグ中心の前半はフランシュシュとしてまとまりがある分、ともすれば安定感が面白みを削ぐ恐れもあった。しかし終盤に向けてのカタルシスは大きく、集大成はライブの成功という結果につながる見事な展開。
世界観:佐賀に拘る強みはやはり前半のギャグ展開の中では弱く、急展開となった佐賀事変(8話)以降で価値を大きくした。そしてやはりライブの感動が大きい。盛り上がりにリアリティすら感じた。リアルではライブで盛り上がれないせいもあるかもしれない。
人物:7号(花澤香菜)という飛び道具も登場したが、基本的には様々な苦悩を乗り越えたフランシュシュの結束の強さが印象的で安心感を与えた。
作画:今をときめくMAPPAによる高品質の作画安定感は強み。特に今期は幸太郎不在が多発したゆえに頻発した不十分なメイク差分もしっかり描かれていた。
声優:先の7号やホワイト竜(白竜)などのゲスト声優はいたが、新キャラは殆ど無く、基本的には1期と同じ。
魅力:最終話のライブも含めて、輝いているときのフランシュシュはそれはもう魅力十分。とはいえ魅力的要素も含めてゾンビ時との差分まできっちり描かれているのも面白い。
主題歌:OP「大河よ共に泣いてくれ」(4.2)、ED「夢を手に、戻れる場所もない日々を」(3.7)(共にフランシュシュ(源さくら(本渡楓)、二階堂サキ(田野アサミ)、水野愛(種田梨沙)、紺野純子(河瀬茉希)、ゆうぎり(衣川里佳)、星川リリィ(田中美海))。OPは前作同様またどこか昭和感を醸し出す前時代的なアイドルグループの楽曲という感じだが、盛り上がりは十分。EDはバラードよりの落ち着いた楽曲。
劇中音:とにかく最終話のライブシーンが完璧で、それまで特筆すべきこともなかったこの項目の評価を一変させた。

「Vivy~Fluorite Eye’s Song~」(BS11/HBC/AT-X 全13話 オリジナル 製作:WIT STUDIO)
(4.4, 4.3, 4.3, 4.3, 4.2, 4.1, 4.2, 4.3; 34.1pt)
 AI技術が発達した未来で、自律人型AIとして、「歌でみんなを幸せにする」ことを使命として日々人のいないステージに立つVivy(種崎敦美)だが、ある日突如サポートナビのハッキングを受ける。未来から来たと言うマツモト(福山潤)と名乗るAIはVivyに100年後のAI暴走阻止の協力を求める。半ば強引に暗殺されるはずの議員の救出に協力させられたVivyが、何十年か毎に訪れる転換点(シンギュラリティポイント)でマツモトと共闘してAI暴走の未来を変えるため活躍するロングタイムヒューマノイドAIファンタジー。
 こちらもHBCでの放送が直前にわかって視聴リストに加えた作品。しかし1話からSF戦闘アクションに魅入り、長い未来に向けての壮大な展開を期待させる始まりに即座に視聴を決めた。その期待に応え、回を追うごとに面白さを増し、今期の中でも一番続きが見たいと思える作品だった。AIゆえに乏しい感情が、100年の大立ち回りを経て、有り得なかった作曲という個の表現に至るヒューマンカタルシス展開も大きく惹き付ける要素だったと思う。
物語:訪れる各転換点での他のAIなどを巻き込んだ事件性の強いストーリーが大胆に展開され、かつ個別の事件だけでなく時を超えたつながりをも考慮した緻密な構成。そこに音楽を組込んでさらに深みを増している。
世界観:未来の発展した姿をそれらしく描いた作品は、映画とかを除けばかなり久しぶりではなかろうか。AIだけでなく世界ごと発展しているという点で違和感無く見られた。
人物:AIの存在が正負様々に人間にも影響を与えていることが、松本博士(子安武人)や垣谷ユウゴ(新垣樽助)の行動に現れている。またAIたちの行動も感情豊かに思えるほどに振る舞っている。
作画:機械らしいぎこちなさを若干残しつつも、良く動く戦闘シーンには魅入られた。さすがWIT STUDIOといったところか。
声優:割と個性的で人気も高い声優が揃っているが、それすら分からないくらい、物語自体で魅せている。とはいえ、オフィーリア(日高里菜)がアントニオ(小山力也)に乗っ取られるシーンは声の演技にゾクゾクした。
魅力:Diva(Vivy停止中:種崎敦美)やグレイス(日笠陽子)など、AIたちの意志の強さが格好良く描かれている所に、普段とは違う魅力を感じる。
主題歌:OP「Sing My Pleasure」(Vivy(Vo.八木海莉)) (4.7)、ED「Fluorite Eye’s Song」(Instrumental ※最終話のみVivy(Vo.八木海莉))(3.7) 。OPが初めて流れたときの衝撃に圧倒された。とにかくセンスに溢れたサウンドであり、物語ともシンクロし、AIが歌い手であることも意識した楽曲の作りになっている。EDは最終話に歌詞がつくサプライズが前提であり、歌詞付きの楽曲としてはハイセンスであるが、ここでの評価はインストとしてのもの。
劇中音:Vivyが歌うAIであることを強く意識した作りになっており、各所で流れる挿入歌も出来のいいものばかりだった。

「聖女の魔力は万能です」(AT-X/BS11 全12話 原作:橘由華 製作:diomedea)
(4.3, 4.3, 4.2, 4.3, 4.1, 4.4, 4.4, 4.1; 34.1pt)
 ワーカホリックな女性会社員の小鳥遊聖/セイ(石川由依)はある日、突如異世界に召還されてしまう。そこにはもう一人召還者がいて、セイより若いその娘ばかりが注目され、付属品扱いでロクな扱いを受けなかったセイは下野し、興味のあった植物の研究機関に雇ってもらう。気ままな研究所生活を送るセイだったが、その隠された実力は並外れた速度の回復薬作りに始まり、瀕死の騎士たちの驚異的な回復によって再び聖女としての資質が露わになっていく。そんなお気楽でありつつも波瀾万丈な聖女の転生生活を描いた異世界ヒーリング魔力ファンタジー。
 実は今期で最初にこれはいいと思った作品がこれ。男色系(乙女系)要素が多分にある点でははめふらに近い部分もあり元々の期待も高かったが、転生直後の雑な扱いもあって主人公の割り切りの良さがいい感じにギャグっぽく描かれていて見やすく、また次第に恋心を寄せていく騎士団長アルベルト(櫻井孝洋)への想いは、魔力発動の重要な鍵ともなるのだが、慣れない恋心を意識する様子が初々しくてこそばゆく、そういった意味でも飽きること無く楽しめたと思う。
物語:一旦正規ルート(聖女の役割)を外れたことでセイの自由気ままな研究生活が楽しく描かれていた一方で、好き放題やった結果本来の力を露見させてしまうという因果応報的な所もまた面白い。
世界観:転生世界は牧歌的な雰囲気が強く、敵も意志のない魔獣や魔物であり、人間とそれ以外という分かりやすい構図。
人物:様々な活躍もあって、セイを見守る周りの目は基本的に温かい。その点で悪人にあたる人物はおらず、人間関係は平和そのもの。
作画:セイのメガネだったり薬草の描き分け、また各キャラの気持ちの変化などを、繊細に描いている点は関心が持てる。
声優:最近の人気も抑えておりそこそこ無難なキャスト陣といった印象。他作品での個性の強いキャラの印象が強いせいか、ヨハン(江口拓也)やユーリ(小林裕介)などは中の人とイメージがかなり違っていて面白い。
魅力:全体的に美しいキャラデザもそうだが、コミカルな動きも含めたさりげない仕草、繊細な心情の変化など、随所に魅力溢れる描写が見られる。
主題歌:OP「Blessing」(結城アイラ) (4.8)、ED「Page for Tomorrow」(NOW ON AIR)(3.9)。OPは全幅の信頼がおける結城アイラ。歌声含めて作品の雰囲気にもぴったりな見事なバラード。歌とは関係ないが唯一残念なのはOP最後のタイトル出力が雑すぎること。EDも結城アイラが監修しており楽曲の雰囲気は作品に合っている。歌い手のNOW ON AIRは残念ながら活動終了してしまうようで。
劇中音:コミカルなBGMと魔力の大きさと美しさを兼ね備えたオーケストリックなBGMなどが印象的。

「転生したらスライムだった件 外伝 転スラ日記」(BS11/TVH/AT-X 全12話 原作:柴・伏瀬・みっつばー 製作:エイトビット)
(4.2, 4.3, 4.4, 4.3, 4.2, 4.4, 4.1, 4.1; 34.0pt)
 前世で通り魔により殺害され、異世界でスライムに転生したリムル(岡咲美保)が仲間を増やして建国したジュラ=テンペスト連邦国。国を作るまでにはいろいろあったけれど、同じくらい日常の出来事もたくさんあったので、それを日記に綴るという体で送る「転生したらスライムだった件」の別の一面を描いた異世界転生日常コメディ。
 転スラ自体がスケールの大きさに収まり切らない様々な要素を持った作品であり、ある意味スピンオフが出るのも当然。そのうち日常的要素を詰め込んだのが本作で、本編自体も少なからずコメディ要素が存在していることもあって、スピンオフ化にあたっても本編の雰囲気を削ぐこと無く、転スラなら有り得る日常として違和感なく描けている。
物語:如何せん動乱的要素を省いて日常中心に描いているため、ストーリー的な部分ではどうしても本編にかなわないが、季節のイベントを取り込むことでジュラならではの1年を感じることが出来た。
世界観:ジュラの民に人間界での四季のイベントをやらせるとどうなるかという描き方で上手く差別化を計りつつ、平和的な日常を雰囲気たっぷりに描いていた。
人物:各キャラのリムルへの依存度が、コミカル要素が強い分本編より強調されていて、やや暴走気味なところも含めて個性の強さが発揮されていた。
作画:製作は本編と同じエイトビットなのだけど、スピンオフコメディを強く意識してか、全体的に表情が柔和で本編との差別化が明瞭。
声優:ここは本編と変わらない所。平和な日常が描かれているだけに台詞回しもどことなく楽しげ。
魅力:スピンオフなだけに、各キャラとも毒気が抜け、リムルも含めた(!)可愛らしさとコミカルさが強調されている。
主題歌:OP「Brand New Diary」(熊田茜音)(3.9)、ED「カモナ・テンペスト」(リムル(岡咲美保)、大賢者(豊口めぐみ)、ヴェルドラ(前野智昭)、シュナ(千本木彩花)、シオン(M・A・O)、ランガ(小林親弘)、ゴブタ(泊明日菜))(4.2)。OPは躍動感のある楽しい雰囲気の楽曲。EDはコメディ作品ならではの各キャラたちによる賑やかで騒がしい楽曲。これとは別にリムルの歌うソロ曲も何度かかかった。
劇中音:本作ではリムルの受難的要素も多く、効果音もそういった方向に寄っている。またイベントシーンが多く、BGMも多岐に渡っている。

「スーパーカブ」(AT-X/BS11 全12話 原作:トネ・コーケン 製作:スタジオKAI)
(4.3, 4.3, 4.1, 4.4, 4.0, 4.4, 4.1, 4.1; 33.7pt)
 両親もなく辺境の集合住宅で寂しい1人暮らしを送る小熊(夜道雪)。毎日長く高低差のある坂道を自転車で通学することに苦痛を覚えていた小熊は、たまたま立ち寄ったバイクショップで古いスーパーカブを目にする。聞けば曰く付きの事故物件だったが、安く手に入れられるとあって免許取得後に購入を決める。それを機に、スーパーカブのある生活へと変わった小熊の日常の変化を描いた原付スクールライフグラフィティ。
 バイクものの作品は過去にも何作かあったが、バイクそのものに対する扱いがいまいちであまり評判のいいものはなかった。ただ、本作はバイク自体に焦点をあてて、バイクを手に入れたことで変わる日常、変わる思いを、コメディ要素も排して真正面から描いている所に、他には無いこだわりを感じられる。フィクションとはいえバイクに関してだけは本田技研の監修を受けてリアルを追求している点も好感が持て、一時は今期の個人的期待最上位に上がったほど。
物語:バイクが生活の手段になることによる生活様式や心情の変化を繊細に描いている。日常だけどコメディではない所は製作のこだわりを感じる。
世界観:前期にゆるキャンがあったので山梨の風景は比較してしまいがちだが、ありがちな日常を描くという点では十分な風景描写だったと言える。
人物:主人公の感情があまり表に出ない分、ちょっとした喜怒哀楽がわかりやすい気持ちの変化として表現されているのだが、他キャラ含め回が進むにつれやや暴走気味になるのは、バイクというマウント要素を手に入れて気持ちが大きくなっていることの現れなのかもしれないが、あまり好印象とはいえない部分も正直あった。
作画:性格設定上表情変化が乏しいのは差し引いて、細かい所に手が届くような繊細な描写が全体的に描かれていた。
声優:小熊役の夜道さんは初めて聞く名前で経歴(バイク歴)もあっての登板のようです。他全体的には小粒な印象で、個人的には椎役の日岡さんの声を聞く機会が増えて来たのがちょっと嬉しい。
魅力:可愛い担当は椎(日岡なつみ)がほぼ受け持っているが、小熊など、割と無表情な中にも細かな変化が可愛らしいと思える部分もある。
主題歌:OP「まほうのかぜ」(熊田茜音)(4.0)、ED「春への伝言」(小熊(夜道雪)、礼子(七瀬彩夏)、恵庭椎(日岡なつみ))(4.2)。OPはスローテンポではあるがバイクがテーマ故かギターリフが効いている印象。熊田さんは今期2曲だがそれぞれ雰囲気が大きく違う。EDは主演3人のキャラソンだが、落ち着いた優しい雰囲気の楽曲で心地よい聞き応え。
劇中音:雰囲気アニメな要素が強く、環境音に結構なこだわりを感じられる。もちろん本田技研の監修も受けておりバイクの音などのリアルさは十分。

「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」(AT-X/BS11 全13話 原作:しめさば 製作:Project No.9)
(4.2, 4.2, 4.2, 4.2, 4.0, 4.3, 4.0, 4.0; 33.1pt)
 会社の上司の女性に長年の片思いをしていた若手会社員の吉田(興津和幸)は、思い切って告白するが玉砕、腹いせのやけ酒で深酔いした帰り道、道端に座り込む女子高生・沙優(市ノ瀬加那)に不覚なまま声をかけ、不用意に「家来るか」と言ってしまいその女子高生を泊めてしまう。朝起きて状況に驚く吉田に沙優は家出していることを打ち明けるが、話を聞くほど放置するのは危険だと保護欲を搔き立てられた吉田は建前上家事を条件として居候を認めてしまう。そうして出来上がったサラリーマンと女子高生のいけなくも微妙な同居生活を描いた疑似家庭同居ラブコメ。
 タイトルのインパクトもあって、原作小説は圧倒的存在感を有している(読んではいないが)。親との関係悪化が原因とはいえ家出少女の匿いという非合法をそれと分かって(作中でも犯罪だと明言)描いていることに驚きを禁じ得なかったが、ただならぬ理由を抱えていることを匂わせ、それまで体を売って来たこともあって沙優自身の身の危険も伴うなどハラハラする展開で、本当は弱々しい沙優の姿もあって目が離せなかった。一方で吉田を巡るラブコメ要素は、結びつかないことが明らかな沙優が挟まることで告白が何故か説得にすり替わるなど滑っており、こちらは上手い表現だったとは言い難い。
物語:沙優の存在や吉田を巡る恋模様など女性たちの挙動に目がいきがちだが、本質は吉田の親心だったり正義感からくる実直な態度を好意的に受け止められるかが鍵。そこを見失ったり否定すると設定のぶっ飛び感についていけなくなる。
世界観:正直犯罪行為を描いているこの物語をどう正当化出来るか考えながらの視聴だったが、そのことで逆に深く物語(心理)を読み解くことにつながっている面はある。
人物:本来人はそういうものかもしれないが、善人でも非合法なことをしたり、性悪だけど実はなりきれないという中途半端な立場、性格のキャラばかりな気がする。
作画:日常風景に収まる範囲での物語展開なので、違和感がなければ作画としては十分。あと、沙優は確かに可愛いが、ヴィジュアル的には萌え的要素のそれとは違う。
声優:これと言って注目の声優はおらず、あまり声優売りを意識した配役にはなってない印象。
魅力:沙優も含めて吉田への想いのベクトルが向いており、女性陣のアピール力は結構強く、魅力を振りまくシーンもちらほら。
主題歌:OP「おもいでしりとり」(DIALOGUE+)(4.2)、ED「Plastic Smile」(石原夏織)(3.8)。OPは。今期は声優グループの初主題歌楽曲が多いが、その中でも曲としての完成度は高い方。EDは吉田と出会って知った沙優の淡い気持ちを歌った楽曲だが、メロディの寂しさは中の人つながりで三島柚葉(石原夏織)の実らない想いの辛さを表しているようにも思える。
劇中音:関係性以外は普通の日常生活なので、特筆すべき音の効果はない。

「シャドーハウス」(BS11/AT-X 全13話 原作:ソウマトウ 製作:CloverWorks)
(4.1, 4.4, 4.0, 4.2, 4.1, 4.0, 3.9, 4.0; 32.7pt)
 すすにまみれた環境に住まうせいか、顔が黒いすすに覆われた「シャドー」と呼ばれる存在の貴族風情が暮らす断崖の屋敷。そのシャドーには表情を肩代わりする「生き人形」が世話係として充てがわれ、シャドーと生き人形は関係を深めることが要求される。そんなシャドーの若い娘ケイト(鬼頭明里)にも生き人形が与えられ、ケイトはその人形にエミリコ(篠原侑)と名付ける。エミリコはドジが多く要領も悪かったが、ケイトはそんなエミリコでも大事にし、エミリコはケイトに全幅の信頼を寄せる。そんな2人の関係性とともに、館やシャドー一族の秘密に迫るブラックノーブルミステリー。
 独特の設定が特徴的な本作は、中世の貴族風習をベースに、きつい上下関係を描いており、圧政をも思わせる。それだけ雰囲気作りにはこだわりがあるようで、黒いすすも炭鉱のイメージから来るものと思われ、屋外の描写ではたまに掘削などそれらしい描写も見られるが話の主軸ではなく、すすに覆われた人?という描写で、この世のものとは隔離された世界という描写につながっている。謎多き世界でホラー要素もあり、視聴者を惹き付ける要素は十分だったと思うが、表情を捨てた分キャラたちの気持ちを汲み取りにくかった所があったかもしれない。
物語:独特の雰囲気を持った個性的な物語展開ではあったが、ケイトとエミリコの関係性醸成と仲間紹介にやや時間をかけすぎた印象で、中盤のお披露目も間延び感を禁じ得なかった。もう少しシャドー一族の秘密に迫ってほしかったかも。
世界観:黒すすに覆われたシャドー一族という独特の存在感が大きい。中世欧州のゴシック的な雰囲気も作品の独自感につながっている。
人物:ケイトとエミリコ以外はシャドーと生き人形に同じ声優を充てがうなど表裏一体の印象を与えようとしていたが、実際の関係性は生き人形がシャドーの意図を完全に汲んでるとは言い難く、単純にキャラが増えて心情を読み取りにくくなったように感じてしまった。
作画:シャドーたちは表情を描けない分ちょっとした動きも繊細に描くことで少しでも躍動感につながるよう工夫していた。その分エミリコを中心に生き人形側は表情豊かな描写となっていた。ただ全体的な黒い描写は重たい空気を感じずにはいられない。
声優:女性陣は申し分ないが、男性陣はあまり聞かない名前ばかりでバランスの悪さも気になる。純粋な悪役の羽多野さんは珍しいかも。
魅力:この作品における黒の描写がいい方向に作用していないのが気がかり。シャドーたちの表情は読み取れないし、すすに覆われた世界というイメージも悪い。
主題歌:OP「a hollow shadow」(Instrumental)(3.7)、ED「ないない」(ReONa)(4.0)。OPは雰囲気のあるインスト。インストを主題歌に持ってくる大胆さは買いたい。EDはダークな雰囲気の中に疾走感のある楽曲だが、作中に殊更に疾走感を煽るようなシーンは見当たらないし、何かが「ない」ようにも感じられないので、正直作品との相性は悪いのでは?
劇中音:中世ゴシックとくれば音楽面でもバロック調など印象的な曲調があったりするものだが、そこまで特筆すべき音楽性は感じられなかった。

「戦闘員、派遣します。」(AT-X/BS日テレ 全12話 原作:暁なつめ 製作:J.C.STAFF)
(4.0, 4.1, 3.8, 4.2, 4.1, 4.3, 4.1, 4.1; 32.7pt)
 悪の組織を名乗る秘密結社キサラギに所属するヒラの戦闘員6号(白井悠介)は、社の方針による宇宙侵略の第1号として、美少女型アンドロイドのキサラギ=アリス(富田美憂)と共に見知らぬ惑星に転送される。転送先の惑星では人類と魔王軍が抗争を繰り広げており、持ち前の悪巧みでこれに介入し、ちゃっかり惑星侵略を目論む悪徳会社惑星侵略コメディ。
 正直に言います。声優ホイホイです。美憂たん目当てです(爆)。それはそれとして、物語としては、主人公が悪の組織なので考え方が悪人のそれになっていて、清々しいまでの下衆っぷりにむしろ面白くなっていたのが意外。人類(善)と魔族(悪)の構図のはずなのに、6号たちが介入することで善悪の基準が混乱してわけ分からなくなってますが、コメディとしては大いにあり。評価と関係ないですが、連動ラジオで美憂たんがどんどんバカっぽくなっていくのも面白かったです。
物語:物語としては正直雑で、6号たちはやりたい放題なのだけど、その分ダメージや不条理も受けていたりして、やられ感的には3者のバランスが意外にも取れている。
世界観:あまり宇宙的描写が無く、別の惑星と言われてもピンと来ない。転生とかしてないが、異世界と考えてもおかしくはないのかも。
人物:主人公に限らず登場人物の大体が考え方が下衆。コメディだから通じるがよくもここまで貶め合えるなとむしろ感心。
作画:女性キャラはみな基本的に可愛く描かれているが、その分惑星(背景)描写にリソースが割かれていない感じ(求められてもいないが)。可愛いと言えばラッセル(伊藤美来)もだが、男の娘ゆえ最後はネタにされるという不幸も(笑)。
声優:富田美憂の存在感が大きくなる程度のキャスト陣。
魅力:女性キャラの多さで露骨に魅力稼ぎをしている感じ。それすらも下衆どもゆえ許されることか。
主題歌:OP「No.6」(伊藤美来)(3.9)、ED「HOME SWEET HOME」(アリス(富田美憂)、スノウ(菊池紗矢香)、ロゼ(村上奈津実)、グリム(高橋ミナミ))(4.2)。OPはタイトルだけしか関係していないように思えるが、まぁ作風には沿った明るい楽曲。EDはこの作品のどこにホーム感があったか分からんが、さんざん暴れ回った本編を忘れさせてくれるような凄く優しい楽曲。
劇中音:戦闘中はそれらしい爆破音とかいろいろノイジーだったが印象としてはその程度で、やっぱり一番の印象は「悪行ポイントが加算されました。」(大久保瑠美)かな。

「結城友奈は勇者である ちゅるっと」(HBC 全12話 原作:Project 2H 製作:DMM.futureworks/ダブトゥーンスタジオ)
(3.9, 4.1, 4.1, 4.0, 4.3, 4.3, 3.7, 4.0; 32.4pt)
 神樹の危機をうけ、それぞれの時代で活躍する勇者、巫女たちが呼び寄せられた大所帯の讃州中学勇者部で、勇者部うどんの開発を巡って繰り広げられる様々なギャグエピソードを描いた神樹世界うどんコメディ。
 スマホゲームの「ゆゆゆい」での各地各年代の勇者が集まった状態の展開をベースにしているので、「結城友奈」本編とのつながりは見出しにくいが、多方面に展開しているそれぞれの「勇者である。」シリーズのキャラによるシュールなギャグという見方であれば面白さを感じられるだろう。各勇者シリーズのキャラを全部覚えれば面白さも増すだろうが、将来のアニメ化も保証されない中、そこを頑張っても仕方ないかな。

「バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!」(HTB 全12話 原案:林宏樹 製作:セブン)
(4.0, 4.1, 4.0, 4.2, 4.2, 4.1, 3.7, 4.0; 32.3pt)
 太陽系全域に居住区を広げた近未来の人類は、各コロニーから集まったアスリートたちが競う大運動会に熱狂していた。地球代表として参加する明星かなた(諸星すみれ)を含めた多くのアスリートたちが、裏に潜む陰謀も知らずに実力を試される激動の大運動会に臨む様子を描いたスペースワールドスポーツバトル。
 最近流行の旧作リメイクの1つ。旧作は見ていないので話がトレースされているかは分からないが、陰謀が渦巻きまともに運動会が成立していないのは多分当時と同じ。視聴したのはやはり声優きっかけ(隠しダンジョンに続く富田・鬼頭W出演)だが、結果的にサポートに徹する形に終始したので、他も含めてキャラクター、物語ともたいした印象は残っていない。

「イジらないで長瀞さん」(BS11 全12話 原作:ナナシ 製作:テレコム・アニメーションフィルム)
(3.8, 4.0, 3.7, 3.9, 4.1, 4.0, 4.2, 4.0; 31.7pt)
 引っ込み思案でオタク気質のセンパイ(山下大輝)は、隠し持っていた自作の漫画を、派手で柄の悪い女子グループに見られてしまう。酷い笑われようにふさぎ込むセンパイのもとに現れた女子グループの1人長瀞さん(上坂すみれ)は、励ますどころか追い討ちをかけるようにイジってナジってきた。思わず泣いて逃げ出すセンパイのことが何となく気になった長瀞さんが、その後も執拗にセンパイをからかいイジり倒す倒錯系ラブコメ。
 初見の印象がイジメそのものでまずダメだった。かと思えば2話以降長瀞さんがデレ始めるものキャラぶれ感が強くやはりマイナス要素。かと思えばイジメ的接触は友人たちに移行するのでこれもキツい。なよなよしいセンパイのひたすらやられる描写も(中の人が同時期にデク(ヒロアカ)をやっていることもあって)見ていて痛々しく、見続けても印象が好転することがなかった。良かったのは上坂すみれの主題歌くらいで、これが人気の理由が分からず、とにかく肌に合わなかった。

「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」(AT-X/BS11 全12話 原案:二丸修一 製作:動画工房)
(3.6, 3.8, 3.7, 4.3, 4.2, 4.2, 3.9, 3.9; 31.6pt)
 現役JKの受賞作家である可知白草(佐倉綾音)に告白したが振られた実は天才子役であることを隠している丸末晴(松岡禎丞)を見かねた幼なじみの志田黒羽(水瀬いのり)は復讐を持ちかける。その場となった文化祭の演劇ステージで告白の機会を得た末晴は、実は想いを寄せている白草のことを知ってて敢えて振り、ずっと末晴を好きと公言して来た黒羽に衆目の前で告白するが今度は黒羽がそれを振ってしまう。大混乱に陥った三角関係に子役時代の妹分であった桃坂真里愛(大西沙織)も絡んで先の見えない恋愛関係を描いたパラドックスラブコメ。
 「幼なじみが絶対に負けない」とはどういうことか?と問いたださずにはいられないへんてこなストーリー。振り振られの駆け引きもさっぱり意味がわからないし、手の届かない才能の持ち主たちを手の届かない人気声優たちが演じるという、人気だけに頼ったようにしか見えない駄作。こんなくだらないアニメの製作を任された動画工房もついてないと思っていたが、やる気がなかったのか、作画も動画工房にあるまじきお粗末さ。特にへんてこな踊りにしか見えないダンスに心酔するという設定を与えられたキャラたちが可哀想。何から何まで上手くいかずに大コケしたアニメとしてのみ印象に残った。

「すばらしきこのせかい The Animation」(HBC 全12話 原作:ゲーム「すばらしきこのせかい It’s a Wonderful World」 製作:DOMERICA X シンエイアニメーション)
(3.8, 3.8, 3.9, 4.0, 4.0, 3.9, 3.7, 3.9; 31.0pt)
 シブヤの街で目を覚ましたネク(内山昂輝)は、自分の存在が周囲と異なることに気づく。異次元世界かつ「死神ゲーム」なるものに参加させられていることを、同じ境遇の少女シキ(鉢嶺杏奈)から聞き及び、協力してゲームの生き残りをかけてモンスターや死神との戦いに挑む異次元デスゲームファンタジー。
 後番の「ちゅるっと」と連動の録画だったため見る機会を得たアニメ。そしてこれも過去のリメイク作品。こちらは時代の経過を反映して今風にかなりアレンジされている。ただ作画は線太で美麗とは言い難く、バトルシーンも紙芝居感が強く凄みを感じられなかった。大して興味もなかったので内容も頭に入ってこなかった。

(旧)「ガリレイドンナ」(AT-X 全11話 原作:梅津泰臣・teamGD 製作:A-1 Pictures)
(4.0, 4.1, 3.9, 4.2, 4.1, 4.3, 3.8, 4.0; 32.4pt)
 近未来のイタリアに生活する星月(日高里菜)、神月(大久保瑠美)、葉月(真堂圭)のフェラーリ3姉妹はガリレオ・ガリレイの末裔だった。本人たちの知らない所で、ガリレオの遺産とされる「ガリレオテゾロ」の奪取を目論む組織に狙われ、さらには指名手配犯となって逃走の日々を過ごすことになる。星月の並外れた科学力と協力を申し出たアンナ(井上麻里奈)の手助けを受けて遺産を探しながら自分たちの助かる道を探して世界を旅するシークアドベンチャーバトルファンタジー。
 星月のあどけない表情の印象が強く、気になっていた作品。あまり意識していなかったが、北海道で見られなくなった時代のノイタミナ作品だった。ガリレオの遺産を巡る争いという設定はなかなか面白く、星月の作った飛翔体グランデロッソ(久野美咲)の機体や装備にも興味がわいたが、息も合わない3姉妹で跳ね返すにはあまりに大きい包囲網を突破してしまうような御都合主義がちょっといただけない。11話というノイタミナの制約もあったのだろうが、最終話での畳み方も急場感を否めない。もう少し上手く構成出来ればさらに面白くなったかもしれない。

# by mfbox | 2021-07-18 18:50 | オタクゴタク(語託) | Comments(0)